Fate/Grand Order巻き込まれる魔法少女達   作:Dr.クロ

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次に魔法少女達が向かうは和の国の者…


第三夜~思いと贈り物~

前回、無事?に飲んだくれ女性陣+αにプレゼントを渡した刹那達は次なる場所へと向かっていた。

 

サンタリリィ「それでは次は日本のサーヴァント(子供)達に有用な贈り物を届けましょう!」

 

イリヤ「日本のか…誰なんだろう」

 

美遊「当てはまるのは信長さんやあとは…」

 

むふんと気合を入れるサンタリリィのにイリヤと美遊は顔を見合わせて考える。

 

そんな2人にサンタリリィは教える。

 

サンタリリィ「次の人はアサシンの風魔小太郎さんです!」

 

イリヤ「小太郎さん!」

 

美遊「あの人…いや、見た目的にも子供になりますね」

 

刹那「それなら小太郎くん、今日は初めてのクリスマスって事だからワクワクしてそうだよね」

 

出て来た名前に驚くイリヤの隣で美遊は納得して刹那がそう言う。

 

ルビー「ちなみに小太郎さんに渡すプレゼントは?」

 

サンタリリィ「辞書です!」

 

イリヤ&美遊「なんでさ!?」

 

まさかのチョイスにイリヤと美遊はお互いに敬愛する兄の驚いた際の癖が出てしまった。

 

イリヤ「なんで初めてのクリスマスプレゼントが辞書なのー!?」

 

サンタリリィ「だって小太郎さんの宝具名が『不滅の混沌旅団(イモータル・カオス・ブリゲイド)』ですよ?何かこう文法的なものとか色んなものが間違っていますので正しい英語で正しい宝具にしませんと!」

 

美遊「あれは間違っているとかそういうのじゃないと思う…」

 

ツッコミ叫ぶイリヤにサンタリリィが答えた事に美遊は呻く。

 

彼の宝具名は彼が父親から継承したのであって決して彼が変えた訳では断じてない。

 

刹那「ちなみに2人だったら彼には何を渡す?」

 

イリヤ「私だったら……新しいクナイとか手裏剣かな?」

 

美遊「私なら…金時さんのサインとか」

 

そう聞かれてイリヤは小太郎の職業から、美遊は憧れているのを知ってるのでそう言う。

 

だがそれはサンタリリィ的には不満の様だ。

 

サンタリリィ「それじゃ駄目です!彼は日本のサーヴァントなんですからちゃんと宝具名を日本語に直しませんと!」

 

イリヤ「えぇ…」

 

ルビー「ではどんなのだったらいいんですか?」

 

横暴なと思った所でルビーが聞く。

 

サンタリリィ「ではこのダヴィンチちゃんに作って貰った電子辞書ならどうでしょうか!超高性能でどんな言葉でも調べられる優れものです!」

 

刹那「おー、これはなかなかカッコいいね。しかもカラーもいくつかあるし」

 

そう言って見せられた電子辞書のに刹那はそう評する。

 

後で金時の様な技を考えたいと思った時に英語ので調べてみたらとフォローしとけばまだマシになるかな…とイリヤと美遊は思っていると評価した後に下を見ていた刹那がお…と声を漏らす。

 

刹那「見えてきたよ」

 

言われてイリヤと美遊も見ると件の小太郎以外に藤太や天草がいた。

 

イリヤ「日本のサーヴァントが三人も揃ってる…」

 

美遊「何しているのかな…?」

 

首を傾げてる間にソリは着地する。

 

サンタリリィ「お待たせしました。風磨小太郎さんですね!ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ。ただいま到着です」

 

マシュ『極東のサーヴァントが集まっていますね……。宴会か何かでしょうか?』

 

名乗り上げるサンタリリィの後にマシュはメンツを見て首を傾げる。

 

確かにこの3人はあんまり接点がないのでどう言った理由でいるのか想像できない。

 

その間に小太郎はサンタリリィに近づく。

 

小太郎「……。………………こども?」

 

サンタリリィ「子供じゃありません、サンタなんですけど!もう、どうして皆子供子供と!」

 

藤太「いやあ、お主はどう見ても子供でござろう。ほれほれ、飴でもやろうか?」

 

ぷんすか怒るサンタリリィに藤太がそう言って飴を差し出す。

 

サンタリリィ「いーりーまーせーん!第一、知らない人から物を貰ってはいけないなんて常識です」

 

イリヤ「いや確かにそうですけど!?」

 

美遊「(ジャンヌオルタさんの時の知り合いなんだけどノーカウントなのかな;)」

 

そう言って断るサンタリリィのに美遊は冷や汗を掻く。

 

刹那「飴、あげようか?」

 

サンタさん「トナカイさん、その飴玉はどこから!?ラムネ味!ラムネ味ですか!良いですよね、シュワシュワ感が実に大人っぽいです」

 

イリヤ「子供だ…」

 

ルビー「子供ですねー」

 

ピョンピョンと跳ねるサンタリリィのを見て呟くイリヤとルビーは大人とは一体…と呟く藤太に本当に同意であった。

 

そんな飴玉を貰ってご機嫌なサンタリリィに小太郎がそわそわしながら近づく。

 

小太郎「サンタ殿、それでプレゼントは…」

 

サンタリリィ「分かっています。貴女にとって、真に必要なもの、それは――――」

 

そう言ってごそごそと袋を漁り…

 

サンタリリィ「和英辞典にしようと思いましたがもっと優れもののこのダヴィンチちゃん特製の電子辞書です!」

 

そう言って先ほど見せたのを小太郎に渡す。

 

小太郎「……電子辞書……?」

 

イリヤ「やっぱり、そんな反応になるよね…」

 

美遊「うん……」

 

首を傾げる小太郎にやっぱりとイリヤと美遊は思った後に後でフォローをしとこうと決める。

 

出せたので満足気味なサンタリリィへと…小太郎にプレゼントが渡された際に目を鋭くさせていた天草の隣にいた藤太が少し顔を顰めて物申す

 

藤太「むう、これは拙者にも分かるぞ。実に遊びがない。クリスマスプレゼントに電子辞書とは…シュヴァイツァーの伝記と並ぶガッカリプレゼントだ。いや、シュヴァイツァー殿は紛れもない偉人なのだが。それはそれとしてガッカリプレゼントだ」

 

天草の視線に不満げだったサンタリリィは藤太の評価にさらに眉を吊り上げる。

 

サンタリリィ「な、俵さんまでそんなことを……!これは風魔さんのためになるプレゼントです!元々英和辞典だったのをイリヤさんの意見を多少聞いてそちらにしたんですよ!」

 

藤太「ふむ、意見を取り入れてと言うのは良いが…しかしクリスマスと言えば祝い事と聞いた。拙者たち風に言えば、謹賀新年に等しい。誰もが祝い、誰もが喜ぶ。それこそ祭り場の景品のようにな…であれば、贈り物は喜ばれるものが王道ではないかね?」

 

まぁ、今はマスター殿のお蔭で喜んでいる様だが…と金時の様な技名を作り上げて金時に評価して貰ったらと教えてもらい想像してか目を輝かせてる小太郎をチラリと見てから心の中で呟く。

 

サンタリリィ「……役に立たなければ、プレゼントなんて意味がありません」

 

イリヤ「(それは違うと思うな)」

 

そう言うサンタリリィにイリヤは心の中で思う。

 

確かに道具と言う意味では役に立たなければいけない物がある。

 

だが、プレゼントでそう言うのを第一に求めるのは違うとイリヤ的に思った。

 

言い方に小太郎も眉を顰める(前髪で隠れて見えないが)

 

サンタリリィ「だってそれならプレゼントは只の自己満足。贈った者が贈った事自体を喜んでいるだけです。それでは役に立ってません。世の中のためになりません。ならば贈られた側がどれだけ嫌な顔しようとも、実用一点張りで勝負する。それがサンタの心意気です」

 

小太郎「……そんな事ないよ…」

 

自分の言い分を言ったサンタリリィは否定する小太郎を睨む。

 

サンタリリィ「あります」

 

小太郎「なーいー!」

 

サンタリリィ「あーりーまーすー!」

 

イリヤ「あわわわわわ!?」

 

美遊「これは…まずいかも;」

 

むむむむむ!といがみ合う2人にイリヤは慌てて美遊もどうすれば良いかと思っていると藤太が前に出る。

 

藤太「ふぅむ、こうなったら致し方ない。我々はサーヴァント、であればどちらの意見を通すかは戦いで決める他あるまい!」

 

イリヤ「た、戦うの!?」

 

美遊「わ、私達はどっちの味方をすれば…」

 

刹那「んーサンタリリィの味方かな?」

 

どうしてなのかはほら…と藤太を指す。

 

藤太「ちなみに拙者は風魔の方に付こう。意に沿わぬ贈り物を押し付けるのは大人げない!」

 

サンタリリィ「……分かりました、それが貴方がたの望みであれば。このサンタが相手します!」

 

イリヤ「あーそっか…でもんー…」

 

そう言う藤太のにサンタリリィもやる気満々なのを見ながらイリヤは納得するがまだ迷う。

 

そんなイリヤに天草が話しかける。

 

天草「あの、少しよろしいでしょうか」

 

イリヤ「ふぇ?」

 

突然話しかけられたので戸惑うイリヤに天草は何もしませんよと安心させる様に微笑んでから言う。

 

天草「ここは彼女の味方をしてもらえませんかね?」

 

イリヤ「え?良いんですか?」

 

小太郎や藤太の2人に聞こえない様に耳打ちした天草のにイリヤも小声で聞く。

 

彼らといたからてっきりしないで欲しいとお願いすると思ったからだ。

 

天草「いや実は味方をしてもらわないと色々と困りましてね」

 

ルビー「困ること?」

 

イリヤ「それは一体…」

 

出て来た言葉に体を曲げるルビーの後にイリヤは聞こうとするが…

 

天草「それは後程わかります。取り敢えず今は彼女の味方をお願いします」

 

はぐらかす様にそう言って距離を取る天草に首を傾げながらイリヤはサンタリリィの隣に立つ。

 

イリヤ「あの、私はこっちに入ります」

 

サンタリリィ「イリヤさん。ありがとうございます!」

 

そう言うイリヤにサンタリリィは嬉しそうに微笑む。

 

小太郎「そうか、ならば……全力で抵抗させて貰います。風魔忍 が五代目頭領、風魔小太郎。そのプレゼント、無益と散れ―――!」

 

サンタリリィ「我が名はジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ!そのプレゼント!問答無用なりて―――!」

 

藤太「いざ、参る!」

 

その言葉と共に4人はぶつかり合う。

 

美遊「頑張ってイリヤ!」

 

刹那「イリヤちゃんは小太郎くんの!サンタリリィは藤太の相手をして!」

 

刹那の指示に2人ははい!と答えた後に言われた相手へと突撃する。

 

藤太「わしの相手はサンタか!魔法少女の相手は任せたぞ!」

 

小太郎「はい!手加減はしない!」

 

イリヤ「こっちだってやるからには全力で!」

 

その言葉と共に飛んで来たクナイを魔力弾で弾く。

 

弾かれたクナイを回収してから小太郎はイリヤへと斬りかかる。

 

ルビー「イリヤさん、障壁を!」

 

イリヤ「うん!」

 

それにイリヤは障壁を張って防ぐが小太郎は連続で斬りかかり、その猛攻にイリヤは後ずさる。

 

イリヤ「っ!」

 

ルビー「むむむ、これでは攻撃に移れませんね」

 

顔を歪めながらイリヤはどう切り抜けるか考える。

 

相手はクラスでは自分が有利なアサシンだが、それは相手も十分承知の上で攻撃させない様にこうやって防戦一方の状況に持ち込んでいるのだ。

 

イリヤ「(どうしたらいいんだろう…)」

 

何か切っ掛けがあれば…とイリヤは呻くと…

 

小太郎「!」

 

ひゅん!

 

刹那、小太郎が後ろに下がると小太郎がいた所を槍が通り過ぎる。

 

それに驚きかけたイリヤだが隙が出来たのに変わりない。

 

イリヤ「そこ!斬撃(シュナイデン)!!」

 

その隙をついてイリヤは斬撃を飛ばし、小太郎は慌ててクナイを交差させて防ぐ。

 

すかさずイリヤは一回転すると共に…

 

イリヤ「最大斬撃(マクスティールシュナイデン)!!」

 

魔力を最大に込めた魔力斬撃を解き放つ。

 

小太郎「!?ぐは!?」

 

藤太「小太郎殿!」

 

サンタリリィ「隙アリです!」

 

それに藤太がよそ見をした所にサンタリリィが両手から赤と緑の魔力弾を放つ。

 

藤太「ぬおっ!?」

 

美遊「え、今のって…」

 

まさかの攻撃にマトモに受けて吹き飛ぶ藤太を見ながら美遊はサンタリリィの放った攻撃に驚く。

 

サンタリリィ「どうですか!私のツインアーム・リトルクランチは!」

 

刹那「……ねぇ、あの技ってさ……」

 

胸を張って言うサンタリリィを見ながら聞く刹那に美遊もはいと頷く。

 

美遊「今の技、何処かで見覚えが…」

 

刹那「……君の仕業?天草」

 

思い出そうとする美遊の隣でそう言って刹那は天草を見る。

 

そう言われて美遊も思い出した。

 

あの構えと魔力弾の撃ち方は確かに天草がやっていたのだと…

 

天草「ええ、まあちょっと教えました」

 

刹那「何時の間に…まぁ、良いけど」

 

んで…とゴニョゴニョと耳打ちするのに美遊は首を傾げる。

 

天草「ふむ、わかりました」

 

それに天草は了承してどこかに行くのになんだろうと美遊はさらに首を傾げる。

 

その間にいたたと藤太は呻きながら起き上がる。

 

藤太「こんな幼子に深くを取るとは!槍を投げた所で武器を捨てたと思ってしまうとは鈍ってしまったな…」

 

イリヤ「でもいつの間にあんな技を…」

 

サンタリリィ「親切な人が教えてくれたんですよ」

 

驚いた顔で聞くイリヤにサンタリリィは自慢げに返す。

 

藤太「これではどの顔で〝遊びは正義”などと言えたものか……やはり食べてばかりはいかんな、食べてばかりは……」

 

小太郎「不覚……!こちらも槍に気を取られただけで注意が逸れてしまい、修行不足です」

 

呻く藤太に小太郎も反省する。

 

サンタリリィ「では約束通りそのプレゼントは受け取って貰いますよ!」

 

小太郎「いや、普通に受け取りますよ。金時殿と技を考えてその名前を付ける際に調べるのに便利そうですし」

 

そう言ったサンタリリィに小太郎はそう返す。

 

あら?とサンタリリィはよろけたが気を取り直す。

 

サンタリリィ「ま、まあ良いでしょう。これで宝具名も変えられますね」

 

小太郎「む?宝具名は変える気はありませんが?」

 

え…と目を丸くするサンタリリィに小太郎は言う。

 

小太郎「……風魔の祖は異人。即ち外から来た者の血を引いております。父も南蛮から流れ着いた紅毛碧眼の大男だったとか…。祖である彼らからすれば、日々消え去る故郷の記憶は耐え難いものであったでしょう。それは、ここで生まれた子も同じ。祖先の故郷にある言葉を、我らはもう話せませぬ。であれば、せめて幾つかの(格好良い)単語をだけでも、彼らの安らぎとして残しておこう……その想いがこの宝具にはあるのです……。ですから変える訳にはいきません」

 

イリヤ「そうだったんだ…」

 

サンタリリィ「そ、そんな事も知らないで私…」

 

語られた理由とその言葉に秘められた思いを聞いてイリヤはしんみりし、サンタリリィは後悔するがそんなサンタリリィを安心させる様に小太郎は口元を微笑んで言う。

 

小太郎「これも何かの縁。将来的には、宝具名になにか追加するかもしれません。有り難く受けとります……」

 

美遊「小太郎さん…」

 

そんな小太郎の笑みにサンタリリィはありがとうございますと頭を下げた後に行きましょうと刹那の手を引っ張る。

 

追いかけようとしたイリヤと美遊を小太郎が呼び止める。

 

小太郎「すいませんお2人とも、付いて行くなら少しあの子について話したい事があります」

 

イリヤ「へ?」

 

美遊「あの子って……サンタリリィのこと?」

 

はいと小太郎は頷いてから聞こえない様にか2人に聞こえる程度の音量で言う。

 

小太郎「あの子は、プレゼントを贈る事に()()()()()()()()()のです」

 

イリヤ&美遊「え……?」

 

藤太「そうであろうなぁ…正しい事だが、悲しい事でもある」

 

告げられた事に驚く2人に同じ様に気づいていた藤太が真剣な顔で頷いて続く。

 

藤太「益の有る無しに拘るのは何を送れば喜ぶのかが分からぬゆえ」

 

イリヤ「何を送れば喜ぶのか…」

 

美遊「分からない…?」

 

顔を見合わせる2人に藤太は頷く。

 

藤太「さよう…しかし、それなら、何故サンタなどになったのだろうな?」

 

イリヤ「(何だろう…この感じ、どこかで感じたことがあるような…)」

 

美遊「(引っかかる…誰かの様な…誰か…そうだ。クロの…)」

 

うーんうーん…と唸っていると刹那とサンタリリィの呼ぶ声が聞こえて来る。

 

小太郎「引き留めてすいません。ですが頭のお隅に置いといてください」

 

イリヤ「あ、はい!」

 

美遊「分かりました」

 

では!と小太郎と藤太へと頭を下げた後に2人は刹那達と合流する為に向かう。

 

刹那「二人とも、小太郎君たちとなに話してたの?」

 

イリヤ「あ、はい。少し…」

 

サンタリリィ「それじゃあ次の場所に行きましょう!皆さん!」

 

そう言うサンタリリィの言葉の後にそりは動き出す。

 

サンタリリィ「……イリヤさん」

 

イリヤ「ん?どうしたのサンタリリィ」

 

しばらく無言だったサンタリリィが口を開き、イリヤは顔を向ける。

 

サンタリリィ「……風魔小太郎さんへのプレゼントは、あの人にとって、有用なものではなかったのかも……」

 

イリヤ「それは…」

 

そう言われるとイリヤは言葉が詰まる。

 

確かに小太郎にとって良いプレゼントととは言えなかっただろう。

 

だからこそそんな事はないとはイリヤは言えなかった。

 

サンタリリィ「サンタ、難しいですね。……最初はもうちょっと、簡単だと思ったのですが……」

 

そう言って顔を伏せてしまった時だった…

 

???「おや、まさかサンタを投げ出すのですか?」

 

突如誰でもない声が響き渡る。

 

イリヤ・美遊「!?」

 

サンタリリィ「…何者!?」

 

マシュ『あれ?サーヴァントの反応が急に……!?』

 

それにイリヤと美遊は驚き、サンタリリィが警戒する中で何者かがソリに降り立ち…

 

???「ふふふ、誰かと問われて答える者はおりますまい。しかし敢えて答えましょう」

 

そう言ってからマントを翻してその人物は名乗り上げる。

 

サンタアイランド仮面「我が名はサンタアイランドに住む謎のサーヴァント、サンタアイランド仮面!」

 

サンタリリィ「サンタアイランド仮面……!このラムレイ二号に勝手に乗り込むなんて……!」

 

バーンと名乗り上げた人物にサンタリリィは驚くがイリヤと美遊は別の意味で驚いていた。

 

イリヤ&美遊「(あれって明らかに天草さんだよね…)」

 

マシュ「あの、すみません。あなたってもしかしてあまく――」

 

サンタアイランド仮面「サンタアイランド仮面です!ちなみに赤いからといって、エミヤとかシロウとかとは特に縁がない男ですゆえ」

 

なんで仮面付けてるのとマシュのを遮りながら反論するサンタアイランド仮面を見てイリヤと美遊は何とも言えない顔をする。

 

刹那「えぇ~、ほんとにござるかぁ?」

 

サンタアイランド仮面「ほんとにごさるよぅ。奇跡的な偶然の一致というやつです」

 

ティーチの様な感じで話しかける刹那にサンタアイランド仮面も返す。

 

サンタリリィ「何者かは分かりました。ですが、貴方は一体どうして私に語りかけて来るのでしょう?」

 

サンタアイランド仮面「コホン、ジャンヌ……ジャンヌよ……プレゼントを拒まれた程度で臆してはなりません。いつだって立ち上がり、いつだって笑顔を届けるのがサンタです」

 

サンタリリィ「いつだって……笑顔を……」

 

問われた事に咳払いしてからそう助言するサンタアイランド仮面にサンタリリィは言われた事を呟く。

 

サンタアイランド仮面「スタンド・アンド・プレゼント。立って……そして贈るのです。スクルージですら、間に合ったのです。貴女が間に合わない筈がないでしょう?」

 

美遊「(……イリヤ、意味わかる?)」

 

イリヤ「(全然分からないよ…)」

 

サンタアイランド仮面「貴女が困ったとき、途方に暮れたとき、私が現れましょう」

 

サンタリリィ「サンタアイランド仮面さん……!つまり、貴方は私にとってのお師匠でしょうか!」

 

小声で話す美遊とイリヤを後目に言われた事にサンタリリィは目を輝かせて言う。

 

その言葉は予想してなかったのかサンタアイランド仮面はすこしたじろきながらも返す。

 

サンタアイランド仮面「ええと……ではそういうことで……」

 

サンタリリィ「はい!」

 

サンタアイランド仮面「ふふ、それでは真のサンタクロースとなるため、貴女を導きましょう」

 

元気よく言うサンタリリィにサンタアイランド仮面は口元を緩ませた後にでは…とその場から消える。

 

ルビー「一体何者だったんでしょうかねーサンタアイランド仮面!」

 

イリヤ「う、うん…」

 

美遊「……一体何企んでいるんだろう…」

 

サファイア「怪しいですね美遊様」

 

そんなサンタアイランド仮面にイリヤ達は戸惑いながら次なるプレゼントを待つ人の元へと向かうのであった。


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