「ふぅ……この依頼も完了だな」
そう言って俺は、持っていた銃を下ろす。確かこの依頼の金額は100万だったか? まあ、いいか。さっさと報酬を受け取って帰るか。
そう言って俺は、ホテルに歩いていく。そういえば、自己紹介がまだだったな。俺の名前は、
そう思いながら歩いているとホテルに着き、依頼人から報酬金を貰い、金の入ったトランクケースを車に乗せ運転席に乗り車を発信させる。無免許なのは秘密だ。そして銀行で通帳にお金を入れ、また車に乗り暫くして家に着いた。車を車庫に入れて鍵を掛け、扉の鍵を開けてドアを開ける。
「ただいま」
そう言いながら靴を脱ぎ、家に上がる。そうすると奥からおかえりという声が聞こえてくる。それを聞くと奥の部屋まで歩いていき、ベッドで寝ている人物に声をかける
「姉さん、調子はどうだい?」
俺はそう聞くと、姉さんはベッドから身体を起こしながら、
「紅夜のお陰でお姉ちゃんはこんなにも元気なんだから」
そう言って、俺に元気だとアピールする。
「駄目だよ、寝てなきゃ!」
俺はそう言って姉さんをベッドに寝かす。
「いつもごめんね、私が働けさえすれば紅夜は学生生活ができたはずなのに……」
「いや、病気ならどうしようもないじゃないか」
俺はそう言って姉さんを励ます。
「私、本当に紅夜のお世話になりっぱなしだなぁ……これじゃあ紅夜のお姉ちゃんとして申し訳ないよ……」
そう言いながら姉さんの声が震えている。それを聞くと俺はこう言った。
「そんな事ないよ! 両親が事故で亡くなってから姉さんはずっと俺の面倒を見てくれたから……今度は俺が姉さんの面倒を見るんだ!」
「それに……好きな姉さんの為なら俺は何でもやるさ」
実は、俺と姉さんの血は繋がっていない。俺は小さい頃、前の両親に捨てられたらしい。それで、捨てられていた俺を見て、この家の両親に拾われた。だから義理の姉ということになる。俺は、この家に来てから姉の優しさに依存しまくった。
そしてとても恥ずかしい事だが、この家で過ごしているうちに、俺は姉さんの事が異性として好きになっていた。そしてある日、何か自分の中で狂ったのか姉さんに告白をした。すると姉さんは、
『こんな不束者ですが、宜しくお願いします』
とこう言ってきた、つまりOKということであった。なんで了承してくれたのかもわからず、理由を聴くと、
『だって紅夜って可愛いし、私も好きだからかなっ?』
と返ってきた。それを聞いた俺は卒倒したが。
まあ話がずれたが、俺は姉さんの為ならなんでもする。それが例え、悪い事だろうと……
俺がそう考えていると、姉さんがこう言ってきた。
「そういえば、お腹すいてきちゃったなー」
「なら急いで用意するよ」
そう言って、厨房へと向かう。今日は姉さんの好きなハンバーグにしよう。そう思いながら冷蔵庫を開ける。
「お待たせ、今日はハンバーグにしたよ」
そう言ってできたハンバーグを姉さんの所まで持っていく。
「ハンバーグなんて久しぶりね」
「そうだね……ほら、出来立てのうちにどうぞ」
そう言いながらハンバーグを切り分けて、一切れをフォークに刺し、
「あ〜ん」
そう言いながら、姉さんの口元まで運ぶと
「あ〜ん……んっ……やっぱり紅夜の作ったものは美味しいね」
そう言いながらどんどんハンバーグを食べていく。そしてあっという間に綺麗に無くなった。
「ご馳走様でした」
「はい、お粗末さまでした」
そう言って、俺は空になった食器を洗いに持っていく。そうして食器を洗い終え、姉さんのところに戻る。
「ねえ紅夜、私の病気はちゃんと治るのかな?」
姉さんがそう俺に聞いてきた。
「大丈夫さ、あと少しで姉さんを治す事ができるから」
そう、姉さんを治す為に必要な額は2億5千万円いる。だが、後、1千万で姉さんの病気を治すことが出来る。そうすればあの頃みたいな日常が過ごせる……
俺がそう思っていると、いきなり姉さんが咳き込み出した。
「げほっ!げほっ!……」
「姉さん!? 今、薬を……」
そう言って急いで薬を取りに行こうとすると、腕を姉さんに掴まれる。
「いいのよ……もう私は助からないんだから……」
そう言って俺の手を離さない。
「姉さんっ……!」
「男の子が泣かないの……げほっ!げほっ!……」
そう言いながら姉さんがまた咳き込む。そして
よく見ると手に血が付着している。
「ほら……こんなんじゃもう無理だよ……」
必死に声を出しながら俺に自分はもう無理だと言ってくる。
「私、諦めてたの……紅夜とこんな風に愛し合うの」
「義理だといっても……弟を愛しているなんておかしいと思った」
「けれど、あの時紅夜が告白してきてとても嬉しかったんだ……」
「それからの日々はとても楽しかったなぁ……」
「こんな終わり方だけど、紅夜と一緒にいた日々は楽しかったよ」
姉さんが続けてこう言う。
「こんな私と一緒にいてくれてありがとう」
そう言うと握られていた手の力が弱くなり、腕がガクンと垂れる。
「うっ……嘘だっ……姉さん、起きてよ……?」
そう言って姉さんの身体を揺らす。が、全く反応がない。
「冗談はやめてよ……ねぇ……姉さんったらっ!」
そうして叫んでも全く姉さんに反応がない、しかも段々冷たくなっていく。
「っ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
俺は叫びながら姉さんを揺らす。
「嘘だっ!嘘だっ!姉さんが死んだなんてっ!嘘だぁぁぁぁぁぁ!!!」
俺は泣きながら、床を叩く。
「俺は……これからどうしてっ……生きていけばいいんだっ!」
俺は生きる希望を失った。姉さんという希望を。これから何をしていけばいいのだろうか。どうすればいいのだろうか。
そう思いながら立ち上がろうとしたとき、物凄い眠気と目眩に襲われる。
あぁ、そういえば最近睡眠を取らずに仕事をし過ぎたのかもな。
そう思っているうちにどんどん眠くなっていく。あぁ……なんだか、このまま眠れば姉さんに会えそうな気がする。
「それじゃ……おやすみ、姉さん」
そう言って、俺は深い眠りに着いた。
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「この姉弟は……」
とても真っ白な空間で1人の男性がこう呟いた。
「なんだかとても可哀想です……」
もう1人の女性がそう言う。
「あまりにも報われなさすぎですよ……」
そう言って女性が涙を流す。
「なら、お前ならどうする?」
男がそう言うと女が立ち上がり、こう言った。
「勿論、二人共転生させて、一緒に暮らしてもらいますよ!」
それを聞いた男は何かを思い付いたような顔をしてこう言った。
「そうだな、二人を転生させるか」
そう言って男は立ち上がり、別の場所に歩いていく
「あの人にしてはやけに素直ですねぇ……なんだか嫌な予感がします」
そう言いながら女性は男の後を付いていく。
「さて……少しは退屈しのぎになりそうだ」
そう言いながら男は水晶玉を持ち上げると、地面に叩きつけた。
「さあ、不幸な姉弟は別の世界で出会うことができるのかな?」
そう言って男は椅子に座り出した。
「全く、こんな事だろうと思いましたよ」
そう愚痴を言いながら女性は、準備をしていた。
「とりあえず、状況を教えるための手紙と此処で使わなかったお金の換金っと……あっそれから今度こそ病気等死なないようにお祈りを……」
そうして女は色々準備が終わった後に、姉弟の元に手紙とお金が入った鞄を傍に転送する。
「私は、2人が今度こそ幸せになれるように応援します!」
そう言って彼女は心から2人のことを応援していた。