78話目
「………んぁ?」
目を開けるとーー自室の布団の上にいた。はて、ジグさんの所に向かった筈だったが…。
「……マトイかポイントか?」
もしや遅いと思い2人が迎えに来たと考えたが…そもそもあの2人は寝てたし、ポイントに至っては次の日管制の仕事があるからほぼほぼ起きないし……ではーー。
「だれが?」
いや、待て。そもそも昨日は何をしに行った?
ーー確かジグさんの所で…新型ライフルをどうたらこうたら、だったか?
「…そのライフル……いや」
それでライフルを見せてもらってーーいや、確かリサさんが居たはずだ。それとジグさんも。
んでそれで……それで……。
だめだ、それ以降が全然記憶にない。
部屋を見渡すと何時ものヴィダブラスタを置いてある所に見慣れぬライフルが置いてある。マガジンを抜き、ポートを解放して置いてある。
「……いや、まさか」
ありえない、とは思いたいが…もしや、酒を飲んでえっちい事をしてしまった可能性が…?
いや、酒は飲めないーーいや、それは元男の時の世界の話だ。コッチでは違う可能性もーー。
いや!あり得ない、とは言い切れないし…どうしたものか…。
調べる術は……なんかあったっけ?
元男とは言えソコは気になる。と言うか正直この身体がしょーー未使用かも分からん。
……と言うかこんな事を言うのもなんだが、未使用って……物みたいでヤダな。
うーんうーんと悩んでホログラムを弄っているとマイデータ、と言う項目を見つけた。と言うかあった。
それに触り見てみるとーーそこには、アークスの各々の今の状況とかどのくらい強いとかを見れるように数値化した物が書いてある。ーー書いてある、のだろうか?表示の方が正しいか?
と言うかこの欄初めてさわるな。生まれてこの方ゲームと言ったらロボゲーと戦闘機ゲーしかやって来なかった
から何かこう…RPGってこう言う表示してそうだな。
決して携帯型対戦車擲弾(てきだん)発射機では無い。
そう言えば擲弾で思い出したが、この世界で擲弾、破片で敵を倒す手榴弾とか意味あるのだろうか?熱で穴開けて更にその穴に熱をぶち込むH.E.A.Tみたいな熱兵器なら…貫通、するのかなぁ…。
現状手元にあるのはスタンとグラビィティの二つしか無い、と言うか知らないし…いや、あるのかも知れないけど。
最も現状貫通しなかった奴ってあの砂漠の奴ーーグワナーダ、だったか。それ以外は合ってないし…何とも言えない。
最も自分の中にある弾の大体のデータがゲームって事もあるし…やっぱり実際に撃たないと分からないこともあるし…。
そんな事を考え始めてしまい、今からやろうとしていたことが止まる。
…いや、そう言や俺何をしようとしたんだっけか。
一度考えるのをやめて、その場ーーマイルームの椅子に背中を預け更に考える。
「……そうだ!処ーー」
女かどうかを調べようとしたんだ!と声を続けそうになり、急いで口を閉じる。
「ーーっ……」
椅子から立ち上がり隣に続く扉を少し開けてーー良かった。2人は居ない。
ほっと溜息をつきーー自分のステータスを見る。
上からダーカー汚染をどのくらい耐えれるか、とか打撃や法撃、射撃にどれ位のフォトンを込められるかとか。
……込めるってどうやって?纏わせるのか?
他にも打撃、射撃、法撃を纏ったダーカーの攻撃を防御できるか、とか。
その次のページに俺の見たかったデータがある。
他人には見せられない様な物が数値化されている。
まるでーーいや、辞そう。
それをスクロールしていきーー良かった、何もなかった。
その欄には処女の文字がある。
今の状態すら見えるのかぁ…。
「えっちぃなぁ……」
しばらくそれをスクロールしながら見る。なんかこう、ねぇ?
「良かった、他に異常はない。んじゃ昨日は何が……」
…いや、そもそもこんな事を調べずとも良かった様な…?
いや、そもそも手っ取り早くリサさんに聞けば良いのか。
「…ぁ」
そうだよ、最初からリサさんかジグさんに聞けばいいんだよ!
そうと決まればゲートエリアにいる筈、そこに行こう。
ーーーオラクル船団 ゲート エリアーーー
左右の大型テレポーターからゲートエリアに向かい、そこに付属している休憩室にリサさんはいる。
と言うかこのテレポーターだかトラスンポーターだか知らないが……これ空間を直接繋げてね?
「えっと…すいません、今大丈夫ですか?」
休憩室でホログラムを弄っていた所に呼びかけてしまった。
『やっときましたねぇ。そろそろだと思いましたよぉ?」
と何時もーーまぁ、数回も会ってないがーーの語尾が上がる独特の話を聞く。
「は、はぁ」
それにしても待っていたとは?俺リサさんにメール送ったけ?カードは交換したはずだけど…。
『それでですねぇ?聞きたい事、あるんじゃないですかぁ?』
まるで何かしら聞きたい事を受けるために待っていたような話。もしや相当昨日やばい事を?
「も、もしかして、昨日失礼な事を⁈」
『いえいえ。特にそういうものは無かったですねぇ?……そうですね、マイルームにあるステブウェポン。アレはそのまま使用して良いとの事ですので』
「…あれ、は…まぁ、はい。所でおーー私のヴィダライフルは…?」
『ジグが何処の機関部のパーツが汚れやすいかとかを見たいからと言って回収していましたよぉ?多分アレは帰ってきませんねぇ』
あぁ見えて武器に関しては何かしら信条を持っているみたいですし、と言う。
「そうですか。分かりました。聞きたかったことは…まぁ、昨日何があったかなのですが…?」
その事を聴くとリサさんが一度長めに瞳を閉じてーー。
『……ユウナちゃん。貴女は、昨日の事、どこまで覚えてる?』
語尾の上がらない、普通の喋り方になった。
「えっと、リサさんとジグさんに会った所で…」
『と言うと後半丸々記憶に無し、かぁ…』
「…その…もしかして、ヤスミノコフさんの方に何かマズイ事を?」
『いえ、その逆。されたーーされそうになったのよ。貴女が』
「へ?」
俺が?なんで?
『考えてもみなさい。ある程度とは言え、まだこの船団にはビーストを敵としている人もいるのよーー逆にビースト至上主義なんてそれはそれでーー少し面倒な人達もいるけど』
「は、はぁ…」
『それに。貴女は周囲に目を光らせなさすぎ。そんな巨乳で、髪の毛は伸ばして寝癖も適当で…。そんなんじゃいつか股から液体流しながら売られる事になるーー』
「……股から……?ひっ⁈」
『かも知れないわよ?幸運な事に貴女の周囲には相棒って言って親しんでいる人も居るみたいだし…まぁ、気をつけることね』
「は、はいっ」
怖っ!オラクル船団怖い!ヤダもう家に帰ーーれないんだった。
『…まぁ、簡単に言うとヤスミノコフから来た人がそのビースト軽蔑者の人で。ユウナちゃんが怯えちゃってね?私がマイルームまで送って行ったのよ』
「あ、ありがとうございます?」
でも最後の最後に小さく、アレでも軽い方、って言葉を聞き、記憶に無いがヤバい人達と認識しておこう。
『まぁ、この事をヤスミノコフ氏に直接言ったら謝られたけど…まぁ、本人にって事で言っておいたわ』
「…そ、あ、その、俺を軽蔑した人は?」
『…ユウナちゃん。あまり気にしてはダメよ?知らない方が良いこともあるわ』
「は、はぁ…」
『さて。話は終わりかしら?それならいつもの調子に戻らせてもらうわね』
「は、はい。ありがとうございました」
そう言うともう一度目を閉じてーー。
『はいはぁい!それではさようならぁ!』
そう良い手を振るリサさん。いつも様子に戻った。アレがガチトーンなのだろうか?
ーーーオラクル船団 ショップ エリアーーー
それからショップエリアに向かいミルクアイスクリームチョコとイチゴ和えを購入してベンチで1人噴水を見ながら食べている。
噴水の目の前にある大きなテレビにはオラクル船団の進行方向、気温、任務の注意事項等々が流れている。
一人で黙々と食べているとーーショップエリアとゲートエリアを繋ぐエレベーターから見知った顔が出て来た。
あれはーー。
「ゼノさん?」
「よう、ユウナちゃん、元気ーーそうだな」
エレベーターから左頬を撫でながらゼノさんが来た。
「そう言うゼノさんは無さそうで。……所でエコーさんはどうしたんです?」
「いやぁ…それが…まぁ、ちょっと喧嘩しちまってな」
「あぁ……お話聞きますか?」
「…そうか。それなら少し聞いてくれーー」
「ーーまぁ、内容は何時も通りの、どうでも良い理由だよ。昔の事を何度も聞いてくるから、こう、カッとなって、怒鳴っちまった。そしてビンタされた」
よく見ると摩っている所に薄く赤い色が。
「どぉしてアイツは、終わった事を引っ張って来るのかねぇ…」
「さぁ、どうでしょうね?案外顔に出てるんじゃないですか?」
「そうかなぁ…エコーに考えている事見透かされたりするし。いや、でもなぁ…」
「大丈夫ですよ、ゼノさん。俺も顔に出やすいって言われるんで」
「お前の場合はミミと尻尾で分かるんだよーーほら、今もぴーんって立ってる」
「じょ、冗談じゃ……」
そう言いさっとミミと尻尾を触る。
ふと横を見ると少し顔が笑っているように見えるーーいや、今笑った。
「はぁ…俺が未だに引きずってるように見えるのかぁ?過去の事をーー10近く前の事を。どう思う?」
「…いや…過去の事は知らないんで…」
「…だよなぁ」
そう言い上を見上げるゼノさん。それにつられて俺も上を見る。
人工の空が広がる。
「…あの時ーー師匠が旅立って時にどぉして無理言ってでも付いて行かなかったのか…」
「10年前のあの時、どうして中距離の所に布陣していたのか」
「その他諸々盛りだくさん。思い出したら止まらない。アレもコレもって思い浮かんできやがる」
「あぁぁ…こりゃ俺が悪いな、俺のせいだ」
「『今を見てない』って…確かに、その通り、だな」
「話すだけ話してすまん、俺はちょっとアイツに謝って来るわ」
「そうですね。謝りましょう。ほら、後悔は後に立たないって言うし。人生なんて後悔だらけですよ」
「そうだな。謝ってくるわ。じゃぁな、ユウナちゃん」
「えぇ、それでは」
そう言い来た道を戻っていくゼノさん。
何と無くだが…肩が上がっているような気がした。
と言うか誤字を改修してくれる方は有難いですねぇ。P.h来るまでにEp1を終わらせたい(残り一ヶ月を切る)
クーナ編も書く?
-
書け
-
書かないでいい
-
Ep4に行け
-
Ep5に行け
-
Ep.Hはどこ…ここ?