シンデレラの奇妙な日々   作:ストレンジ.

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デレステSRロッキングメイド夏樹引くのに190連かかりました。


第16話『If I Weren't So Romantic,I'd Shoot You』(神谷奈緒の冒険③)

 

 およそ24時間ぶりに店の中に緊張が走る。どうかしてるぜ、昨日の今日で来るなんて。

「捕まえて早苗さん(ケーサツ)に突き出してやる!」

 昨日は夏樹さんにビビって慌てて逃げていったから、性懲りもなく現れたのはある意味ラッキーだ。

「威勢がいいなぁモフモフ太眉メイドさんよぉ! 昨日のあの金髪メイド(ブロンディー)が出払ってるのはわかってるんだぜ!? 半日この辺りを張り込んでいた甲斐があったってもんよ!」

ひどい奴(デンジャラス)』が嬉しそうに大声で言った。たしかこいつは眉毛フェチだとか言ってたやつだ。ああ、やだなぁ……って、いかん。萎えてる場合じゃない。

「会いたかった……安産型メイドさん。君の魅惑の腰回りに私は胸騒ぎの腰つきを余儀なくされるだろう……」

 比奈さん、由里子さんの座る6番テーブルの脇にいる志保さんのところへ近づきながら、静かに、でもハキハキと明瞭な声で大柄な優男(やさおとこ)が喋る。昨日いきなり志保さんに向かって堂々とアレなことを言っていた、『良い奴(ジェントル)』とか呼ばれてたやつだ。

「やはりあなたの腰つきはヴィーナスにも引けをとらない。初めて見たときから……うふふふふ……下品なんですが、その、うふふふふ……」

 

「それ以上の発言は慎んでもらおうかしら?」

 

 カウンターからフライパン片手に出てきたマスターが言った。口髭をたくわえたエキゾチックな顔から刺すような瞳が覗く。迫力はあるけど頭の中にあるいつものマスターの姿のイメージであまり怖いとは思わない。

「うるさいよマッチョマン! この俺の、セーフティ・ボーン・スウィート・ベイビー・レイディーへの愛の言霊(ことだま)を邪魔するんじゃないよ! あばら2、3本折るよ?」

「ハン! やって……」

『良い奴』の言葉にマスターは途中までそう言ってから──

「フンヌラバッ!」

 謎の叫びとともに持っていたフライパンを、グニャリ! 折り曲げて自らの筋力を見せつけた。

「……みなさいよ?」

 マスターは少し息を乱しながら『良い奴』の方を見た。男たちは最初こそ驚いた顔を見せたものの、すぐに笑顔に戻って馬鹿にするようにマスターを笑った。

「ハハハハハハ! とんだ怪力野郎だ。だがな、店長さんよ。オレたちにそんな筋力(モン)関係ねぇんだよ。信じられねぇだろうが、オレたちみんな『超能力者』だからなっ!」

『超能力』──スタンドのことだな。こいつら、スタンド使いであることを鼻にかけてるみたいだけど、夏樹さんに攻撃されて即逃げしてたから、こっちとしては都合がいいけど知らないんだ。あたしたちもスタンド使いなのを。

「いいか~? 嬢ちゃん並びにマッチョマン。超能力は超能力者にしか見えねぇんだ。つまりオマエらはオレたちのチカラがまったく見えねぇってこった。……この意味がわかるか?」

 ピーンと鋭く伸びる長鼻の頭を人差し指でかきながら『悪い奴』が、呼ばれている名前のように意地の悪そうな目つきであたしたちに訊いてきた。大きな勘違いをしてるとも知らずに……。

「へへへ……“やりたい放題”ってことだよ!」

 その言葉を合図に、『奴ら』が出てきた。ビデオカメラが頭になってる人型のスタンドが3体。同じスタンドが発現することもあるのだろうか。そして今日初めて会った4人目の男は未だなにも動きはない。でもこいつもスタンド使いではあるだろう。

「ああああああああっ興奮してきた! お嬢さん、おとなしくスカートの中を見せてごらん! イヤ? それなら太もも……それもダメならニーソックス……せめて靴だけでも! お願いだよぉうわあぁぁぁぁぁぁん!」

 懇願の叫びを上げて『良い奴』が突然土下座を始めた。床に何度も頭を打ちつけている。頭が痛い。土下座をしてるのはあいつなのに。

 

「違うねっ! 全部だ!」

 

 と思ったらいきなりそう言ってヤツのスタンドが襲いかかってきた! 志保さんに向かって一心不乱に由緒正しい、俗に言うルパンダイブの体勢だ。

 

 ──スコォンッ!

「あひんっ!?」

 しかし男のスタンドは頭から床に不時着して倒れた。なにか小さいものがビデオカメラ男の顔に当たったのが見えた。

「メイドさんの敵はアタシの敵ッスよ! おとなしくするッス!」

 志保さんのそばにいた比奈さんが、そう言って銃を構えてた。夏樹さんのスタンドが持ってたような古いタイプのやつではなく、映画でもゲームでもいちばんよく見かける見た目のやつだ。

「んごごっ……邪魔をしやがってメガネ女子! エアガンか、ガスガンか? どっちみちそんなもん持ち歩いてるんじゃあないっ!」

「おい『良い奴』、待ちな!」

 イライラしてる『良い奴』を制止して『悪い奴』が言った。

「撃たれたのはてめぇ自身じゃねぇ、能力の方だ! つーことはよ……」

「んがっ!? そうだ! テメェも……超能力者かメガネ女子!?」

 気づいた『良い奴』が鼻を押さえながら叫んだ。

「当たりッスよヘンタイさん。ケガしたくなかったらもう観念するッス!」

 銃を構えたまま油断なく男たちを警戒する比奈さん。いいなあ、カッコいい……。比奈さんも銃のスタンド能力なのか。

「ちぃっ! 金髪以外にもいたのか! 最初の標的はお前だメガネ女子!」

 続いて『悪い奴』のスタンドがぬらり、と躍り出て比奈さんに迫る。

「ユリユリーッ!」

「ガッテン!」

 比奈さんの声に由里子さんが応えると黒い塊が突然現れてビデオカメラ人間その2に突っ込んでいった。

「んごおおおぉぉっ!」

 空席の椅子やテーブル上のメニューを蹴散らしながら、スタンドごと『悪い奴』が突き飛ばされて床に叩きつけられた。

「志保ちゃんにつく悪い虫は容赦しないじぇ……」

 

 由里子さんの前に堂々と立ちはだかる黒い塊……。目の部分以外顔の上半分が隠された黒のマスク、上半身は裸で胴体に鎖が×の字に巻かれていて、下半身もレザーパンツを履いているみたいに身体の線が出ていて黒光りしている。かなりアヴァンギャルドな見た目の男だ。しかも体当たりで相手を吹っ飛ばせるほどのパワー持ち。どうやらこれが由里子さんのスタンドらしい。

 

「ぬぅ……なかなかのパワー、だが学生時代登山部でならしたこのワイルドボディは簡単には屈しない……ぞ……?」

 威勢のいいことを言ったと思ったら、急に歯切れが悪くなり、そして直後になぜか回れ右のような動きを繰り返して『悪い奴』はその場をグルグル回りだした。

「……!? お前ッ、俺になにをした!」

 回るのをやめると、今度は慌てて壁際に寄ってなにかをかばうように壁に背中をぎゅっと押し付けた。

「なんなんだ一体!? 『後ろが気になってしょうがない』ッ!!」

「『後ろが気になる』?」

「そうだ! 壁に寄りかかればマシになるが……背後になにもないと異様に『怖くなる』のだっ! おそらくあの太眉お嬢様の能力に触るとこうなるのだ! そうに違いない、だってアイツの能力に突き飛ばされる形で触れてしまったのはぼくら4人のうち今のところ我輩だけだもの! Q.E.D.(以上証明終了)気をつけろテメェら!」

「イエッサー!」

『悪い奴』が瞬時に予測をまくし立て、他の奴らも瞬時にそれを理解して返事する。あたしらにとって、なんて不必要な理解力なんだろう。太眉“メイド(店員)”呼びと“お嬢様(お客さん)”呼びであたしと由里子さんを区別してるのも腹立たしい。

「ダメなときはターゲットを変えるに限る! オアァァァァァッ!」

 由里子さんを狙うのを早々に諦めて、今度はあたしに向かって『良い奴』と『ひどい奴』のスタンドが走りだした。

「上等だよ、『ワン・ヴィジョン』!」

 スタンドを出して迎え撃つ。『上等だ』──こんなバトルマンガな台詞を実際に言う日が来るとは。言ってみたかった台詞でないこともなかったもんだから空気読めてないのは自覚してるけど感無量だ。

「えええええ!? お前もか太眉メイドォ!」

 あたしもスタンド使いであることに驚きながらもふたりのスタンドはひるむことなく突っ込んでくる。この人たち、ホントに夏樹さんさえいなければなんとかなると思ってたんだろう。ただひたすら向かって直接攻撃しようとするばかりだ。

 

「アタシのことも忘れないでエェッ!」

 

 そして急に響き渡るマスターの、なぜか嫉妬めいた甲高い声。次の瞬間、やつらのスタンドの足元に大量の『水』が飛んできた。

「んおっ! こらヒゲマッチョ! 水をかけるんじゃあ……ととととおぁっ!?」

 スッテーン! とふたりのスタンドが勢いよく転んだ。マスターへの注意の言葉も満足に言えずに、本体である『良い奴』と『ひどい奴』もその場で思いっきり転んだ。

「ンだこりゃ……ヌルヌルする! 気持ち悪ぃ……オイルか?」

「オイルよ。引火性はないから安心しなさい」

 あっさりマスターが答えた。

「このっ……んごぉ!」

「た、立てん!」

 スタンドが必死に立ち上がろうとする……が、すぐにまた滑って転んで床に横になる。それがフィードバックして本体のふたりもやっぱりまた倒れる。

「『ひどい奴』のダンナぁ! 俺たちの能力は普通のものからは干渉されないんじゃなかったかぁ!?」

「そうだよ……つまり、このオイルも能力だっ!」

「そういうことよん」

 マスターが涼しい顔でウインクして答えた。

「さあ、ユリユリ!」

「そいやぁ!」

 由里子さんのスタンドがすかさずオイルまみれのビデオカメラ人間に触れる。

「ふふふ……我がスタンド『バック・ドア・マン』は触れると背後が気になってしょうがなくなる能力! ……いいじぇ、このセリフ。マンガみたい!」

 不敵に笑って自分のスタンドを紹介してみせる。由里子さんも少しシチュエーションに酔ってるようだ。

「おあ、おおおおおあ!?」

「な、なんだ!? なにか後ろにいるような……!?」

 由里子さんの説明通り、ふたりはしきりに背後を気にしだした。

「『良い奴』、とりあえずお前の背中を俺のにくっつけろ!」

「ラジャー!」

「……おお、ちょっと落ち着いた」

「ココアでも飲みたい気分ですね」

「そうだね」

 アホなことを言いながらふたりは背中合わせになった。

「ぐへへへへへ、いいじぇ……もっとその大きくて逞しい背中を強く擦り合わせるんだよおぉぉっ!!」

 由里子さんはなんだかヘンなスイッチが入ったみたいでいきなり喜びだしてるし……。

 

「能力いったん引っ込めたらいいじゃん……」

 

 突如響く声。ボソッとつぶやくようだったけど、異様によく通る声質で全員が声のした方を見た。昨日はいなかった4人目の男だ。いちばん小柄で、表情も覇気というか、意志の強さみたいなものを感じさせず、上の空のように見える。

「おお、おさまった。さすが『静かな奴(サイレンス)』のダンナァ!」

「……とりあえず、男を沈めておこう」

 スタンドを解除して背後への恐怖感がなくなったのか、安堵する男たちを確認して『静かな奴(サイレンス)』と呼ばれている小声の男は、着ている灰色のジャケットの胸ポケットから鉛筆を取り出し、芯をこちら側に向けた。

「……『ロケット』」

 ボソッと呟いた瞬間、鉛筆が『静かな奴』の手から猛スピードで飛び出した。

「痛っ!」

 少し大きな声でマスターが叫んだ。

「マスター!?」

「大丈夫大丈夫。ちょっとチクッとしたわ」

 振り返るとマスターは小さく手を振って無事をアピールしていた……が、左胸に鉛筆が突き刺さっている。

「いやいやいやいや、刺さってるじゃん!!!?」

「大丈夫だってば。服だけだから♪」

「へ?」

 そう言ってマスターは平然とした顔で鉛筆を抜いた。

「制服に穴が空いちゃったわ」

「……はぁ……!?」

 そのマスターの様子を見て、言葉少なは

変わらずだが『静かな奴』が目を見開いて明らかに狼狽していた。

「アタシのボディを舐めてもらっちゃ困るわ」

 いや筋肉じゃさすがに防げないだろ! と思わずツッコもうとしたら、顔だの首だのマスターの肌がやたらとテカテカしているのが見えた。

「それ、さっきのオイル……?」

「Exactly」

 すごい流暢な発音でマスターが答えた。いやオイルでも防げないだろ! とツッコもうとしたけどオイルはオイルでもスタンドのオイルなので、まあ納得できないことも……ない。

「くそっ……」

 男はもう一本胸ポケットから鉛筆を取り出し、それを今度はあたしに向けた。

「っと!」

 かなりのスピードだけど『ワン・ヴィジョン』ならステッキを使わずとも取れないことはない。鉛筆は当然削ってあって芯がバッチリ尖ってる。HB、頭に消しゴム付きだ。

「な……」

「なんだとォ!?」

『静かな奴』よりも『ひどい奴』が大声を出して驚いた。

「悪いね。それくらいならなんとかできる程度の能力なんだ」

 決まった……。あたし、今カッコいいんじゃないか……?

「ぬんっ!」

 奴は腹立たしげに鼻を鳴らして今度は由里子さんに鉛筆を飛ばした。

「おお~っと!」

 由里子さんのスタンドも難なく鉛筆をキャッチした。身体能力的にはあたしと同じタイプのスタンドだな。

「フッ……まだまだだね」

 あたしに習ってなのかこれまたキメっぽいセリフを声までつくって由里子さんが呟いた。少しハスキーな声もあってまさに王道少年マンガ原作アニメの主人公のような感じがカッコいい。

「クソッ、クソッ!」

 苛立ちに任せて今度は比奈さんに向かってさらに鉛筆を飛ばす。

「盾はすでに用意済みッス!」

 そう言って比奈さんの両手に、まるで手品みたいにいきなり警察の機動隊なんかが使ってる盾が現れて鉛筆を弾いた。“用意済み”って……どこから出したんだろう? なんでそんなもの持ってるんだろう?

「あああああ、マジムカつくぅ~!」

『静かな奴』ははっきりと怒りの感情を声にして、何度めの正直とばかりに次は志保さんを狙った。だがそれもすぐ近くにいる由里子さんのスタンドによって阻まれた。

「ぐるるるるるぅわああああああ~っ!!」

 『静かな奴』という名前はどこにいったのか。すっかり喚きながら男はまたしてもポケットに手を入れた。

 

「やかましいぜ、ご主人様?」

 

 と、厨房につづく扉が開く音と声。アコースティックギターを抱えて、昨日の再現かのように夏樹さんが買い出しから帰ってきた。昨日と違うのはメイド服に着替えずに私服のまま入ってきたことだった。

「またか、と思ったが……ロクデナシがひとり増えてるな。歓迎しないぜ」

「ぐっ……帰ってきちまった……!」

 昨日すでに打ち負かされた3人は夏樹さんの登場に焦りを隠せず気色(けしき)ばんでいる。こいつらの予定では夏樹さんが帰ってくる前に目的を果たしていたんだろう。『目的』がなんなのかについては考えたくない。

 

「お前が例の金髪(ブロンディー)か」

 恐らく3人から彼女の強さを聞いているのだろう。さっきまでのヤケクソな態度が嘘のように消え、元の無感情なトーンで『静かな奴』が夏樹さんに尋ねて、そのテンションの落差に少し笑ってしまいそうになるほどだった。

「いや違う」

「ウソをつくなァ!」

「ああ、ウソだよ」

『悪い奴』の怒鳴り声も気に留めず、軽口が店内を駆け抜けていく。

「なるほど。気にくわない女だが、骨はありそうだ」

 そんな夏樹さんにのペースに囚われることなく『静かな奴』は平静を保っている。

「だが俺をよく見て考えることだな。俺は『両手をポケットに入れている』。注意することだな」

 たしかに言った通り、男はさっきまで胸ポケットから鉛筆を取り出していたのに今はジャケットの左右サイドにあるポケットにそれぞれ両手を突っ込んでいた。

「なっちゃん、アイツは鉛筆を飛ばしてくるの。銃みたいに……」

「そういうことだ」

 マスターが夏樹さんに能力のことを教えても『静かな奴』は冷静な態度を崩さなかった。さっきまで散々攻撃を防がれてキレそうになってたのにここにきて我を忘れないのはやっぱり夏樹さんに用心してるからなのか……。

「なら話は簡単だ。どっちの能力()が速いか……だ」

 そう言うと隣に立っている夏樹さんのスタンド、たしか名前は『ジギー・スターダスト』──が、左手を腰に着けた拳銃を収めているホルスターの位置まで静かに上げた。

 

「……ギターを持ったままでやる気か。注意しろと言ってやったのに」

「見てくれはふざけてるかもしれないが、集中力(コンセントレーション)が大事なのは百も承知さ」

「……そうか。それがお前の本気か」

「あとはコーラ味のアメがあればな」

「……そうか。だがそこまでお前に留意するつもりはない。世の中正々堂々と振る舞う奴は少ない。お前らのような女子学生はなにも知らないだろうが、社会は喰うものと喰われるもの、この2種類の人間しかいない。喰われたくなければ常にスコ」

 

「喋ってないで撃て」

 

 カッチーン! という音が聞こえてきそうなくらい『静かな奴』が大きく目を開き、怒りを速度にでも換えたのかのような勢いでポケットから両の手を引き抜いた──と同時に銃声が聞こえて、男は床に倒れていた。4人全員が、だ! 『静かな奴』のそばの床には大量の鉛筆が転がっていた。危うく穴だらけにされるところだったわけだ。

「すっ…………げえ。どうやって……?」

「アハハ──」

 なんとか声を絞り出したあたしに無邪気に笑いながら夏樹さんは答えてくれた。

「こうしてギターを構えたり、コーラ味のアメを舐めて集中力を高めてサイコーに集中するとだな……『まわりの動きがゆっ……くりに見える』のさ。4、5秒だけだけどな」

 なんて能力だ。でも一瞬で4人倒してるくらいなんだから本当なんだろうな……。

 ともかく、4人揃って地面に倒れてピクピクしてる今がチャンスだ。学園に連絡を入れ、お店を臨時休業にしてみんなで不審者ーズ(今名付けた)を見張りながら、あたしたちは早苗さんが来るのを待った。

 待っているときに夏樹さんが言った。

「『常にスコ』……なんだったんだろうな」

 それはあたしも気になっていたが、別に『静かな奴』に問いただす気はなかった。夏樹さんもそうまでする気はなかったようでしばらくみんな黙っていたが、マスターと志保さんが一度厨房に引っ込んでココアを持ってきてくれたのでみんなでそれを飲み、談笑しつつ改めて早苗さんの到着を待っていた。

 

(To Be Continued……)




次回から凛ちゃん視点に戻ります(確定)。もっと早く更新できるようにします(予定・希望・切実な願い)。
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