これから会うのが億劫になりながらも中也は待ち合わせの場所へと向かう………
【素直な気持ちpart2】太中 長編
―――――如何すれば、
素直になれるんだ。――――――
※これは太宰に対して素直になれない、そんな中也が素直になっていくストーリーの小説です
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見慣れた街を一人歩く。
待ち合わせは今から10分後の8時丁度。
場所は二人が自らの気持ちを伝えあった、港の見える公園だ。
彼奴はきっと彼処の街灯に寄り掛かり乍
鼻唄でも唄って待っているに違いない。
遅いって言われるかなー…
なんて思い乍歩いていると後ろから目隠しをされた。
「!?」
「だーれだ♪」
そう言った声色は間違いなく……
「太宰…!?」
「大当たり~♡」
「吃驚したじゃねぇか…」
「刺客かと思った?ふふっ」
振り向くと無邪気に笑う太宰の姿。
首元には暖かそうなマフラーがあり、頬はほんのり赤い。
それに比べて中也はいつもの外套と薄皮の黒手袋だけの格好だ。頬も寒さで真っ赤に染まっている。
それを見兼ねたかのように太宰が
「中也、頬っぺもだけど耳まで真っ赤っか!」
と言った。
「べ、別に寒くねぇから問題無ェよ…」
なんて強がってみるけど心底寒くて凍えそうだ
「もう、中也の強がり!そんなんだと何時か凍死するよ?…ほらこっち来て」
「…?」
太宰が手招きをするので大人しく隣に行くと
ふわふわとした感覚が首元から顎にかけて伝わる。太宰がマフラーを掛けてくれたのだ。
「…これ、良いのか?」
恐る恐るそう聞くと
「んふふ、これね実は二人用なんだ~♡所謂、
カップル用のマフラーなの♪」
カップル用……!!??中也は驚きながら太宰の首元を見る。そこには確かにマフラーが巻かれていた。
中也と太宰の間には一本のマフラーが首元から垂れていて
これが二人を繋いでいると思うと冷たかった頬が急に熱くなった気がした。
「~~っ///」
「あれ、中也顔もっと赤くなったね」
なんて頬をツンツンとつついて来る。
「さ、触んなよ!!馬鹿!」
「何だい照れてるのでしょう?可愛いなぁ~」
「はぁ!?てっ、照れてねェし!!」
いつもの様にからかわれた時のノリで返答すると太宰は
「ほんと、素直じゃないなぁ~」
なんて呟き詰まらなそうな顔をした。
その顔を見る度胸がぎゅっとなって苦しくなる
折角、上がった気持ちも少しずつ下がっていく気がする。
何か、俺から出来ることは無いか……
ほんのちょっとの勇気で出来る簡単な事。
少しでもいいから素直になりたい。太宰に詰まらない人間だなんて思って欲しくない……
そうやって女々しい思考を目まぐるしく回して居ると太宰の手が目に入った。
ヤケに白くて、冷たそうな手。
それを見てピンときた。
中也は周りを確認し、ほんのちょっと勇気を出してその手を……
「おりゃっ…」
握った。
恐る恐る太宰の顔を見ると
「…!?」
なんと、此方が吃驚する程驚いた顔をしていた
そして
「…き、君からそんな事して来るなんて明日は雪だよ………」
そう言って手を握ったまま顔を背けて歩き出してしまった。
「…だ、太宰?」
「何…?」
「い、良いのか此の儘で…」
少しの不安と、太宰のレアな顔を見れた嬉しさ
勿論嬉しい方が勝るけど太宰がどう思ってるのかちょっと知りたい。
「……手、繋ぎたいんだろう?」
太宰はそう言うと振り向き真っ直ぐ目を見つめてくる。
「っ、ぁ、えと……」
「君が繋ぎたいって言うなら、ずぅーっと此の儘でも良いと、私は思ってるよ。」
真剣な顔でそんな事言われたら返答に困る……
けれどずっと此の儘で居ればいいのにと思ったのは確かだ。
思ってるだけじゃ伝わらない。人間はそういう者だと何かに書いてあった気がする。それがこの時なのかは分からないけど………
「お、俺もそう思う……」
何とか言葉にして、太宰を見上げた。
するとふっ、と微笑み中也の頭を撫で乍
「そう、それは良かった。じゃあ行こっか」
そう言って中也の手を引いて歩き出した。
…素直になるって、こういう事なのか?
まだイマイチ良く分かっていないけれど…
結果的にはいい結果になったのでは無いかと
中也は心の底から満足した。
そして二人は、
手を繋ぎ乍太宰の家へと向かう……
【素直な気持ちpart2】終
part3に続く…かも!
どうも、蛞蝓さんです。
前回と同じく誤字脱字、上手くかけてなかったりしたら本当にすみません…。
暇潰し程度に楽しんで貰えれば嬉しいです。