「ーー塞がれているな」
「あぁ、見事なまでに塞がれているな」
周りでカサカサと四脚群が動き回るのを見つつ、間違って潰してIFFを解除されないようにゆっくり進み出口まで六割、と言う所で上から瓦礫が落ちていて先に進めずにいた。
「どうする相棒?」
両スティックとペダルから手と足を離しその場で止まった。
「…吹っ飛ばすか、他の道を探すか…」
前者はそもそも持っている武器が爆発する兵装かすら不明なのでNG。弾数的にも爆発系武器とは考えられにくい。よって必然的に後者になるわけだが…。
「戻るにしたって…なぁ…」
この地味にこの人型兵器には狭い通路を下にウジャウジャ居る四脚群を潰さずに時間をかけて来たんだ。これから戻れって言うのもなぁ…。
「一度戻ってみようぜ?これに乗っていれば原則四脚群は攻撃してこないんだろう?」
「お前…動かすのは俺なんだぞ。そんな簡単に言うがーー」
機体を180度転進。来た道をもう一度戻る。
「良し…到着した」
3分ほどして此奴の格納庫に戻ってきた。
「…何もないなぁ。一層の事そこら辺の壁に武器ぶっ放すか?」
「…生き埋めになりたければな。最も此奴の頑丈さが分かればーーいや、ダメだな」
万が一壊して抜け出せたとしても、四脚群が来た場合どっちにしろ交戦しなくちゃならんからーー詰んでね?
「サブモニターみたいなの無いのか…?」
モニターから目を離した下のコンソールを見る。
「ウォッシャー、ちゃ…チャフ、マガジンリロードーーこれリロードする意味あるのか?」
リロードの左にはレフトメイン、ライトメイン、サブと一つの輪になって武器チェンジと書かれていた。
「これレフト押せば武器チェンジ出来るのか…?」
押すとギュイーン、と言う音と同時にモニター内の円に600と追加されてた。
「600発ーー左600、右435発…無いよりマシから十分手前になったな」
「試しに左武器撃ってみようぜ?」
「…アフィン…まだ敵地だぞ?」
「もしかしたら隠し扉みたいなのがーー」
ある、と続けると思った時、モニターに明かりが映ったのが見えた。
「ーーなんだ?アレ…」
「扉か?近づいてみよう」
「…あぁ」
機体を動かし明かりに近づく。するとモニターにdoorーードアと表示されてPush.S.U.Bと下に表示された。
「相棒、なんて書かれてんだ?」
「えぇーードア、サブを押せ?」
「押してみよう」
言う通りにサブを押す。すると右手の武器が消えて五本の指が現れた。
「はぁ、やっぱり人型兵器は五本指なんだなぁ…」
「この機体絶対高性能機だよ。アニメなら」
「全くだな」
機体をそのまま前に動かし明かりーーボタンを押す。
プシュゥーーと音がして辺り一面壁だらけだった格納庫らしき所の一部が割れ、この機体が歩ける程の道ができた。
「道…出来たな」
「これで進めるな」
サイドサブボタンを押し右手に武器を待たせて、ペダルを押し機体を前に動かす。
ふとサブのボタンの隣にサブモニターと書かれた枠を見つけた。
「モニター…あるじゃないか!」
すぐさまそのモニターボタンを押す。するとモニターの右上に小さなモニターが出て来て何かを表示した。
「どうした?何をーーモニターのボタン、だったか?」
「押したはいいが…これか?」
モニターと囲われているボタンをモニターーーメインモニターの明かりで押しまくる。
「これーー来た!レーダーだ。動くか?」
サブモニターにSystem S.up《システム起動》と表示され、棒線が少しづつ伸びていく。
「これで周囲のデータが見れればーーあわよくば出口が見つかれば…」
「そうすりゃ出れる。アフィン、忘れてないよな?」
「えっ?…あ、あぁ、分かってる。アイスだろ?」
「覚えてんじゃないか。取り敢えず、此奴の起動が終わるまでは待機だな」
サブモニターを指差しスティックとペダルから足を離す。
「あとさ。凄く言いにくい事言っていい?」
「な、何だ?」
「アフィンってさ?こんなーーこの至近距離で女の子と話した事ある?」
「えっ?そ、そりゃ…ねぇ?」
「アフィンの股間。当たってるよ」
「ーーし、仕方ないじゃないか!こんなかわーー女の子を膝に抱えて結構経ってるんだぞ!」
「まぁ、確かにな?それは経験ーーする前になったから無いけど俺も今アフィンと同じ状態になったらそうなるしなぁ…」
「経験?なった?ーーまさか!」
「んぁ?」
「相棒ーーいや、ユウナちゃん!」
いきなり両肩を掴み前後に動かす。お前肩はどうした?
「ユウナちゃんって!処女膜あるの⁈」
「そうに決まってんだろアホエルフ」
後ろを向けないから左関節を思いっきりアホエルフに叩き込んでやった。
「ごめんって…本当に御免なさい!」
「…」
一悶着あった後、無事にレーダーが起動し、周囲の情報が3DCGで映るようになった。
止まっていた機体を前進させ出口と思われる所に今は向かっている。
「今度銃買ってあげるからさ!ね?」
「…」
俺は子供か?…いや、今の外見だと子供なのか?
そんな事を考えていると急に甲高い音が聞こえた。
「な、なんだ⁈」
左サブモニターにEnemy radar Detection《敵レーダー波探知》と表示され、右サブモニターに敵のレーダー波を逆探知して、敵の位置が表示された。
レーダーにはFriendlyの文字は無く、Enemyの文字しか写ってない。
「ねぇ⁈相棒⁈ヤバイんじゃないの⁈」
「…大事だ、さっきの処女云々の話よりはマシだ」
敵のいる位置に壁越しに照準を合わせる。スティックにロックのボタンが有るが…これ押すと敵にもレーダー波が飛んで探知ーーと思ったが既にロックされている以上、関係ないか。
「交戦するぞ、舌噛むなよ!」
「お、おう!」
ペダルを思いっきり踏み、大きな通路に出る。
出たと同時に敵にロックオン。敵の方にモニターを固定させる。ズドンッ!と大きな音がして機体が揺さぶられる。
「うわぁぁぁ!」
「ッ!しっかりしろ!次!来るぞ!」
ダメージを気にせず大きな通路を進む。
有る程度近づくと此方の射程圏内に入ったのか左右の武器の残弾の所にロックと表示された。
「よしきた!」
左右のスティックのトリガーを引き弾をばら撒く。
3秒ほど撃って中々大破しない、と思い急遽ロックを外し敵の持っている大口径砲を撃つ。砲身でも壊れれば突破出来ると考えていたが適当に撃った何発かが見事に弾薬に当たり爆破、余波で敵兵器も誘爆した。
「…っはぁ…死ぬかと思った…」
「なぁ、相棒、俺生きてる?」
「…多分な」
「…相棒の尻尾のモフモフを感じるから生きてるなこれ」
「あぁ、そうかい。んじゃ進むぞ」
モニターには大きな通路を4キロほど直進した後左に3キロで出口と書かれていた。崩れてなければいいが…。
所でこれルビ振れているのだろうか?
クーナ編も書く?
-
書け
-
書かないでいい
-
Ep4に行け
-
Ep5に行け
-
Ep.Hはどこ…ここ?