俺は一般人でありたい(錯乱)   作:名無しの傭兵

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休憩中に近所の人から久々に妹が帰ってくると聞いてから仕事に戻ると何故かでかい狼がいた(意味不)

ここはリフ大陸という大陸のとある盆地の集落、俺ことクサビ・タガヤシが生活圏としている場所だ。俺は主に畑を耕して野菜を作ったり、山で木を切ってきて、薪や炭を製作し、それを売って生活している。今日も薪と木炭を作り終えた休憩後、畑仕事をしようと自分の畑に向かっていたのだが…。

 

「なんでA級魔獣の翁狼《おうろう》が首輪着けて畑の冊の前でおすわりしてるんですかねぇ…。」

 

ほんともうわかんねえな、と言いたくなる状況になってていたりする…まぁ、こいつに首輪着けておすわりさせられる人物に心当たりがありまくるんですがね。しかしA級魔獣…なかなかに厄介なものを連れてきたものだ、魔獣というのは魔法を扱える獣、魔界から出てきた獣がいるがこいつは…前者なのだろう、全長は5メートル程はありそうだな、色は灰がかった銀で所々に緑…いや、翠と言った方がいいか、その色の亀裂のような模様がある。しかもA級ときた、A級は下から5番目、上から3番目の強さであり、幾度の戦場を駆け抜けた戦士が挙って戦っても勝てる確率がほぼ無い程。この翁狼は普通の狼が魔力を含んだものを食べ続け、長年戦い続けてきた狼しかなれない魔獣、その殆どが戦いに敗れ死んでしまうが故に個体数が極めて少ない、言うなれば狼の中の狼というものだ。

この翁狼を見ながら俺は考えていた、もうそろそろ連れてきた奴が来るはずだから来たら一発ぶちかまそうと。やりすぎではない、仕事を邪魔されたのだからそれぐらいは当然である。

 

「おにぃぃぃいちゃぁぁぁんっ!」

 

そら来た。

 

「会いたかったよ(ゴスッ)オグッ!?」

 

なんか叫びつつ走ってくる"妹"になんでこんなやつ連れてきたんだよという私怨を込めてチョップを繰り出す、無防備かつあっちから走ってくるのもあったのか額に吸い込まれるようにヒットした。

いい気味である。

 

「おぅぅ、お兄ちゃんの愛が炸裂したよ…。」

 

「何が愛だ…それよりお前いつここに来たんだよ、というか連絡も無しにこんなの連れてくるなよな。」

 

まったくである。

 

「ムッ、こんなやつとか言わないでよねお兄ちゃんっ!この子は逞しくてかっこいいの!ほら、そんなこと言うからしょぼんってなっちゃったじゃない。」

 

トレードマークであるポニーテールとアホ毛を尖らせながら妹にそう言われて翁狼の方を見ると、いつの間にか頭を下げ、尻尾をしならせ、耳を折りたたみ、さも『自分…要らないんすか…。』と言いたげな雰囲気を醸し出していた…。

何でこんなに人間くさいんだコイツ。

 

いや申し訳ないけども。

 

「あー…いやすまんな、そんなつもりで言ったんじゃないんだ。すまん…。」

 

そうやって翁狼に謝ると『自分…ここにいていいんすか…?』と言いたげに目を潤ませながら俺を見つめた。

…意外と可愛らしいじゃねぇか…。

 

「というかなんで翁狼…その前にこいつに名前ってあんのか?」

 

流石にいつまでも翁狼はいけないと思う、首輪も付けてあるしこの妹が飼い主ということも分かる…しかしいつまでも種族名というのも気が引けるのだ。

 

「んーん、いいの思いつかなかったから今はおー君って呼んでる、お兄ちゃんいい名前つけてくれない?」

 

「え?あぁ、まぁいいが…そうだな、ナタ…とか?」

 

どうだ?と妹と翁狼を見やる、すると翁狼が尻尾とキラキラを振りながら歓喜…?の表情で俺を見てきた、そんなに嫌だったのかおー君は…。

妹はそんな翁狼、改めナタを見ると良かったねと微笑んだ。

 

「いいんじゃないかな、喜んでるみたいだしね。んじゃお兄ちゃん、この子頼むよ!」

 

この子頼むよ?俺に飼えってか…まぁ、余裕があるからいいがな。

 

「いきなりだな…まぁ余裕もあるし、いいか。というかこいつ何食うんだよ。」

 

流石にこいつの好き嫌いぐらいは分かっておきたい。

 

「えーとね…基本的にお肉かな、魔力が篭ってるのだったらキノコとかも食べるよ。あっ、あとね、私のお仕事終わったから次のまでお兄ちゃんとこ居させてよ。」

 

「あぁ、分かった。ありがとな、なら皆に顔見せてやれ、しばらくぶりだからちゃんと会って安心させてやってくれ。」

 

「うん!」

 

_____

 

「さて、帰るか。」

 

妹を見送ってからしばらくして仕事が終わった。

結構長くやっていたのでもう日が暮れそうである。

あいつはもう家にいるのだろうか、そうならば飯とか色々やっておいて欲しいのだが…まぁ、望むだけ無駄だろう。あいつは家事ができないし…。

帰ったら教えてやるか。

「もうそろそろ家事とかできるようになってほしいんだがなぁ…。」

 

嫁に行くってなったらどうしてく「おやァ?おやおやァ?クサビサンじゃないですかァ!」

 

「うぉぉっ!?」

 

何か来たァァァッ!?

 

「何を驚いているんですゥ?ワタクシですよ、アートルムですよォ。」

 

あぁ…アートルムか、こいつは神出鬼没なのがデフォルトなのだ、集落の皆は会う時は必ずと言っていいほど驚いている。それはコイツの服装がまるで不審者じみてるのが原因である。シルクハットに背中に垂れるマフラー、脛辺りまである長いコートに白い手袋、しかも全身が黒くて顔があるのかどうか分からない。

正直、コ◯ンの黒タイツが服着て歩いてるようなものである。

しかし皆は驚きはするもののいつもの事なので『愛嬌』として受け入れている。

 

しかし俺はこんなのに慣れることが出来ずにいる。

何とかして平静を保ちたい、保たなければならない(使命感)

 

「そうそうクサビサン、妹君のサクラサンが貴方の家に向かって馬鹿デカイ狼を連れて走って行ったんですガ…アレ大丈夫なんです?首輪は付いてましたがワタクシ、狼にいい思い出は無くてですネ。」

 

「あぁ、なら大丈夫だろ。あいつの事だ、しっかりと躾をしてるだろうよ。」

 

「マァ…貴方がそう言うのですかラ…遠目で眺めていまショウかネ。」

 

「あぁ、そうした方がいいんじゃないか。」

 

「では、ワタクシはこの辺りで失礼しますヨ。またお会いしまショウ!」

 

「おう、またな。」

 

そう言ってアートルムは立ち去っていった。

…さて、うちに帰るか。

サクラも待っているだろうし、飯も作ってやらなきゃならんしな。

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