ゲーム制作部   作:ナカタカナ

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カオスすぎる部活、ゲーム制作部

 「やだ、だーれかー、暗いよ」

風間君は、ずっと叫んでいる。その横で先生はスタンガンを持ってスイッチを入れる。

 

 風間君の後ろでは、土属性さんが、シャドーボクシングの様な事をしている。

そして、その隣では、水属性さんがペットボトルを振って耳元で水の音をさせている。

 

 僕は、このカオスすぎる状況をニヤニヤしながら見ていた。

 

 「さあ、どうしますか、この部に入りますか」

 

 「はいるぅぅぅぅ、入らせてください」

 

 「歓迎します」

 

 炎属性さんが、ものっすごい、顔をしながら影を纏っている。

あれ、炎じゃなくて闇だよね、絶対

 

 

 

 

 「改めて、部長の柴咲芦花です。あなた達二人はこの部に歓迎します」

「私は烏山千歳、二年だ」

 

 『あれ、同い年、大人っぽいから年上かと思ってたのに、って事は柴咲さんも同い年か』

「水上桜、一年だよ」

 

 水属性さんが次は自己紹介する。

 

 そして、風間君は・・・

 

 「うんなこと、どうでも良いから早く外せこれ」

まだ袋を被ったままだった。

 

 僕はその隣で鞄に入れてた茶葉を取り出し、紙コップに入れて、これまた鞄に入れてたポットのお湯を注いで

お茶を飲みながら、座っていた。

 

 「ズゥー、はぁ美味し」

 

 「なに、飲んでるんですか」と、水上さんがこっちに来た。

 

 「緑茶だよ、皆さんにも淹れますね」

 

 そう言って、全員の分を淹れて渡した。

 

 「あ、ありがとうございます」

 

 「おっ、サンキュー」

 

 「ありがとうございます、先輩」

 

 「助かる、のどが渇いてたんだ」

 

 「風間君も、飲みなよ」

 

 僕は、少しぬるめにしたお茶を風間君の袋の中に流し込んだ

 

 「ウゴ、ゴバババ、バフッ、し、死ぬ」

 

 「一つ聞いて良いか」

 

 「なんですか、コーヒーの方が良かったですか、紅茶もありますよ、アールグレイティーに、レモンティー

ミルクティーもありますよ、もしかして、緑茶より、麦茶や、ウーロン茶の方が良かったですか」

 

 烏山さんの、質問に焦っていた。

 

 「いや、そうじゃなくてダナ、何で鞄からそんなもんが出てくるんだよ、家電だろそれ」

 

 「うーん、何ででしょうね」

 

 「はぁ、まあいい」

 

 「それで、お前はちゃんと聞いてるの、やだ、何で私の足に頬ずりしてるの、足フェチ」

「してねーよ、てかいい加減これ外せ」

 

 すると、柴咲さんが袋を外した。

 

 「ゲホッ、ゲホッ、おぼれるかと思った」

 

 「自己紹介は、聞いた通りだ、足フェチ」

 

 「待て、何おかしな属性定着させようとしてるんだ」

「お前んお自己紹介聞いてないから、まあどうでも良い」

 

 「良いんだ」

「良いから、この入部届に名前をかけ」

 

 「わったよ」

 

 風間君は、素直に入部届に名前を書いた。

 

 「それと、お前も」

 

 「はーい、これに書けばいいんだね」

 

 僕は素早く書いて、烏山さんに渡した。

 

 風間君はきっと、これが先生の手に渡る前に取り返そうとしてるんだろうけど。

でも残念、この部の顧問は目の前のジャージを着てる人なんだよね。

 

 すると、風間君も書き終わったみたいで、渡した。

それを受け取った烏山さんは、先生に僕のと一緒に渡した。

 

 「えっ・・・って、待てゴラ、えっ何先公、お前先公なの」

 

 「ゲーム制作部顧問、大沢南だ・・・よろしくぅ」

 

 すると、風間君は先生の前まで行って、僕のと一緒に入部届を奪い取った。

 

 僕はその瞬間、隠密スキルを最大限活用して入部届を違う紙とすり替えた。

さて、これに気付いたらどうなるかな

 

 そして、風間君は逃亡した。

 

 みんなは、追いかけて行った。

 

 「先生」

 

 「なんだぁ」

 

 「お茶のお替りいりますか」

 

 「うーん、貰う」

 

 「はい、どうぞ、熱いですから気を付けてください、それとお茶請けもどうぞ」

 

 「おう、ありがとう」

 

 ズズーと先生はお茶を飲む。

 

 「それじゃ僕も追いかけてきますね」

 

 「あんま、暴れんなよ」

「分かってますよ、それより校内でスタンガン使う先生の方がどうかと思ったんですけど」

 

 「気にすんな、教師権限でどうにでもなるから」

 

 「さいですか」

 

 そして、教室から出た僕は色々校舎を探していると、落ちそうになっている風間君を見つけた。

でもそれを、柴咲さんや、水上さん、烏山さんが引き上げた。

 

 風間君は、手に持っていた入部届(偽)を渡した。

「ようこそゲーム制作部へ・・・ってこれ偽物じゃないですか」

 

 「はぁぁ、ってマジだ、おいどうなってんだ」

「すみません、感動の場面っぽいんですけど、本物はこっちですよ」

 

 僕は手に持っていた、入部届(モノホン)を見せた。

 

 「なぁぁ、何で持ってんだよ」

 

 「いやぁ、さっき風間君が先生から奪った瞬間、隠密スキルを最大限使って、入れ替えたんですよ」

 

 「はぁぁぁぁ」

 

 「って事で、部長これ入部届です。それと、二年B組 間藤霊です。よろしくお願いします」

 

 「はい、今度こそようこそゲーム制作部へ」

 

 ってまあ、こんな感じで終わったんだけど、いきなり部長の顔が怖くなった

 

 「それより、私が折角体を張って助けたのに」

 

 袋を手に出してこっちにかぶせてきた。

一瞬の出来事だったせいで逃げられなかったが、ここは必殺を使おう

 

 「ザ・ワールド、時よ止まれ」

 

 僕はスタンドを使って、逃げ出す。

なぜ使えるかって、そこはほら何でもありって事で、気にしない

 

 ついでに言えば、無限の剣製(アンリミテッド・ブレイドワークス)王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)

とかも使えるよ、まあそれはこれから使うとして

 

 袋から脱出した僕はあのセリフを言う

 

 「無駄・・・そして時は動き出す」

 

 「「「「・・・・・・へっ」」」」

 

 「いやあ、やられましたよ、流石ですね部長」

 

 「おい、何で逃げ出せてんだよ」

 

 「ナイスツッコミ」

 

 「お前、芦花の袋攻撃を逃げ出すなんて、どうやった」

 

 「時を止めました」

 

 「はぁぁぁぁぁぁ、ありえねえ」

 

 「そんじゃ、見せて進ぜよう」

 

 「ザ・ワールド、時よ止まれ」

 

 僕は急いで、ポケットの名前ペンを取り出し、風間君のおでこに足フェチって書いた。

 

 「そして時は動き出す」

 

 「おい、何にも変わってねーぞ」

 

 風間君が、みんなの方を振り向くと全員笑った。

 

 否、大爆笑した。

 

 「えっ、何で笑ってんの、俺なんかおかしい」

 

 「なんも、おかしくないよ、いつもと一緒だよ、それより風間君一緒に帰ろうと言いたいけど、先に帰っといて、僕はちょっと用事があるから」

 

 「ああ、なんか分からねーけど、じゃあなまた明日」

「うん、また明日」二ヤリと後ろを向きながらみんなの方を見た。

 

 風間君はそのまま帰った。

おでこに足フェチと残しながら、僕は風間君が見えなくなった瞬間

 

 笑った。

 

 「ハハハハハ、はぁ、ヤバい腹よじれそう。ブフッ、ククククク」

 

 「お前、えげつねーことしやがるな」

 

 「なんの事、僕は何もしてないけど」

 

 「うわっ、あいつは足フェチでお前はドSかよ」

 

 「そんなことないってば、僕はねおでこに足フェチって書かれたまま帰る不良が居たら面白いだろうなって

思っただけだよ」

 

 「「「うわぁ」」」

 

 「そう言う事なんで、明日からよろしくお願いしますよ、部長」

 

 「はい、でも出来るだけああいうことは控えてくださいね」

 

 「善処します。ってもまあ女性にはあんな事しないんで安心してください」

 

 「なんだ、お前、そんなことしてもモテないぞ」

 

 「いえ、違いますよ・・・一回双子の姉貴にしてみたんですよ、どうなったと思いますか」

 

 「どうなったんだ」

 

 「爪全部はがされて、風呂掃除させられました」

 

 「「「うわあ」」」

 

 「まあ、近いうちに皆さんも会うと思いますよ、姉貴(魔王)に」

 

 「それじゃ、僕帰りますんで」

 

 そう言い残し僕は帰った。

 

 

 

 

 柴咲芦花、烏山千歳、水上桜、サイド

 

 「なんか、ヤバい奴入部させちまったな、芦花」

 

 「まあ、大丈夫でしょう。ドSですけど」

 

 「私、初めてドSな人見ましたよ」

 

 「でも、家庭的だったよな」

 

 「そうですね、というよりどうやって書いたんでしょう」

 

 「やっぱり、あれですよスタンド」

 

 「そんなわけねーだろ、まずありえねー」

 

 こんな感じの会話をしていたそうです。

 

 

 




 風間君サイド

 『さっきから、何でこんなに人に見られるんだろうな』

 すると、中年のデブが来た。
「ようこそ、我々の同志よ」

 「なに言ってんだ」

 

 その後、家に着き、洗面所で自分の顔を見た。

 「・・・なんじゃこれぇぇぇぇぇ」

 おしまい

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