流石に11849文字は多い。次回から5000強にしておこう。
「ーーそれで私とは…呆れるな」
クーナが気絶して早数分。刀やライフルでハドレットを迎え撃つもーー中々有効打が打ち出せない。
こっちは新人に対して向こうはーーヴォイド機関とか言うなんか特殊な所から脱走したヤベェ奴。強いのは明白だった。
ダガンやそれの上位のエル・ダガン。最近遺跡以外にも現れる事とが多くなった二足歩行型ダーカーのディカーダとプレディカーダ。それに任務で出たガメーーゼッシュレイダにダーク・ラグネ。
あの手この手で倒してきたがーーコイツは別格だ。
吹っ飛ばされて刀を地面に刺してブレーキとしつつ。態勢を立て直しモノメイトを飲む。
背中に刀を仕舞い久しぶりに使うフラッシュバンを手に取る。
俺たちフォトンを使う種族には効果は無いがダーカー因子のあるモノに使うと一時的に因子が枯渇し一定時間ーー大体5から6秒ほど動かなくなる。
その間にライフルに変えてリロードをしている最中。毎度毎度聞く声が聞こえた。
「ーーくそっ!ペルソナかっ!今はそれどころじゃねぇんだ!」
「そのようだな。それにだいぶ苦戦しているようだな?ーーそれにアレはココまで強くなかったはず」
「はぁ⁈何言ってんだおまえ!」
そう怒鳴りながら下部レシーバーに付くグレネードランチャーのバレルのロックを解除。ホーミングエミッション用の弾頭を入れる。
「…援護する。もしかしたらオマエならーー」
ランチャーをハドレットに向けてトリガーを引く。バレるから弾頭が飛び出てーー10センチほど進むと弾頭が割れて中から誘導するレーザーが現れる。
6つのレーザーがハドレットに群がる光景を見ながら、この弾結構高いんだよなぁ。と思いながらも銃身をハドレットからペルソナに向ける。
「マトイは殺させねぇって言ってんだろ、彼女は記憶がねぇんだぞ!」
「今は良い。私に銃を向けるな。奴を、ハドレットを狙え」
そう言い再度ソードを片手に振るペルソナ。お前も近接でやるのかよ⁈と思いながら俺もそれに釣られ、ライフルを消して背中に付く刀を抜く。
「…'私'はそうでなくては」
そう小さく呟くペルソナの言葉は当然のように俺のミミが拾う。
ーーーーーーーーーーーー
ペルソナがコートエッジでハドレットの攻撃を防ぐ中、その脇を走り去り振りかざされるもう片方の手を刀で切り上げる。
ペルソナがそれを見るや左手から赤黒いエネルギー弾を放ちながら後ろに下がる。
「ユウナ、前を頼む。私は後ろからMGで援護する」
「てめぇ!ごついソード持ってんだろ⁈前に出ろよ、前に!ーーきゃぁ!」
そうペルソナの方を見たらーー目の前にデカイ氷柱が突っ込んできてーーまたもや結構な距離を吹っ飛びペルソナにキャッチされる。
「んぁ?」
「大丈夫か?」
「あ、あぁ…いや、そうじゃなくってーー」
「にしても今回のハドレットはやけに…レベルが高いな」
そう言いながら俺を地面におろしハドレットを見るペルソナ。降ろされた俺は刀を鞘にしまいライフルを取り出す。
「レベルだって?ゲームじゃねぇんだしよ…くそッ、強いなぁ…」
特に俺の目の前と横のやつが、と心の中で呟きながらマガジンキャッチを押してマガジンを地面に落とす。
落ちたマガジンが光に消えてナノトランサーに格納される。
「それにしても…当時の私はカタナなんぞ使ったことは無いぞ」
「…はぁ?」
「それにこの当時にブレイバーは無かったはず…いや、だがギリアムがもしかして早急に普及を…?」
「ブレイバー?何を言って…?」
「兎に角。さっさとクーナが目覚める前にカタをつけるぞ。良いな?」
ーーーーーーーーーーーー
ずどぉぉん!と大きな音を立て倒れたハドレットの目の前でーー即座に俺はペルソナに銃を向ける。
「…」
「…貴様…何のつもりだ?」
「確かに援護してくれたのはありがたかったし、実際危なかった。ーーだがそれとこれは別だ。ーーあんた、やっぱりダークファルスなんだろ?」
そう言い手に握るハンドガンーーMk.40に力が入る。
「…そんなモノで私にダメージが入るとでも?」
そう言い左手に装備されているタリスを見る。アークスと同じ様な武器を持つダークファルスーー武装が使える奴が強いのはダーカーに対する俺たちアークスが証明している。
他にも背中には何度か店で見た事のあるコートエッジやTMG(コートバレル)、それに腕に付くタリス(コートタリス)。
最もそれらは俺が良く見る青水色ではなく赤黒いフォトンで覆われている訳だが。
「無いよりマシに決まってんだろ?ーーそれに俺はレンジャーだ。銃を使うのが本業だ」
「…銃を、か。ーー所で1つ聞きたい」
「なんだ?アークスに来るってか?」
「…貴女…何者だ?'私'はそんな男の様な言動をしていなかった筈だが」
「…何が言いたい?」
「私はこれまでありとあらゆる世界線の'私達'や私がマトイを殺したり殺すのを見てきた。ーーだがこの世界線の'私'はそのどれとも違う。ーーもう一度聞こう、貴様は…何者だ?」
「せ、世界線だって…?あんた、何をーー」
「ーー言うぞ、この世界線のユウナ。私は何があろうとマトイを殺す。それが世界のーー強いては彼女の救済になるからだ」
「はぁ⁈おまっ…ッ⁈何を⁈」
「…だが…貴様が今までの'私'と違うならば…もしかしたらがあるかもしれんな。ーーッ!」
「ーー⁈」
そう俺が聞くとーーペルソナの足が銃を握る手を蹴り上げ空中にハンドガンが吹っ飛ぶ。
そのまま蹴り飛ばされてーー地面に体を擦りながらも立ち上がり刀を抜きとり構える。
そのままペルソナはソードを握りながらこちらに来てーー鍔迫り合いに発展する。
「お前のようなーーカタナを使うレンジャーが居るか?」
そう言いながら今の俺と同じ顔を傾げつつ笑うペルソナ。
「それに私に銃を突きつけた時。結構震えていたぞ?まだ人に向けて銃を向けるのは怖いか?」
「うるせぇ!それでも俺は…ッ!アークスでっ!レンジャーなんだよっ!」
そう言い女になってからか、はたまたこの体の元の持ち主は毎日鍛錬を欠かさなかったのか。しなやかに曲がる脚を使い脇にさっきの仕返しとばかりに蹴りを入れて肩肘を付くペルソナ。
地面に刺したコートエッジを反対方向に思いっきり吹っ飛ばし一言。
「…これで近接武器は無くなったなぁ!?」
そう言いペルソナを見たらーーTMGを両手で握り俺の持つ刀を狙って撃ってきた。
キンッ!と甲高い音が鳴り響き刀も同じ様に吹き飛ぶ。
「お前が出来るっていう事は私も出来るんだよ。ーー同じだからな」
そう言われてライフルを握りペルソナのいた場所を再度狙おうとしたらーースタスタとソードに向かって歩いていくペルソナ。
「お、おい!待てよ!さっきの事を含めてちゃんと説明をしろ!」
「…それは全て引っ括めてシオンにでも聞いておけ」
「シオンにって…お前、一体何をーー」
「じゃあな、この世界線の純粋な'ワタシ'。ーーまた会おう」
そう言いソードを抜き取ったペルソナは会う度に見るダークファルス特有の赤黒い何かを纏いながら消えていく。
「…一体なんだって言うんだ…」
1人取り残された俺はーー蹴り飛ばされて地面に落ちたハンドガンとライフルを手に取り地面にクーナの元へ向かう。
内心はーー撃たなくて良かった。と思いながら。
壊れてないかの確認の為にマガジンキャッチボタンを押して抜いた後にスライドを引く。
地面に落ちたMk.40用の弾丸を拾い上げ息を吹きかけ付いたゴミを飛ばしマガジンに再度入れる。
スライドを少しだけ引き初弾が入ってないのを確認して一度トリガーを引いて内部のハンマーを倒して元の位置ーーコッキングをして弾を薬室に入れないと撃てない状態に戻す。
念の為誰も居ない位置に向けてトリガーを引きハンマーの動く音がしない事を確認し、セーフティを掛けてホルスターに入れる。
入れ終わった後に自分の顔を触りーー特に傷とかがない事に安心する。基本的に食らったダメージは全部戦闘服が吸ってくれたから傷は多分ない。まぁ逆を言えば戦闘服であるバルバトスとゼルシウスはボロボロの訳だが。
ナノトランサーからディメイトを取り出して飲み込む。トリメイトにはモノメイトの比ではないアトマシンが入っているらしく比較的大きな傷でも次の朝には治っているだとか。
因みに過度に摂取しても問題は無いらしい。アトマシン様様である。
因みに最上位のディメイトにはヨクトマシンにフォトン素子を入れているらしい。
…フォトンってなんだ?ポスに接続するデバイスやパソコンの性能表を見ている時に大体フォトン素子を用いた〜と書かれているが…。
「…クーナ?起きてるか?」
腰に付いたライフルを左手に持ちクーナを揺らしながらふと、ハドレットから攻撃受けて一撃ダウンでよく暗殺者?なんて稼業やっていけるなぁ。と思いながら更に声をかける。
「うぅ…ユウナ、さん…?ぁ!ハドレットは⁈」
「ほら、どうにか2人がかりで倒せたよ」
そう言い俺の後ろに倒れるハドレットに左手で指を指す。
「…2人…?でも私は…」
「良いんだ。話すと長くなる。兎も角ハドレットの近くへ。彼が何か言っている」
そう言いクーナに肩を貸しーーそのままハドレットの元へ向かう。
ーーーーーーーーーーーー
個室の部屋内にシャワーの音が響く。今俺はクーナの部屋に入ってシャワーを借りている。最初は初の女性の部屋という事で緊張したがーー部屋の中は言うほど女性らしくは無く必要最低限の物しかないように見えた。
ちらっと置いてある物に値札か何か付いていたらこの部屋も偽物かもーーと昔に遊んだ事のあるゲームのある内容をふと思い出した。
その内容は海外から来た主人公が仲の良くなった女性に家に来ないかと誘われて中に入ってみたら値札の付いたものだらけの部屋だった、と言う内容だった。
そのゲームを進めると女性は警察機関の人で監視を命じられていたとかなんとか。
とまぁ、そんな事を思い出したが、彼女がーークーナがそんな事をするか?とも同時に思う。
スパイとしては常套手段かもしれないが。
『ユウナさん?着替えは此処に置いておきますね』
そう風呂の扉の向こうから声をかけてくるクーナ。
ハドレットと戦い無事に撃破ーーと言うか消滅。聞くとダーカー因子を過剰に摂取していたハドレットの身体はもうダーカーと変わらなかったらしい。それでも最後に話せたのは流石私の弟、とはクーナの話。
無事に任務を終了し、今はクーナの部屋でシャワーに入っている。何故直接マイルームに帰らなかったのか。答えは簡単である。
そう言いドアを挟んだ部屋にある再生中の戦闘服ーー細切れ一歩手前の服が置いてある。
どうやら戦闘中にハドレットやら俺、と言うかこの身体と言うか。同じ顔、同じ身体のダークファルスの仮面から結構なダメージを食らっていたらしく腹や腕、しまいには胸の一部の部分が破れていたらしい。
それを見たクーナが「巨乳め…」と言ったかはさておき、このままだと不味いとクーナのマイルームに直接ワープさせてもらう事に。
本当ならクーナの着ている本来の性能のゼルシウスを着てみたかったが…その、胸が入らず断念した。
因みにクーナはその様子を冷めた目で見ていたのを覚えている。
とまぁ、そんな痴女姿で帰るのはくっそ恥ずかしいのでクーナ自家用機で直接マイルームに向かい、更に風呂に入っているわけだ。
一通り洗い終わりバスルームのドアを開けるとーーそこには俺が着ていた黒に赤いラインの入ったゼルシウスが置いてあった。
「…あ?」
おかしいと思い破れたゼルシウスのレプリカの方を見るとーーやはり置いてある。
「驚きました?それアークス用に下ろすためのプロトタイプらしいです」
そう言いドアの奥からクーナの声が飛んできた。
「プロトタイプ?」
「えぇ。私のゼルシウスからP.M型光熱網学迷彩機能を取り除いて一般的なアークスでも使用可能なゼルシウスの前実験段階の服です。通常のーーユウナさんが着ていたレプリカよりD因子耐性が大幅に上がった代物ですよ」
そう言うクーナの話を聞きながら身体を拭いてスポーツブラとパンツを履き、足から先に入れる。
そのまま上半身に持ってきて首まで持って来るとーー着ている人のフォトンを感知してキュッと締まり身に纏う。
「…おぉ…実に馴染む。ーーような気が」
それに良く見れば俺が着ていたゼルシウスの様に尻尾部分にあるテール部分が丸っ切り無くなってそこから尻尾を出せる様になっている。
「着ている人のフォトンを効率良く防御に回すために少し分厚くなっているのが分かります?」
「…おぉ」
「本来フォトンは肌を露出すれば効率が上がるのですが…その分素肌の防御分消費も早くなるので、ならばと服がフォトンを効率良く吸収して防御に回し、服のフォトンと本人のフォトンの二重でエネミーの攻撃を耐える、と言うコンセプトで作られたそうですよ」
「…」
そう言い分厚くなったかを確認するためにーー自前のデカイ胸を触る。前のゼルシウスだと先っぽがバレちまうんじゃねぇかと思いながら着ていたが…その点このモデルは大丈夫そうだった。それに胸を触っても変な感じはしないし。
「…分厚くなったかを確認するのに胸を触るんですね…まぁ、分からなくもないですが」
「…いや…なぁ、クーナ。この服尻尾部分が元から出せる様になってるが…これって元はなにか付いていたのか?」
「単にこの服がビースト用に一番簡単に再設計し易かったのと撮影で使った奴のお古っていう事も有りますけと。丁度お尻のところにテールを付ける部分も有りますし。因みにこれは…ほら」
そう言い尻尾部分のテールを稼働する範囲内で独りでに振り回すクーナ。
「…なにこれ」
「なんでも一部のビーストの持つ尻尾を第3の腕の様に使う為の物だとか。私は面倒な上に武器がダガーなので使いませんが」
そう言いながらテール部分の先端が3つに分かーー水中用のMSの様な3本の爪の様な形に分かれる。
「こうすれば銃を握らせたりできるのですが…ほら。私の創世器って完全ステルスじゃないですか?だからほらーー」
そう言いクーナは手に俺のハンドガンを持ち、マガジンを抜いて1発だけ薬室に入れてテールに持たせ、自室の簡易的なターゲットに向かってトリガーを引いてーー音が出ないがターゲットには弾痕がある。
どう言う事だ?と頭がこんがらがってクーナを見るとーーちゃんとハンドガンがスライドストップしているし、なんなら床に薬莢が転がっている。
「…とまぁ、こんな感じで。マイを身体のどこかにつけている状態だと音と体が消えるんですよね。他のビーストも何かあるっていうのは分かるらしいですが。ーー最もユウナさんには完全に見えているみたいですが」
「…サイレンサー要らずか。めっちゃくちゃ良いな」
「ビーストはミミが良いらしい人が多いらしいですらね。ユウナさんみたいな…その犬?ガルフ?系のビーストでレンジャーは発砲音が煩そうですし」
確かに今まで見たビーストは猫ミミ、犬ミミの二つくらいしか知らない。多分ガルフも犬の方に区別されているんだろう。
「減音効果と防御を期待してヘッドアクセサリーを付けているけど…完全に音を消すサイレンサーとか無いかねぇ…」
「確か申請すれば使えたはずですよ。そのかわりサイレンサーの保管場所を逐一報告しなくちゃなりませんが」
「…パスだ、パス。そんな猟銃を管理する為に逐一警察に連絡するような事面倒っぽいからな」
そう言いその上からバルバトスを着ようとしてーーこれもダメージが酷かったのを思い出す。
「…なぁクーナ?この上から来れる服…無いか?」
「生憎私はこれが戦闘服なので。…それに私が言うのも何ですが…これに合う様な服はなかなか無いですよ」
「だよなぁ…これ単体で外を歩くのはなぁ…」
「…まぁ、わからなくは無いですが…一層の事オペレーターに迎えに来て貰えばよろしいのでは?」
「…あぁ、確かに。そうするか」
そう言いマグを動かし2人に連絡を入れようとするとクーナが口を割ってくる。
「…となると私のこの姿はマズイのでーー」
「ーーどーお?こんな感じで!」
「……は?」
そう言いゼルシウスから普遍的なオラクルの服装に戻る。ーー最も髪型は青色からオレンジベースになったが。
「やだなぁ!私だよ私!クーナだよ!」
「…こんなにテンション高いのか…アイドル時は」
「…そうでもしないとやっていけませんよ。アークスの偶像なんて」
「うわっ、急に戻るなよ」
「と、兎に角!オペレーターさんと合うときはこの姿で、ね!」
「あ、あぁ…その、電話するから…良い?」
「勿論!」
そう満面の笑みで言うクーナを視界の端に追いやりつつデュケットに連絡を掛ける。
『ーーあっ、マトイさん!ユウナからです!』
『ほんと!』
「…あぁ…取り敢えず連絡が遅れたわ。済まんが今ある方に世話になっていてな…ちと迎えに来て欲しいんだわ」
『お世話⁈ゆ、ユウナ!何かあったの⁈』
「あぁ…まぁ…ちと戦闘服が結構ひどい破け方してな…ある人にーーっておい!クーナさぁーん⁈」
「はぁい!ユウナさんのオペレーターさん!」
『うぇ⁈クーナさん⁈うそっ!?なんでぇ!?』
「私がアムディスキアで訪問ライブから帰っている途中ね?それはそれは大きな丸い建物を見つけたの。興味が湧いてそれに入ったら、おっきな龍族とユウナさんが闘っていてね?危ないから、それの決着がつくまで待っていたら2人同時に倒れちゃったの。ユウナさんに応急処置をしながら倒れた龍族にお別れの歌を歌っていたらユウナさんがそのまま倒れてね?そのまま私のマイルームに連れてきたの」
「以上!ユウナさんを連れてきたお話終わりっ!」
『そんな事が…って言うと今回の虚空機関の任務は結構きつかったみたいですね…取り敢えず無事でよかったです』
『そうだよ!ユウナが居なくなったら私…』
「…ともかくそんな感じでな。奇跡的にもクーナさんが俺の着ていたゼルシウスと同型を持っていたから服は何とかなるんだが…上が無くてな。この格好じゃ外は歩けないから迎えに来てくれないか?」
『分かりました。住所は…はい。1ー2ーA23ですね?』
「あ。オペレーターさんと其方のお名前はなんで言うんですか?」
『私はデュケット。こっちはマトイさんです』
「お二人さん。私がここに住んでいるって事はトップシークレットって事で!」
『はい!…あの、サインを貰っても?』
「勿論!色紙を持ってきたらサインするよ!」
『!ちょ、ちょっとユウナさん。少し、いえ、結構遅れるかも知れません。えっとーーと、取り敢えず今から向かいますので』
「あ、あぁ」
「安全運転でね!」
『はい!マトイさん、行きましょう!』
『う、うん』
それを最後に切れる通信。それと同時にクーナのアイドルモードが切れていつもの口調に戻る。
「…大変だな」
「…えぇ、いつもの事なので慣れています。ところで、
その…ユウナさん」
「なんだ?」
「…ハドレットは…無事に生まれ変わってくれるでしょうか?」
「…急に真面目な話になるなよ…龍族に詳しい人に前に聞いたんだが、龍族は独自の理論?を持っていて、それ曰く全ての龍族は死ぬのと同時に身体が無くなるが、魂は新しい体に宿る。ってい感じのことを言っていたはず」
「それならハドレットもーーっ!」
「…だがハドレットはーーと言うか造龍はオラクルが弄った存在だ。クーナには悪いが…神さんが転生させてくれるかはそれこそ神様しか知らん」
「…」
「…まぁ、カッシーナだったか。その神様に祈ってみるのも良いんじゃねぇか?」
「カッシーナ?」
「詳しくは…いや、龍族に詳しいアキって言う人が居るだが…俺の方からアキさんにアポイント取れるかどうか聞いてみるか?」
「…いえ。結構です。ーーハドレットが生まれ変われる可能性があるなら…私はそれで良いです」
そう言いテーブルの上に置いてあるハドレットも巻いていた布を左手に巻くクーナ。
「…ハドレット…お姉ちゃんはハドレットの分まで生きるから…」
そんな言葉をミミすればそうしてくださいとはその場の雰囲気で言えるわけもなく。
ただただ俺は厚めのゼルシウスを着てその場でいつ来るかわからない2人の救援を待つしかなかった。
俺もアイドルのクーナには詳しくはないが…あの時詩っていた歌。あれを聴いていればハドレットも転生出来なくても成仏は出来るだろう。
「まぁ、あの詩を聴きながら死んだんだ。その…万が一転生出来なくとも成仏してくれるさ」
「…どうでしょうか…私を怨んでいたりとか」
「無いだろう。有ったらあんな執拗に俺を狙わんさ」
そもそも恨んでいたら気絶した後に追撃を咬ますだろうし、俺がクーナを端に移動させていた時なんて十分なんて時間じゃない程隙があった。そんな状態で攻撃をしてこなかったって事はーー。
「ーー怨んでなんてないさ。じゃなかったら俺がこんな苦労した意味が無い」
「それもそうで…すいません。通信が。…出ても?」
「どうぞ」
そう言いクーナの表情が柔らかくなりそこら辺にある椅子にどっしりと座る。先程撃った窓からSFチックな高層ビルやドーム、飛行船、見ると安心感のある地上を走る車や、デュケットから貰ったホバーバイクの様な空を飛ぶ車等この高層ビルから見る景色は壮大だった。
クーナに聞いて何か飲み物でもないか、それを聞こうとさっき座った腰を上げて身体を向けた時。クーナの声が変わる。
「…は?ハドレット傘下の他の造龍が逃げ出した…?え、しょ、所長?何を仰っているのか…はい、ハドレットはーー確かに私達で殺しました。ーーですがハドレットクラスだとーーぇ?ダーカー因子の適合率が高いのは…はい。…はいぃ⁈……はい、分かりました」
そう言い通信を切るクーナ。先程から口に出ていた内容からあまり聴きたくないのだが此方を見て口を開く。
「…ユウナさん。先程通信で複数の造龍が脱走したとの事です」
「…やだ。俺はもう行かんぞ」
「…虚空機関で成功したと言えるのはハドレットだけです。他の造龍はその…」
「…なんだよ」
「…ダーカー因子を与えた事により弱体化したので他のアークスに緊急依頼(エマージェンシーオーダー)として接敵した場合倒してもらうとの事です」
「…ハドレットより弱いと言われてもな…それってどのくらいなんだ?」
「…ユウナさんは遺跡エリアのヴォルガーダと戦ったことは?」
「遺跡じゃないが別の場所で一度だけ」
「…あぁ、報告に合ったBavelsの拠点強襲時にですが。あれほどではありませんが…まぁ、あれより弱いと考えてくれれば」
「アレよりさらに弱い?あの大きさで?…自然界で生き残れるのか?」
「強化に使ったD因子がばら撒かれるだけなので…現地にダメージはでてもアークスが直ぐに向かえば済むことかと」
「現地にダメージがある時点でダメだろ…てかなんでアークスの船になんでダーカーが?」
「研究用の個体だそうで。私も何度か経験がありますがダーカーの捕獲を頼まれる事があるので、それらの何れかが逃げ出したのかと」
「研究用の個体が厳重なエリアにいるんじゃなくて格納庫なんかに…」
「さぁ?混乱に乗じて逃げ出したのでは?ーー兎も角、他の造龍はヴォルガーダクラスという事なので」
「…クーナは良いのか?腐ってもハドレットの配下だろ?」
「…私にとって弟はハドレットだけです。それが私達と同じ龍族だとしても」
私達、という言葉に一瞬謎が行くが話の流れ的に切り返せないし、俺はさっさと帰りたい。
「…兎も角。これで依頼は終わりかな?」
「そうですね。ハドレットは倒しましたし。私の方から報告とレポートを済ましておくのでユウナさんは振り込まれるのを確認してから連絡を下さい。ーーあ、そうでした」
そう言い、はいっと渡されたカード状のデバイス。
「これ。私のアークスとしてのカードです。私の機密上ユウナさんが一人の時しか向かえませんが…」
ユウナさんが狙われてもシャレにならないので、と小さな声で付け加える。
「…ただでさえバベルやら何やらに狙われてる可能性あるのに…」
「大丈夫ですよ。いざとなれば私がマイで…」
「…そうならないように願うわ」
「えぇ。ハドレットには一足先に取られましたが…対人戦では私それなりに強いんですよ?」
「そりゃ…まぁ透明になって後ろからやれればそれは…」
「兎も角。そのカード経由でこちらから依頼があった場合は直接依頼を投げるのでーー来ましたか?」
そうクーナが途中まで言うとインターホンが鳴る。それに近づくにつれクーナの暗めの青い髪の毛がオレンジ色に変化して声の高さも変わる。
「…はい。えぇ!私のお客よ。そのまま中に入ってもらって?」
そう言いクーナは部屋のドアの鍵を開けてーー一階のテレポーターから飛んできた二人が入ってくる。
クーナの姿を見た二人のうち一人はそれはそれはテンションが上がっていたそうで。
そんなテンションを上げている一人をよそにマトイはこっちに来てーー手に持っていたバックから上着を取り出す。取り出した上着はーー俺が着ていたラーグバルバトスと同じ物だった。
助かったよ。そう言いその服に手を入れてーーいつもの服装に戻る。
それから少しの間ーー特にデュケットがクーナのサインやらグッズやらの話を本人に話しーー俺とマトイはその様子を20から30分くらいずっと見ていてーー余りにも長いのでそろそろデュケットに帰ろうかと言おうかと思った時。
俺の隣に座るマトイが俺の膝に手を置く。
「…ねぇ、ユウナ。もう少し待ってあげようよ」
「でもなぁ…もう30分だぞ?デュケットの持ってきたグッズ類にはサインが終わってるし…やることはないだろ?」
そう言いクーナに一言いい冷蔵庫から飲み物をーー一通り取り出して蓋をあける。
ーーーーーーーー
「何で俺ここにいるんだ…?」
そう呟く俺に機体内に備え付けられたモニターが答えるように続く。
『ーーして!我々アークスはあの巨躯に勝った証として!全アークスによる戦技大会をここ!ナベリウスで開く!』
『勿論!何かしら事情がない限りアークスは基本参加だ!』
『そうだぞ!クラリスクレイス。ルールは簡単!各々ツーマンセルを組んでーー』
「なんで俺…ここに居るんだ…?」
「相棒…何度目だよそれ…」
そう良い隣に座る何時もの金髪エルフ野郎ことアフィンが答える。
「いや。分かってる。クーナと一緒にーーいや、クーナに助けられて無事に帰っていざ一週間は休むぞと意気込んでたらこれだぞ。ーー頭おかしいんじゃねぇか、このトップ」
「クーナ⁈おまっ、クーナさんと会ったのか⁈」
「…まぁ。会うには会った」
「どーして俺に何も言ってくれなかったんだ⁈さ、サインとかは⁈」
そう良い椅子のロックを外し俺の肩を揺らすアフィン。
それを見る他のアークスが変な目で見ているがそのうちの何名かが話を聞いてウンウンと首を上下に振っているのがちらっと見えた。
「ねぇな」
「…くそっ!」
「…あ、いや確かデュケットが何枚か貰っていたような…」
「期待して良いのか?良いんだよな⁈」
「デュケットに頼め。俺にはそれしか言えない」
「あぁ、くそっ。…てかなんでクーナさんと?」
「…ちと上から俺指名で任務があってな。その任務をクリアした際にガバって倒れちまって。そん時に来たのがクーナさんってわけ」
「…そういやアムディスキアでM.Vを撮るから護衛がほしいってオーダーあったな。…落ちたが」
「まぁ、そんなこんなで知り合ったんだ。あぁ」
「…良いなぁ…クーナさんを至近距離で見れたなんて…ん?そういやその服…前のと違くね?」
「あぁ…まぁ、さっき言った通り戦闘服もボロボロでな。クーナさんが前に戦闘服のメーカーとコラボした際に使ったビースト用の服を貰った」
「…えぇえぇ⁈あのProvidence of the beastsのM.Vの時に来てた…⁈確かにそう言えばその中身の服装…」
「なん…プロビデンス?ガンダーー」
「Providence of the beastsだ。クーナさんが相棒の着ている服と獣耳と尻尾を付けたM.Vなんだ。…一部を除いて不評なんだがな」
「…もしかして?」
「あぁ。Babelsだ。奴らあろうことかクーナさんに殺害予告まで出しやがって。…その後に死んで見つかったが…噂じゃクーナさんを護衛する為のチームが居て其奴らが排除したとか言われてたなぁ…」
そう言いながらアイドルになんて事を…、と続けるがクーナの本職を知っている手間、自前で排除したんじゃねぇの?なんて言えない。そもクーナがヴォイドの暗殺者?って言うのも秘密事項らしいし。
「とまぁ、その服。俺みたいな一部のヤベー奴からしたら殺してでも奪い取るになっちまうかもしれない。この事は俺たちの秘密って事で」
そう言い口の下で人差し指を立てるアフィン。秘密も何も最初の驚き声でこの機体内にファンがちらほらいることが明らかになっている以上、それは無理なんでは…?
そんな疑問を頭に浮かべていると「まぁ、なんだ。何かあったら俺が守ってやるよ」とひじょーにクサイ台詞を言いーー等の本人はフンスッ!と満面な笑みで決まった、と勘違いしてそうな顔をしている。
隣で「どうだ?」と言いたげな顔をするアフィンから目をそらしーーと言うか目を閉じる。
E.T.Aは25分後。本来ならオラクル周辺中域を離れ次第跳ぶのだが…それこそ数多のアークスを乗せた機体がナベリウスに飛ぶので時間をずらしながら向かうらしい。
はぁ…戦技大会とか絶対クソじゃん。これが終わったらぜってー1週間休んでやる。
そう俺は決心しーーアフィンに着いたら起こしてくれと言い目を閉じた。
設定はその場の思いつき&辻褄合わせはあと合わせ。
適当に流し読みして)ヨシッ、異常無し!
ストーリも程々に外伝を書く?
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