とある侍の一方通行・続   作:ネルゲル

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前置き長くなってしまいました!




訪れる日常

心理が常盤台中学に入る五日前の事。

 

あの事件から二日が経って漸く、銀時は目を覚ました。

 

「っ!?インデックスっ!!」

 

確かインデックスが自らを庇って、そして

 

その後の記憶が全くなかった。

 

ガバッと起き上がって辺りを見回すと最近、お世話になった風景に見覚えがあった。

 

「病院…か」

 

そしてヤケに腹周りが重く、シーツを捲ると

 

「んー…むにゃ」

 

インデックスがくっ付いて寝ていた。ホッと一安心した。

 

隣にはカーテンで仕切りが出来ており、一人部屋じゃなかったのかと思っていると、シャーッとそこから開く音が聞こえた。

 

「ん、良かった。銀兄さん起きたんだ」

 

心理がニコリと笑う。そして銀時の腹で寝ているインデックスを見て

 

「インデックスね…ずっと泣きじゃくりながら貴方の側に居るって聞かなかったのよ?だから特別…にね」

 

若干、黒いオーラが見えた気がしたが、敢えて気付かないフリをした。

 

羨ましそうにしている彼女を横目に銀色の髪を撫でた。

 

んー、と起き上がった彼女は痛っと背中を抑えながら窓際のカーテンを開けると強い陽射しが目に焼きつける。

 

「ねぇ…木原さんはどんな想いで暗部にいたのかな?」

 

陽射しに映る心理の表情は今にでも泣きそうな表情だった。

 

銀時は暫くそれを見てから

 

「…さぁな」

 

目を伏せて

 

「ただ言える事は、俺達を裏切ってまで家族(俺達)を護ろうとしていた…最期まで俺達の家族であろうとした事は…十分に伝わったよ」

 

そう答えた。

 

「そっか…銀兄は私の前から居なくならないよね…?」

 

虚という存在がいる限り、心理の頭の中にはそれしかなかった。

 

もう一人にはなりたくない。

 

大切な物は失いたくない。

 

そんな風に銀時に訴えるかのように見つめている。

 

「言ったろ?俺ぁ、テメェから離れねぇし手離すつもりもねぇってな。心理は一生かけても、必ず俺が護ってやらぁ」

 

綺麗に笑った銀時にそう言い切られて、まるで告白でもされたかのように心理の顔は真っ赤になった。

 

「うぅ…そんな風に言われると勘違いするじゃない…」

 

「…何が?」

 

彼女がモジモジしながら視線を泳がせながら言う言葉に訳が分からない銀時は首を傾げた。

 

どこまで鈍感なんだコイツはと殴りたくなる衝動に駆られたが、グッと我慢する。

 

それでも彼女は満足した。彼は昔と変わらずにずっと護ってくれる。

 

だから自分も返してやる。

 

「護られるだけじゃ嫌だから、私にも貴方を護らせてね。それでこそ家族でしょ?」

 

こちらも滅多に見せない、見惚れる程に綺麗な笑みを浮かべて銀時と視線を合わせた。

 

(あれぇええええ!?!?心理ってこんな可愛かったっけ??ちょっ…銀さん、危うく妹に落されかけたんだけどっ!?)

 

流石の銀時もそんな心理の表情に少し顔を赤くして動揺しながらも

 

「…あぁ」

 

恥ずかしくなりながらも頷いた。

 

そこに一人、それを思わしくない者が銀時の腹の上にいた。

 

「むぅ…いつまで二人の世界に入ってるのかな?」

 

声がした方を見ると、インデックスが目を開けて銀時を覗き込むように不満ありげに顔を上げていた。

 

銀時は頭を撫でながら、わりぃわりぃと笑って謝った。

 

この時の心理は嫉妬はなく、スッキリしたような気持ちで二人を見ていた。

 

そこで、ふと病室の扉の方へと目をやり

 

「どこの誰だか、知らねぇが…盗み聞きとは随分な悪趣味だな」

 

自分達の部屋の外にいる誰かに話しかけた。

 

え?と二人も銀時の視線の方向へと見遣る。

 

観念したのか、扉を開けてその人物が入ってきた。

 

そこには

 

「何だ…テメェらか」

 

昔から見馴れた二人、高杉と桂がいた。

 

警戒を解き、一息ついた。

 

「フン……邪魔しちゃあ、野暮ってもんだろ」

 

「うむ…貴様が新しい家族を手に入れていた事は俺としても、喜ばしい事だぞ」

 

二人の気遣いに銀時はフッと頬を緩ませた。

 

「紅桜は殲滅した」

 

「つっても、テメェらの親がやったようなもんだがな」

 

桂は紅桜を殲滅させたと言い、高杉は後ろをチラッと見て入ってこいと促していた。

 

そこに入ってきたのは

 

もう一人の親代わりとして自分達を見続けてきた、芳川桔梗だった。

 

心理は目を見開いたが、銀時は変わらない目で見つめていた。

 

「銀時……心理…」

 

二人の視線が芳川を射抜いた。

 

「芳川…さん」

 

心理は銀時達から離れてフラフラって彼女に近づこうとしたが、銀時に止められた。

 

「銀兄さん…?」

 

「ぎんとき…?」

 

止められた心理は驚き、インデックスは不思議に彼を見た。

 

「おう……久しぶりじゃねーか。芳川さんよぉ」

 

余りにも低い声に冷めた目線で芳川を見ている銀時に二人は戸惑いを隠せないでいた。

 

「…銀時」

 

芳川は辛そうな表情で銀時の名前を呼んだだけだった。

 

「アイツが…こうなる事を知っていたんだろ?それを知っていてテメェは高みの見物でもしてたんだろ?それを今更、俺達の前に姿を現しやがって。一体、どういうつもりだ?」

 

「ぎ、銀兄ぃ?どうしたの…っ!?」

 

まさかの銀時の非情な言葉に心理は彼の表情を見て固まった。

 

無表情。

 

何の感情も見せない銀時に恐怖した。

 

芳川も黙ったまま、と言うか喋る事すら許されない程の銀時の威圧にその場から動く事は出来ない。

 

「これからは木原の代わりにでもなろうってか?そんな情けいらねーんだよ。俺達はテメェなんぞ居なくても生きていけんだよ。だから…とっとと、消え失せろ」

 

「銀時っ!!」

 

もう目線を合わせず下を向いた銀時が更に畳みをかける言葉に桂が掴みかかろうとするが、高杉が何かを悟ったように止めた。

 

「ククッ…あの野郎。とんでもねぇ性格してんな」

 

ボソッと呟いて苦笑を零した。

 

「本当にごめんなさい…でも、彼が遺した番外個体だけは「なーんてな」…え?」

 

グッと歯を食いしばりながら悲しみを耐えながら話す芳川を遮ったのは。

 

イタズラが成功したような、ニンマリと笑みを浮かべた銀時だった。

 

高杉以外、キョトンとした表情で彼を見遣る。

 

「悪りぃな、芳川。俺ぁアンタが実験に関わっていたり、妹達をどうしたいかなんてのは“産まれた時”から知ってんだよ」

 

「実験なんかハナから知ってる。転生者だからな…だから俺がなる前の一方通行(こいつ)が10031人の御坂のクローンを殺したのもな」

 

「上条つったか?あのウニ頭に負けて凍結する事も」

 

絶対能力実験については全て知っている。そう放っていた彼に今度は全員が驚愕した。

 

「なんで俺が一方通行になったのかは知らねぇが…もしかしたら殺す前から、止めて貰いたかったのかもしれねぇな」

 

銀時は自身が思っている事を告げ、芳川を見た。

 

「芳川、オマエが居てくれて良かったよ俺ぁ。それと」

 

「おかえり、芳川」

 

優しい表情で迎えてくれた銀時に嬉し涙が止まらずに

 

「ただいま。銀時、心理」

 

二人を抱きしめた。

 

「全く…止めてなかったら殴っていたところだ」

 

はぁ…と呆れた桂の声が聞こえた。高杉はククッと笑い、インデックスは安心した笑みを浮かべた。

 

「あっ!こらっ!待つッス!!」

 

更に部屋の外から声が聞こえる。

 

開いた扉からヒョコっと見える小さな少女。

 

「もー!!いつになったら入れるの!?とか、これって一生入れないの!?ってハラハラしていたよ!!ってミサカはミサカは憤慨してみる!!」

 

ピョンと一本、頭から立っている茶髪のやたら語尾が長い少女が騒ぎながら入ってきた。

 

それと

 

「ギャハハっ!第一位って随分な性格してんじゃん。ミサカ、いろんなところ、おっ勃ちそうだよ★」

 

スラッとしたモデル体型に御坂美琴よりも大人びた風貌を持った少女が、また子と一緒に入ってくる。

 

銀時は目をまん丸にしたが、小さい方を見て

 

「確かちんまいのがラストオーダー、か?」

 

記憶を思い浮かばせながら言った。

 

「ちんまい言うな!!ってミサカの事も知ってるの!?ってミサカはミサカはさっきの話は本当だったんだーって驚いてみたり」

 

水玉のワンピースを着てクルリと回っている打ち止めは喜んでいた。

 

「か、かわいい…」

 

心理はキャッキャッと騒ぐ打ち止めに心打たれていた。

 

徐々に近づき、後ろから抱きしめた。

 

インデックスは心理が打ち止めを抱きしめているのをムッとしながら

 

「ここりー!!私も混ぜるんだよ!!」

 

心理の後ろに乗っかった。

 

(キャー!!二人とも可愛すぎる!!」

 

「オーイ、途中から声出てんぞー。ここちゃーん」

 

声がダダ漏れなってるのも気にせずに二人と戯れていた。

 

「ったく、んででけーのが」

 

「初めまして第一位★ミサカが番外個体だよ」

 

銀時は番外個体と名乗った少女を見て、少し悲し表情をした。

 

「オマエが木原が遺したモンか…」

 

そう呟く銀時に番外個体はクスリと笑う。

 

「ミサカ、貴方を殺さない方にプログラムされてるから襲ったりはしないよ。よろしくね」

 

彼女の言葉にゆっくりと頷き、頭を撫でた。

 

な、なにすんのさー!!と少し顔を紅くして騒ぐ番外個体を宥めていたら、また子と目が合った。

 

「また子ちゃん。こんな世界だけど、馴染めそうか?」

 

「そうっスね…まぁ、銀時がいるから大丈夫ッスよ」

 

彼女はそう言って微笑むと、同じように笑みを零した。

 

後から信女と風斬が加わり、賑やかになる。

 

「……銀時」

 

高杉が低い声を出すと銀時とともに周りが反応する

 

「言うつもりはなかったが…亡霊と殺りあったみてぇだな」

 

「テメェが寝てる間に全部聞いた」

 

その言葉に空気が一気に冷めた気がした。銀時は無表情で話す。

 

「ありゃあ…松陽なのかもしれねーが、中身は化け物だ」

 

「松陽は自分(テメー)自身の何かと戦って負けちまったんだ。その姿をオメェら二人は目に焼き付けたんだろうが」

 

「…あぁ」

 

「目の前で殺されたんだからな」

 

銀時はそれを聞いた後

 

「その何かが目覚めて松陽を復活させた結果、とんでもねぇ化け物になっちまったよ」

 

哀しそうな表情で答えた。

 

桂は拳に力を入れ、高杉は目を閉じて松陽が最後に残した言葉を思い出した。

 

「ククッ。まさか先生が言った、銀時に会いに行くがこんな形になるとはな…銀時、お前はどうするつもりだ?」

 

銀時は近くで心配そうに見てくる心理の頭を優しく撫でる。

 

「決まってんだろ」

 

「先生の姿でこの世界を壊そうってんなら…迷う必要はねぇ。ブッタ斬るまでだ。それが吉田松陽の弟子である俺の役目だ」

 

揺るぎない決意に、全ての感情を含めたような銀時の瞳に二人は表情を柔らかくした。

 

「やれやれ、ならばそれは俺達にも言える事であろう。お前一人に背負わせる事など出来ん」

 

「弟子は俺達三人だろ。松下村塾の悪ガキ三人の俺達で先生を解放させてやろうじゃねぇか」

 

桂と高杉は銀時に向かってそう言った。

 

きょとん、とした表情になったがフッと笑った。

 

「悪ガキ三人ね。懐かしいなぁ、オイ」

 

 

 

 

 

暫く賑やかな時間を過ごしているうちに

 

日が暮れ、残ったのは銀時、心理、芳川、打ち止め、番外個体の五人だけになった。

 

桂は戻らなければならない場所があると

 

高杉はまだいる!!と暴れるインデックスの首根っこを掴んで銀時達の家へと

 

 

信女はアンチスキル。また子は信女に着いていき、風斬も在るべき場所へと帰っていった。

 

 

「銀時」

 

芳川が声をかける。

 

「実験は貴方の言う、凍結ではないけど、貴方が実験をやらなければ開始する事はないわ」

 

その言葉にそうかと頷いた。

 

「妹達は世界各国にバラバラに離れる事になる。学園都市には…この二人を含めてざっと二十人くらいね」

 

銀時は妹達が学園都市から離れていく事は知っている。

 

黙って聞いていると、次は打ち止めと番外個体の話になった。

 

「この二人と私を貴方の所へ置いてくれないかしら?」

 

「「……はぁああああ!?」」

 

芳川を含めた三人を自分の家に住ませくれないかと頼まれ、銀時と心理は叫んだ。

 

「知り合いに迷惑をかけるのも、どうかと思うし、貴方達なら事情は把握してるから安心出来るでしょ?」

 

「おねがーい!!ってミサカはミサカは心理おねーちゃんと銀ちゃんにお願いしてみる!!」

 

芳川の言葉に二人は皺を寄せるが、打ち止めの上目遣いに心理が

 

「あー!!やっぱ可愛すぎる!!ねぇ、別にいいんじゃない?高杉さんとインデックスもいるんだし」

 

やられていた為、芳川達の味方をした。

 

打ち止めに対して、心理がこうなってしまったのでは仕方ないと諦めて

 

「…仕方ねぇな」

 

首を縦に頷いた。

 

やったー!!

 

良かったね

 

などと二人が喜んでいるのを、芳川は微笑む。

 

「随分と妹さんには甘いんだねー?第一位は」

 

「第一位ってのやめてくんない?銀時でも銀さんでも、打ち止めみてーに銀ちゃんでもいいからそう呼んでくんねーかな。……心理には辛い思いをさせまくってるしな。これくらい、どーって事ねーよ」

 

番外個体がニヤニヤと絡んでくるのを顰めながらそう答えた。

 

「んー…んじゃあ、あ・な・たって呼ばせてもらおっかな」

 

すると、ビシッと額にデコピンを食らわせた。

 

「ガキが何言ってんだ。木原の奴…どんな知識をこいつに埋め込んだんだよ…」

 

額を撫りながら番外個体は銀時が笑っているのをジッと見ていた。

 

(木原さん、貴方が護りたかったものを今度はミサカが必ず護るから…見ててね?)

 

彼女は彼が遺したものを護る、と心の中で誓った、

 

「あ、後…銀時と心理には学校に行ってもらうわ」

 

突然の芳川の発言に心理は打ち止めと戯れるのをやめ、銀時は怪訝そうに彼女を見た。

 

「銀時には知り合いが教師している高校。心理には超電磁砲がいる常盤台中学に通ってもらうわ」

 

「話は通っているわ。第一位と第一位の妹でレベル4って言ったら、アッサリと受け入れてくれたわ」

 

淡々と話す芳川にポカーン、としていたが直ぐに覚醒した。

 

「待て待て待て」

 

「いやいや。私、暗部なんですけど」

 

いきなり過ぎて状況を掴め切れずに動揺していると

 

「銀時と心理にはもっと友人を作って一般的な日常を味わって欲しいのよ。勉強は貴方達には余り必要じゃないかもしれない。けど、人との触れ合いは必要でしょ」

 

彼女の極普通の日常を味わって欲しいと言う願いが込められていた。

 

「ミサカはね?心理おねーちゃんと銀ちゃんがずっと幸せでいてくれたらなーってミサカはミサカは二人の幸せを本気で願ってみたり!」

 

「それをミサカ達が側で見れるだけで幸せだしね」

 

この二人にまで言われてしまっては断るなんて選択肢はない。

 

「はぁ…わかった、わかりましたよ」

 

「美琴もいるから…それもいいかもね」

 

結局、二人は折れた。

 

 

 

 

そして、現在。

 

心理が常盤台の魔王として君臨したと同時に、とある高校の1−Aの教室でも担任の言葉で賑やかになっていた。

 

「はーい。今日からこの教室にビックな転入生が皆さんと共に過ごしてもらうのですよー!!」

 

ピンク色の髪をした子供のような身長と体型をした教師が教壇の前に立っていた。

 

誰ー?男かなー?女かなー?と騒ぐ生徒に担任である月詠子萌はにこやかにしている。

 

「残念!野郎ども。喜べ子猫ちゃん達!転入生は男ですよー。それになんと!!学園都市第一位なのですよー!!!」

 

月詠先生の発言に

 

第一位がこの学校にっ!?嘘だろっ!?と信じられない者が大半だが、特に上条は心中、穏やかではない。

 

(え?これって…話したことないけど、絶対あの人だよな!?)

 

上条は現実でも叫びそうになったが、心の中で留めた。

 

第一位なんて言われれば、あの白髪の少年しか浮かばない。

 

(てかタメだったんですかー!?あの人…)

 

背も高く、妙に大人びた少年が同級生になる事にビックリだった。

 

そうこうしてる内に入ってと月詠先生の合図と共にガラッと開かれると

 

そこには上条の知っている目とは違い、死んだ魚の目をした白髪の少年が入ってくる。

 

それでも、目以外は見覚えがある。

 

「どうも〜。学園都市第一位の坂田銀時でぇす。あ〜能力とか無能力とか実際、興味ないんで〜。あるのは糖分摂取とブラックコーヒーくらいなもんなんでよろしくお願いしま〜す」

 

そしてやる気のない、覇気のない声で挨拶をした銀時がいた。

 

(何か、すんごい変わりようなんですけどぉおおお!!!)

 

あの戦闘の時のイメージと今のイメージが違いすぎて混乱した上条だった。

 

「おぉ。ウニ条君」

 

「いや、上条です」

 

目線が合い、名前を間違える銀時に速攻で訂正した。

 

 




銀時を無理やり、やる気のない感じにしてみました!

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