pso2 (仮)   作:rego

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まさかの1万文字突破。でも書いたことは行って帰って来ただけ。次回から本編…の筈。


122話目 帰艦

 

 

 

 

「…L3カードなんて何処にあるんだよ…そっちはあったか?」

 

 

『…そう言うなって。相棒は何処らへんを探している?』

 

 

「あぁ…同じエリアの…研究室か?ここ。ーーなんでプラント船に研究室なんかが」

 

 

『一応各種食料の種の改良の名目で作られているらしい。やるかやらないかは各プラント船の船長の判断だが』

 

 

「…こう、プラント船ってでっかい農場が複数階あるって思っていたけど…全部野菜なんだな」

 

 

『あぁ。一応小規模ならあるけど、それはどっちかっていうと種として残す為の保護区とか動物園とかそう言うのかな?それに生きている生き物を殺してまで肉を食べたいか、と言うと…』

 

 

「合成肉を食べたらなぁ…正直なところあそこまで肉と一緒の感触、味だったとは…もっとも、今は肉はいらねぇな…」

 

そう言いナノトランサーに突っ込んであったライトで照らしながらカードらしき物を探す。

 

肉の話をしていたからなのか余計に触りたくない遺体や断裂部、着ている服や机の引き出し等々探すもーー中々見つからない。有ってもレベル2カードだった。

 

『…そもそも思ったんだが…戦死した乗組員とかってそんな高レベル?のカード持っていたのか?』

 

 

「…持ってなかったら…そうだな、アフィンのライフルにグレネード付いてなかったっけ?」

 

 

『グレネードシェルの事か?付いているけど』

 

 

「それで扉吹っ飛ばすしか無いな。できるか?」

 

 

『…周りの被害を考えたらなぁ…危ないでしょ?』

 

 

「最終手段か…あ、こっちにパソコンあったわ。なんかそれっぽい検索用のシステムないか調べてみる?」

 

 

『調べてみてくれ。ーーやべっ、ダーカーだ。一度切る』

 

 

「大丈夫か?そっちに行くか?」

 

 

そう言いマップシステムを起動、ウィンドウに俺の現在位置とアフィンの位置が現れる。

 

 

『そんな10mmオートで来られても困るからな。そっちはカードを探してくれ』

 

 

「…いや、確かにそうだけどよぉ…」

 

 

切れた通信に呟く。左手にライト、右手にーー女性でも握り易いようにとシングルカラムのマガジンを収めるグリップを握りパソコンの前に立つ。

 

 

左手のライトはパソコンの上に置き、なんら変わりの無いオラクル製のオラクル文字の印刷された英キーボードを叩く為に手を置く。ーーがしかし。

 

 

「…やべぇ…俺英語出来ねぇじゃん」

 

 

そう。オラクル言語のベースは多分英語。所々日本語に近いニュアンスは有るが、それでも基本は英語である。そして手元には日本語を英語にするスマートフォンや端末は無い。なんせここの使用言語は英語をベースとしたオラクル言語一択で有る。

 

 

「…アフィンと合流しよう」

 

 

そう言いパソコンは付けっ放しにしてライトを持ってアフィンの現在位置に向かう。

 

ーーーーーーーーーー

 

 

「なぁアフィン」

 

 

「ん?何だ」

 

 

パソコンを弄り使えるシステムがないか調べるアフィンに暇なもんで話しかける。

 

 

「…あん時あのまま逃げれば良かったのに…何で追って来たんだ?」

 

 

「そりゃお前…好きな奴置いて逃げる男が居るかよ」

 

そう言いモニターを見ながら何当然の事を、とでも言うように顔を向けず話すアフィン。

 

…やはり他人から好き、と面を向けて言われるのは心にキツイ。俺はまだ男だろうと。

 

そう思いーー口籠もりながら言い返す。

 

「せ、盛大に尻餅ついてたけどな」

 

 

「そりゃあんな高さから落ちれば誰だって尻餅くらいつく。戦闘服のお陰で逆に尻餅で済むと思えば軽いもんだろ」

 

 

「…ったく。ほんと何でアフィンは俺の事が好きなんだか。前にも言ったが俺はけもーービーストだぞ?バベルに嫌われている」

 

そう言いネットーーではなくポスニュースで出てくるビーストに対する事件を思い出す。軽いのは強姦や誘拐、酷いのは殺害や闇市場での違法取引。オラクルに住む人にはIDが発行されているらしいが、それを踏まえた上で取引されているって事はそれらを管理する所に入れる奴がいるって事ってデュケットが言っていたのを思い出す。

 

そして貴女は珍しい純粋な灰色の毛を持つ人なんですから…余計に心配なんです。とも言われた。

 

今回もアークスの実質の負けで終わる。ーー最もプラント船に来たのはバベルではなくダーカーだった訳だが。

 

そしてバベルの奴がもっとヤバい理由は…ビーストを好きになった人にまで危害が加わる事。

 

 

「それがどうしたって言うんだ?好きな人に好きと言っちゃいけねぇのか?」

 

 

「いや、そうとは言ってないが…」

 

そんな俺の思いを知らずか好きを好きと言えず、なんて事を言い出す始末。

 

「んじゃ言わせて貰うけど…ユウナ、好きです。ーー彼女になって下さい」

 

そう言い今度はーー顔を此方に向けてーー告白してくる。

 

 

「……誰も見てないからアレだけど恥ずかしいからやめろ。俺まで恥ずかしくなる。ーーくそっ、尻尾が⁈」

 

 

「ははっ。やっぱりそうですよねぇ…。まぁ、そこを含めて俺は好きだけどなぁ。ーー良し、合ったぞL3カードの場所!」

 

 

「マジで!でかした!」

 

そう言いアフィンの肩に手をかけモニターを見る。

 

 

「ただまぁ…ダーカー反応もあるけど」

 

 

「ぇ?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ヴォルガーダ戦

 

 

大きな研究用の多目的スペース。まるでゲームならボスでも居そうなエリアに二人揃って向かっている。

 

「…ぜってぇボス部屋だよこれ」

 

 

「…でもなぁ…アレにはD因子反応 中って表示されていたし」

 

 

「俺からしたら俺よりデカイ奴は全部ボスだ。ーー所でアフィン。ライフルのマガジンは後何個くらい?」

 

 

「俺は常時使っているからまだまだ大量に有るぞ。相棒は?」

 

 

「残り20個だから後120発。ーーアフィン、ハンドガン持ってなかったか?」

 

 

「有るけど…両手で使うのか?」

 

 

「アキンボって奴だ。どうせあまり使わないんだ、在庫処分と行こうぜ」

 

 

「弾代は後で返してくれよ」

 

 

そう言いアフィンはナノトランサーからこれまたレンジャーやガンナーの支給品である10mmオートと同じくマガジン20個を渡してくる。俺と違い受領したらナノトランサーに放り込んでいたお陰なのか汚れ等の無い新品だった。

 

 

「相棒はなんでナノトランサーに入れてなかったんだ?」

 

「…そうだな…もし何かに掴まれた時、足とか胴体とかにハンドガンやナイフが有れば応戦できるじゃん?」

 

 

「何処情報だよそれ」

 

 

「映画やゲームでよく聞き手の反対の胸部分にナイフをしまっていたり足にハンドガンを付けている軍人沢山居るじゃん」

 

 

 

「ゲームに映画がソースって…どうよ?」

 

 

「あぁ。それにーー」

 

 

「それに?」

 

 

「ーーかっこよくない?レッグホルスター」

 

 

そう言い受け取ったハンドガンを利き手に持ち、いつもの動作ーープレスチェックやマガジンの確認、薬室に俺のハンドガンと同じく装填して1発多めに入れたりと色々行う。

 

一通り両方のチェックが終わるとーーアフィンが先に向かい扉のスイッチの手前に立つ。

 

 

「カバーはする?」

 

 

「念の為。ダーカーが居るのは確定だからな」

 

 

「…って言うと開けるタイミングは俺か。練習するぞ?スリー、ツー、ワン、で開けるからな?」

 

そう言いアフィンがドアのタッチパネルに拾ったアークスカードを当ててーー首をかしげる。

 

 

「ゼロは無しか?」

 

 

「…無しだ。ワンで行こう」

 

 

そう言いアフィンの反対側に立ちアフィンの指示を待つ。

 

カードを仕舞いピッと音がした。見るとこの船のカードを当てている。

 

 

「…良し。カウントダウン、いくぞ?。ーースリー、ツー…ワン」

 

 

ビーと言うと音が響き扉が開く。俺が少し顔を出しーー開いた多目的スペースを確認してーーどこにもいない事に気がつく。

 

 

「…おかしいな。D因子の反応が無いぞ」

 

 

そう言い中に入る俺とアフィン。周りにはコンテナが沢山置いてある。中にはハッチが開いている物も。

 

 

「カードの居場所はここなんだろ?」

 

 

「あぁ。さっきまではD因子汚染の可能性大としてアークスカードでしか開かないはなのに…此処のカードで開いたからな」

 

 

「…敵の反応…もねぇし…」

 

 

「でもカードの反応は此処からだぞ」

 

 

「こう言うのって大体中央まで行くと何かあるはずだ」

 

「そうだな。ゲームなら出現位置は中央だもんな」

 

そう言い合い2人して構えながら中央に進む。

 

 

「…来ねぇな」

 

「…確かに」

 

「なに?此処もしかしてバイオに良くあるセーフティルー」

 

 

ム、まで言おうとしたらダーカーが出現する前兆の赤黒いワープホールが出来上がりーー中から5メートルぐらいの人型のダーカーが出て来た。

 

 

「んだあいつ⁈」

 

 

「相棒!散開!左右に別れろ!」

 

 

そうアフィンの声に言われる通りダーカーから見て左側に回り込む。

 

アフィンは右側に逃げてーーライフルを撃ちながら引き撃ちをし始めた。グレネードシェルやフルオート(ワンポイント)徹甲弾(ピアッシングシェル)を撃つ。

 

その猛攻にキレたのか大型ダーカーはアフィンの方を向きーー横綱の張り手の様に両手を押し出しながら向かって行った。

 

 

その間も俺はーー装弾数がリボルバーと同じ6発しか入らないハンドガンを撃ちまくり、少しでもダーカーを振り向かせようとするがーー全く振り向かない。

 

何か振り向かせる方法ーー具体的には爆発物ーーを探すために撃ちながら部屋を見渡す。

 

が、辺りにそんな危険物は置いていない。当然だろう、なんせ此処は研究室の多目的ルーム。そんな物があっちゃいけない。

 

他に手元にあるものといえばーーG.グレネードとフラッシュグレネード(スタングレネード)が各2つ。何方も小型のダーカーには効果があるが…あの大型のダーカーには効果は無いだろう。サイズ的に。

 

「ーーくそっ!アフィン!俺もそっちに行く!こっからじゃ当てても意味が無い!」

 

 

スライドストップが掛かり撃針が顔を見せる。ハンドガンを2つとも左右に振りカラになったマガジンを飛ばす。飛んで行った空のマガジンは空中で消え、ナノトランサーへと転送される。

 

左脇にハンドガンを抱えそこにマガジンを入れる。同じ様にもう1つのハンドガンにも入れ、両手に持ちスライドストップを下に下げる。

 

 

スライドが前に動き再び撃てるように。

 

 

「よせっ!来るな!」

 

 

「そんなこと言ったってよ!どーしろって言うんだ!」

 

 

「何か使えそうな物探せ!早く!」

 

 

そう言い更に後ろに距離を取りながらライフルを撃つアフィン。

 

そう言われてーー探せる物と言ったらコンテナしかない、と決めて溜まっているコンテナの中身を探す。

 

 

「…これはーー違う。ーーこっちも違う。…ゲームならボス用に武器を置いておけよ!」

 

 

そう言い手で開けられるコンテナは粗方開き終わりーー成果は何もなかった。

 

 

となるとーー。

 

 

「…って言ったって…横に書いてある文字…あれ総技部だよな…」

 

コンテナの側面には総技部の文字が入っていた。扉のすぐ横には指紋認証する為の装置が付いている。

 

もしかしてと思い手のひらを当ててーー不許可の文字が出てくる。

 

 

ダメかと思い別の物を探そうと踵を返した時ーーマグが認証装置に近づいた。

 

 

ん?と思い見ているとーーマグがシステムに侵入し始めたではないか。驚いているとあれよあれよと気が付けばロック解除の文字。

 

 

ライトで照らしながら中を覗くとーー底には複数のマガジンと少し前に見たガトリングガンが鎮座していた。

 

「…コンバットガトリング…ガン?」

 

勝てる、そう確信しそれを持ち上げる。明らかにそれだけで30kgありそうな物ではあるがそこはオラクル驚異の科学力。曰く俺たちの着ているこの戦闘服自体にパワーアシスト機能があるらしくーー。

 

 

「…よしっ!」

 

 

大型のボックスマガジンを入れてランチャーのグリップの様に横についている部分を左手で握り、トリガー付きのグリップを右手で握る。

 

その状態で走ってーーコンテナから飛び出す。

 

「アフィン!こっちだ!」

 

そう言いレーザーサイトを付けて大型ダーカーに向けて構える。赤いドットがダーカーの背後につく。

 

 

トリガーを押して直ぐにバレルからエネルギー弾が発射。アークスが普段使う弾丸より小口径エネルギーの為、アークスのライフルには単発だと叶わないが、それはレートでどうにでもなる。

 

 

連続する発砲音とダーカーに着弾する音。バレルから伸びる青色のエネルギー弾がダーカーに向かって突っ込んでいく。

 

 

「何だこの…っーーガトリングぅ⁈」

 

 

「最高にハイってヤツだぁぁぁ!」

 

 

ダーカーに向けて飛ぶエネルギー弾。弾が地味に痛いのか顔を向け当たっている部位を手で守りながらこっちに向かってくるダーカー。

 

 

「おい!アフィン!けつを撃て!早く!」

 

 

そう言い撃ちながら後ろに下がる俺。アフィンに怒鳴り攻撃を待つもーー全く飛んでこない。

 

 

「…相棒の胸が…すっげぇ…」

 

 

ミミを澄ますとこんな事を言ってライフルを握る手を下ろしていた。

 

「…アフィン!おい!変態エルフ!変態ニューマン!何言ってんだ!さっさと奴の背後を撃てぇ!」

 

 

その言葉に気を取り戻したアフィンが背後からグレネードシェルを放つ。まっすぐ飛びそれは奴の足に着弾した。

 

 

アフィンの方に奴が向かない様にと奴の腕や足、取り敢えず狙えれる場所を動かしながら狙う。そこで前から見てふと思う。あいつの顔…ダーカーのコアみたいなの赤いのあるじゃん、と。

 

 

そこに向けてドットを向けてーー弾の嵐が奴を襲う。弱点がバレたのが分かったのか今度は両手でそれを覆いながら前進して来た。

 

 

すると奴の背後にいるアフィンがーー走り出し地面をスライディングしながら奴の股を潜り抜け何発か股間に当てて俺の横に来た。

 

 

「ーー来たな、変態エルフ」

 

「んだよ変態エルフって⁈ーーまぁ兎も角。奴はどうするよ?」

 

 

「あいつの顔にダーカーみたいなコアがあった。アフィンは狙ったか?」

 

 

「いいや。ご覧の通り狙って撃つとガードしちまう。ピアッシングシェルなら貫通こそするが…有効打にはならないな」

 

 

「…俺が囮になる。その間に奴の弱点を突いてくれ」

 

 

「はぁ⁈相棒が囮になるなら俺がっ!」

 

 

「俺のおっ…胸に見ほれて撃つの止めたらシャレになんねぇからな。ほら!早く行け!」

 

そう言いガトリングから左手を離しアフィンを押す。

 

 

「早く!引きながら撃つのも難しいんだよ!」

 

 

「ーー分かった」

 

 

そう言いアフィンは奴のコアを狙える位置に向かいーーピアッシングシェルを放つ。

 

 

下部のグレネードランチャーから放たれる貫通弾は手で守られていない部分を通りーー奴のコアに当たる。

 

ライフルの通常弾に比べてフォトン粒子の量が多いためかーー直ぐに浄化。そのまま倒れる。

 

 

「…やった…?」

 

 

「…待て!こういうのはまた動くかもしれない。もっと撃っておこう」

 

 

「何処情報だよそれ」

 

 

「…映画だ」

 

 

そう言い俺はトリガーを引きーーその後直ぐに奴の死体が飛散するまで撃ちまくった。

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

「げほっ、げほっ…ごめんな…アフィン…」

 

 

「あ、あぁ…大丈夫…大丈夫だ…」

 

 

そう言い俺は相棒に肩を貸しーー1機だけ動かせる状態の期待に向かう。

 

現在位置は下部格納庫。あの人形ダーカーを倒しL3カードを入手、そのまま脱出迄は良かったんだが…上の格納庫に通じる通路が全部壊れて嫌がる。他の脱出ルートを探そうにも増えていくダーカー。俺と相棒は上部格納庫に行く事を諦め下部格納庫ーー戦闘機がある格納庫に向かう事にした。

 

 

格納庫前までは比較的すんなり向かいーーいざカードを使い開けてみたら…中に今までの比では無いくらいのD反応が出現。

 

出てきたのはダーク・ラグネ。複数のアークスがチームを組んで戦う筈の相手だった。

 

流石の俺も驚くのと同時に怖くなってーー震え始めた時に相棒に言われた言葉で気を戻す。

 

「…大丈夫だ、俺たちならやれる。…だろ?」

 

そう言い相棒は弾の切れたガトリングを仕舞いロッドを手に持ちフォイエやバータなどを使い攻撃していくがーーあまり効果が無い。

 

そこで相棒はーー六芒や一部のアークスが使用するグランツーー光系のテクニックを乱射し始めた。特にーー過去のとあるアークスが好んで使ったと本に書かれていたイル・グランツの連射。

 

光のーーフォトン其の物と言っていいミサイルがラグネに着弾、爆発を起こしながら体力を奪っていきーー最後には飛散して行った。

 

隣ですげぇ、とその様子を見ていたらはぁ、はぁ、はぁ、と息を絶え絶えにする声。背後を見ると同時にその場に倒れこむユウナ。それと同時に持っていたロッドの先端部分が壊れた。

 

どうにか身体を支えーー出てきた言葉が咳をしながらの謝罪だった。

 

 

ロッドが異常なフォトン励起により爆発して吹っ飛んだユウナに駆け寄りーーなにも持っていない手に気が付いたら握られていた弾の切れたハンドガンに俺のナノトランサーから取ったマガジンを入れる。

 

 

「げほっ、だ、だめだぁ…アフィン…今の俺じゃ…握る事すら…」

 

そう言ってきたので一度ハンドガンからマガジンを抜き取り、スライドを引いて中の弾を引き抜く。それを再度マガジンに込める。スライドを元に戻しマニュアルセーフティを掛けねマガジンを入れて相棒のホルスターに戻す。

 

 

「…よし。大丈夫だ。何が何でも俺が…ぜってぇに生き残らせてやるから」

 

そう俺の口から出たコトバ。

 

「…ふふっ…たのむぜぇ…相棒」

 

そのコトバに少し安心したのか少し笑顔になるユウナ。

 

「おうよ、任されて」

 

 

そう言いダーカー反応の無くなった格納庫でゆっくりと相棒と二人三脚で機体ーー確かアークスがモルガンと同時に作られていたウンディーナという機体だったか。ーーに乗り込む。ユウナを直ぐそばに座らせて機体に登る。

 

 

「確かマニュアルだと…キャノピー横の…イジェクション…合った、これか」

 

 

小さな扉を開き装甲が施されたキャノピーを開く。二分割のキャノピーが割れた。

 

そのままコックピットシートに座りーー内装はモルガンと一緒らしい。

 

「…良し。動くか…?」

 

 

補助動力には灯が入っている。と言うことはリアクターに灯が点っているって事と同意義か。誰かが乗ろうとしていたのか、そのタイミングで俺たちが来て脱出出来たのか、それは分からない。

 

警報システム、火災警報システム、機体防御システムのチェック、それと同時に再度APUが立ち上がっているのを確認。各種データが中央の大型MFDに投影されていき一定値になると完了と表示され脇にズレる。

 

IDの提示を示されーー俺は自前のアークスIDを打ち込んだ。

 

パイロットデータ認証、とだけ表示数秒後、それは消える。

 

「フォディナシステムは…アクティブ、第1エンジンは…これか?」

 

MFDを弄り他の第2、第3エンジンを始動する。高い周波数が俺の耳をつん裂く。

 

コックピットシートから降りて、2つに分かれて開く後部座席のキャノピーを同じ手順で開く。

 

「F.Oの席は…確かこれを下げれば…」

 

 

そう言い俺は斜めになっている席を戻しーーフライトオフィサーの乗る席を確保する。

 

 

「良し…相棒!乗れるか!」

 

 

「…手を貸してくれぇ…ひ、1人で立てそうに…」

 

 

そう言い下で座っている相棒に肩を貸すために再度コックピットシートから降りてーー相棒に手を差し出す。

 

 

「ほら。こんなところ、さっさと抜け出そうぜ」

 

 

「あぁ」

 

 

相棒を後部座席に乗せ終えると俺は前の席に着く。

 

 

「…よし。聞こえるか?」

 

 

『あぁ…これ何か弄るのか?』

 

 

「いや。弄るのはこっちでやる。相棒はそのままで」

 

 

『良かった…今の状態じゃ手を動かすのもキツイからな…』

 

 

「…モノメイト飲んでおけよ」

 

分かってら、という声を聞きつつ此方も弄る。

 

エンジンの出力が既定値の65%で安定。スロットルレバーの位置がアイドル位置にある事を確認する。

 

 

第1エンジンに続き第2、第3エンジンも65%で安定する。ラダーペダルを踏み込みながら少しだけスロットルを押し込むとーー出力が70%になる。

 

 

エンジンが安定してから数秒後、中央のパネルに自己診断プログラム起動の文字が。

 

それを目で追って確認するとキャノピーを閉めてーーキャノピーに機体外の景色が表示される。

 

すると自己診断プログラムが走りーー突然各種警告音がキャノピー内に響く。

 

 

『ぉあぁ⁈何だこれ⁈ーーいや…テスト…?』

 

 

「そうらしい。…そっちのMFDには何も出ていないか?」

 

 

『あぁ…射撃管制装置の…あ、ア、Activeか?』

 

 

「武器関係のテストか?そっちはテキトーにやっておいてくれ。音声認識だから手は使わない筈だ。こっちは飛行制御装置のテストに入る」

 

 

『んなテキトーにって…まぁ、良いや。ーー火器管制装置のテスト続行…30mmL.V.Mk.0のテスト…スピンアップの確認。えっと次は…ミサイルのテスト…オーケー。…こんな技術の塊でも武装はミサイルか』

 

 

「ん?どうした相棒?」

 

 

『いや。何でもない』

 

 

そう言いユウナは後ろで色々と声に出しながら声に出しながら読み上げていく。

 

 

「…宙域角度と高度装置と座標の初期化完了…高度と角度と座標のデータは…オラクル標準データを入れて…よしっ」

 

 

『…どうにか…腕の震えは止まりそうだ』

 

 

「…アテンションプリーズ。当機は離陸準備が整いました。本気はこれよりカタパルトに接続。離艦を開始します」

 

 

『…は?』

 

 

「相棒のナチュラルなは?が怖い」

 

 

『…ねぇ、これ本当に帰れるの?』

 

 

「大丈夫だ、シミュレーションで何度か使ったことがあるし一応訓練は受けた」

 

 

『…これの搭乗ライセンスは?』

 

そう通信機越しに痛い所を突いてきたユウナ。

 

大丈夫だ、安心しろよ。なんては言えない。何せ初の実機ーーしかも正式には量産されていない機体での起動だからな。

 

「…よーし、離艦するぞ」

 

 

そう言い機体随所に付いているスラスター推力を上げ下から離れる。ギアを上げメインの3つのスラスターの出力上げる。それに対しノズルは絞む。第2ノズルが90度下を向き他のスラスターも起動、少し浮かびランディングアームを格納し上昇、1と3番だけ推力を上げて機体を少しづつカタパルトに向かわせる。

 

 

「…よーし…システムクリア、各システムノーマル、武器関連は…相棒!」

 

 

『…ノーマルだ』

 

 

そう言いカタパルト前に飛ぶがーー扉が開かない。

 

 

マグが調べるとーーダーカーがこの船の制御システムを乗っ取っている可能性があると言われる。

 

 

それと同時に速やかに脱出せよ、とも。

 

 

『…ミサイルか何か使うしか無いな』

 

 

「…オーケー、何使う?」

 

 

『ミサイルしかねぇだろこれ』

 

 

そう言い主翼上下についているランチャーにぶら下がるミサイルポッドの発射口から複数のミサイルが発射、扉に向かって行く。

酸素があるためか煙を描きながら扉に命中。爆発が起こる。

 

爆炎と煙が消えると…綺麗に消えていた。

 

『…思ったけどこれ格納庫の酸素が外に吸い出されるんじゃ…』

 

 

「それは大丈夫だ。この船自体にシールドが張られているから酸素は逃げないし、この船自体に供給装置があるから関係ないぞ」

 

 

『…んじゃあの扉は何のために…?』

 

 

「機体が出すブラストから格納庫を守るブラストディフレクターだな。アレがないと機体のエンジンから出る火が格納庫に入っちまうからな」

 

 

『アレが…もっと先進的な…未来的な物かと思ったよ』

 

 

「…まぁ、過去には半透明のーーいま船を覆っているシールドみたいな機構を試したらしいが…こっちの方が動いている事が一目で分かるって事で。それに耐えられなかったらもっと厚さを増やせば良いだけだし」

 

 

『…まぁそのブラストディフレクターだっけか。…吹っ飛んで行ったけど』

 

 

「…格納庫に誰も居ないから問題なし。さぁ行くぞ相棒」

 

 

『…よし…おーけー』

 

 

そう聞くや否やスロットルをMaxーースラスターのノズルが絞り炎が出てくるとノズルが緩み一気に加速する。

 

 

『うぅ…おぉ…』

 

 

「…っーーよし!発艦した!」

 

 

そう言いプラント船の重力圏内から離脱すると機体に内蔵されている重力制御装置が起動。Gから解放される。

 

 

『…っぷはぁ…はぁ、はぁ…こんなGが掛かるのか…』

 

 

「…コンパスオープン、オラクル船団領域…A.W.Pは…こっちか」

 

 

M.F.Dをタッチしてフォディナシステムの最終チェックに入る。離陸前にチェックしていたが念のためにもう一度。

 

 

問題なし。

 

 

表示される文字に俺は安心しーーフォディナを起動する。

 

 

「…アテンションーー」

 

 

『聞きあきたぞ』

 

 

「はえーなおい。…今からオラクル船団の近くにワープするから注意しろよ?」

 

 

『おーけーおーけー。人生初の宇宙がすぐに終わるのか…』

 

 

「…なぁに、アークスなら船外任務もある時はあるからそん時に嫌って言うほど見れるぜ」

 

 

『…そうだな』

 

 

ーーーーー

 

発艦してプラント船の周囲を旋回していた時。宇宙やコックピットの内装を見ていた時。ふと視界の端に砲塔らしき物がこちらを向くの見えた。

 

「……ん?アフィン、なんか砲塔こっちに…?」

 

 

『H.W.Rに反応⁈あの船はもう無人の筈じゃ…⁈』

 

 

「は?ーーブレイク!ブレイク!」

 

 

そう言いアフィンが機体を右90度に向け加速。その後首を後ろに向けるとーーそのエリアが歪んでいた。

 

 

「んだよアレ⁈」

 

 

『対隕石やダーカー用の高出力レーザー砲塔だ、コイツは3発機分のリアクターが有るからシールドで十分に防げーー』

 

 

そこまで言ったらーー機体を衝撃が覆う。

 

 

「うぉぉぉぉ⁈」

 

 

『ーー機体各部ノーマル!まだ行ける!』

 

 

〈警告 D反応 確認 9時方向。後方の鑑から敵意有り 以降α1とデータをアップデート〉

 

 

その電子音声と共にM.F.Dにデータがアップデート。プラント船の3Dモデルが表示される。

 

 

『ーーあのサイズの船がD因子に侵されたらマズイ!撃破するぞ!』

 

 

そう言うアフィンだがーー俺には全く不味い意味が分からん。無理ならさっさと帰るべきでは?第一。

 

 

「コイツのミサイル対艦用じゃないだろぉぉ⁈」

 

 

M.F.Dに表示される武器ーーDIFM-20−8と書かれたダーカー迎撃用フォトンミサイル、威力こそあの扉を壊した時を鑑みれば十分にあるもののーー些か全長キロ単位の船を攻撃するには力不足の気がする。

 

 

『うるせぇー!ちっこくても当てるしかねぇんだよ!』

 

ミサイル発射口から複数のミサイルが発射。一定の距離を進むとミサイルが割れ多弾頭化。以降ランダムな軌道を描きながら艦の砲塔めがけ突っ込んで行く。それを感知したのか船の甲板に現れたカルターゴがレーザーで迎撃しながら砲塔に向かっていく。

 

 

「アフィン!カルターゴが!」

 

 

『分かってる!』

 

 

機体が機敏に動きレーザーバルカンを斉射。甲板を焦がしながらカルターゴに当たり首を後ろに向けて見るとーー無傷である。

 

「た、倒せてねぇぞ!」

 

 

『じゃねーだろ!俺たちみたいに直接フォトンをぶつけられねぇんだ!』

 

そんな事を言っている間に何発かが弾着、爆発。砲塔が上に吹っ飛んでーー。

 

 

「な、中から…ダーカーが…」

 

砲塔のあった部分からウネウネとーー赤黒いダーカーの触手の様なモノが現れる。

 

アフィンがそれを見て機体を姿勢制御用のスラスターを用いた直角機動を行いレーザーレールキャノンで近接攻撃を掛ける。

 

ーーが効果は薄い。当たってはいるものの有効打とはなっていない様子。

 

 

『…ダメだ。今回は逃げよう』

 

「残当、見ろよ奴の3Dデータ。D因子濃度がアフターバーナーしてるぜ」

 

そう言い前席にデータを投げる。

 

 

『…何だダーカー因子の濃度⁈俺ら1機でどうにかなる問題じゃない』

 

 

「オラクルのモルガンだっけか?そいつを…何機か呼んでこないと無理だろ?」

 

機体が180度回転。その後すぐに加速。機体の前にワープホールが形成されその中に入っていく。

 

 

「うぉ⁈ーーおまっ、ACMと言うか変な機動する時は一言声をっ!…まぁ良い、アフィン」

 

 

『なんだ、相棒?』

 

 

ワープ空間を飛んでいる最中。ふと気がついたことをアフィンに聞く。

 

 

「…デュケットから借りていたライフル…どうしよ」

 

 

『…謝るしかないでしょ』

 

 

ワープ空間を抜けるとーーこっちのM.F.Dのレーダー画面に反応あり。ーーしばらくするとオラクル船団の文字が。

 

『よーし。着いたな。ーーさて。相棒』

 

 

「何だよ急に?」

 

 

『フライトプランも出さずに急に戦闘機が現れた場合ーーどうなると思う?』

 

 

「…まさーー」

 

 

『ーー警告する!エリア23にワープアウトした不明機!フライトプランは提出されていない!そちらの意思は何か!』

 

 

『…こう言うことさ。相棒は少し静かにね…こちらアークスナンバー ーー』

 

 

そう言いアフィンは管制官とコンタクトを始める。周りには任務に向かうキャンプシップや船と船の間を行き交う交流船、哨戒任務中の戦闘機の編隊などが飛び交う。

 

 

それから少し経つと機体のすぐ横に前進翼の機体が2機近付いてくる。1機は真横に、もう1機は真後ろについた。

 

 

『ーーであったために任務の続行は困難と判断。こちらにワープアウトしました』

 

 

『分かりました。ではそのままシップ1への着艦を許可。その後の判断はゲートエリアにて通告します。ーー以上』

 

 

『了解しました。ーーさて、相棒。愛しの我が家に帰還だ』

 

 

「あ、あぁ…」

 

アフィンがそう言うのと同時についてきた2機はブレイク。どこかに飛んでいく。

 

 

はぁ、と溜息をついて、やっと帰れると思い力が抜けた。

 

 

 




Raにリングで通常攻撃がバーストからフルオートになるリングくれ。え?ウィークバレット…?武器アクで撃てるようにしろや。

ストーリも程々に外伝を書く?

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