さよならジョジョ先生―改稿版―   作:パラレル。

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第六話 『秒速の天使《ミニット・エンジェル》』と『ウォーアイニー』その②

午後1時5分。場所は食堂。

承太郎が糸色望と相手しているとき、そこで徐倫たちは食事を取っていた。

 

 

「くう~~~~~。うまああああい。さすがに並んだ甲斐はあったわぁ、この牛丼」

「徐倫はすげーよなぁ、和食を優雅に食えるなんてよぉ、あたしゃあさすがに無理だ、まだ慣れてねぇ。で、どうよアナスイそのカツ丼」

「ああ、『日本独特の味』と俺のアメリカンの舌が拒絶反応を起こして味を相殺してるから何とも言えない。が、今のうちに舌を慣れさせないと徐倫と結婚した際、日本食を食べる機会があったらたまったもんじゃねえからな」

「もしかしてそのために頼んだの?」

 

 

父親が日本人のためか牛丼を食べて、満足そうな徐倫。

まだ日本食に慣れてないエルメェスはシンプルにチキンライス、エンポリオはカレー、アナスイは徐倫との将来のためにカツ丼にトライしている。

別に無理をしなくてもいいのでは。

 

 

ちなみに、この食堂は最近出来たらしい。

風の噂では、座敷わらしがこの学校にいて、そのおかげかお金がどんどん入るようになって、知らず知らずの内に資金が有り余る程になったので、この学校の理事長が「この際だから食堂でもつくるか」と提案して今に至るらしい。詳細は最中ではないが。

後、和食と洋食合わせて100種類以上あって、食堂マニアには打って付けの場所だ。

閑話休題。

 

 

 

 

「そういえば父さん遅いなあ、ちゃちゃっと『時を止めて』トドメさせばいいのに」

「何でもかんでも『時を止めて』物事を解決したら、話が破綻するぞ徐倫」

「裏の情報聞き出すのに手間取っているんだよ。きっと」

 

 

5分が過ぎても一向に来ない承太郎に心配する徐倫。望と一悶着した承太郎をここで合流するつもりの徐倫たち。

彼女の発言につっこむアナスイ。色々とあるだろうと予想するエンポリオ。エルメェスはチキンライスを食べることに夢中で話に参加してない。

ちなみに、徐倫とアナスイが言ったとおり、承太郎には『時を止める』能力がある。

常に止められる時間は不規則で全盛期で5秒止めたと豪語している。それが最強と言われる理由の1つだ。

 

 

その最強が今、苦戦していることは彼らは知るよしもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻って、屋上。

承太郎は二人のスタンド使いと相手していた。

1人は自分が呼んだへ組の担任・糸色望。もう1人は自らのスタンドを“ウォーアイニー”と名乗った同じへ組の生徒。

出席番号25番、常月(つねつき)まといだ。

彼女はマークしていた6名の中の1名だが、予想外の登場に驚く承太郎。

どうやら後で、ではなく今すぐ戦わなければならないようだ。

 

 

「先生のことは大分前に知っていましたが、承太郎さん。まさかあなたが、そんな柄の悪い方なんて思いもしなかったです」

 

 

承太郎に話しながらもまといは両手にナイフを持ち、警戒を緩めない。

 

 

「それにあなた、その見た目で二十歳ほどの娘さんがいますねぇ。いったいあなたはおいくつなんですか?」

「・・・・・・・・・・・・。」(スタンドの像が視えなかった。まさか、エジプトで俺に化けた“クヌム神”のように本体と一体化してるのか?)

「もしもぉ~~~~~し。聞いてますか?無視ですか?」

「ああすまん、ちとばかし考え事をしていた。ちなみに、おまえの質問に対する答えは今年で42だ」

「えぇ!?私より年上なの!?」

 

 

まといのスタンドのことを考えていて、彼女の言葉を全く聞いていなかった承太郎。幸いにも最後の所だけ聞いていたため自分の歳を答えた。

承太郎は自覚してないが、彼は見た目大学卒業したばかりの若い兄ちゃんだ。実母も妬む若さだ。

二人とも実年齢を言われて驚く(望は特に)が、すぐに話題を変える。

 

 

「そういえば『考え事をしていた』と言いましたね。私のスタンドのことですか?」

「・・・・・。」

「図星ですか。ククッ」

 

 

完全にまといのペースだ。考えている事でさえ読まれてしまうほど承太郎は焦っている。

 

 

「ばらしてしまいますが、私のスタンドはこういうものです」

 

 

と彼女は言い、自分の手の甲を承太郎に見せた。

すると、そこにゆっくりと割とでかい目が出てきた。その目はまるでルクソールで会った“セト神”のようだった。

 

 

「そう、これがいわば私の“ウォーアイニー”の(ヴィジョン)。能力は私の体を『布に変える』。普段から先生のマントもしくは着物になって、共に行動していますわ。あなたがいらっしゃったきは、偶然能力を解いていたために、あなたに見つかってしまうとは、偶然とは怖いですねぇ」

「だけど常月さん、一緒にいる私は大迷惑ですが?」

 

 

自分から能力についてばらしまうまとい。自分の能力を喋る事は弱点を教えることになるので、決して人には言わないのが鉄則だ。

しかし、承太郎はそれを鵜呑みにしない。それを弱点と思わせて相手を不利にさせるかもしれないからである。

ちなみに相方の望は彼女の能力に迷惑がっていた。だって、自分の生活習慣を覗かれているからだ。

兎にも角にも、彼らが構えてから何分経ったか。数えるのもメンドくさい。

そんな時承太郎は言った。最も重要なことを。

 

 

「やる前に1ついいか?ずっと気になっていたことなんだ。てめーら、さっき俺が言ったこと聞いてたよな『裏で何してる』って、今すぐ答えろ!!」

 

 

承太郎たちがこの学校に来た理由の一つ、『学校側の不穏な動き』それを彼らに喋らす気だ。今すぐ!!

 

 

「「・・・・・。」」

「おいどうした?てめーらもだんまりかぁ?なぁ教えてくれよ。子供の頃、『刑事コロンボ』が好きだったせいか、気になることがあると夜も眠れねーんだ。俺につき纏われたくなかったらいうんだな」

「「・・・ッ!!・・・・。」」

 

 

さっきまでとは打って変わり、黙ってばかりの2人。

そこまで言わないとなるとますます怪しいと思った承太郎は警察沙汰ぎりぎりの嚇しをかけた。

ここまでの事を言われたら、さすがの2人もお手上げだ。

渋々閉じていた口を望は開いた。

 

 

「『いずれわかりますよ、いずれ』。あなたたちがへ組に居続ければ、直、分かりますよ・・・。心配しなくとも悪しき事はやってません。やっているのはただの『罪滅ぼし』ですから」

「先生・・・・・」

「そうか。もういい、分かった。それじゃあ始めるか」

 

 

これ以上は聞く必要はないだろうと、承太郎は打ち切った。

それは望のことを思ってのことなのか。それは彼にしか分からないことだろう。

 

 

午前1時7分、否、8分。

ようやく戦いが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

戦いが始まると共にヒラヒラと上空を舞う一枚の布、否“ウォーアイニー”。

それが承太郎の頭上にまで舞うと上半身だけ戻して彼を見下ろす。

 

 

「そうそう承太郎さん。言ってませんけど私って『掴んだもの』まで布にしちゃうんですぅ。こんな風にね!!」

 

 

そう言ってまといは、なにかを振り下ろす。それはッ!!

 

 

「・・・・ッ!!“電柱ッ”!!」

「そうですよッ!!食らいなさい!承太郎オオオオォォォォォさぁぁぁぁぁん!!!!」

 

 

まといは電柱を斧のように振り下ろす。

それを承太郎は“スタープラチナ”で軽々と折った。

バチチチチチチッと電柱の中のコードが漏電しながらそれは落ちた。と同時に。

 

 

ズシュウウウウウウウ

「なッ!!脚がッ!!」

「余所見をしてはいけませんよ」

 

 

承太郎の右脚から血が吹き出した!!やったのは“ミニット・エンジェル”の手刀。

まといに気をとられすぎてかれの奇襲に気づかなかった。

現在、望は承太郎と5メートルの間隔をあけ、まといは上空8メートルの所を舞っていた。

 

 

(ちっ、ヤローとコイツの相性ピッタリじゃねぇか。こうなったら・・・・)

 

 

2人のコンビネーションがすごくてこのままじゃあ負けると考えた承太郎がやることは一つ。それは!

 

 

ズドォオオオオオオーーーーーーーン!

(一番倒しやすい布っきれの方からやるッ!!)

(なッ!!脚を切られたのにここまでの跳躍をッ!!)

(な・・・なんていう応用力だ・・・・)

 

 

スタンドを使ってジャンプ!!承太郎とまといとの差はどうあがいても人間の力では届かない距離。

しかし、“スタープラチナ”のような豪快なパワーを持っているなら話は別。一気に差を縮める。

 

 

が、足りなかった!!!

 

 

(数メートル高さが足りなかったようですねぇ。結局は重力には逆らえない。布は風に舞うが、あなたは風に舞えない。仮に攻撃しても数発しか当てられない。落下したのを見てナイフで串刺ししてあげますよ)

 

 

いくら“スタープラチナ”でも重力の法則には逆らえない。

まといの思うとおり、このままいけば彼女の手、できなくても望の手によって再起不能になるのは間違いない!!

落ちる前にまといを再起不能しなければ、承太郎は確実に負けるッ!!

そんな承太郎はスタンドの右手の人差し指と中指をくっつけて構えた。そして叫んだ!!

 

 

流星指刺(スターフィンガー)!!!」ズギュウウウウウーーーン

  ドスッ!!

「くっ・・・かは・・・!?」

「2本の指が『伸びた』だとォォォォ!?」

 

 

構えた2本のスタンドの指がグーーーーーーンと伸び、まといの布の所を貫いた。それを見ていた望はもう驚くことしかできなかった。

 

 

「オラッ!!」ビリリリッ

 

 

貫いた指を右にズラし彼女を切り裂いた。

そのまま着地した承太郎は一人になった望の方へ向いた。

 

 

「これでてめー1人だ。よかったよかった」

「・・・・・」

 

 

まといの安否は確認せず、承太郎は依然黙ったままの望を見る。

相方を倒されて何も言えないだろうか。

 

 

「ククククククククククク」

「・・・・・!!!!」

 

 

いや、黙ってはいない。でも泣いてはいない。『笑っていやがるのだ』。

この男は笑っていやがるのだッ!!

 

 

承太郎がそんな風に笑う望に戦慄しているとふと脚にドスッと刺さる音と痛みがやって来た。

後ろ側の脚を見るとナイフが一本刺さっていた。

そのまま角度を上げると、彼女がいるのだ!!常月まといがッ!!

 

 

「承太郎さァん、私の能力をなめないでください」

 

 

倒したはずのまといが倒せていない。承太郎はそう思い後ろにいる彼女に猛烈なラッシュを与える。布に変わってから。

これだけじゃ倒せていないと承太郎は判断して、布を持ち、真っ二つに引き裂いた。

しかし、2つに裂いた布は暫くしてから1つに集合して元の彼女の姿に戻った。

 

 

「無駄ですよ承太郎さん、私にはスタンドパワーも射程距離もない代わりに素早く布に変わるスピード!どんな攻撃も耐えしのぐ耐久力!フフ、ハハ、理解できましたか?つまり!布になっている私には如何なることも通じないのですよ!!!」

「・・・・・」

 

 

まといが自身のスタンド能力に関して説明している際、それを聞きながら承太郎は精神を自分の記憶の中に入った。

自分のパワーが通じない、自分のスピード追い着けない。承太郎がそういう経験は三度したことがある。

 

 

一人目は25年前の旅が始まってすぐに襲った“タワーオブグレー”。

二人目はシンガポールで花京院に化けた“イエローテンパランス”。

最後に数ヶ月前に襲われた“ホワイトスネイク”

最後以外の連中はある点のミスにより敗北した。そしてそれは、今のまといにも当てはまるものだった。

 

 

「やれやれだぜ。頭のネジでも飛んじまったようだな。気付かねぇのか?てめーは今とんでもねぇミスを1つ犯してんだぜ」

 

 

承太郎の言ってることにまといや望は頭に疑問符をつける。どうやら二人は彼の言っていることが分かっていないようだ。自分たちが行った行動を思い返しても思いつく点は見つからなかった。

 

 

「先生ッ!!」

「ん?あ、はい」

 

 

考えても仕方ないのでまといは望にある合図を送った。

その合図によって望はスタンドで自分を後ろから抱えて浮いた状態にしてまといの所へ向かい、彼女はかれのマントになって一緒に彼の周りを回り続ける。

“ミニット・エンジェル”はその名の通りかなり速い。もうほとんどどれが残像かかれか分からなくなった。

しかも、徐々に間隔を狭めているのでより彼は追い詰められている。

 

 

「どうですか?これでも同じセリフが言えますか?ジョジョ?」

 

 

そう言い、まといは奇襲を始めた。望を踏み台にし、承太郎をナイフで切りつける。そしてまた望を踏み台にし、何度も何度も何度も切りつけた。

今の状態のまといなら“スタープラチナ”を叩き込めば、倒すことができる。だが、どこから襲ってくるか分からないため手の出しようがない。

いろんな所から血を流す承太郎はこんな状況の中で切られても表情は1つ・・・とても哀れむ表情だ。

 

 

「やれやれだぜ・・・・・自分というものは、自分ではなかなか分かりにくい、本当に気付いてないようだな。本当にラッキーだったのはこれまでだったと・・・これは使いたくはなかったんだが、やらざるを得ないな」

「は?何を言っ・・・・・ごふ」

「常月さん!?」

 

 

まといは承太郎の言ってることが依然分からず言い返そうとするが、そのまま仰向けに倒れてしまった。

望は彼女が急に倒れたんでびっくりして急停止した。

 

 

「そうだぜ。速度を落としな。どっちみちてめーは負けるからな」

「・・・・!!!」

 

 

自分の前にいるはずの彼がいつの間にか自分の後ろにいた。

かれは知らないが、彼は、とうとう使ってしまった。『時止め』を。

いくら速くても『止まっている世界』では、彼以外の物質は全て無防備状態だ。

反則極まりない能力のため使わないでおこうと思っていたが、彼女が自分を侮辱したので使った。

 

彼女が犯した決定的なミス、それは、自分の能力を過信し過ぎたことだ!!過信し過ぎて勝てる場面で勝てなかった。

彼はそう言いたかったのだ!!!

 

そして彼は“スタープラチナ”を全面的に出し、かれを威嚇するのだ。

 

 

「後、実はミスが2つある。もう1つはな・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ・・・・・・」

 

 

「オオォォォーーラァァァァッ!!!」ドッコォォォォォォォン!!!

「ぐごぉぉぉぉぉぉぉばびぃぃぃぃぃぃぃぃぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

ガッッッッッッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン

 

 

承太郎に殴られおもいっきりフェンスに激突する望。手加減してくれてるが殴る量があまりに多い。が、そんなことは彼はどうでもよかった。

 

 

「そう・・・てめーらのもう1つの敗因はもうこれしかない・・・極シンプルな答えだ・・・」

 

 

二人とも気絶しているのに彼は、承太郎は言い、徐倫たちのいる食堂へ向かうのであった。

 

 

「てめーらは俺を・・・・・『怒らせた』」

 

 

 

 

 

 

 

 

糸色望、常月まとい・・・・再起不能(リタイヤ)

 

※但し、午後の授業までには再起可能

 

 

 

To Be Continued・・・・・⇒

 

 

 

 

 

評価:A・・超スゴイ  B・・スゴイ  C・・人並み  D・・ニガテ  E・・超ニガテ

 

 

秒速の天使(ミニット・エンジェル)

 

本体名:糸色 望

 

【破壊力:B スピード:A 射程距離:C 持続力:A 精密動作性:B 成長性:A】

 

能力:不明  スタイル:近距離パワー型  分類:人型

 

 

・ウォーアイニー

 

本体名:常月 まとい

 

【破壊力:なし スピード:A 射程距離:なし 持続力:A 精密動作性:E 成長性:C】

 

能力:本体及び掴んだものを布化  スタイル:近距離操作型  分類:一体化型

 

 

 

 

 

次回予告

 

??? 『ああ・・・糸色先生』

 

望 『それでは授業を始めます』

 

??? 『愛しき先生・・・」

 

望 『いや何も』

 

??? 『あなたのためなら私は・・・』

 

徐倫 『ん?どうしたの?』

 

??? 『命も惜しくはありません』

 

徐倫 『何じゃこりゃああ!!』

 

??? 『あなたを傷つけた者たちを・・・』

 

徐倫 『来るなら・・・』

 

??? 『始末します!』

 

徐倫 『最後までとことん来いッ!!』

 

 

『第七話  ラヴマシーン』

 

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