「…あちぃ…」
そう言い借りたホバーバイクのエアブレーキ兼ランディングアームを下ろし地上に降りる。
ラダーペダルから足を離して地上に足を付けてライフルを右手に持つ。
『そう言わないでくださいよ。私も暑くなってしまいますから』
それにしてもほんっと、暑そうですねぇそっち。あっ、ユウナさんの尻尾も全然振ってない。と通信越しに言うデュケット。手には勿論冷たい飲み物が。
「デュケットは空調の効いた場所からの通信だろうに…ッ」
『そんな事言うと本来の業務ーー管制室に戻りますよ?無理言って今日の管制官ラミアさんに代わってもらったんですからね』
それにそのホバーバイク、貸してあげたんですからね、と言う。
「ごめんって。ーーったく、なんで俺がこんな事を…」
そう言い額に汗が垂れた。それを銃を持っていない手で拭い、カラッと晴れている空を見る。今いる場所は灼熱のクソあちぃ惑星、リリーパ。ーーの砂漠地帯と地下坑道の境目。そう、今俺はリリーパにいる。
何故こんなクソあちぃ惑星にいるのか。
その理由は俺が今ナノトランサーから出したこの紙ーー手紙が原因である。取り敢えず手紙を持った手を上に上げて、一体何処の大馬鹿野郎だ俺をこんな所に呼び出したのは、と思いながらナノトランサーに再度入れてこのライフルーープロトレイを両手でしっかりと保持してーー手紙に付いていた座標点を確認しながら、デュケットから借りたバイクに何も無いかを確認する。
今から2日前。マイルームにてマトイとデュケット。それと俺の3人で料理をしていた時のことだ。
突然ブザーと言うかインターホンと言うか。それが鳴り、少し前にデュケットにやったようにライフル構え外を見る為のモニターを見る。
モニターに映ったモノは何もなくただ廊下を映す。
イタズラか?と思いながら玄関に向かうと玄関のポストに紙が入っていた。それを手に取りリビングに向かい、デュケットとマトイが見守る中ソレを開ける。
そこには2日後、惑星リリーパのエリアJo245、xG056で待つ、とだけ書かれていた。
二日間の間に届いたテレスコープ弾を全てマガジンに詰め込みマガジン用のナノトランサーに放り込む。
その間デュケットは嫌な予感がします、と言い先程言っていた通りに管制官を代わってもらい、それと場所が場所なので、と言いホバーバイクを圧縮状態で借りた。
その時これ、テレビでやっていたホバーバイクかよ⁈と興奮したが、どうやらコレは結構前のモデルらしく、圧縮状態には対応してはいるものの、その他の性能は最新型には遥かに劣るそうだ。
それでも徒歩で歩くよりはよっぽど良い、という事で有り難く拝借した。
一方マトイは3日おきにフェリアさんの所に行っているらしい。ある意味変わってないな。と言うかマトイだけ関係無いな。そもそもアークスですら無いし。
そう言い、周辺に何も無いことを確認するとライフルをシートに置いて背後のナノトランサーからサンドイッチーーマトイがこれ、現地で食べてね、と渡してきた保存用の紙で巻かれた冷たいサンドイッチを手に取る。
中身はベーコン、ハム、レタスにトマト、マヨネーズと普遍的だが…。
『マトイさん、いくらなんでも作りすぎですよね。流石にこの量ーー半分のサンドイッチを15個は…あっ、シート汚さないでよね?』
そう、15個ーー上下パン合わせて30枚である。パーティでも開くつもりなのだろうか?
「はむっ…分かってるよ。まぁ作ってくれたから有り難く食べるけど…なぁ?」
『そう言うユウナさんも食べますけどね。それでも食べれて4個から6個くらいですか?』
その栄養は全部胸に行ってるのでしょうか。羨ましい。と聞こえたが、まぁ、聞こえなかったことにする。
この体になって最初の内は胸柔らけぇ、となったものの次第になんか、こう…変な気持ちになり辞めた。因みにブラジャーは厚いので先っぽが擦れて、そう言う気分になるような事はないので、心配する必要など無い。
「まっ、ナノトランサーの中に放り込んでおけば消費期限を気にしないって言うのは良いよな」
『事実上、ですけどね。それ』
「まっ、前の冷蔵庫よりは性能は段違いさ」
冷蔵庫とあるがこれもある種のナノトランサーらしく、俺たちアークスが使う奴より性能が落とされているらしい。そうしないと物が売れなくて市場が回らないと言うのと、冷凍冷蔵等冷蔵庫に必要なソリースを付けたらナノトランサー自体の性能が落ちたとの事。
『…はぁ…取り敢えずマトイさんは食べ物に関しては自分を基準で作らないようにって言わないと…』
「マトイ曰く『食べなくちゃ生きていけないよっ!』だからな」
『ほっぺにケチャップやマヨネーズ、玉ねぎとか付けながら言われると、妙に説得力ありますもんねぇ…』
「…えっ?つまみ食いしてたの?だって出掛ける時5個食べてたぞ」
そう言い出掛ける時にコレを渡され、これ持って行って食べてね、と言いながら開いた手にサンドイッチを2つ持っていた記憶が出てくる。
『えっ⁈』
「……なぁ、デュケット。今度3人で買い物に行かないか?」
『…もしかしてマトイさんの食べる量がおかしいって事を分からせる為?』
「出来れば、だが」
『…まぁ、それ失敗しませんかそれ』
「…うん…ま、マトイの食べるなくちゃ生きていけないって言うのも分かるが」
そもそも食べなくちゃ人は生きていけないしな。料理も好きと言えば好きだし。
ユウナさんの場合はただ美味しいもの食べたいだけでしょ?と言われバレちゃあしょうがねぇな。と言い返す。
『まっ、無事に帰って来てくださいね。私とマトイさんは待ってますから』
「…まてまてまて。まだ所定の場所には遠いから。もう少し掛かるから!」
『ふふっ、冗談ですよ。あっ、でも私とマトイさんって言うのは本心ですからね』
「はぁ、なんでこんな心配されるんだか」
『ユウナさんはマトイさんに救われてるんだから、命を大事にしないとね?』
はいはい、と言いナノトランサーからオレンジジュースを取り出しサンドイッチと共に食べる。
「ふぅ…ごちそうさま。んじゃまた行くわ」
『はいはーい。W.Pは任せてね。地形データから大まかなW.Pを割り出して道案内するから』
「頼むよ」
そう言い保存用の紙をホバーバイクに付いている小型ゴミ箱に吸わせて跨がる。
ハンドルの左手側のグリップを奥に握る。
するとゆっくりとホバーバイクが上昇してランディングアームとそれを兼用するエアブレーキが格納される。
両足のラダーを動かして背部に付いているパドルの動きを見る。ーーオーケー。
次にハンドルを左右に動かし、さっきより激しく動くのとパカ、パカと外装の一部が飛び出てくる。
「…これよく見たらスポイラーって奴か?」
ふと頭の中でエレボンと言うのも浮かんだがどっちが合っているか分からないので今はスポイラーにしておこうと思う。
それを隅に置いてもう一度スポイラーを見るとーースポイラー上の方が大きく出ている。上の方を大きくして空力ブレーキとしてパドルと併合して曲がるのだろうか?
そんな事を思いながらも操縦に集中する為それを四隅に追いやる。右側のグリップをゆっくりと奥に握り速度を出す。
正面計器に速度と地形データが表示される。
『…えっと、ユウナさん、此処から6km行った先を方位3ー6ー0を基点として、このまま方位0ー4ー0の方向のまま進んで2時方向に曲がってくださいね』
「おーけーおーけー、その時になったらまた教えてくれ」
『りょーかい!分かってますよ。ーーそう言えばリリーパの砂漠地帯に野生のマンゴーが生えているらしいですよ?』
「取って来いってか?変な病原菌が居たらどうする?」
『その時は没収して運がなかったって事で』
「無駄足じゃないか」
そう言い何も無い砂漠を結構な速度で走る。
『…あれ?この反応…アークスですかね?』
結構な距離を走りウェイポイントを5箇所くらいパスした時。デュケットさんがそう通信で話す。
『でもこの人数おかしくない…?普通アークスって2人から4人でパーティ組むんじゃ?』
そう言いデュケットの隣に座っているマトイーーマンゴーの話の後数分にメディカルルームから戻って来たらしい。
「まぁ、俺みたいにソロの人も居るがな」
『…ちょっと待ってくださいね。パーティ照会します。ーーあれ?船団を出た時は4人ってなってますね。少し接触してみませんか?』
「…時間の余裕はあるし…行くか。デュケットさん、修正を」
『はい。割り込ませますねーー方位2ー8ー5、9時と8時の間!』
「りょーかい。そっちに向かう」
『私の方からも呼び掛けます。ーーこほん、此方アークス専属管制官、デュケット。そちらのパーティーにーー』
そう言いデュケットからの通信が切れる。
『ーーえっと…こほん。えっとデュケットさんが相手している間私がオペレーターするね。そのまま真っ直ぐだよ』
通信が変わりマトイがオペレーターに。何で咳を?
『と言うかこの機械おっきいね。オペレーターさんはこんな大きな物でやってるのかな?』
『ーー違うよマトイちゃん。本来だったら立体端末で充分なんだけど…今回はちょっと危ないって事で色々誤魔化してオペレートしてるの』
『へぇー。そんなに危ないんですか?』
『だって明らかにおかしいじゃ無い。今時紙でのやり取りなんて…』
そう言いパーティーの少ないアークスが居るという場所に向かう。
ホバーバイクはPSUだか何かにあったホバーバイク的なアレ。そもそもアークスもといオラクル船団って技術力が分からない。チューブ型の道路があると思えば気球らしきものが飛んでいたり、車もタイヤ駆動っぽいし…流石に電気(防水加工)かみんな大好きフォトン動力だよな?
クーナ編も書く?
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書け
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書かないでいい
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Ep4に行け
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Ep5に行け
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Ep.Hはどこ…ここ?