「今日は俺のライヴにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!」
「イエー!!!」
あれ、プレゼントマイクの言葉に反応してるの私だけ?さて、今日は待ちに待った受験の日。わー、すごい。プレゼントマイク今日もイカしてるね!!結構好きなんだよねプレゼントマイクのこと。ノリが良くて声高に自分の考えハキハキ言えるとことか。でもたまに五月蠅いと思うけど。
「センキュー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?」
「「YEAHH」」
会場には私とプレゼントマイクの声だけが響いた。モノホンのプレゼントマイクなのにみんなもったいないなー。にしてもいるなあ・・・今年もかなりの数の受験生だ。でもこっちもいくら記念受験っていっても手を抜く気はない。お母さんに「お父さんみたいに慢心して足元をすくわれない事」って口酸っぱく言われてるし。実技は点数関係なく自分のやりたいように、けど慢心・・・油断しないように気を張った方がいいのかもしれない。
ってあれ?考え事してるうちにみんなもうバスに乗り込んでる!?しまった、説明聞くの忘れた!!
演習場に着いて中に入った。おお!ちゃんとした街並みだ!
「どうしたぁ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!!?」
なるほど、たしかにそりゃそうだ。私も「個性」の盾を構えて突っ込んでいく。とりあえずセオリーに一番大きいのを狙うとしよう。
一番大きい敵にみんな逃げ戸惑ってる。見るからに頑丈そうなそいつに並みの攻撃は効かないってことなんだろうか?ま、なんにしても逃げ遅れた子たちを助けるのが優先だな。それからあいつを倒そう。
敵と逃げる受験生たちの間に割って入り、個性の盾で結界を張って敵の攻撃を防いだ。
「・・・ヒーローなら逃げるなって、言われるかもしれないけど・・・戦うのだけがヒーローってわけじゃない。ヒーローっていうのは、より多くの人を助ける人!!なら冷静にならなきゃ、そのためには逃げることだってしなきゃ、ヒーローがいなくなったら誰が敵と戦うの?」
私はなるべく後ろの受験生たちを安心させようと振り返る。
「――――――真正面から戦うだけが勇気じゃない。逃げることだって勇気だよ。・・・てなわけで行った行った!ここは私がなんとかしとくから行きなさい」
「え、あ・・・」
後ろの人たちは呆けていたけどすぐに散って行った。よし、じゃあもういいかな。
「あ、あの!」
「?」
「ありがとう!助けてくれて!!」
「―――うん!どういたしまして」
お礼を言ってくれた子が去っていく。まさかこんな時にお礼言ってもらえるなんて思わなかったから、思わず顔が緩んだ。えへへ。
なら私も気合い入れていかないと!
「せや!」
その場から大きく跳躍し盾で敵の頭を刺した。え?盾は刺すものじゃない?いいんだよ、世の中には魔術師なのに呪文噛むから聖剣で殴る人がいるらしいから。
頭をやられた敵はそのまま倒れた。
「あ、ありえねー。あの0P敵を一撃で・・・」
え、こいつ0Pなの?!・・・まあいっかお礼言ってもらえたし。筆記は自信あるから経営科には入れるかもしれないし、とりあえず周りの残ってるのを壊すとするか。
「凄いわねあの子、他の受験生を守ったうえに0P敵を一撃で倒すなんて」
「今年もなかなか粒揃いみたいだね」
「でももう敵の数も結構減ってるし、ここから挽回って至難のワザですけどね」
「・・・・・・」
「あれ?どこに行くんだい相澤先生」
「・・・トイレですよ、すぐに戻ります。」
相澤がそう言って出ていく。
「でもそろそろ採点で・・・って」
「どうかしたのかい?」
「いえ、相澤先生の受験生のレスキューPの割り振りの用紙が・・・」
―――渋谷瑠璃、レスキューP50
相澤の用紙には、確かにそう書かれていた。
「逃げることも勇気、ね」
『戦うのだけがヒーローってわけじゃない。ヒーローっていうのは、より多くの人を助ける人!!なら冷静にならなきゃ、そのためには逃げることだってしなきゃ、ヒーローがいなくなったら誰が敵と戦うの?』
―――この御時世にそんなことを言うやつがいるとは。
「盾の個性といいなかなか合理的だ」
当然のようなことを心の言い訳をするように呟くと、相澤は口角を上げて廊下を歩いていくのだった。
お礼言ってくれた子のことは特に決めてません。
自己犠牲をよく思っていない合理主義の相澤先生と相性のいい子になったような気がしたので最後の教師陣の会話も書きました。
レスキューPは先生たちの持ち点が説明されていなかったのでテキトーにしました。ちなみにそれに反してヴィランPは実は一桁です。