ハイスクールW×W   作:光影陽炎

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やってやった、後悔はしていない。


第1話

20XX年――月――日

 

火星

 

太陽系にある火星、そして火星から生えるように存在する異物。

その異物の中で、何度目になるかも分からない轟音が鳴り響く。

地下数キロメートル下の方では、1京対数十の戦いを繰り広げていた。

数十の軍勢はその身を機械で包み、いや・・・・二足歩行の機械を使いこなし1京もの敵と対峙し、1京の群れは数十の敵を飲みこもうと猛進を辞めない。それどころか、味方がやられても見向きすらしない。

1京の群れは、一つの体のように動き、1体がやられてもかすり傷程度のようにしか見えなかった。

 

『おい!ゲロビはまだなのかよ!?』

『あと少しだ!30秒で撃てる!』

 

数十の軍勢の内の一人が隊長を急かす、それほどまでにこの戦場はいつ拮抗状態が崩れてもおかしくはなかった。

そもそも1京の群れを数十で相手にすること自体がおかしい事なのである。

だが、隊長が宣言した『30秒』後に、数十の軍勢が左右に突然分かれ、軍勢があったちょうど中央に道が出来た瞬間、軍勢があった場所の遥か後方から突然、超極太ビームが飛んできた。

5秒、5秒の轟音と揺れが起こり、5秒後には少しの静寂が訪れる。

 

『おらぁ!てめぇらとっとと行くぞ!』

 

数十の内の10機の隊長を任されている男がそう叫ぶ。彼はこのような一方遊戯(ワンサイドゲーム)を何度も体感している人間だ。蚊ほどの動揺もなかった。

その言葉に反応した全員が口元を歪め、音を付けるならばニヤァと笑っていた。

男も、女も、子供も、老人も全員がそう笑っていたのだ。機械越しには分からなくとも、ある程度の武を持つ者に取ってはその光景が不気味であろう。

 

 

そして彼らが極太ビームによって敵が消し飛んだ後の道を、風の如く去っていく。

 

そしてそれから数日後、この場所での戦闘が終わり、数十の軍勢は故郷へと帰ってゆく。

ある者は愛する者の元へ、ある者は護るべき仲間の元へ、またある者は果たした誓いを伝えに逝くために――――――

 

 

 

 

 

「あぁ・・・」

 

ここは、何処だ?

あの最後の戦争で俺達は戦い、あの場所で散って逝ったはずだ・・・

何処までも白い空間、この光景を俺はどこかで見た気がする。

 

「おかえり、我が子よ。まずは礼を言わせてもらおうかの。」

 

いつの間にか地面に足が着いている感触が分かり、今俺が息をしているのが分かった。

つーか我が子ってなんだよ?俺の親父はとっくの昔にいねーはずだか?

そう思いつつも俺がその顔を拝もうと顔を上げると、いつぞやの爺さんだった。

 

「なんだ・・・あんたか。」

「なんじゃ、驚きはせんのか。」

「まぁな。あんたの顔も見飽きているしな。」

「ホッホッホ、ワシはいつ見ても飽きんがな。」

 

っち、いけすかねぇ爺さんだこと・・・

 

目の前にいる爺さんとは既に何度も顔を合わせている。まぁ、俺としては途中結果報告も含めて楽なんだがな、毎回会うたびに仕えさせている女の自慢をされるのはムカつく。

すると爺さんは、突然黄昏始めた。

 

「そうか・・・とうとう終わったのか。」

「・・・ああ、全て終わった。」

「・・・じゃが、これで終わるつもりはあるまい?」

「・・・ああ。」

 

そう、あいつの物語はあそこで終わったんだ。でも、それは俺達の物語の始まりでしかない。

 

「おお、早いな――――」

 

俺の名前を呼びながら隣に現れたのは、俺の相棒だ。

何千、何万年も戦場で共に戦った戦友。

そういえば、あいつらもあの世界で過ごす事にしたのだろうか・・・

 

「まぁの。どうじゃ、全部終わらせた後の感想は?」

「そうだな・・・・屑みたいな俺達でも、悪くはなかったな。」

「ああ・・・そうだな。」

 

そう、俺達は欲に従った肉の塊だった。それが何の因果か、世界を救うための戦争に参加することになろうとはな・・・

 

「さて、そろそろ戻ろうか?俺達の世界に。」

 

時間が迫っているかのように俺を急かす相棒、さっさと戻りたくてしょうがないんだろう。

俺は頷いて、爺さんの方を向きこの場所で最後の言葉を交わす。

 

「また会おうぜ、オーディンの爺さん。」

「ああ、そうじゃな。戦争屋。」

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、世界を護って逝った元戦争屋と元テロリストは、彼らの場所へと還ってゆく。

それが、新たな彼らの物語の最初の1ページ。

 

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