やみなべのネタ倉庫   作:やみなべ

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毎度おなじみの単発ネタ。
ロード・エルメロイシリーズにより矛盾が大量発生すること請け合いではありますが、都合の悪いところ(日本の魔術事情など)は全部スルーしていただければ幸いです。


〈呪術廻戦×Fate/sn〉呪いは廻り、運命は巡る

「………………なにこれ?」

 

虎杖悠仁がそれを見つけたのは偶然だった。

 

呪術高専に編入して早数ヶ月。

いくつかの修羅場を潜り抜け、姉妹校交流会での飛躍を経て、知識と経験はともかく実力で言えば一端の呪術師を名乗れるくらいにはなっただろうと自負している。それ自体は大変結構なことだし、悠仁自身も自身の成長に手応えを感じる充実した日々を送れていると思っている。

ただその弊害として、同期と任務が重なることは激減した。未だ階級は未定のため単独で任務に出ることはできないので、必ず誰かと組むことにはなるのだが、七海や二年生といった信頼できる先輩呪術師が一緒の場合が多い。もちろん、担任の五条が引率することはあるし、同期と同じ任務になることがないわけではない。しかし、以前と違って共に行動する一年生は大抵一人だ。

 

十代半ばを過ぎて寂しがり屋か、と言うなかれ。虎杖は一時期、諸々の事情から死を装って身を隠していた。信頼のおける人たちが顔を見せには来てくれていたが、それでも寂しくなかったと言えば嘘になる。何より、姉妹校交流戦から、改めて同期たちと共に行動できるようになったのは純粋にうれしかった。

だから、割と久しぶりとなる今回の同期三人での合同任務、虎杖は朝から割とテンション高めだった。何なら、昨夜からソワソワと落ち着かなかった。遠足前日の小学生か、と自分でツッコミを入れてしまうくらいには。

なので、ついつい予定の集合時間よりずいぶん早く来てしまったわけである。しばらくはスマホを弄ったりして時間を潰していたのだが、それも長くは続かず。暇を持て余した虎杖は、普段なら目もくれないであろう掲示板をとりあえず端から見ていくことにしたわけだ。

 

そして、冒頭の一言である。

 

「? ? ?」

 

書いてある内容は、一応わかる。わかるのだが、要所要所に知らない単語が散見される。

いや、読めないわけではない。何なら、何となく意味合いもわかる。だが、呪術界に入って日の浅い虎杖には知らないことも多い。字面から浮かび上がるイメージと、呪術界における意味が本当に同じなのか。自分が呪術…こと知識面に関してはまだまだ素人に毛が生えた程度であることを自覚しているだけに、とある掲示物の文面を前に首をひねってしまうのも仕方のないことだろう。

 

とそこへ、見知った二人組がやってきた。

 

「ん、早いな虎杖」

「ってか何やってるわけ? なんか変なものでもあったの?」

「お~、伏黒、釘崎。いや、これ何かなって思って」

「「これ?」」

 

虎杖の指す先にある張り紙を、二人はそれぞれ彼の両脇から覗き込む。そこに書かれていたのは……

 

「特別講演会のおしらせ~?」

 

釘崎は顔をしかめ、この上なく胡散臭そうにしている。

しかし、それも無理もない話だ。そもそも、呪術高専自体が呪いの専門機関である。必要な知識は学べるし、資料だって充実している。もちろん、名家にはそれぞれ保有する知識や資料はあるだろうが、現在の高専には御三家の一角である五条家の当主が教師として籍を置いているのだ。必要なら五条家のそれを出してくるだろうし、わざわざ「特別講演会」なるものを企画する意味が分からない。

だが、釘崎と違い伏黒はどこか納得したような表情を浮かべている。

 

(……そうか、あの人戻ってきてたのか)

「なぁ? 今までこんなのなかったしさ、それに講師のとこ見てみろよ」

「講師?」

「おう、これどういう意味なんだろうな?」

「性格はアレだけど、特級呪術師が担任なのよ。今更どこのどい、つ、が……」

「釘崎?」

「虎杖、耳、押さえとけ」

「お、おう」

 

顔を強張らせた釘崎を心配そうに見やる虎杖に対し、伏黒が自身の両耳を手で押さえながら忠告する。

虎杖もよくわからないままに両手を耳にやろうとしたその直後、硬直から回復した釘崎の絶叫が響き渡った。

 

「魔術師が講師ってどういうことよ―――――――――――――――――――――――――っ!!!!」

 

 ・

 ・

 ・

 

「おつかれサマンサー…って、凄い声聞こえたけどどうしたの? 悠仁は蹲ってるし」

「今ので耳やられたみたいです」

 

どうやら、タッチの差で間に合わなかったようだ。

 

「そんなことより、これどういうことよ!」

「俺の鼓膜ってそんなことなの!?」

「聞こえてんなら問題ないな」

「これ? ああ、それね。一年…というか在校生は全員参加だからヨロシク~。あ、でも秤たちと憂太はどうしよっか」

「三年の先輩たちは普通に呼べばいいんじゃないですか。問題は海外の乙骨先輩ですけど」

「だよね~。滅多にない機会だし、なんとか術式模倣とか診てもらいたいんだけどなぁ~」

「だからどういうことなのか説明しないさいよ! って言うか伏黒! アンタも何か知ってんなら教えろ!」

 

二人で話を進めて蚊帳の外にされていることに釘崎がキレる。

と同時に、早々に復活を果たした虎杖も合流してきた。

 

「つーかさ、魔術師って何? もしかして呪術だけじゃなくて魔法もあるの? あ、俺も使えたりする?」

「無理」

「無理だろうな」

「そもそも魔術師なんて関わるもんじゃないわよ。あの連中、どいつもこいつも呪詛師みたいなものって話だし」

「え、魔術師ってそんなにヤバいの!?」

 

よくよく考えなくても、つい最近まで一般人だった虎杖がその辺の事情を知っているはずもなく。

普通なら、ここは教師である五条が懇切丁寧に説明するところなのだが……

 

「じゃ野薔薇、説明」

「は? なんで私が」

「呪術界での一般的な魔術師の認識から説明してこうかと思って、訂正は恵ね」

「俺ですか…まぁいいですけど」

「先生と伏黒は魔術師ってのに詳しいの?」

「俺は程々だけど、先生は詳しいぞ。なにしろ……」

「この外部講師、僕のししょー」

「「はぁっ!?」」

 

あっけらかんと放たれた一言に、魔術師のことなんて全然知らない虎杖も驚きを露にする。

 

(まぁ、当然の反応だよな)

 

名実ともに呪術界最強、御三家が一角五条家の当主。そんな五条悟の師匠が、どうして「どいつもこいつも呪詛師」な魔術師なのか。疑問に思って当然だろう。

 

「……とりあえず、釘崎」

「なによ」

「“どいつもこいつも呪詛師”ってのは流石に言い過ぎだ。9割…9割5分呪詛師まがいの連中だ」

「風評被害コワーイ」

「いや、それほとんどみんな呪詛師じゃん」

「フォローになってないわよ」

 

伏黒の一見するとフォローになってないフォローにツッコミを入れる両名だが、これは結構重要なポイントだ。何しろ……

 

「でも、そうじゃない人もいるんだよね~」

「五条先生の師匠はそういう人だ。というか、人間として普通に信頼できるし尊敬できる。少なくとも、五条先生よりも」

「こいつよりも?」

「訂正する。五条先生よりも遥かに、だ」

「わかった、それは超重要だな」

「確かにね」

「酷くない?」

 

五条よりも遥かに、という言葉にようやくことの重要性を理解する二人。

 

「ついでに、魔法と魔術は厳密には違うらしいぞ。俺も詳しくは知らねぇけど、魔術師の前で魔法って単語は使わない方が無難らしい」

「そうなの、先生?」

「まぁね。その辺、魔術師的には割とデリケートなところだから、一緒にされると最悪殺されるかも」

「超やばいじゃん!?」

「はいはい。それより野薔薇の魔術師のイメージ、じゃんじゃん話してこ。ま、大体どこかしらで訂正はいるけど」

「訂正するくらいなら初めから教えなさいよね」

 

一々訂正される側としては、割とイラつくというか気分のいいものではないだろう。こういうことをへらへら笑いながらやらせるから“クズ”と呼ばれるのだ。

 

「っても、大したことは知らないわよ。基本どっかに引き籠って怪しい研究ばっかしてて、偶に表に出てきたと思えば他人なんて実験台くらいにしか考えてないマッド共」

「……」

「伏黒、訂正は?」

「いや、大体合ってる」

「合ってんの!?」

「基本魔術師ってそういう連中だよ。呪詛師まがいって言われるのもそれが理由だしね。

 七海は“呪術師はクソ”って言ってるけど、魔術師はゲスか外道ってところじゃない?」

「…………改めて考えると、あの人魔術師とは思えないほどまともですよね」

「まぁ、冷酷で冷徹なところもあるし良い意味で魔術師らしい魔術師だけど、悪い意味での魔術師らしさはないかな。ししょーの家伝の魔術が他人を食い物にする系じゃないのと、家訓的に一般人を巻き込むのは流儀に反するからってのもあるけど。

 でも、結構無茶振りしてくるし、身内には横暴だよ?」

「同じくらい身内に甘いでしょ。なんだかんだ、懐に入れた相手は大切にする人みたいですし」

「……だね」

 

思い当たる節があるのか、苦笑いのような、でもどこか感慨深げな笑みを浮かべる五条。

 

「呪術師は内弁慶っていうかさ、あんまり身内を大事にしないんだよね。そりゃ相伝持ちなら大事にされるよ?

でも、呪力がない、術式がない、術式が相伝じゃないとか、いろんな理由で血を分けた身内を迫害する家は多い。呪術界全体で見ても、当たり前みたいに若い術師、一般出身の術師を使い潰そうとするし。ま、あっちは歴史の浅い家系は見下される傾向が強いみたいだけど、それはこっちも同じだし? 使い潰さないだけまだマシじゃないかな」

「どっちもどっちじゃね?」

「大差ないわよね」

「いやいや、身内に対しては魔術師の方がマシだって。魔術は基本一子相伝、だから後継者以外は魔術から遠ざけるってパターンが多い。そもそも自分が魔術師の一族ってことすら知らない、なんてことも多いみたいだし。資質の低い子どもを後継者のスペアにすることもあるみたいだけど、それでもあからさまに迫害することは稀らしいよ。

ま、中には身内を実験台にする家系もあるし、内ゲバとか普通にあるみたいだけどね。ただ、全体的に見れば身内を大事にする方だと思うよ。逆に、外に対してはマジでゲスいことやらかすけど」

「ゲスいって、どんな?」

「例えば、身寄りのない子どもを引き取って」

「実験台にするって? マジでクソじゃない」

「いや、聞いたことあるのだとほとんど燃料みたいに消費する、って感じだったらしいよ。何だったかなぁ……魔力の結晶? みたいなの作るために、子どもの命を使うだったかな?」

 

その時三人の心が一つになった、「確かに外道だ」と。

 

「なぁ、先生。呪術師的にいいの、そういうの放っておいて」

「あの連中はね、隠れて悪さすることに命賭けてるんだよ。おかげで、隠すことに関しては向こうの方が上手。本気で隠れられたら僕たちじゃ見つけるのは至難の業なの。そもそも、それが魔術関連の被害だって悟らせない」

「魔術協会の方針でしたよね。“神秘の秘匿”、魔術の存在が漏れないなら基本的に何をしても咎めないっていう」

「そう。裏を返せば、魔術師絡みの案件ってこっちが気付く頃には協会の粛清対象ってわけ。僕らが手を出す前に終わってる。仮に終わってなかったとしても、下手に手を出して全面戦争なんてどっちも望んでないからね。被害が最小限になるように睨みを利かせる、が精々だよ」

「あれ? でも確か、魔術師は戦闘向きじゃないって聞いたわよ」

「それは俺も聞いたことがある。確か、戦闘専門の魔術師とかでも一級術師クラスは限られるとか……」

「恵、正解。中でも色々イカレてる封印指定執行者って連中がいるんだけど、これでようやく一級クラス。その中でも選りすぐりなら、まぁ特級に届くかもしれないね」

 

余談だが、魔術師は呪術師を「脳筋の戦闘屋」と見下し、呪術師は魔術師を「時代遅れの引き籠り」と軽蔑し合っているので、基本的に不干渉ながら仲が悪い。当初、釘崎が特別講演会の講師が「魔術師」と知ってあのような反応を示したのも当然というものだろう。

 

「ただ、それはあくまでも真っ向勝負になった場合の話。あの連中、引き籠りだけあって自分の陣地に引っ込んでいる間はホントメンドクサイから。領域展開みたいに術式が必中になるってわけじゃないけど、色々あっちに有利でこっちに不利な条件が目白押しになるみたいなものでさ。多少の実力差はあんまり意味がないわけ。

 そもそも、こっちは日本限定なのに向こうは一応世界規模の組織だよ。個人戦ならともかく、組織戦になったら勝ち目が薄い。ほら、僕一人が残っても意味ないでしょ?」

「特級は先生だけじゃないでしょ」

「向こうにもいるんだよ。届くかもじゃない、本当に特級クラスなのがね」

「え、いるの?」

「少なくとも一人、クイーンって呼ばれてるのがね。他にも、噂で聞いたのが本当なら負けはしないまでも勝つのは難しそうなのがチラホラ。呪霊と呪詛師だけで人手不足だっていうのに、そっちまで相手にしてられないよ」

「まぁ、それもそうね」

「なにより」

「「なにより?」」

「“魔法使い”に出て来られたらどうなるかわからない。僕のししょーがね、その領域に片足突っ込んでてさ。昔…初めて会った時に完敗してるんだよね」

「完敗って、先生が!?」

「嘘でしょ……」

 

五条の強さに対する信頼は、ある意味絶対的なものだ。だからこそ、彼自身の口から出た「完敗」の言葉に絶句する虎杖と釘崎。しかし、事実だ。お互いに無傷ではあったが、その意味合いが大きく異なる。傷つけられなかった五条と、傷つけずに制した彼女。

下らない、発端は大変バカバカしいものであったが、あの時の二人にはそれだけの実力差…というよりも、経験の差と相性があった。

ただし、それはあくまでも“出会った頃”の話だ。

 

「それ確か、先生が10歳かそこらの頃の話でしょ」

「「は?」」

「まぁね、今なら僕が勝つよ。驚いた? ねぇ、驚いた?」

「ウザ」

「驚かせないでよ、先生」

(でも、ししょーの更に師匠筋にあたる魔法使いが相手だったら…どうなるかな。割と相性悪いし、他の魔法使いも次元が違うって意味では同じなんだよねぇ)

 

なにしろ、魔術師は所詮“現代文明で再現可能な神秘”の行使者でしかないのに対し、魔法使いは“現代文明では再現不可能な神秘”の担い手だ。これはつまり、現代における人の枠に収まるか否かということ。

五条がどれだけ最強を誇っても、どれほど逸脱した力を有していても、彼はあくまでも“人”の域にいる。そこから外れた存在が相手となれば、どうなることか……。

 

「そういえば先生、魔法使いって……」

「みなさん、お待たせしました。良ければ、早速任務に」

「というわけで、三人ともいってらっしゃーい! あ、詳しく聞きたいなら白雪に聞くと良いよ」

「それって、四年の先輩だよね? よく食堂でご飯作ってくれてる……」

「白雪さんが? なんでよ」

「あの人、魔術師家系の出だからな。と言っても、別に後継者ってわけじゃないらしいけど」

「あ、一応魔術も使えないこともないよ。世にも珍しい魔術と呪術、おまけに魔眼のトリプルホルダーだけど、割とどれも微妙って言うか使い難いんだけどね」

「そんなにあんの!? 俺どれも使えないんだけど!」

 

ズルい、とでも言いたげな虎杖。霊丸とか螺旋丸とか卍解とかやりたかった人だから尚更だろう。

 

「ちなみに、特別講演してくれる講師“冠位魔術師”遠坂凜の姪でもあるよ。あ、冠位っていうのは魔術世界での特級みたいなものなんだ、スゴイね」

「情報量!?」

「ちゃんと説明しろー!!」

「死なずに帰って来なよ~」

「「伏黒!」」

「……俺だって詳しくねぇよ」

 

抱えきれない疑問ばかり持たされた生徒たちが、黒塗りの車に押し込まれて走り去っていく。

目隠しの担任が当てにならないと判断した二人は、早々に伏黒に矛先を向けるが、当の伏黒の心底うんざりした声音が印象的だった。そんな可愛い生徒たちを見送った五条が踵を返すと、そこには自身の同期の姿があった。

 

「あれ、硝子じゃん」

「五条、聞いたぞ。遠坂さん、今年は来るんだってな」

「だいたい4年ぶりだし、在校生で会ったことがあるのは白雪とかくらいだろうね。間に合って良かったよ」

「そうか、もうそんなになるか。あの人の講義はためになるからな、学生のうちに一度は聞けるのは良いことか。お前も、そのつもりで捻じ込んだんだろう」

「また、デッカい借りを作ることになったけどね」

 

この特別講演自体は、五条たちが学生の頃から行われ始めたものだ。もちろん、師弟関係にある五条の伝手で。以来、数年に一度招いて講義をしてもらっている。主な内容は、術式への理解と解釈について。研究者である魔術師と、戦闘専門の呪術師では見方も考え方も大きく違う。魔術師視点の術式の掘り下げの有益さは、五条自身が身を以て知るところだ。ただ、魔術師的には呪術師と関わることへの利がないため、普通はこのようなことは起こらない。ただ、五条の無下限呪術は遠坂にとって中々に興味深いものであったことから紡がれた縁である。

もちろん、呪術連的にも魔術協会的にもあまり褒められたものではないが、片や五条家当主の特級呪術師、片や宝石翁が目をかける冠位魔術師。その二人が個人的にかかわるとあれば、よほどのことでなければ口出しできるものではない。

 

「衛宮も在学中だし、様子を見るというのもあるのかもな。そう言えば、あの人は今何をしてるんだ?」

「ん? 確か、昔海賊とビジネスしてた時の仙人絡みのゴタゴタの後始末だって」

「…………………………………………何をしてるんだ、あの人は?」

「意味わかんないよね、ウケる」

 

実に愉しそうにケラケラと軽薄に笑う五条。特にそこに言及したりはせず、思い出したという様に硝子は九段の魔術師の関係者を話題に挙げる。

 

「そういえば」

「うん?」

「ライダーさんは来ないのか?」

「………………………………………硝子、あれ特級呪霊の億倍ヤバイ神話級の怪物だってわかってる? 英霊寄りだから一応大丈夫だけど、怪物寄りになったらマジで手に負えなくなるよ」

「いや、久しぶりに飲みたいなと思って」

「あのウワバミと飲むって正気?」

「蛇神だけにな。まぁ冗談はさておき、サシで飲める相手が少ないからな。七海もいい線行くんだが……」

「硝子ザル過ぎー。万が一食われても僕し~らないっと」




白い方の最強
子どもの頃、家でのあれこれが鬱陶しくなりプチ家出。むしゃくしゃして術式ブッパしたら、偶々通りかかった赤い悪魔に直撃したのがすべての始まり。人生初の敗北を喫し、そのまま罰ゲームとばかりに強制的に観光案内させられる。とはいえ、箱入りだったので地元であっても案内できるほど詳しくはなく、むしろ色々なところに連れて行ってもらって「アレはなんだ」「これなに?」とテンションMaxエンジョイまくった。ついでに、無下限呪術について魔術師視点、しかも第二魔法関係者としていくつかの助言をもらい「え、そんな解釈ありなの?」「あ~…できる、かも」と目から鱗が落ちる。以来、「ししょー」と呼ぶようになる。
もちろん、五条家的には魔術師に師事するなんて言語道断…なのだが、実際力量はメキメキ向上するし、それまでと打って変わって楽しそうに修行に打ち込むようになるし、なにより本人がへそを曲げるので渋々黙認する。とはいえ、流石に魔術師の本拠地に連れて行かれた時には上を下への大騒ぎになった。
高専に入る頃には疎遠になるが星漿体の護衛任務失敗後、よく考えなくても何も守れなかったことに思うところがあったのか、久しぶりにししょーに連絡を取る。その際、「アンタの周り、一般家庭出身ばっかりなんでしょ? 後ろ盾のない新参者なんていいように使い潰す絶好のカモなんだから、家の力でも何でも使って守ってやんなさい」など、「五条の家なんて関係ないね」「んなもん使わなくても俺最強だし」と絶賛反抗期を拗らせている身としては素直に聞けない助言をもらう。
この助言をどの程度聞き入れたかでその後の展開が変化。素直に言うことを聞いていれば、灰原が生存する可能性が出てくるし、灰原が死んでもなお素直になれないと親友も離反する。
余談だが、初恋の相手は赤い悪魔。本人曰く、「一時の気の迷い」「若気の至り」「一生の不覚」なんだとか。

黒い方の最強
相方が素直になっていた場合、夕焼けのグラウンドでの殴り合いを経て友情を再確認するアオハル物語が待っている。
その後、任務先の集落で虐待されていた双子の女児を保護するが、呪詛師落ちしていない場合、未成年の身で保護者には当然なれないので双子の身柄を巡って右往左往する。高専で保護すると同時に支援を受けるのが無難ではあるが、その場合の未来は呪術師一択。「この子たちに非術師の尻拭いさせるの?」「呪術師側からも下手すると胎扱いされるのに?」「……ない」となり、将来的には本人たちの意思次第だが、当面は呪術界から距離を置かせたかった(フィジカルゴリラの息子の場合、呪術師になって身を守る以外の選択肢がそもそもない)。
そこで相方にししょーを紹介され、「え、魔術師の管理地って呪霊発生しないの?」
「その人の妹夫婦、胎扱い絶許で、なおかつ家族は血縁より絆派の上、自衛できるくらいの戦力がある超優良物件?」「……よろしくお願いします」となった。以後、暇さえあれば足を運んで妹夫妻の手料理に舌鼓を打つ。「双子カワイイ、和食美味、ここが天国か」。
後年、高専で非常勤講師をしつつ、交渉の末魔術師の管理地に呪力持ちの子どもたちの保護施設を作り責任者になる。最初に保護した双子が自分に憧れて呪術師を志したのは嬉しいやら心配やら……。

名前の由来が父方の義理の叔母の人
高専4年生、同期は他の代に負けず劣らずアクが強いらしい。非常に珍しい女子だけの世代なのだが、「人間社会に嫌気がさして野生に帰った裸族」と「なんでもお金に換算するお嬢様口調のデブ」、そして「パンダと同期以外に心を開かない引き籠り」ということで「全然嬉しくない残念な世代」「衛宮さんが心のオアシス」と言われている。ちなみに、同期の中で一番危険なのが当の本人であることはあまり知られていない。
白い方の最強とは物心ついた頃からの付き合い。初対面時の第一声は「は? なにこれキモ」だった。当然ししょうーに頭をどつかれたが、当人はまだ言葉の意味が分からずきょとんとしていた。
禅城の血筋が変な形で作用したのか、母親の性質というか若かりし頃に汚染された呪いの残滓が呪術という形で発現。呪力量は程々だが、最強曰く「呪力の質がエゲツナイ」らしい。元になったモノがモノだけに、使用する術式は人間特攻。呪霊に対してはほぼ無効な反面、相手が人間なら割と問答無用で即死させてくる。得意な魔術系統は父親寄りだが、才能は有るので基礎魔術は一通り網羅している。魔術特性は母方なので、魔力の他に呪力を宝石や鉱物(父親の影響)に溜め込んでいる。なぜか母親と契約している使い魔の魔眼の影響を受けており、ランクの低い「束縛の魔眼」を保有するトリプルホルダー。呪術が呪霊に使えないので、もっぱら魔眼で拘束し、強化した得物で殴るスタイル。呪術師の階級は基本的に対呪霊を想定しているので、3級にとどまっている。
初恋は白い方の最強。特別な理由はなく、「綺麗な年上のお兄さん」に対する憧れ。今では恋愛感情はないものの、最強の人間性が割とクズなことを理解した上で、無条件の親愛と信頼を寄せている。仮に、最強が呪力と術式を失い、家の力もなくなったとしても微塵も態度は変わらない。
両親の影響で家事全般何でもござれ、中でも菓子作りが得意。甘党な憧れのお兄さんに喜んでほしくて頑張っていたら、最強がテレビを見て「あれ食べた~い」と無茶振りしてくるのにも平然と対応できるように。加えて、父親と一緒にガラクタいじりをしていたのと、本人も地味な作業が好きなこともあり、高専では自主的に備品の整備とかして重宝されている。
好みのタイプは、「自分でも重いと自覚しているのですが」と前置きした上で「命懸けで思ってくれる人」。具体的には「死んでも愛してくれる人」か「殺してでも愛してくれる人」、もちろん自分もそれくらいに愛するのが大前提。ある意味、乙骨と里香の関係性は理想形と言えるのかもしれない。おまけで、東堂ともウマが合う。
普段は温厚で、最強の数々の問題行動に対し「仕方ないですねぇ」「メッ、ですよ」と優しく叱る姿がたびたび目撃され、「高専の聖母」と呼ばれる。ただし、彼女をよく知る者たちは「高専の鬼子母神」と呼び、キレると怖いのは母親譲り。大の虫嫌いだが、中でも寄生虫が嫌い、ただし苦手なわけではない。余裕がある時は遠巻きにして避けるが、間合いに入った瞬間握り潰すか踏み潰す。普段やらないのは、殺してしまうのは可哀想だから。でも、近づかれたら条件反射で潰す。他人の身体のっとる奴とか心の底からダメ……つまり、羂索死すべし慈悲はない。多分母親の生い立ちとか影響してる。
妹大好きお姉ちゃん。この「妹」の定義が割とふわっとしており、親近感を覚える年下はだいたい対象になる。例えば、真依は術式が父親の魔術に近いので「……もはや妹なのでは?」「は?」「つまり、真依ちゃんのお姉ちゃんの真希ちゃんも妹?」「おい、私を巻き込むな」「二人とも……お姉ちゃんですよ」「「違う」」となる。他にも、虎杖も境遇に親近感が湧くらしく「これは、姉弟と言っても過言ではないですよね?」「なんて?」となり、挙句の果てに張相に対しても「悠仁くんのお兄さん……つまり、私にとっても弟同然!」「……この女、気は確かか?」「いや、お前も人のこと言えねぇから」となる。

全くの余談だが、張相は母親の生い立ちを知って他人の気がしなくなるようで、この関係性を受け入れてしまう。加えて、父親と叔母の絆を知って感動する。が、当の父親からは共感されると同時に「目の前で自分を守って姉が死ぬってのは、正直滅茶苦茶きついぞ」と諭され、神妙に考え込んだ。

魔術師と呪術師
そもそも内燃機関が異なる。魔力は生命力がベースであり、魔術回路の運用には常に命の危険が伴う。それに対し、呪力は負の感情から発生するエネルギーであり、運用そのものにリスクはないが感情に依存する関係上やや不安定。ちなみに、自然界のマナは星の生命力とも言えるものなので、魔術師の領分となる。
また、魔術は才能に依存するとはいえ継承可能な技術であるのに対し、呪術は引き継ぐかどうかは運任せな異能寄りな能力。
呪術師は戦闘集団としての面が強いこともあり、確実に継承できる代わりに術者が限られるよりも、ピンキリではあっても数を揃えられる方を選んだ。魔術師的には、このあたりが自分たちの在り方と真っ向から相反するし、呪術師から見ると魔術師の「根源を目指す」という行動方針は意味不明なので仲が好くない。
呪物や呪具は大まかには概念武装などと同じ系統、呼び方が違うだけとも。
魔術師の管理地に呪霊が発生しないのは、土地の力を使ってよどんだ呪力を押し流す、ないし呪霊として形を得る前にそれを崩すから。とある最強曰く「汚物と水洗便所みたいなもの」らしい。この手の作業は戦闘屋の呪術師よりも、研究者の魔術師の方が向いている。

力関係
戦闘屋なだけあり、真っ向勝負になれば基本呪術師の方が有利。封印指定執行者でようやく一級術師レベル、特級とやり合える魔術師は極めて稀。それこそ、時計塔の副院長か覚醒した歴代最強の執行者とかでもないと無理。ただし、工房にこもった魔術師は厄介なので、相手が格下だろうと一級術師でも手を焼く。教会側で言えば埋葬機関だろうか。余談だが、呪術師から見た代行者は「見境のない狂信者」という扱い。
両面宿儺は力の規模で言えば二十七祖にも匹敵する。千年かけても対処できない呪いとか「それなんて原理血戒(イデアブラッド)?」ってな話である。ちなみに、白い方の最強は数年前に海外出張中に二十七祖の一角「黒騎士」と喧嘩し、千日手になって決着がつかず痛み分けになったとかならなかったとか。





















という設定を妄想しました。こういうのを考えてる時が一番楽しいなぁ。
設定を見れば、どのルートをたどったかは一目瞭然ですよね。
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