Fate/Grand Order巻き込まれる魔法少女達   作:Dr.クロ

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目的地にたどり着いた時、サンタリリィが得る物は……

※あとがきにてお知らせがあります。


ラストプレゼント・フォー・ユー~小さなサンタの夢~

前回のサンタム達を引けてから刹那達は……

 

刹那「走れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

オートマターの集団に追われていた(爆)

 

ナーサリー「人形が追いかけて来るのだわ!怖いのだわ―――!」

 

ジャック「かいたいさせてくれればいいのにー!」

 

イリヤ「なんで追ってくるのーー!?」

 

流石にいきなりだったのと面子が子供組だけだったので咄嗟の対応など出来ていなかった。

 

しかも刹那が両脇にイリヤと美遊、ジャックとナーサリーを抱き抱え、さらにはサンタリリィをおぶっている。

 

普通に考えるなら無理だろうが魔術師だから体を強化させて+スポーツ系なサーヴァント達に鍛えられたお蔭か少ししか汗を流していない。

 

サンタリリィ「わわわ私、ああいう無機質なのダメです!生き物なら何でも平気ですけど、あれはダメ!」

 

美遊「せ、刹那さん凄い…」

 

マシュ『だ、大丈夫ですかマスター!いつのまにか、三人を抱えてますけど!』

 

ジャック「らくちーん」

 

ナーサリー「ごうごうと走っているの!まるでヒポグリフのように速いわ!」

 

怯えながら刹那に強くしがみ付くサンタリリィとは別に美遊は刹那の身体能力に驚き、ジャックとナーサリーがキャッキャッとはしゃぐ中でマシュが聞く。

 

刹那「軽いから大丈夫!」

 

サンタリリィ「そ、そうでしょう。私もスタイルの維持には気をつけてますから!」

 

むふんと怖いのを隠すためにサンタリリィはそう返す。

 

マシュ『あ!』

 

ナーサリー「足下!」

 

ジャック「小石だよー?」

 

その時、必死に走っていた刹那は3人の言葉にえ?となる中で右足が小石に当たり、つまづくと共にケガさせない様にイリヤ達を放り投げ、そのまま顔面から地面にぶつかる。

 

刹那「ぶぎゃ!?」

 

マシュ『先輩!先輩!顔面から転げましたね!?大丈夫ですかー!』

 

悲鳴をあげる刹那にマシュは慌てて声をかけるとだ、大丈夫……と返される。

 

サンタリリィ「❘トナカイさん《マスター》……転ぶときも、私たちだけは守り通すなんて……ちょっと好感度上がっちゃうじゃないですか!もう!もう!」

 

イリヤ「顔から行ったけど大丈夫ですか…?」

 

ジャック「だいじょうぶ?いたい?かいたい?」

 

刹那「隙あらば解体しようとするのやめて!」

 

嬉しそうにきゃあきゃあ騒ぐサンタリリィの隣でイリヤが慌てて声をかけて続けてジャックも声をかけるが最後が物騒だったのでガバッと顔をあげて叫ぶ。

 

ジャック「ざんねーん」

 

イリヤ「ってそんなことしている場合じゃないよ!?」

 

ナーサリー「そんなことやっている間に追いつかれちゃったじゃないのー!」

 

それに残念がるジャックにツッコミを入れながらイリヤとナーサリーがもう迫っているオートマターの集団に叫ぶ。

 

マシュ『向こうは戦闘する気満々です。ひとまず、武器を構えて下さい!』

 

サンタリリィ「わ、分かりました……うう、怖くない、怖くない、こーわーくーなーいー!」

 

怯えながら槍を構えるサンタリリィのを合図に他のメンバーも戦闘を開始する。

 

刹那「美遊ちゃんはイリヤちゃんの!ジャックとナーサリーはサンタリリィのサポートを!」

 

イリヤ「行くよ美遊!」

 

指示にイリヤと美遊はすぐさま転身するとイリヤが前衛を務め、美遊は言われた通りにイリヤのサポートに回る。

 

イリヤ「斬撃(シュナイデン)!」

 

美遊「はあ!」

 

斬撃を繰り出すイリヤのから逃れたオートマターを美遊が撃ち抜いて倒して行く。

 

隣でもナーサリーを中心にサンタリリィとジャックが連携して1体ずつ粉砕していく。

 

ルビー「確実に数は減ってきてますね」

 

イリヤ「あともう少しっ!」

 

ルビーの報告を聞いてやる気を出す中でサンタリリィがオートマターの1体を横真ん中で両断すると上半身だけとなったオートマターはてけてけの様に這いつくばりながらサンタリリィに迫る。

 

サンタリリィ「体が真っ二つになっても向かってきてるやだー!!」

 

ナーサリー「ギコギコ追いかけてくるマネキン人形とかはメルヘンじゃないわ!」

 

ジャック「いっぱい、かいたいしよー!」

 

マシュ『ジャックさん一人だけ大はしゃぎですね……』

 

悲鳴をあげる2人とは別にイキイキしてるジャックに刹那ははははと苦笑する。

 

どうすれば良いかと思っている時……

 

バシュン!!

 

薔薇の黒鍵が飛んで来てまだ動いていたオートマター達へと突き刺さって機能停止させて行く。

 

サンタリリィ「薔薇の黒鍵!ということは―――」

 

サンタアイランド仮面「そう、いい加減口上も飽きてきたところでしょう。私は飽きました」

 

イリヤ「また出た!?」

 

刹那「はいはいナントカ仮面様」

 

んで飽きたの!?と驚くイリヤの隣で刹那が投げやりに返す。

 

サンタリリィ「ありがとうございます。お師匠さん……!」

 

サンタアイランド仮面「いいえ、礼を言う必要はありませんよ。ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ」

 

出て来た言葉にどういう事?とイリヤと美遊は顔を見合わせる。

 

サンタリリィ「え?」

 

サンタアイランド仮面「何故なら……そう、何故なら。ここまで来てもらったのは露払いのため。サンタの持つ希望、万物の贈り物を掴むその袋、私が戴きます!」

 

イリヤ・美遊「ええ!?」

 

まさかの宣言に誰もが驚く。

 

ジャック・ナーサリー「?」

 

サンタアイランド仮面「分かりやすく言うと、敵対するということです!!」

 

ただ分かってないジャックとナーサリーにサンタアイランド仮面は本当に分かり易くそう言う。

 

刹那「な、なんだって!!」

 

ピッシャアアアン!

 

マシュ『……あの、今の雷はどこから?』

 

サンタアイランド仮面「深い追及は止めなさい」

 

驚きの声を上げた後に降り注いだ雷について問うマシュへとサンタアイランド仮面はそう返す。

 

サンタリリィ「そ、そんな……」

 

戸惑うサンタリリィに咳払いしてからサンタアイランド仮面は言う。

 

サンタアイランド仮面「そも、サンタとは孤高にして平等が原則。全ての願いを叶え、偏りなくプレゼントを贈る……我欲など必要なく、サンタクロースという機構を成立させる概念でなければいけない。なのに、貴女は迷い、惑い、憂い―――そして前に進み続けている」

 

前に進んでいるのは良い事では……とイリヤと美遊は思うがサンタアイランド仮面の気迫に口から出せなかった。

 

サンタリリィ「迷うことは、惑うことは、いけないことですか?」

 

サンタアイランド仮面「いけません。サンタになったのであれば、割り切るべきです」

 

問うサンタリリィにサンタアイランド仮面は断言する。

 

サンタリリィ「我欲は、必要ないのですか?願いを叶えたいと、思うことも?」

 

サンタアイランド仮面「はい。サンタには一切必要ありません」

 

続けての問いに対しても断言された事にサンタリリィはよろめく。

 

サンタリリィ「……そう……なのかな……」

 

顔を伏せるサンタリリィをサンタアイランド仮面は見続ける。

 

ジャック「ねーねー、おかあさん(マスター)。『がよく』ってなに?」

 

刹那「何かをしたい、と思う気持ちのことだよ」

 

意味を聞くジャックに刹那は簡単に教える。

 

ジャック「えーっと、わたしたちは海に行きたいな!……っていうのが、我欲?」

 

サンタアイランド仮面「そうですね」

 

確認するジャックのをサンタアイランド仮面は肯定する。

 

ジャック「ジャンヌは……わたしたちと、ナーサリーと、海には行きたくないの?わたしたちは、いっしょに行きたいよ?」

 

ナーサリー「そうね、わたしもジャックとジャンヌと一緒に海へ行きたいわ!もちろん、マスターやイリヤたちも一緒!皆で一緒に、海に行くのが楽しいの!」

 

イリヤ「それにサンタは全ての願いを叶えるなら2人の願いは叶えるものだよね?」

 

美遊「イリヤの言う通り、サンタリリィ。叶えてあげよう」

 

その後にサンタリリィへと言うジャックとナーサリーにイリヤと美遊も続く。

 

サンタリリィ「あ……」

 

サンタアイランド仮面「……子供の戯れ言にいちいち耳を傾けてはいられないですね。さて、袋を渡して貰いましょう」

 

そう言いながら手を差し出すサンタアイランド仮面……

 

サンタリリィ「……渡しません」

 

サンタアイランド仮面「おや」

 

顔を伏せて出て来た言葉にサンタアイランド仮面は呟いた後にサンタリリィは顔をあげる。

 

サンタリリィ「()()()()、絶対に渡しません!子供の言う事をバカにするあなたに、この袋は渡せません!」

 

サンタアイランド仮面「ではどうします?」

 

力強く言うサンタリリィにサンタアイランド仮面は楽しげに問う。

 

サンタリリィ「戦います!お願いします、❘トナカイさん《マスター》!!私に、勝利を下さい!この人に勝ちたい!ううん、違う。この人にだけは、負けられないんです!負けちゃいけないんです!」

 

刹那「了解、サンタクロース!マスターとして君の願いを叶えよう!」

 

お願いするサンタリリィに刹那はニッと笑って返し、私達も!とイリヤ達もサンタリリィに並ぶ。

 

サンタリリィ「……!はい!ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ!サンタクロースとして、サンタアイランド仮面を叩きのめします!」

 

その言葉と共にサンタリリィは駆け出す。

 

イリヤ「私たちも行こうルビー!」

 

ルビー「ええ、頑張って行きましょう!」

 

それに続いてイリヤも飛び出して構える。

 

サンタリリィ「たあっ!」

 

イリヤ「ええいッ!」

 

ズダダダダン!

 

同時に魔力弾を放って先手必勝と向かうがサンタアイランド仮面は軽く剣を振って両断していく。

 

イリヤ「なら斬撃(シュナイデン)!」

 

サンタアイランド仮面「量から質ですか……それでもまだ!」

 

そう言ってサンタアイランド仮面は斬撃を両断する。

 

ルビー「イリヤさん!相手のクラスはルーラーですのでこのままだとこちらが不利です!」

 

イリヤ「それなら…夢幻召喚(インストール)!」

 

ルビーの進言にならばとイリヤは彼に有利なカードを取り出して一体化する。

 

サンタアイランド仮面「(ほう、私に有利となるとアヴェンジャーかバーサーカーですが……誰になるのやら……)」

 

それを見てサンタアイランド仮面は様子を伺っていると光が晴れると大きな斧を構え、上部分が最低限ので隠し、下は豪華な装飾が付いた黒のスカートを見に纏ったイリヤが現れる。

 

サンタリリィ「イリヤさんの恰好がさっきのとは別のに変わった!?」

 

イリヤ「力を借りるよ!バーサーカーさん!」

 

■■■■■■■■■!!

 

驚くサンタリリィを後目にそう言ったイリヤの脳裏に使ったカードの主、ヘラクレスの声が聞こえた気がした後に力が漲って来るのを感じながら突撃する。

 

サンタアイランド仮面「っ!」

 

イリヤ「はあっ!!」

 

危険を感じてすぐさま横に反射的に飛んだ後にイリヤにより振るわれた斧の斬撃が爆風の様に雪と地面の土を舞い上げる。

 

サンタアイランド仮面「(っ!これでは周りの様子が分からないですね…)」

 

舞い上げられた土と雪で周りが見えなくなった事にサンタアイランド仮面は少し眉を潜めた後……

 

ブン!!

 

魔力弾が複数飛んで来て、何発か防ぐが、右肩に1発が当たる。

 

サンタアイランド仮面「なるほど。煙幕で身を隠して攻撃ですか……」

 

呟いた後にですが……と呟いてから真っ直ぐ飛び上がる。

 

サンタアイランド仮面「こうすれば分かりますし、攻撃して来る事もお見通しですよ!」

 

その直後に周りから飛んで来た魔力弾を回転して全て両断し、決まりましたねと呟いた直後、頭上から衝撃を受ける。

 

何……と思って残った力で見上げると構えたサンタリリィが見え、先ほどのイリヤのを思い出して察する。

 

サンタアイランド仮面「(ああ、なるほど。あの煙幕は私を誘導するのと同時に、イリヤによって飛び上がった私より上へとサンタリリィを投げ飛ばす為のを悟られぬ様にする為のでもあったと言う事ですか……)」

 

ドーーーン!!

 

これは一本取られましたと思いながら地面に激突し、同じ様に落ちて来たサンタリリィをイリヤがキャッチする。

 

サンタリリィ「ありがとうございますイリヤさん!おかげで勝てました!」

 

イリヤ「えへへ…あ、それより早く海に行かないと…!」

 

お礼を述べるサンタリリィにイリヤも降ろしながらそう言う。

 

サンタリリィ「あ、そうでした!さあ、そこを退いて下さい!」

 

サンタアイランド仮面「どうぞ」

 

そう言ってあっさり横に行くサンタアイランド仮面にあらっとサンタリリィはよろける。

 

サンタアイランド仮面「貴女のサンタクロースとしての覚悟を見せて貰った以上、私には何を言う権利もありません。行きなさい。行って、理解するのです……」

 

決まりましたねとサンタアイランド仮面は内心そう思っていると……

 

ルビー「えーっと、なにやらイイ感じの台詞仰ってるところ悪いのですが」

 

ジャック「ジャンヌならもう行っちゃったよ?」

 

その言葉に周りを見ると指摘したルビーとジャック以外はもう先に進んでいるのが目に入る。

 

サンタアイランド仮面「えー……それならジャックさん。彼女のことをよろしくお願いします」

 

それに少し落ち込んだ後にジャックへとそうお願いする。

 

ジャック「うん、まかせて!……かいたいする?」

 

サンタアイランド仮面「結構です♪」

 

力強く頷いた後に聞かれた事にサンタアイランド仮面は笑顔で返したのを聞いてからジャックとルビーは後を追う。

 

サンタアイランド仮面「さて、これで良いでしょうかね……」

 

そんなメンバーを見送りながらサンタアイランド仮面は歩き出す。

 

 

 

 

しばらく進んで行くと雪が無くなり、草原になる。

 

イリヤ「あ、雪が無くなってきた」

 

マシュ『ここ一帯は雪がないんですね。もうすぐ海です。でも、海を見るなら急いで下さい。間もなく夕暮れ、すぐに夜になってしまいます』

 

サンタリリィ「…………」

 

そう報告してから催促するマシュにはーいとジャックとナーサリーが返事する中でサンタリリィは考え込んでいた。

 

ナーサリー「楽しみね、ジャック!」

 

ジャック「どんなんだろうねー」

 

一方でナーサリーとジャックは楽しげに話していた。

 

ナーサリー「泳ぎはできないのかしら。冬だから、やっぱり無理かしら。ねえ、ジャンヌ。……ジャンヌ?」

 

サンタリリィ「ご、ごめんなさい。何でしょうか?」

 

話を投げたナーサリーにサンタリリィは慌てて返事する。

 

震えているのに気づいたジャックは考える。

 

ジャック「んー、手をつなぐ?」

 

サンタリリィ「あ、いえ。大丈夫です……」

 

ナーサリー「……震えているわね。なら、わたしも手を繋いであげるわ!」

 

そんなサンタリリィにジャックは手を取り、ナーサリーも同じ様に手を取る。

 

サンタリリィ「も、もう。あの、❘トナカイさん《マスター》……」

 

刹那「皆で行ったら?私は後から追い着くから」

 

困った様にだが嬉しそうなサンタリリィに刹那はそう言って背中を押す。

 

サンタリリィ「……分かりました。それじゃ、行ってきます!」

 

笑った後にサンタリリィはジャックとナーサリーと共に走る。

 

刹那「イリヤちゃんたちも先行っていて良いよ。後から追い着くから」

 

イリヤ「分かりました!」

 

美遊「それじゃあ刹那お姉さん、後で合流しましょう」

 

うんと言う刹那のを聞きながら2人は追いかける。

 

それを離れた場所で誰かが見ていた。

 

???「……そう。あれは幼い頃の夢でした。どこどこまでも広がる大海原は私にとって、見聞きするしかない夢物語。広がる麦畑を潮騒の音が聞こえることはなく。私の夢が叶ったのは、何もかもが終わった後のこと。そう、1430年の冬。ル・クロトワを通り過ぎた私は確かに海を見たのです。何もかもが終わった後でも。この先の運命を理解していたとしても。あの、美しさは。あの、震えるほどの感動は。決して忘れられない、唯一無二の光景でした―――」

 

誰かに語る様に誰かはサンタリリィを見ながら呟いた。

 

サンタリリィ「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ!」

 

ジャック「はあ、はあ、はあ……!」

 

ナーサリー「本には厳しいわ、もう……!」

 

サーヴァントながらも年齢的に子供なので息を荒げながら3人とイリヤと美遊は走って行き……

 

サンタリリィ「あ――――」

 

目に入った夕日に照らされて輝く海にサンタリリィは言葉を漏らした。

 

ジャック「ふわー、これが海?すごいねー、ほんとうに、すごいねー!」

 

同じ様にジャックとナーサリーも海にはしゃいで走って砂浜に足を踏み入れる。

 

ナーサリー「凄いわね、怖いわね、でも面白いわ!それにすごく夕焼けが綺麗!」

 

ジャック「お日さまがしずんでいるんだね!海に溶けているみたい!」

 

イリヤ「うわ~、すっごく綺麗な夕日!」

 

美遊「うん、凄く綺麗…!」

 

サンタリリィ「…………」

 

きゃっきゃっとはしゃぐ2人の声が耳に入るがサンタリリィは海を見続け……

 

ジャック「泳げないかなー?だいじょうぶだよね、サーヴァントだもん!」

 

ナーサリー「みっともないかしら。というか、紙に水は厳禁だと思うわ!」

 

ワクワクするジャックにナーサリーは注意する。

 

ジャック「えー、じゃあジャンヌは?ジャンヌなら、問題ないよね」

 

ねー?と後ろにいるジャンヌに聞くが返事が返ってこない。

 

ジャック「……ジャンヌ?」

 

ナーサリー「ジャンヌ?」

 

どうしたんだろうと2人は振り返り……驚いた。

 

泣いているのだサンタリリィが……

 

ただただ、サンタリリィは涙を流して海を見ていた。

 

サンタリリィ「あ、ああ……あああ……」

 

慌てて2人が駆け寄る中でサンタリリィは膝から崩れ落ちる。

 

その涙は2人の願いが叶ったから?朝日に照らされる海を見れなかったから?

 

否、どちらとも違う。

 

彼女は気づいた……いや、()()()()()()()……

 

サンタリリィ「……これ、そうだ、これ、最初から、まちがってた。まちがってたんだ。()()()()()()()()()()()()()……!!わたしが、海を、見たかったんだ……!!」

 

涙を流し、海を見ながらサンタリリィは言葉を絞り出して行く。

 

サンタリリィ「見たかった、見たかったの……!ずっと、ずっと、海を見たかった……!!うぁぁぁああああああああ……!!ああああああああああああああああああああ!!」

 

ジャック「ジャンヌ……」

 

イリヤ「サンタリリィ…」

 

心の底から泣いて涙を流すサンタリリィにジャックやナーサリーに追いついたイリヤと美遊は見続ける。

 

サンタリリィ「ごめんなさい……ごめんさない!あなたたちの夢を叶えに来たんじゃなくて、これは―――」

 

私の……と言う前にナーサリーとジャックは優しく抱きしめる。

 

ナーサリー「……いいのよ。いいの」

 

ジャック「うん、いいんだよ。それで、いいの。がんばったね、本当にがんばったね。サンタさん、がんばったね」

 

サンタリリィ「……うん」

 

よしよしと撫でる2人にサンタリリィは涙を拭う。

 

ナーサリー「うねる波の音を聞きましょう。砕ける波を見つめましょう。原初の風景、世界の果てのように厳しい。それなのに、こんな美しい風景を―――」

 

笑顔で言ったナーサリーのにサンタリリィははい!と元気よく答えて夕日に照らされ美しく輝く海を改めて2人と共に見続ける。

 

イリヤ「(良かったね、サンタリリィ……ん?あれって刹那お姉さんと……)」

 

 

 

ジャンヌ「良かった、気づいてくれました……」

 

マシュ『え?ジャンヌさん!?一体、これどういう事ですか……!?』

 

ジャックとナーサリーと共に見ているサンタリリィを見て安堵しているジャンヌにマシュはなぜここにいるかやどういう事なのか戸惑って聞く。

 

ジャンヌ「海を見たい、というのは―――私の望み、私の願いです。とは言っても、子供の頃に抱いた些細な夢です。十七歳で出立する頃には、故郷に置き去りにした程度の」

 

そんなマシュに対してジャンヌはそう言ってからしかし……と悲しみに顔を顰める。

 

ジャンヌ「……あの娘は聖人ではありません。かといって、復讐者でもない。子供の頃の私は、ただ日常を謳歌する子供です。だから、サーヴァントとして現界し続けるなら『何か』になる必要があった。……でも、彼女はサンタを望んでしまった。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

マシュ『子供がサンタクロースになっては、いけない?』

 

出て来た言葉にさらに戸惑うマシュへとジャンヌは頷く。

 

ジャンヌ「本来のサンタは天草―――じゃなくて、サンタアイランド仮面さんの言う通り。公平無私にプレゼントを配るのがサンタの理想です」

 

サンタオルタ「? 私は気にせず配ったが」

 

そう言ったジャンヌに横にいたサンタオルタは何言ってんだ?と首を傾げる。

 

ジャンヌ「もう。でも、子供にはそれが不可能です。だって、子供はプレゼントを貰う側であって、贈る側ではない。もちろん、特定の誰かに贈るなら話は別ですよ?それは個々人の願望による贈り物ですから。でも、サンタクロースはそうではない。愛を、贈り物を、公平に配るからこその存在。でも子供は誰より贈り物を欲するもの。ましてそれが、一度も願ったことのない者ならなおさら。だからサンタクロースの活動を通して何とか理解して欲しいと思ったのです。彼女《ジャンヌ》に、願いを抱いて欲しいと」

 

そんなサンタオルタに呆れながらジャンヌはなぜサンタリリィにサンタの活動をさせていたかの理由を説明し……

 

ジャンヌ「……ですが、予想外に話が狂ってしまって」

 

サンタオルタ「まさか、あそこまで頑なだとはな。贈り物の二つ三つを配れば、自然と自分の欲しいものが浮かぶと思ったが。どれだけ無欲なのだ、貴様は」

 

その後に困った様に呟くジャンヌにサンタオルタは呆れてぼやく。

 

ジャンヌ「日々が満ち足りていただけです……まあ、可愛げのない子供だったでしょうけど」

 

サンタオルタ「ジャンヌの願いをどうにか見出して、ジャックとナーサリーに頼んだのだ。彼女の願いを叶えて欲しいと」

 

それに対して顔を横にプイっと逸らして言い訳するジャンヌのをスルーしてサンタオルタはマシュに言う。

 

マシュ『え、それじゃこの旅は……!?』

 

ジャンヌ「はい、この旅こそは彼女がサンタクロースになる旅ではなく―――サンタクロースが、ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィになるための旅だったのです」

 

それにより今までのを思い返して驚くマシュへとジャンヌはくすっと笑って種明かしする。

 

マシュ『途中で出てきた皆さんは……』

 

サンタオルタ「障害の一つや二つで諦めるようであれば、別のアプローチをするしかなかったが。そこまで突き進むのであれば、やはりあの小娘にとって、海を見るのは夢だったのだろう」

 

レオニダスやハサン達に対して聞くマシュへサンタオルタは前半をマシュに、後半はジャンヌを見ながらそう答える。

 

ジャンヌ「それに大事なことがもう一つ。ただ、海を見に行ったのではないのです」

 

どう言う事です?と首を傾げるマシュにジャンヌは再び3人へと顔を向けて言う。

 

ジャンヌ「……そう。辛いことがたくさんあって、それでも、()()()()()()()()()()()()()。この記憶がある限り、彼女はサーヴァントとして在り続けるでしょう」

 

温かく見守る様にジャンヌは微笑んで締め括る。

 

サンタアイランド仮面「あ、ネタバレしましたか。なら、そろそろ復活していいです?」

 

刹那「ダメ―」

 

そこにひょっこりとサンタアイランド仮面が現れて聞き、刹那は笑顔で返す。

 

サンタアイランド仮面「えー……もういいでしょう。三人も海に到着しましたし」

 

マシュ『え、えええ!?サンタアイランド仮面、復活しました……?』

 

驚くマシュにサンタアイランド仮面はふふっと笑った後に仮面に手を付け……外して天草に戻る。

 

サンタアイランド仮面→天草「いやはや、些か強引なシナリオでしたが、どうにか全うできました」

 

ジャンヌ「ありがとうございます。まさか、貴方に助けられるとは―――」

 

ふうと息を吐く天草にジャンヌはお礼を言う。

 

まぁ、彼女的に小さいが因縁のある自分(ジャンヌ・ダルク)を助ける手助けを彼がしてくれるとは思いもしなかったのだ。

 

天草「ははは、それは当然ですよ。貴女と相性の悪いジャンヌ・オルタさんが増えるなんて、素晴らしいじゃないですか!」

 

ジャンヌ「そういう魂胆でしたか、もう!……でも、私も良かったと思います。彼女は私ではないけれど、私が至れなかった、未知の可能性……正直、家族が増えたみたいで嬉しいんです」

 

サンタオルタ「お前、それ本元のジャンヌ・オルタに言ってやれ。死ぬほどイヤそうな顔するぞ」

 

清々しい笑顔でさらりと酷い事を言う天草にジャンヌは呆れた後に笑って言ったのでサンタオルタがくすくす笑いながらそう言う。

 

実際に嫌そうな顔をしそうだし、後天草さんそれブーメランだと思うよと刹那は内心ツッコミを入れた。

 

だってさっきの天草の言葉はまんま同じクラスである本人にも刺さっているからだ。

 

ジャンヌ「分かってます、だから言いません」

 

マシュ『なるほど……。つまり全部、天草さんとジャンヌさんの企みだったんですね。すっかり騙されました』

 

ホントに気づきませんでした……と呟いたマシュのに対し……

 

天草「いいえ、私ではありません」

 

ジャンヌ「いえ、違いますよ?私では、とてもここまで……」

 

サンタオルタ「ジャンヌ・オルタ・サンタ・リリィがこのままでは消えてしまうと、伝えたのは私だが。私がこの計画を立てた訳でもない」

 

3人は自分達が今回の事を立てた訳じゃないと否定する。

 

マシュ『え、じゃあ誰ですか?サンタムさん?』

 

エミヤ「おっと、外れだ。フッ……マシュ、気づかないのか?」

 

戸惑うマシュにすっと現れたエミヤが不敵に笑って聞く。

 

マシュ『え……?』

 

クロ「この計画を立てたのは()()()()()()()()()()()()()()()()。誰がどの役割に適していて、誰が彼女を導くべきか、理解している人物で」

 

エミヤ「そして、あのジャンヌ・オルタがリリィの姿になろうとも、心から信頼を置く者でなければならない」

 

GOクロ「それなら黒幕なんて世界にたった一人しかいないじゃない」

 

続けて現れたWクロと共にエミヤからそう言われてマシュもようやく気付いて目を見開く。

 

マシュ『あ……。ああ――――!!……()()()()!?』

 

刹那「はい……」

 

そう言う事ですと刹那が肯定した後にさり気無く天草が彼女が黒幕ですと言うフリップを掲げて笑う。

 

マシュ『マ、マスターが全部仕組んでいたんですか!?』

 

ここに至るまでの出来事を回想してマシュは絶叫する。

 

ジャンヌ「はい、その場その場をアドリブで乗り切り、的確にサーヴァントを配置する様は、お見事でした」

 

サンタオルタ「落下した後、ラムレイ二号のエンジンを故障したように見せかけたのも、刹那の仕業だ」

 

マシュ『……ちょ、ちょっと待ってください!何故、わたしにはそのことが一切伝えられていなかったのでしょう!?』

 

笑っていたジャンヌはそんなマシュの疑問に顔を逸らし、サンタオルタはくすくす笑う。

 

ジャンヌ「そ、それはですね……」

 

サンタオルタ「マスターが黙っていろと言ったのだ。マシュはこういう嘘が苦手で、絶対バレるからと」

 

マシュ『せぇぇぇんんぱああああいいいいい!?』

 

刹那「ご、ゴメンなさ――い!!」

 

理由にマシュは刹那に絶叫し、刹那も謝罪の絶叫を上げる。

 

マシュ『あ!つまり、緊急メンテナンスを言い出したドクターも……!』

 

サンタオルタ「もちろん共犯だ、共犯」

 

今回のが始まる前に消え去ったロマンを思い出すマシュにサンタオルタは笑って暴露する。

 

マシュ『ちょっと今から、ドクターに抗議しに向かいます!』

 

刹那「ホッ…(助かった…)」

 

それにより矛先がロマンに向いたので刹那は安堵する。

 

ただし、そう問屋は降ろさなかった。

 

イリヤ「ふ~ん。やっぱり刹那お姉さんが黒幕だったんだ…」

 

刹那「い、イリヤちゃん!美遊ちゃん!何時の間に後ろに!?」

 

美遊「ついさっきです。ところで何故私たちにも事情を話してくれなかったんですか?」

 

何時の間にか後ろにいたイリヤに刹那はビクッと慌てて飛び退った後に美遊の問いに目を泳がせる。

 

刹那「えーっとそれは…その…言うタイミングが無かったというか…」

 

イリヤ「……マシュお姉さん、安心して。刹那お姉さんは私たちがお仕置きしとくから!」

 

指をツンツンさせてる刹那に忘れてたなと察したイリヤはロマンを説教しに行こうとしてるマシュへとそう言い、お願いします!と返されて刹那を見る。

 

刹那「うぇ!?」

 

ルビー「ふっふっふー!事件の黒幕だったマスターさんにはルビーちゃんとっておきのお仕置きをしてあげますよ~~イリヤさんに出来てないあんな事やそんな事をね~~」

 

イリヤ「色々とツッコミたいけど今回ばかりは許すわルビー!思う存分やっちゃって!」

 

ヒャッハー!許し出ました~~!と喜ぶルビーの言葉に刹那は周りに助けを求めようとするが自業自得さとエミヤに見捨てられ、天草とサンタオルタは楽しそうに見ていて、ジャンヌはすいませんと両手を合わせて謝る。

 

刹那「そ、そんなー!?」

 

ルビー「さあマスターさん。こっちに行きましょうねぇ」

 

何時の間にか転身して魔力を筋力に振った2人の魔法少女に連行されて行く哀れな少女にやれやれとエミヤは苦笑する。

 

エミヤ「安らかに眠れ、マスター」

 

呪腕のハサン「南無阿弥陀仏……」

 

十字を切るエミヤと合掌する呪腕のハサン達と違い、3人の少女は暗くなるまで海を見続けた。

 

後日、刹那にLOVEするサーヴァント達の合間である写真が流行り、刹那は顔を真っ赤にし続ける日々が続いたのは些細である。




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