「お客様に大変お似合いですよっ!」
「そうかぁ?…マトイはーー」
「お連れの方でしたら別のお部屋で試着しておられーーすいません」
話を遮り耳元のインカムに手を当て始める店員。
「ーーはい、はい。分かりました、お客様にお伝えしますーーお客様、お連れの方が服を買うとのことですが」
「いったいどんな服だ?」
「此方にお客様のお連れの方が購入する服を着た場合のデータがあります」
そう言いながらホログラフィックを俺に見せる。
「…いいじゃないか。値段は?」
「はい、此方8.000メセタとなっております」
成る程、8000か…今は財布は厚いし買うか。
「うむ、買おうか」
「お買い上げありがとうございますーー所でお客様」
「なんだ?」
「お客様は何か買われないのでしょうか?」
「…そうだな、露出が無い服、あるか?」
「…完全に、と言う事でしょうか?」
「そうーーいや、出来うる限りでいい。あるか?」
「とは言いますものの…」
そう言い店にある商品リストをスクロールする店員。
「…そうなるとスーツーーこのディレクトスカートの様な物しか…」
「…スカートか…長さは?」
「足の関節までです」
「色は?」
「スーツらしく黒、でも白や赤、緑だってありますよ?」
「…まぁ、黒でいいかーーそうだ、これ、戦闘に耐えられそうか?」
「戦闘に…?失礼ですがお客様は…?」
「あぁ、一応アークスだ、ルーキーだが」
「アークスの方でしたか。そうですか…そうですねぇ、戦闘に関しては…うむ…」
「…あぁ、取り敢えずコレは買っておくよ。何も戦闘服にするつもりはないからな」
「…うむ…そうですか、分かりました。住所はどちらに?」
「アークス居住区のーーいや、こっちで書く」
「分かりました。ではタブレットをどうぞ」
そう言い渡される紙ーーではなくタブレット。其処には自分の名前を打ち込むだけで住所を特定出来る、とそんな風に書かれていた。
「…ねぇ?これ大丈夫?」
そう言いタブレットを店員に見せる。自分の情報をこんなスラスラ書き出していいものか?
「大丈夫ですよ。オラクル船団のマーケットやショップは必ずと言っていいほど導入されている信頼性の高い会社の物ですから」
「そう、なのか?」
自信満々に言う店員に少したじろぐ。だがーーいや、かといって紙で住所を書こうにもなぁ…この船団に紙自体あるかどうか…。
周りを見渡せば殆どが機械類。ノートみたいな物ーーと言うか紙自体がないのかもしれない。
いや、まて。本が有るからそれは無いな。価値もそんなに無いし。
「となると…書くという発想が無い…?」
いやいやいや、待て待て待て。こんなに科学力が発展してんだぞ?そんな事はないはずだ。
「はい?どうしましたか?」
「いや、何でもないです。此処に入力すれば良いんですね?」
「はい。お願いします」
タブレットを操作し自分の住所を書き込む。
「あぁ…電話番号は良いのか?」
「電話番号、ですか?失礼ですが電話番号とは…?」
そう言い聞き返して来る店員。しまった。こっちには電話と言う概念が無いのか。
「あぁ…そうだな、いや、やはり忘れてくれ」
電話とは何かを説明しようかと考えたがそれ通信で良くねって事を思い出し辞めた。
「そうですか、分かりました。住所は此方で間違い無いですね?」
「あぁ、合っている、筈だ」
「分かりました。それでは同じ物を住所のナノタンスに置いときます」
「いや、玄関に頼む」
「いえ、お客様、ナノタンスならばどの家庭にもあります。其方の方が安全ですよ?」
「…そうか、それならば頼む」
「分かりました。所で…」
そう言い店員は俺の事をジッと見る。
「お客様のお連れの方は服を後数着買うとのことですがーー」
「マトイめ…あんまりはしゃぐなよ?」
「ーーすいません、6着ご購入するとの事ですが?」
「値段は?」
「六万メセタです」
「…まぁ、良いだろう。購入しよう」
「ご購入ありがとうございまーす」
なんだか載せられている気がしてならない。
服をある程度買ってショップエリアにある武器修理施設、ペアーリーーの隣にあるアークス製武器販売店に来た。
中は人が沢山いてマトイがキョロキョロ周りを見渡しまくっていた。ヘッドセットでミミを上手い具合に隠しているとは言え中々視線が刺さる。
列に並び彼此5分後、俺らの番になりアークスカードを見せる。
「…はい、認証取れました。アークスのユウナ、さんですね?今回のご用件は?」
「俺の連れに武器の練習をさせて欲しい」
「失礼ですがアークスに所属している方ですか?それとも一般の方ですか?」
「いや…唯の一般人さ。出来るか?」
「一応フォトン濃度の検出をします。此方に手をかざしてください」
そう言い手を置く何かそれっぽい物を出した店員。
「えっと、ユウナ?これに手を置けば良いの?」
「あぁ、そうだ。大丈夫だ、何も起きないから」
そう諭しながらマトイの手を借りそれっぽい何かに乗せる。
「……はい、測定でました。フォースとテクターに向いているようですね。この二つを練習しますか?」
「…どうする?いっそ全部やって見るか?」
「うーん、ハンターとファイターは良いかなぁ…」
「まぁ、インファイターって感じは無いもんな…」
「…すいません、ソレですと貸し出す武器にも限りがあるため五つ以内にしてもらえませんか?」
「…ソレならウォンドとロッド、タリスと…ライフル!」
「なんで法撃職からいきなりライフル…?」
「ユウナが使ってるし、使いやすそうかなぁって」
「いや、まぁ、別に良いけど…後一つはどうする?」
「うーん…ユウナは使いたいものある?この際だから使ってみようよ!」
そう言いテンションを上げるマトイ。
「なら、ロケランで良いですか?」
「ロケラン?」
「っあ、ランチャーです、ランチャー」
「あぁ、レンジャーのランチャーですか。分かりました。至急手配しますね」
そう言い目の前に鍵とカードを2組ずつ渡して来た。
「このカードと鍵がキーになっています。お部屋は145号室となりますので、彼方のエレベーターから四階に上がってください」
言われるがままにエレベーターを目指す。隣にはアークス言語でEXITと多分書かれていた。
番号通りの145号室に入ると右側にはラックが置いてありライフルのマガジンとランチャーが各二種類づつ立て掛けてある。反対の左側にはロッド、ウォンド、タリスが同じく2組立て掛けてある。
「さてマトイ…何から始める?」
「うーん、無難にライフルからかなぁ…」
人差し指を口に当てながら考えているマトイ。現実でーー此れが現実かどうかは二の次としてーー初めて見たわ。
ライフルを取りマガジンが入ってないのを確認してコッキングレバーを引く。
エジェクションポートがパカっと開き薬室内に何も入っていないのが分かる。
安全装置の位置を確認してマトイに渡す。
「此れがライルフかぁ…重いねぇ」
「それにマガジンーーって思ったけどナノトランサーから作った数だけ出せるわ」
「重いねぇ…ねぇ?撃ってみてもいい?」
そう言いマトイがトリガー手を掛けた。
「マトイ、ストップ」
「えっ?」
「…まずはトリガー…その右手人差し指を離そう」
「う、うん」
そう言いトリガーから指を離すマトイ。
「よし、それで良い。良いか?マトイ。銃って言うのは相手に向けてさっきかけたトリガーを引くだけで人を殺せるんだ。本当に撃つ以外かけちゃダメだよ?」
まぁ、俺も正直撃ちたくないけどね。見てるだけで本当は十分だったんだけどなぁ…。
「ご、ごめんね?こうであってる?」
「大丈夫。マガジンは抜いてあるしトリガーを引いても安全装置がかかってるから大丈夫だよ」
もっともそれでも向けられたら怖いが。
「持ったら向こうにあるーーありゃなんだ?カカシか?」
ライルフを持たせ、撃つ方に向くと何だかよく分からないカカシみたいな物があった。
「唯のカカシーーいや、よく見るとあれ、金属の板か」
茶色に塗られたそれはよく見ると金属で出来たターゲットだった。
「未来から送られてーーいや、俺は送られたのか」
「何言ってるの?ユウナ」
「いや、こっちの話だ。ホラ。マガジンだ。空いているところに差し込め」
手渡しでマガジンを渡す。
「空いているところ…?此処?」
マトイが刺したのはストック部分。
「マトイ、ブルパップでも無いしそもそも刺す穴がない」
「それじゃ…ここ?」
そう言い本来の所にマガジンを指したマトイ。
「…マトイ、わかってたろ?」
「ふふっ、何のことでしょ?」
「まぁ、いいや、コッキングレバーーーは引いてあるから、マガジンはーー入ってるからチャージングボタンを押して見てくれ。…そう其処だ、其処のボタン」
高い金属音がして薬室内に初弾が入る。
「これで射撃準備がーー安全装置忘れてた。シングルに変えてっと…良し、整ったな?マトイ、トリガーに指を掛けて撃ってみな?」
「うん!」
Ep1終了が遠い…遠すぎる
クーナ編も書く?
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書け
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書かないでいい
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Ep4に行け
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Ep5に行け
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Ep.Hはどこ…ここ?