ーーーオラクル船団 S.No.18ーーー
「…到着、と」
「わたし飛行機なんて初めて乗ったよ」
「私とユウナさんはなんだかんだで任務とかで乗りますからね」
「まぁ、民間用に安全を取った大型機らしいがね」
そう言い宙港から離陸していく機体を見送る。数機が壊れても良いようにと複数のエンジンユニットが纏められた機体が機体各部に付いているスラスターを点火しながら離れていく。
「場所は…マトイさん、分かる?」
「えっと…この辺りじゃないの?」
そう言い二人はモニターに周囲のマップを表示して目的地までのルートを探していく。
「…ぁ、飛行艇使えない?」
「うーん。バスよりかは速いけど…目的地から少し離れた所に止まらない?」
「そうなのかなぁ…ルートを調べてみるね」
「お願い。ーーユウナさん、そっちは電話出来ました?」
「は?ーーいや、まだだ。今しようとしていた所だ」
「はい。ーーにしても本当に即日で泊まれるとはね…」
「うん。旅館って書いてあってダメ元で予約したら泊まれるなんてね」
「…それって予約なのか…?」
そんな事を言いながら今回泊まる旅館電話を入れる。
「ーーはい。今日そちらに宿泊予定の者なんですが。ーーはい、はい。ユウナです。ーーはい。はい」
「…あ!デュケットさん!ここ!ここのお店美味しいって書いてありますよ!しかも手作りって!」
「本当かしらねぇ…最近手作りっていうのも偽装が多いって聞きますしねぇ…」
「その点ユウナは手作りだから安心だね」
「安心度合いで言えば自動調理器の方が安心なんだけどね…」
「ーーはい。はいーーえぇ⁈三部屋も⁈マジで⁈ーーあぁ、ごめんなさい。それで…三部屋もですか?」
二人の会話を聞きつつ旅館の話を聞いたら、なんと三部屋も開けてくれているらしい。
「はい、はい。あぁ…オフシーズンなんですか。それで…」
旅館の人曰くオフシーズンな上にバベルズが各シップで暴れているらしく、中々お客さんも来ない、との事。
「…やっぱり飛行艇で行こうよ?」
「…そうですね。それで近場の発着場で降りてバスで向かいましょう」
「…えっと…到着予定時間は…デュケット?ここどこだっけ?」
「宙港ですよ」
「ーー宙港に着いて、えっと…ロビー?ですね」
そこから飛行艇に乗り数十分、その近場に送迎用のバスを向かわせるとの事。
「ーーだってさ」
「飛行艇とバスですか」
「やった!私飛行機に乗ってみたかったの!」
そう言い飛行艇の発着場を指差す。宙港の目の前に何機か止まっている。
大型のものから小型のものまで。二種類ある。
「ねっ?アレに乗ろう!早く!」
「マトイさん急かさない。ーーさ、ユウナさんも」
二人に急かされるまま飛行艇に乗り込む。ーーその前に。
「離陸時間は…10分程度あるのか」
飛行艇の時刻表を見るとーー全部暗記したわけじゃ無いが、宙港に発着する機体の時間とほぼほぼ同じの様な気がする。連動しているのか?
そう思いながらタラップを登り飛行艇の客室の中に。
中は列車の様になっており、2つの座席が向かい合う様になっている。
「…飛行艇ってこうなっているのか」
「座席はどうなってるの?自由席?」
そう言うマトイと一緒にデュケットを見る。
「えっと、自由席、の筈ですよ。確か」
「なら彼処に座ろ!」
指差しながら席に座るマトイ。さりげなく窓側を取る。
「まぁ、私はどこでも良いんですけどね」
そう言うデュケットも同じくマトイの前の窓側を。
「……」
とりあえずマトイの隣に座る。
「……まだかなぁ…」
「マトイさん、まだ乗ったばかりですよ。後ーー9分くらいかな?」
まだかなぁ、と言うマトイとそれに対してまだですよ、て言うデュケット。二人とも暇だろうし何か買ってこようかな、と思い客室内を見渡す。ーーあった。自動販売機。
席を立ちそれに向かう。モニターには簡易的な食事、飲み物、その他が書かれている。
「マトイー?デュケットー?何か飲むー?」
「うぅん。炭酸じゃなければなんでも良いよぉ」
「私は…ユウナと同じもので」
…なら三つともオレンジで良いか。
そう言いオレンジジュース三つとお菓子を何個か買う。
「ほら。お菓子も何個買ったぞ」
そう言いテーブルに置く。全部甘いお菓子だが…まぁ、なんとかなるだろ。
「なら私チョコ貰いますね」
「なら私はこの棒のお菓子を」
そう言い二人は食べ始める。デュケットの横に座り俺もオレンジジュースに口を付けた。
「ーー確かココだよね?降りるところ」
テーブルに映る現在位置と止まる場所と端末の迎えが来る場所の名前がーー一致する。
「ーーそうだな。ココだな」
「10分止まりますし、ゴミ箱に入れて出ますか」
テーブル下のゴミ箱にゴミを入れて、止まるのを待ち、止まったのを確認したら出口に向かって歩く。
「それにしてもここ綺麗だねぇ…景色」
「えぇ。私たちが住む1番艦と違って都市開発もあまり進んでないみたいですし」
そう言い飛行艇から降りるデュケット。
「へぇ。そうなんだ。あれ?でもこんなに開発進んでないとかえってダーカーの襲撃が来たりしないの?」
「ダーカーって人が多い所を集中的に狙うらしいんです。おかげ、と言うわけかは不明ですけど襲われないって訳です」
それでも一般人が逃げれる程度の人は居ますけどね、と言いデュケットがある所ーー山になっている所を見る。
俺もそれにつられて山を見るとーー頂上にレーダーサイトらしき物が。こんな所になんでレーダーサイトっぽいのが?
「デュケットさん、あれは?」
「あれは空気中のD因子の監視と気象をコントロールルームと申し訳程度のアークスが居る場所の筈ね。詳しくは知ら無いけど」
何せ入った事ないし、そもそも私はデスクワークしかやらないからね、と付け加えて。
「コントロールルーム、ねぇ…あんなの、あったっけ?」
そう言うマトイの後を付いて行き飛行艇から降りる。ーーあんなの?
「…マトイ?あんなのって一体ーー」
「ほら、ユウナさんも。10分待ってくれるとは言え待たせては悪いですからね」
「ーーあぁ、分かってるよ」
飛行艇から降りると、目の前のバス停のような所に一台のバスが止まっている。
後ろの席にはーーあれはーー。
「…アレ…ビースト?」
「みたいですね。ーーあ、ユウナさんもしかして?」
「あぁ…うん。俺以外のビースト初めて見たわ」
「まぁ、ここーー19番艦はビーストが多いって事で一部の人達に人気の船ですからね」
たぶん、私見ですけど、オラクル船団の殆どのビーストはここにいるんじゃ無いんですかね?と言いながらバスに近づく。
「…と言うかアレが俺たちが乗るバスだよな?」
「みたいですね。ほら。ドアに書いてあるじゃ無いですか」
そう言うデュケットの通りにバスのドアに書いては有る。ーーあるのだが。
「……そうだな」
例に習ってアークス言語。マトイやデュケットのように元から住んでいるなら兎も角、俺は部外者ーー無論中身が、だが。ーーなので読めなくは無いが、読もうとは思えない。
マトイは本当にオラクル船団の人なのかまだ怪しいが。
「すいませーん。私達予約した者なんですけど」
「はい。三名で宿泊予定のユウナ様ですね。こちらへ」
そう言いバスに案内する女性の人。
それに従い俺たち3人はバスの中に入って行った。
その後旅館に到着、受付にて予約ーー最も、当日予約という物だがーーで寝室が防音の個室になっている部屋の鍵を貰い、その部屋に向かう。
「鍵って聞いて持っている物に付加型のキーとか、宿泊者の身体データの複合キーだと思ってたけど…」
「本当に鍵なんですね」
初めて見ましたよ、言い鍵を見るマトイ。デュケットはマトイが持っている鍵を見る。
「パーツ付加型、か…」
そう呟き右手に持っているーー前の世界でも毎日のように見ていた鍵を見る。
「付加型は身体のどこかに触れさせておかないとダメなんですよね」
「ネックレスとかそう言うのとかは?」
「マトイさん、ネックレスとか持ってないでしょ?」
「あぁ…そうでした」
そう言いながら旅館の人は俺たちが泊まる部屋まで案内してくれた。
「こちらが宿泊するお部屋になっています。ごゆっくりどうぞ」
と言い旅館の人はそのまま戻っていく。
「はやく。開けましょ?」
「ユウナさん、マトイも言っている事ですし…」
急かす二人に急がされ、部屋の鍵穴に鍵を入れて回す。
ガチャ、と言うロックが外れた音がして、鍵穴を元に戻し、鍵を抜き取る。
「…先に入ってくれ」
「うん。ーーわぁ!」
「それじゃぁ、甘えて……へぇ…」
そう言い二人は靴を脱ぎーー景色の良い居間へと進む。
二人が脱いだ靴を前に正して俺もその横に靴を脱ぐ。
玄関から登り俺も二人に合流しようとした時、閉じた玄関がノックされた。
「はい?」
『お客様、少し中に入ってもよろしいでしょうか?』
どうぞ、と言うデュケットとマトイが俺に顔を合わせてくる。
失礼します、と一言いい中に入ってきた旅館の人はーー靴を見て説明は大丈夫のようですね、と言う。
「説明って?」
「えぇ、この旅館はーー靴を脱いで裸足になって歩いてもらう部屋が多いいですから…その、お客様の中にはそのまま上がってしまう方も多くて…」
ですがお客様はご存知の様でしたので安心しました、それでは失礼します、と言い扉を閉めて出て行った。
「…そういや俺の部屋の中じゃ靴脱いでいたが…いやでもアフィンとかゼノさんやエコーさんが来た時は普通に脱いでたよな?」
「ゲッテムハルトさんやメル姉妹も、ですよ。ーー多分親戚にそう言う作法に詳しい人が居たのでは?」
「そう言うデュケットは?」
「ほら。そこはこうーー流れで」
「えぇ……」
そんな方に今までやっていたのは流れで、と言われ困惑していると突然パァン!と言う音が響き、音の方を見るとーーマトイがベランダに出ていた。
「すごーい!山だ!山があるよ!目の前に!」
「…まぁ、1番艦は開発進みまくって、こう言う森林とか山とかないらしいからねぇ…」
「へぇ…」
「その分住むには楽だけど」
すごーい、きれー、と少し幼くなった様な言葉を使うマトイを少し心配しつつ、テーブルの角にセットしてある座布団に座る。
スッと座りテレビの電源をリモコンで押して局を変えていく。
「ーーわぁ、これが…えっと、確かキモノって言うやつですか」
「えっ?キモノ?」
「そう。なんか古来からあるって言う服らしいわよ。着方は……まぁ、デバイスに登録してーーほら」
テレビから視線を外しデュケットとマトイの方を見るとーーデュケットは濃い青色のーー。
「…浴衣じゃね?」
「…あ!そうです!ユカタです!」
なんか引っかかりがあると思ったら…コレが浴衣ですか、と言い用意してあった浴衣を着ている。
マトイもそれを着るもののーー胸がこう…ねぇ。
それをデュケットがじっと見て、そこから更に自分の胸ーー前々から言うがペッタンではなく、充分ある!ー旨を触る。
「…こうなったら……。ユウナさん!ユウナさんも着ましょ!ユカタ!」
そう言い座っている俺の手を引っ張り立たせた後、下着姿にして同じ色の浴衣を着せる。
「コレで3人お揃いだね」
「まぁ、うん。そうだな」
「…やっぱり…大きい…」
小さな声で言うが残念な事にミミで充分聞こえているんだよ。
それにしても、と言い自分のお尻ーー尻尾が生えている所を触る。
完全に穴が開いている。しかも少し大きめの。
「…ユウナ?どうしたの?」
「…いや、ちゃんと尻尾用の穴が開いているなって」
「ここはビーストが多い船ですからね。そう言う所もちゃんと用意できているんでしょう」
そうなんだぁ、と言い尻尾を上げて確認してくるマトイ。
「んっ、マトイーー少しやめてくれ、尻尾触るの」
「…えっ?あ、ごめんね?本当に開いているかどうか気になって…」
「開いてなかったら今頃下着見えてますよ」
「機にする所そこか?」
デュケットが私なりに気を使ったんですよ、と言うがそれは気の使い方を間違っている。
喉が渇いたのでお茶でも作ろうかと簡易キッチンに向かうとーーなんと場違いなドリンクサーバーが合った。
サーバーにはフリードリンクと書かれている。
少しの間ーー10秒から20秒ほど怪しんだ後、取り敢えず飲んでみるか、とコップに入れて持っていくとーーマトイとデュケットが何処から持ってきたのかけん玉で遊んでいた。
しかも玉を乗せる遊びではなく、玉を振り回しなんか…メイスみたいな戦いごっこをしていた。
「……な、なぁ、二人とも…何を?」
「何って?」
「うん、剣玉だよ?」
俺の問いにデュケットは何を変な事を言っているんですか、と言わんばかりの顔をし、マトイは首を傾げつつ言う。
と言うか初めてかもしれない。首を傾げる動作を見たの。
「…けん玉の使い方…違くない?」
「剣玉ってこの先の玉で相手を叩く遊びじゃないの?」
柔らかいし、と言い指で丸い玉を突くデュケット。
「けん玉ってその…いや、デュケット。貸してくれ」
説明するより実際に試した方が早いか。そう思いデュケットからけん玉を借りて実践する。
「ーーそもそもけん玉って言うのはーーっ!ーーよしっ!」
玉を空中に落とし、それを腕の動きだけで、刺さっていた剣に玉を刺す。
「ほっ、それっ、ーーほらっ!こうゆう風にやるーーいてっ!」
調子に乗ってグルリと玉を回し一周させてから載せようとしたら、そのまま頭に当たり、手で押さえる。
「大丈夫?」
「っっっつ!やめやめ!やってられっか!」
そう言いけん玉をテーブルに置いて持ってきたジュースを飲む俺。
一方二人は俺のやり方で何となく分かったのか、俺より上手くけん玉出来ている。
アレがセンスって奴か。
そんなけん玉に少し熱中している二人を見つつ更にジュースを飲んでいた。
5000S来週かよ、騙された!(G.R.D)
潔く出来ました…やっぱりやる事じゃないね()
さて、こんな風に書きましたが次回からは本編に戻ります。旅館は…気が向いたら外伝にそっと追加しておきます。
クーナ編も書く?
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書け
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書かないでいい
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Ep4に行け
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Ep5に行け
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Ep.Hはどこ…ここ?