pso2 (仮)   作:rego

111 / 133
詰まった時は人型兵器を出す()


104話

 

 

 

マリアさん曰く封印する為の塔の調査も終わり、何も無い事が判明したのでもう少ししたら帰ろうかな、なんて考えていたら前から足音が聞こえる。

 

 

「…」

 

 

腰に付けていたプロトレイに手を回し、両手で保持した後、セーフティを外し、後ろから来る的か何かに向ける。

 

 

 

「おいおい、よぉおがあるから来てみればァ…俺だ俺。ゲッテムハルトだよォ」

 

 

 

「…ゲッテムハルトさんですか…はぁ…」

 

 

ライフルを上に向けてセーフティを付け直し、塔の調査に戻る。

 

 

 

「俺が言うのもなんだがァ…おまえ、こんな所で何をやってんだァ?」

 

そう言い手に装備していたナックルを外して腰に付ける。

 

 

「何って…任務ついでに変な塔があったから調査してるだけですよ」

 

 

「…調査、ねぇ…ある意味、導かれたって訳だなァ」

 

 

 

「導かれた?何に?」

 

 

 

「分からないって顔してんなァ?気付かないのか?この場に漂う、どす黒い感覚に」

 

 

「…どす黒いと言えば変なのが舞ってはいるが…それの事ですか?」

 

 

「…インや、場の空気がって事さ。ーーそうか。オマエも見えるのか」

 

 

そう言い塔の前に向かい立つゲッテムハルト。

 

 

「…それもだが見ろよコレを。すっげぇきれぇだと思わねぇか?ーータマラねぇよ」

 

 

そう言い、話題を逸らしたゲッテムハルトの言動に先ほどマリアから言われた言葉ーー戦没者の塔、と言うのを思い出す。

 

 

「…まちどぉしいなぁ!ーーやっとだァ、これでシーナの仇をーー彼奴の代わりにッ!」

 

 

「仇、だって⁈」

 

 

「ーーそうだ。オレが今からやるーーいや、今からじゃねぇがーーエゴだ、オレが今存在する意味の、な。ーーあとオマエの望む様な物はココにはねェよ。サァ、帰った帰った!」

 

 

そう言うゲッテムハルトが手をシッシッとやるのを見たので後ろを向いてテレポーターを起動。サーレクスに帰ることに。

 

 

「ーーここに、ダークファルスがーー」

 

 

「ーーダーク⁈」

 

 

そう呟くゲッテムの声をミミが捉えたが残念なと事にテレポーターを潜った後だった。

 

 

 

ーーーオラクル船団 ゲートエリアーーー

 

 

「ーーはい、コレが今回のデータ。全て揃っているはず」

 

 

結局俺はダークと呟いたゲッテムハルトの事を管制官には言わなかった。そもそも言わなくてもマグの解析で分かるだろうし。

 

 

場所を移してショップエリアを抜けた先にある居住区のいつもの店ーーラフリに来ている。

 

 

 

既に渡す相手のフーリエさんは席に着きサンドイッチを口にしていた。対面席には既にオレンジジュースが置いてある。

 

 

ふとフーリエさんの腕を見ると見慣れない物が付いてーーいや、この場合は手袋、と言うのだろうか?手袋の様なものが手の部分に着ていた。

 

 

「ーーはい。貰いました。ーー所でユウナさん、こんな話聞きましたか?」

 

 

「話?」

 

 

サンドイッチを口にしながら続けて言う。

 

 

「えぇ。ーー何でもアークスが一人行方不明だとか」

 

 

飲み込んで空いた手に形状記憶小型高容量情報記憶装置を手に取り後ろのナノトランサーに放り込む。

 

 

「…行方不明なんて多い言って聞いたぞ」

 

そう言い思い返すはラジオが消えた時の話。

 

「…その行方不明の人がーーゲッテムハルトさんらしいです」

 

 

「…ぇ」

 

 

いや、ゲッテムハルトならついさっきナベリウスで、と言いかけ、その言葉を飲み込む。

 

 

「今から少し前にあったダーカー襲撃から確認が取れないらしくて。メル姉妹に事情を聞きに言っているらしいんですが…」

 

 

「…ねぇ、フーリエさん」

 

 

「…?どうしました?」

 

 

「…確かメルフォンシーナさんって10年前の戦いで負傷したんだよね?」

 

 

「えぇ。その筈です。それが一体?」

 

 

 

「いや。何でもないさ、確認しただけ。うん」

 

 

そう言ったフーリエの言葉に考える。マリアさんの言葉ーー戦没者の塔ともう一つの役目のある塔。その塔に来たゲッテムハルト。彼は10年前のダークファルス襲撃でーー死んで無いとは言えーーメルフォンシーナに怪我をさせている。

 

 

もし…あの塔に居るのがメルフォンシーナの仇、で合っているか分からないがーーであるダークファルスが…いや、でもさっき帰る間際ダークファルスって…。

 

 

そこで悩みに悩んだ俺は一度帰ることにした。悩んだって始まらない。第一。どうせ明日も行くことになるんだ。それの準備もしないとな。

 

 

「…フーリエ。すまん、今日は帰るわ。明日も任務あるし」

 

 

「ーあ!何処に行くんです⁈まだ話はーーもうっ!報酬は振り込んでおきますからねっ!」

 

 

テーブルから去りショップエリアに向かう。

 

 

後ろからフーリエさんが色々言っているが本当に何か言いたかったらメールでもよこすだろう。ーー多分。

 

 

 

 

「ーーメール?フーリエからか?ーー総技部から?」

 

ショップエリアでグレネードの弾や各種手榴弾、ジグさんの所で20ミリを貰いつつ帰路に着く頃。総合技術開発本部からメールが届いた。

 

 

内容は君が奪取した機体の改装が終わった。テストをしたいから来てくれないか。

 

 

中身を掻い摘むとこんな内容だった。

 

 

来る時間は施設が開いていれば何時でも構わない、とも。

 

 

ホバーバイクをナノトランサーから取り出し道路に置く。圧縮状態の六角形から二人乗れるホバーバイクが形を作る。

 

 

それに跨り目的地をセット。総技部に向かった。

 

 

 

 

 

「ーーすいません、呼ばれたユウナなんですが…」

 

受付に向かうと女性の方が座って待っていた。

 

「はい、ユウナさんですね。技術長がお呼びですので、こちらで案内しますね。ーーはい。ユウナさんが来られました。はい。はい?はい。わかりました」

 

 

電話を使い技術長と話をして、どうやら彼が来るらしい。

 

 

「ユウナさんに迎えを迎えに来るとの事ですので、彼方の席で少々お待ちください」

 

 

 

それから数分して技術長とその仲間が来て機体の改修が終わったから見てくれ、と言われてその後をついていく。

 

「ユウナさんか。やっと出来たよ」

 

 

「出来たってこれ…」

 

 

そう言い指差す技術長。そこにはトランスポーターに寝せられて横たわっている機体を指差す。地上には一つの武器が置かれている。

 

置かれた武器の周りに作業員が複数囲み、弾の装填や掃除などを行なっている。

 

 

 

「何か変わった…所あります?」

 

 

機体自体には前から見た限り特に変わった所はなく技術長に聞いてしまうくらいだ。

 

 

 

「あぁ。大いにあるぞ。前からは分からんがね。ーー取り敢えず乗ってみれば分かるはずだ。ーーあと、その戦闘服、ナノトランサーは付いているよな?」

 

 

「え?えぇ」

 

 

「よし。後は乗ってみてくれ。そうすれば分かる」

 

 

 

 

「ーーコックピットに入りましたけど…コックピットのインターフェース全く違うじゃないですか!?」

 

 

最初に乗った時のように頭部を上げて胴体に収まる。シートに座ると前まであった複数のスティックやペダルが無くなっている。

 

 

『そりゃこっちの規格に合うように全面改修したからな。アーマーもアークスが使うアトテクノロジーを発展させた自己修復型ヨクトアーマーに変更した。お陰で頭部ユニット以外はほぼ新造だ』

 

 

「そんなに⁈」

 

 

『いかんせん何時の年代の代物かも分からないからな。リバースエンジニアリングは終わったし、こいつを元に新型機を開発計画を組み立て中だ』

 

 

「…あれ?でも開発終わったって俺見ましたよ?」

 

 

『あれは多分コイツのデータを取っているところを見られたんだろう。計画が練られて設計図が出だした辺りだ。試作機の2パターンーービッグフット計画とフラット計画に基づいた設計図が上がっている』

 

 

「ビッグフットとフラット?」

 

 

『あぁ。フラットはそのままコイツのコンセプト見たく機動性と装甲をそれなりに確保。無理な場合は追加パッケージで確保だな。もう一つの計画は…まぁ、なんだ』

 

 

「もう一つの計画?」

 

 

『…真逆の重装甲高火力の案だ。脚部を大型化させてシュミレートさせてはいるものの…設計図を何十回破棄しているか分からない』

 

 

『俺でしちゃビッグフットの方が好きなんだが…ロマンでアークス死なせる訳にはいかんしな』

 

 

「まぁ、俺もそれは分かりますけど…」

 

 

『だろ?高火力高防御!ロマンが滾るっ!』

 

 

「相手にそれ以上の火力、それ以上の機動力、それ以上の火力が現れたら死ぬんですけどね…」

 

 

『…そうなるとフォトンを使用した武装でも作る?』

 

 

「いや、武器に関しては実用性を取りましょうよ、なんせ未知数の兵器カテゴリーだし。最初は実弾だけでも良いのでは?」

 

 

『そうだろうと思って演習用の武器も持ってきたぜ。ほら。あそこを見ろ。ーーいまだ、機体の横に上げろっ!ーーえっ⁈違う!演習弾じゃないっ!ーーすまんユウナさん。俺が出ないとダメみたいだ。少し離れるから待っていてくれ。ーーおいそこっ!セーフティピンを装着前に抜くなっ!』

 

機体の周りに置いてある物が次々と繋がり一つの武器となる。

 

 

『ーー長!ーー試作個体重力慣性制御システムと試作対ダーカー因子フォトン転換装甲はどうしますか!』

 

 

『あたりめぇだ!さっさと入れろ!実戦形式だ!弾もいれろっ!』

 

 

『了解!聞いたなお前ら!上げろぉおっ!』

 

 

そう言いライフルを装着した車両がライフルを上に上げる。

 

 

「…え?今回動かすだけじゃ?と言うか試作の奴って…⁈」

 

 

『大丈夫だ。問題は無い。それ自体の理論は他の分野でも十分に発揮されて、実機も作られている。問題が有るとすれば動くかどうかだ。ーーそうだ。ナノトランサーを接続、と言うか後ろに背中を合わせてみろ』

 

シートの背もたれ部分を見るとナノトランサーと同じような物が付いている。それに合うように座るとーー。

 

「はい。ーーおぉ⁈」

 

 

『どうだ?そのH.M.D。ユウナさんの顔の視線の通りに機体の頭部ユニットも動くぜ?』

 

 

ナノトランサーを接続すると上から降りてきたバイザーらしきH.M.D.がブラックアウト。そこにPrototype.O.P_Mod.0_と表示される。

 

複数のバーが機体データの横にに表示。その横に人の身体ーーこの場合は多分俺か。それが表示される。

 

 

バーが上がっている横ではジェネレーターの出力が上昇。それと同時に補助電源ユニットからジェネレーターに初期動力が渡されていく。

 

ジェネレーターの出力が一定ラインを越すと今度はA.P.U.に少しづつキャップされて行く。

 

 

バーが最後まで上がり、ジェネレーターの出力が上がりきるとH.M.D.にStart.Upと表示。視界がクリーンになる。

 

「おぉ⁈おぉ!?」

 

自分の首を横に振るとH.M.D.に表示される画像も横を向く。

 

H.M.D.の奥にある大型ディスプレイには期待を前から見た映像が表示されている。

 

 

 

『…大丈夫かい?さっきから驚いた声しか…』

 

 

「…こ、これ。もう動きます?動く?」

 

 

『A.P.U.は常時稼働ーーフォトンバッテリーで動いているから。まぁ立ち上がってみろ。ーーお前ら!離れろ!動くぞっ!』

 

 

「立ち上がるって…ペダルもないのにのどうやって?」

 

 

 

『今の状態は寝ている状態だ。人は寝ているとどうやって起きる?』

 

 

「そりゃ手足を動かしてーー」

 

 

そう言い途中まで言うとH.M.D.に映る景色が変わる。具体的には起き上がったようなーー起き上がる?

 

 

『そうだ。アークスの戦闘服を通して身体の電気信号を頭部ユニットとコアのS.C.S.ーー中枢制御システムが解析と機体に合うようにパイロットの動作を最適化。それらを各A.C.S.ーーアクチュエータ制御システムが実質ゼロタイムでやってのける。ーー最も、人の体じゃ0.2秒ほどと時間が掛かるらしいがね』

 

機体を立たせ、腕部をを見る。機体も考えた動作をトレースする。

 

右手首を回転させようとすると、それの考えに倣い手首が回る。

 

 

『ーー説明を続けるぞ』

 

 

そう言う技術長に向けて左手の親指を立てる。

 

 

『良し。使い方は分かってきたみたいだな。ブースターユニットは足の裏に小型化した物を2基、脚部に4基、背部に2基の8基だ。その他制御バーニアを持っているが…まぁ、これは置いておく。スラスター出力はマージンを取ってある程度の安全をとっては有る』

 

 

そもそもそんな出力出すにはこの船は狭すぎるからな、と付け加える。

 

 

 

『…さて。ユウナさん。武器の使い方は分かるかな?』

 

 

機体の横に上げられたライフルを手に握る。握ったライフルの上に装弾数がオーバーレイされ、表示される。

 

 

「一応レンジャーなんで。ーーこのライフルのテストですか?」

 

既にマガジンは装填されているので大型のコッキングレバーを引いて初弾を装薬室に入れる。

 

 

『そうだ。試作ソリッドライフルだ。人の武器をそのまま大きくしただけだかね。使用弾薬はH.E.D.E.F.。対ダークファルス用の重榴弾だ。炸薬の力でフォトンを撒き散らすぞ。これを食らえばダーカーなんてイチコロよ』

 

 

『本当は初速と貫通力を得る為に電磁機構とレーザーユニットを使った複合ユニットを用いたガトリングを作りたかったんだが…こいつは試作機だ、実験はある程度量産してからにしてくれって頼まれてな』

 

 

「なんですその訳わかんないユニットは…」

 

 

『まぁ作れるかどうかは謎だがな。所詮は武器の真似事よ。本腰入れるにはR.C.S.o.P,Armsやヤスミノコフ造兵廠とかA.C.insとかに各社に協力を求めないと行けないからな。現状は俺たち総技部の作った実弾のソリッドライフルだけだな。装備は』

 

ライフルを装備して大型格納庫の外に出る。

 

ガシャン、ガシャンと音が響く。

 

 

『レーザーライフルも大型化すれば余剰出力を使って放てるんだがなぁ…』

 

 

『技術長!ユウナさん外に出ましたよ!』

 

 

『ーー!そうか。俺たちも外に出るぞ。お前らっ!ユウナさんの機体の周囲に近づくなよ!踏まれても知らんぞ!』

 

 

 

H.M.D.に投影される人口太陽の光が眩しく手を顔に翳そうとすると機体の手が頭部の前に動く。

 

 

「ーー技術長さん。どこに向かえば?」

 

 

『ーーえっとだな。目の前に仮設の射撃場が有るだろう。そこに向かってくれ』

 

歩こうとすると機体も歩く。走ろうとすればそのまま走る。

 

そう言えばこいつーーちゃんと走っている時空中に居るが、ちゃんと姿勢制御出来てるな。俺の居た前の世界じゃその空中の制御が難しくて早歩きが限界とまで言われてたが。

 

 

『技術長。エネミーは固定型にしますか?動く奴にしますか?』

 

 

『ーーそうだな、腕部の反応スペックを調べたい。出来るか?』

 

 

『高性能3Dスキャナーがあります。それだけでも充分解析出来るかと』

 

 

『分かった。それを今試作の設計段階のフラットとビッグフットにも出来るか検討しておこう』

 

 

「射撃場に着きました。指示を」

 

 

『了解した。先ずは右腕部に持っているライフルを試してくれ。的の厚さは…いや、今は良い。取り敢えず当ててみてくれ。ターゲットを見れば勝手にターゲットマークをリアルタイムで出してくれる』

 

 

右腕に保持するライフルを両手で持つ。よく見ればこの武器スナイパーライフルみたいに長いな。

 

 

『試しに撃ってみてくれ。弾薬はーー確か150発程度は言っているはずだ』

 

 

ライフルを除く動作をしようとするとH.M.D.にオーバーレイ、真上に表示される。

 

 

トリガーを引く動作をするとロボットの指も動きソリッドライフルのトリガーを引く。

 

 

バスン、と言う重い音が三回連続で響き、その音と共に即弾着。3点バーストで12発ほど撃つ。

 

 

「うわぁぉ…」

 

 

『命中したな。どうだ?』

 

 

煙が上がっているが頭部ユニットがそれらを透過。ターゲットとされる的は消し飛んでいた。

 

離れた所で固まって色々データを見ている人達の方を探すために顔を動かそうとする。

 

機体の中枢制御システム等がそれを検知。機体の頭部を俺の動かしたい方に動かす。

 

左右を見てーー複数のモニターを持ってきて外でリアルタイムで受理しているか場所を発見。

 

 

『ーー炸薬量が多すぎましたね。見てください。ホログラムのバレル部分ーー銃身に大きな歪みが有ります』

 

 

『この場合は銃身が歪んでと当てたれたユウナさんを褒めるべきか、それとも歪みを感知して修正をしたS.C.S.を褒めるべきか…さて。銃身寿命を考えると炸薬量を少なくしても良いか?』

 

 

『いえ。ダーカーは確実に倒せなくては行けないので。ーーやはり各社に応援を求めないとダメですね』

 

 

『そうだな。餅は餅屋ってやつだな。ユウナさん。もう少しーー後一時間くらい実験に付き合ってくれ』

 

 

「了解。ーーライフルはどうしますか?」

 

 

『一度トラックを回す。その上に置いてくれ』

 

ライフルを上にあげて機体を左右に振りトリックがどこから来るのかを探す。

 

 

技術者なのか整備士なのか分からないが一人が戻り、先ほどいた格納庫から大型トラックを持ち出してこちらに向かってきた。

 

 

俺の機体の真横に止まると通信が入る。

 

 

『…トランスポーターを持ってきたのか。まぁいい。その上に乗せてくれ。次はーーどうする?』

 

 

『飛行テストをしましょうか?キャスト達のデータを使っているとは言えあのサイズは未知数ですから』

 

 

『そうだな。ーーユウナさん。次は飛行テストだ。飛ぶように…なんて言えばいいんだ?』

 

 

『…ロボゲーみたく飛んで見てくれ、としか』

 

 

『おいおい。ユウナさんは女の子だぞ?無いだろ?』

 

 

そう言う通信している奥から聞こえる。分かってる。飛んで見ればいいんだろ?

 

 

思い出すは数多のロボゲーの飛ぶ動作。

 

 

先ずは背部のスラスターを点火。

 

 

ヒュイーン。と言う少し弱気な音と共に期待が浮く。

 

少しづつ出力を上げつつ片脚を少し曲げてそっちのスラスターも点火。残った脚の方も火を入れる。

 

 

少しつづつ上昇し始めH.M.D.の横にA.L.T.と角度数が表示される。

 

 

 

『おおっ!良いぞっ!飛んだなっ!』

 

 

『データ受信感度は良好!良いデータですよ!これ!』

 

 

『人型があんなに安定して飛びのか…よく飛べるなぁ…』

 

 

『よく見ろ。補助バーニアを定期的に噴射して姿勢を制御している。ロボゲーのパイロットみたいだな』

 

 

『女の子でビーストで巨乳でロボットの才能あるって…何処の同人ゲーだよ』

 

 

『おまえらっ!通信は入ったままだぞ!自粛せい!』

 

 

機体を飛ばしながらもーー例えば脚を前に出してオーバーシュートさせる機動をしたり、補助バーニアを使ってその場で180度回転したりしてふと気付く。Gーー重力加速度が、無い?

 

 

「…あれ?Gがない?」

 

 

『そりゃ重力制御しているからね。それに今の出力じゃ高くても…30Gくらいだろ』

 

 

「えぇ…」

 

 

『正式採用されれば出力を上げて100Gを越す制御も可能なんだが…データが取れるのがこの1機だけとなると、どぉしても慎重にならざる得ない』

 

 

『さっきのライフルを置いたのも暴発したらマズイからな』

 

 

「…ん?なんだ?」

 

 

しばらく飛んでいると奥のモニターに映るレーダーに反応が出た。

 

 

『どうした?何かトラブルか?』

 

 

「いえ…今一瞬レーダーに何か映ったような…?」

 

 

『捜査線の誤認じゃないのか?』

 

 

「…きのせい、かな。それにしてもレーダーにすら町のデータ入れているとか…用意凄いですね」

 

 

『いや。多分それやったのはその機体だ。レーダー波を出して帰ってくる物を元にマッピングでもしたんじゃ無いか?勝手に』

 

 

「…と言うと地図データ無い所でも地図が作れるんですね」

 

 

『まぁ、機体内で完結可能な支援システムを組み込んであるからな。量産化でどうなるかは分からないが』

 

 

十中八九付けっ放しになるだろうけど、と言いながらも他に何か異常は無いかと聞いてくる。

 

 

「…特には無いですね」

 

 

『よし。飛行試験は取り敢えず終了。今度は地上でホバーでの移動をしてくれ。頼むぞ?』

 

 

「了解」

 

 

そう言い空中でホバリングしている機体をーーメインのスラスターの出力を落としてさっきまで居た場所に帰る。

 

 




やっと通常投下出来た…長かったなぁ…

クーナ編も書く?

  • 書け
  • 書かないでいい
  • Ep4に行け
  • Ep5に行け
  • Ep.Hはどこ…ここ?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。