僕のヒーローアカデミア〜World of ruin〜 作:シュナイテッド
主人公は上代強華で送ります。
そして緑谷含む仲間たちと共に、あるヒーローから告げられた戦いに挑んでく話です。
目が覚めた。まだ意識が朦朧としていて視界がボヤケている。そのせいで時計を見ても何時かわからなかった。起き上がるのも面倒なので、二度寝をすることにした。二度寝はこの世の誰もが一度はすることだ。だから、あと少しだけ…
少しだけ…
「起きて!キョーカ!!」
起こされた。母のあの大声で起きない者はたぶんいないだろう。せっかくの気持ちの良い二度寝だったのに。まぁ良い、今日は学校もあるし、起きよう。
俺の朝はまず大量の朝食から始まる。あとで話すが、生まれ持った個性故に、体をしっかり作らないといけない。
朝食同様、トレーニングも毎日欠かさない。毎日10キロ以上走り、1時間以上の筋トレもしている。
「母さん、米と肉おかわり」
「はいはい、野菜もね」
朝食が終われば当然学校へ行く準備を始める。俺は家から徒歩10分の中学校に通っていて、今は3年生だ。
もう何百回目だろうか、このダサい真っ黒の学ランを着るのは…
ため息をつきながら最後に「上代」と彫られたネームプレートを胸ポケにしまった。
おっと、自己紹介が遅れていた。
俺の名前は「上代強華」、みんなからは「キョーカ」と呼ばれている。女みたいな名前だとイジられるのは慣れた。
個性は『身体能力強化』。身体能力を自由に操作できる。当然、強くしすぎれば苦しくなる反動がある。最悪、吐血することもある。
「それじゃ、行ってくる」
「はーい、勉強頑張りなさいよー」
もう何度も聞かされた言葉だ。だがイラつきはしない。なぜなら俺には目標がある。
「入るんでしょう?雄英高校」
「ああ、絶対に」
絶対に俺は、雄英に入ってプロのヒーローになるんだ
そう…絶対に『あいつ』を倒すために
そう再び心に決め、俺は家を出た
10分後には学校に着いた。教室にはほとんどの生徒が来ていた。俺はつい最近の席替えで、1番前の、しかも教卓の前の席になるという偉業を成し遂げだ。
「あ!キョーカおはよう!!」
「ああ、おはよう火吹」
クラスメイトの火吹焼樹。名前の通り火を吹く個性だ。本人は不便だと言っている。
キーンコーンカーンコーン
鐘がなった。朝のホームルームが始まる。
「はーい、静かにしてねー。ホームルーム始めるよー」
扉の開く音と共に担任の教師が入ってきた。次々と諸連絡を話し、最後の話題となった。
「お前らの受験高校がまとまったぞー、確か雄英を受ける奴はー、爆豪と上代と〜、緑谷だ…」
「「ププッ!ハハハハハハハハ!」」
クラス十が笑い始めた。その笑いの理由が何故かはわかっていた。
緑谷出久…『無個性』
緑谷は生まれつき個性が無かったらしい。今の時代では珍しいことだ。そんな彼が雄英を目指すと言っているからみんな笑っているのだ。俺も馬鹿にするつもりは無いが、個性無しでヒーローはできないんじゃないか、と思う。
でも…
「頭良いだけじゃ雄英には入れね〜よ〜」
「そ、そんなのやってみなくちゃわかんないじゃないか!ただ、前例が無いだけで…」
やめろよ…
「おいおいデク!無個性が人を助けようなんざ無理な話なんだよ!所詮お前は助けられる側の人間だぁ!」
やめろ…でもすまない緑谷。俺は、お前になんて言ってやれば良いかわからない…
悔しさ故、無意識な個性の発動で握力が強化された。その手で机の脚を、手形がつくほど強く握りしめていた…
1日の授業は終わり。俺は学校の外へ出たところだった。ふと自分の教室の窓を見上げると、爆豪がいた。何か持ってるようだが。とてつもなく悪人な顔をしている。そう思っていると、緑谷も見えた。なにか焦っているような、困っているような…
『ボーーン!』
そんな爆破音が聞こえた。それは恐らく爆豪の個性、『爆破』だ。掌の汗腺が変異していて、ニトロのような汗を出し、自在に爆破させる。それが何を爆破させたのかは知らないがその答えは直にわかることになる。
爆豪が何かを窓から投げ捨てた。それは軽く煙を上げていて、校舎にある池めがけて落下していった。
なぜかそれは、落としてはいけないと、そう思った。反射的に個性を発動し、瞬発力と走るスピードを強化した。落ちてくる物めがけ、少し本気で走り出した。常人ならあり得ないほどの身体能力、世界のトップアスリートを越えるスピード。そのおかげで落下物は無事取れた。
それは一冊のノートだった。焼け焦げて読みにくいが、「将来の為の」というのは読めた。窓を見上げると、緑谷が安堵の表情を浮かべ、こちらを見ていた。
その横で爆豪が、鋭い目付きでこちらを見下ろしていた。
「ケッ!気に食わねー野郎だ」
そう言ってどこかへ行ってしまった。このノートが緑谷の物だと理解した俺は、こちらを見下ろす緑谷に、ヒョイヒョイと手招きした。
数分後、緑谷はこちらに走ってきた。
「はぁ、はぁ、あぁ。あ、ありがとう…それ僕のノートなんだ」
「あぁ、でもボロボロになっちまったな。」
かける言葉が浮かばす、そんな事しか言えなかった。
「うん。かっちゃんは、ああいう性格だから」
「かっちゃん?ああ、爆豪の事か。荒々しいにも程があるよな」
帰り道が途中まで同じだったので、いっしょに話ながら帰った。
「お前は、好きなヒーローとかいるのか?」
「え、あ。うん!オールマイト!オールマイトが1番好きだよ!」
「オールマイトか。俺も1番憧れるな。」
緑谷のヒーローに関する知識はとてつもなかった。ヒーロー名を行っただけで、個性、特徴、人気度、所属事務所などを答えてみせた。楽しそうに話してくれて、むしろ助かった。もし無個性とか、そういう話になったら、俺はきっと言葉に詰まっていただろう。このまま楽しく終わればそれで良い。
このまま終われば。
『ドロ…』
後ろのマンホールから『何か』が溢れ出す音がした。その『何か』を一目見たときは、ただの泥かと思った。でも違った。次に見えたのはギョロギョロと動き回る2つの眼球、そして大きな歯。直ぐに理解した
『ヴィラン』だ
個性を乱用し、犯罪を犯す。社会に悪影響を及ぼす『敵』。つまり『ヴィラン』。それが俺たち二人の前に表れた。
「緑谷!逃げっ…!」
個性を発動する余裕すらなかった。二人共、謎のドロドロに捕まった。
「んんんんんん!んんんん〜!」
緑谷が苦しんでる。当然俺も苦しい。個性を発動しても、流動するそのヴィランからは逃げられなかった。必死に足掻く。
足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて足掻いて、全て無駄に終わった。
『大丈夫、あと30秒もあれば楽になるよ』
これはヴィランの声か?呼吸困難で意識が朦朧としてきた。
ああ、緑谷。少しでも力のある俺が役立たずですまない。助け…られなかっ…た。
カーーーーン!
突然だった。後ろから金属が叩きつけられるような音がした。それがマンホールが勢いよく開けられた音だと気づくのに時間はかからなかった。
「私がぁーーー!来たぁ!」
『オールマイトォォォ!』
「テキサス・スマッシューーー!!!」
その声と同時に後ろからの強すぎる風圧を感じた。ヴィランが文字通り、飛び散った。
「げほっ!げほっ!うっ…はぁ、はぁ、はぁ…助…かったのか?」
緑谷は気絶していた。
「ふぅ〜、間に合って良かった!普段なら一般市民を巻き込むことなど無いんだが、なれない街のせいかな?はっはっはっはっ!」
直ぐに誰だかわかった。
「あ、あなたは…オールマイト!?」
そう言って、オールマイトはヴィランをペットボトル?に回収した後、緑谷のノートに何か書いてから、緑谷の顔をペチペチ叩き、起こそうとしている。
「ん…ん?んんんんんんんんんん?!オールマイトオオオオオオオ!?」
「いや〜良かった!巻き込んでしまって悪かったね!それでは私は多忙な故!失礼する!」
「あっ!ちょ、待って!」
「あっ!緑谷待て!」
飛んでいこうとしたオールマイトに緑谷がしがみついてしまったので、俺もしかたなくついていくことにした。俺達がくっついていることに気がついたのは遥か上空である。
「ヘイヘイヘイヘイ!なぜ君たちがくっついているんだ!」
「そ、その!き、ききききき聞きたいことが!」
「はぁ…なんでこんなことに…」
緑谷の必死さに飲み込まれて、たった今ヴィランを詰めたペットボトルが落ちたことに、誰も気付かなかった。
「はぁ…、仕方ない…」
そう言って、オールマイトは近くのビルに降りた
「全く、階下の方に言えば降ろしてもらえるだろう!私はマジで時間が無いので、失礼する!」
「あ、あの!待ってください!聞きたいことが!」
「なんだね。私は今、世界に降りかかりつつある異変の調査で忙しいのだが?」
「個性が無くても…ヒーローになれますか」
緑谷のボソボソしたその声と共に夕日が上り始めていた。
緑谷の思いの込めた質問!果たしてオールマイトの答えは!そして彼が告げる「世界の異変」とはいったい何なのか!?