とある侍の一方通行・続   作:ネルゲル

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秘めた想いと迫るリミット

「銀時」

 

銀時、番外個体、神裂の三人が歩いていると番外個体が銀時に話しかけてきた。

 

「何だよ?」

 

「どうやら、打ち止めが助かったみたいだよ。晋助の腕の中でお寝んねしてるんだとさ。今、把握している個体から情報が入ってきた」

 

「高杉ねぇ。アイツも心理と協力してたんか」

 

「あと第二位さんもね」

 

「…メルヘン君もかよ」

 

打ち止めが助かったと聞いてホッとする。心理の側には高杉がついていたようだ。垣根まで協力してたとは思わなかったが。

 

「心理は別件で妹達を利用しようとしてた連中を潰したらしいよ」

 

「流石、俺の妹だな」

 

うん、うんと唸っているとその妹から連絡が来た。

 

「おー、ここちゃんお疲れー」

 

いつもの様子で対応すると

 

『…銀時か?』

 

聞いたことのない男の声が銀時の耳に入った。

 

「……誰だテメェ」

 

心理ではない男の声が聞こえる。

 

「何で俺を知っている?心理はどうした?アイツに何かしたってんなら…ブチ殺すぞ」

 

携帯に力に込める。銀時は暗部の人間だと確信する。

 

『拙者はお主の敵に回るような事はしないでござる』

 

拙者?ござる?銀時はこの口調に覚えがある。

 

「……まさか、万斉君か?」

 

まさかな、と思いながら尋ねる。

 

『そうだ…それにしても随分と口調が変わってしまったな』

 

やはり河上万斉本人らしい。

 

「まぁ…こっちにいたら色々あんだよ。色々とな」

 

『それと、紅桜の事だが』

 

「気にすんなよ。また子ちゃんと万斉君は高杉がウジウジしてんのを見てるのを耐えきれなくてやった。ただそれだけの事さ」

 

たしかに二人が奴らに渡した事で起きた事件だった。それさえ無ければもしかしたら木原は生きていたかもしれない。

 

「オマエらは何にも悪くねぇよ。悪いのは大切なもん守れなかった俺の弱さだ」

 

『銀時…』

 

自分がもっと木原数多と言う男を分かっていれば助けられたかもしれない。

 

そんな後悔の念が今でもある。

 

「まっ。心理と一緒なら早く来いよ。手ェ出したら…コロスよ?」

 

銀時はいつまでも重い話はしたくないので、はぐらかした。それと妹が心配なので警告する。

 

『分かったでござる…それと拙者はロリコンではない』

 

呆れた声が聞こえた後、通話が切れた。

 

「心理も銀時も二人揃って重症だね」

 

番外個体はため息を吐いた。

 

「いや、別に兄貴として普通だろ…?」

 

「どうせ血は繋がってないんだし…兄妹から夫婦になっちゃえば?相思相愛だよ?」

 

はぁ!?何言っちゃってんのこの子!?などとテンパっている銀時に神裂はから笑いをしている。それを見ながら彼女は思う。

 

(もう、誰も間に入れないくらいにね)

 

ミサカ達の中には絡みもないのに銀時好きがいるのが多い。

 

打ち止めからの感覚共有で銀時がどう言う人間か知っているからだ。

 

それをなんともないように二人の距離は異常なくらい近いと感じている。どんなに離れていても想いは一緒。入れる訳がない。そう思っても自分の想いは捨てられない。

 

(ミサカは二人が幸せになればいいと思ってるのは本当だ。けど、銀時を見ると胸が一杯一杯になるんだ…やっぱりミサカは…)

 

さっきだってそうだ。

 

心理や高杉、芳川が打ち止めを捜しに行っても自分の意思で銀時側に付いた。

 

木原が銀時達の側に居させたいほうを選んだからだけじゃない。自分で決めて銀時と一緒に行く事にしたから。

 

(ごめんね。心理…ミサカはそう簡単に貴方に…誰にも銀時をやりたくない)

 

それ程までに銀時を好きになってしまったから。

 

「おーい。どうした急にボーっとして?行くぞ」

 

「え?う、うん」

 

銀時の声に現実に戻る番外個体。

 

(まだ言える自信はないけど、言えたらいいな。そしてこの人に届いたらいいな)

 

彼女はいつか叶う日を願いながら隣を歩く。

 

 

 

 

 

 

 

 

「「あ、ヅラ」」

 

「ヅラじゃない、桂だぁ!!ていうか信女殿は小太郎と言ってたよね!?」

 

桂達は銀時達と合流する為に足を進めていたが、また子と信女に遭遇した。

 

「文字数が少ないし呼びやすいから」

 

「そんな理由で!?」

 

桂はショックを受けたが、すぐに開き直り

 

「しかし、来島ま「死ねぇええ!!!!」まだ何もぐはぁっ!!」

 

信女の隣にいるまた子の名前を言おうとしたら拳銃で殴られた。

 

「お前も銀時と同じ事言う前に潰すっス!!」

 

「痛っ!別に変な…てかそれ殴るもんじゃないから!!」

 

ギャアギャアと騒ぐ二人を信女は無視してインデックスを見る。

 

「保護者達はどうしたの?」

 

しゃがみこみ頭を撫でた。

 

「あんまり子供扱いしないでほしいかも!!」

 

子供扱いされてプンプンと怒っているインデックス。

 

だが、彼女を何かに目覚めさせてしまったらしい。

 

「むきゃっ!?」

 

インデックスの体ごと大きな胸で抱擁した。

 

「可愛い。何のこの生き物」

 

ギューと押しつぶされるように抱きしめられ、苦しそうにしているインデックスに気づかずに癒される信女。

 

「いや、その子が窒息しちゃうから」

 

桂をボコボコにしたまた子がそれに気づいて引き剥がした。

助かったと言わんばかりにインデックスは苦しそうにしながらお礼を言った。

 

「可愛いのが悪い。心理が抱きしめたくなるのがわかる」

 

納得しながら何処か羨ましそうにしていたが、ステイルを見て近くにいる美琴に視線を移す。

 

説明しろ、と目で訴えられた美琴は

 

「えーっと…」

 

「…僕が説明するよ」

 

困ったがステイルが助け船となり、先程までの事を説明をした。

 

それを聞いたまた子と信女は驚いた。

 

「えぇ…晋助様、キャラ変わり過ぎじゃないっスか…?」

 

「晋助…銀に会ったお陰で吹っ切れたのかしら?」

 

二人が驚くのはインデックスの事ではなく、高杉の変わりようだった。

 

「あんまり、この子の事驚かないんですね」

 

事前に紅桜後、美琴達によって上条は銀時達の事を知らされているし、また子や信女の素性も理解している。

 

「まぁ……ウチらの世界も非現実的っスからね」

 

また子が困ったように笑う。

 

「インデックスって言ったかしら」

 

「う、うん…」

 

信女がまた近づく。インデックスは一歩退がる。

 

「銀達を信じてれば大丈夫」

 

それで上手くいく

 

インデックスの行動に少しショックをうけたがニコリと微笑む。

 

また子も頷く。

 

それを見たインデックスは羨ましいと思った。この人達や高杉は銀時をずっと昔から知っているから離れていても分かりあえる。

 

心理だってそうだ。この世界の人間なのにこの人達と同じように分かり合っている。

 

でもいつか、それに負けないくらい銀時と分かり合えたらいいなぁと思った。

 

「うん、ありが……っ!?!?」

 

お礼を言おうとしたところでズキっと頭が割れるような痛みが走り、体が崩れようとしている。

 

「!?どうしたの!?」

 

一番近い信女が慌ててインデックスを抱えた。

 

「ハァッ…ハァッ」

 

息遣いが荒く、目を開けるのも辛い。

 

周りも何か叫んでいるが彼女には届かず、意識を失った。

 

 

 

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