例によって例の如く、導入と軽い設定だけになります。
今回はダイジェスト版はなし。なぜなら先のことなど何も考えていないからだ!
とまぁ、そんな感じ。
日本国都内某所。
世界屈指の大都市を象徴するかの如き摩天楼、その中でも一際異彩を放つ高層ビルがあった。
いや、それ自体は特に何の変哲もないビルなのだが、ただ一点風変りと言うか、場違いと言うか……とにかく妙な点のあるビルだった。具体的には、そのビルの所有者を示すマークが……不審極まりない。
まぁ、その点さえ除けば基本的には普通のビルである。
例え、一歩踏み込めば「し~んぱぁく!」と言う意味不明の挨拶がされていたとしても……。
例え、あるべき場所に階段がなく、代わりに妙に手の込んだトラップが仕掛けてあったとしても……。
…………………………………………訂正する、やっぱり普通じゃない。
とはいえ、今重要なのはそのビルの不審さではない。
重要なのは、そんな不審極まりないビルの上層に位置する応接室に座す美女の存在だ。
年齢は四十代中頃ながら、その美貌には衰える様子が微塵もない。
二十代に見える……などではなく、年齢相応の老いの兆しと美しさが奇跡的な同居を果たしているのだ。
その女性は優雅な仕草で用意された紅茶を口へと運ぶ。
応接室に通されて早十分が経とうとしているが、焦れた様子はない。
静かに紅茶を飲む様子には気品と余裕があり、どこか女王然とした風格すら感じられる。
まるで、彼女こそがこの部屋……否、ビルの主であるかのように。
しかし、あくまでも彼女は一人の客。今は面会を求めた相手を待っている立場に過ぎない。
だというのにこの風格だ。給仕役を任された男性は完全に委縮しきっている。
別に彼女としては不機嫌なわけでも威圧しているつもりもないのだが……
今となっては、むしろ男性の方が待ち人の到来を待ちわびていることだろう。
ようやく応接室の扉が開かれた時の二人の反応は、まさに両者の心情を表すかのようだった。
女性はカップをゆっくりと降ろすと静かに視線を向け、男性は気色に満ちた表情を浮かべていたのだから。
そんな事情を知ってか知らずか、応接室の扉を開いた外見的には二十代ほどに見える男性は、その人となりを表すかのような穏やかな口調でまず謝罪の言葉を口にした。
「すみません、お待たせしました遠坂さん」
「別にいいわよ、たいして待ってないし……というより、謝るのはこっちでしょ。いきなり押し掛けたのは私ですもの。悪いわね、あなただって忙しいでしょうに」
そう言われれば男に返す言葉はない。
忙しいのは事実であり、今もかなり無理をして面会の時間を捻出しているのが実情だ。
事務仕事が山とある……と言うわけではないし、そもそもそんな仕事は基本的に回ってこない。
彼に求められるのは、自身の専門分野における役割だけだ。
僅かな時間をひねり出すのにも苦労するような忙しさも、自らの弟子の育成に関わることが9割を占めている。
ただそれでも、やるべきことは数えきれず、忙しいのは事実。
誤魔化しても良いが、そんな誤魔化しが効く相手でもないので困ったような笑顔を浮かべるしかないのだ。
「さて、昔話に花を咲かせてもいいけど……そもそもそこまで親しい間柄でもないし、咲かせるような昔話もない。だから単刀直入に話を進めたいのだけど、構わない?」
「ええ、まぁ……はい」
元々生きる世界が違う事もあり、ほぼほぼ接点はないに等しい。
ただ、女……遠坂凛の弟子と男には少々縁……と言うか因縁がある。
味方として共闘することもあれば、敵対かそれに近い形で向き合うこともあった。
その関係で、男も凛と少なからず縁を結んだ、とそういう間柄である。
加えて、両者の立場的にもあまり接点を持つのは好ましくない。
関わりは最小限に……あとはまぁ、兼一の忙しさを考慮してくれたりもしているのだろう。
なんだかんだで、相手への配慮も忘れない完璧超人なのだ、昔から。
「一応確認なんだけど、私……あなたにいくつか貸しがあったわよね」
「やっぱり、その話ですか」
案の定と言うべきか、やはり今回の面会の申し入れはいつぞやの「貸しの徴収」が目的らしい。
彼自身は特に貸しを作ったりしたことはないが、彼の弟子が何度か世話になっている。
その貸しを持ち出されては、男としては凛の話を無碍にはできない。
「それで、僕に何をさせたいんですか?」
「そう警戒する必要はないわ。大した……ええ、本当にあなたにとっては大したことじゃないから」
(? どうしたんだろう、なんというか……らしくないな。
いつだって自信に溢れている遠坂さんが、こんな顔をするなんて。それに、瞳の奥の影はいったい……」
「あまり人の心を覗くもんじゃないわよ。相手が女なら、尚更ね」
「っと、失礼しました」
つい武人としての習慣で観察してしまったが、流石に不躾だったと反省する。
ただ、やはり気にならないといえば嘘になる。遠坂凛らしからぬ目の奥に宿った影の存在。
それが、今回の貸しの徴収と無関係という事はあるまい。
とはいえそれも、話を聞かないことにはどうにもならないのだが。
「それで頼みの方だけど、これを……」
「中身を拝見しても?」
「ええ、もちろん」
凛が懐から取り出したのは、簡素な造りの木製の小箱。
重量は極めて軽く、危険物の類が入っている可能性は低い。
武人である男に
まぁ、元々そんなせこい真似をするような相手ではないことは知っている。
縁の浅い相手ではあるが、その程度の信頼と信用は置いている。
故に、男は相手の素性を考えれば無謀なほどにあっさりと蓋を開けた。
「……躊躇がないわね」
「必要ありませんから」
「そう……まぁ、あなたにそう言われて悪い気はしないか」
何しろ、相手は彼女が知る限りで屈指の人格者だ。
少なくとも、人間としてであれば最大限の礼儀と敬意を払うに値する。
いつも顔を突き合わせている“人でなし”共とはわけが違う。
そんな相手にそう言われれば「なるほど、私もなかなか捨てたものではない」と思えてくる。
「これを、ですか」
「ええ」
「これをどなたかに届けろと?」
「いいえ。あなたに持っていて欲しいの」
「それはいつまで?」
「一生。あなたの命が尽きるまで……いえ、その後もずっと持っていて欲しいの」
意図の読めない頼みに、“根っからのお人好し”と評される男も内心で首をかしげる。
その程度の頼みであれば、わざわざ貸しのことを持ち出すまでもないからだ。
にもかかわらず「貸し」の話をしてきたという事は、彼女にとってはそれだけの重みのある頼みという事。
それはきっと、先ほど垣間見た彼女の眼の奥の陰と何か関係があるのだろう。
聞きたい気持ちはあるが、その衝動をグッと抑える。
男ももう良い歳だ。結婚し、子どもも生まれ、今や弟子まで取った身。
何かしらの事情があると分かっていながら無神経に踏み込むほど、彼も若くはない。
「……わかりました。確かに、お預かりします」
「ええ、ありがとう」
「では、貸しの方はこれで……」
一つ帳消し、という事になるのだろう。
男としてはそのつもりはないのだが、相手の性格はある程度理解している。
男がなんと言ったところで、前言を翻すことはあるまい。
ならば、相手のメンツを立てるのが大人の武人と言うものだ。
そう思っての発言だったのだが、返ってきた言葉にはさすがに度肝を抜かれた。
「すべてチャラで構わないわ」
「は?」
「だから、これで完済。良かったわね身軽になって」
「……」
数々の修羅場を潜り抜け、いい加減それなりに勝負度胸も身についたと思った男だったが、唖然として言葉も出ない。
凛への借りを一つ返すだけでも一苦労であることを彼はよ~く知っている。
なのに、ただリボンを預かるだけで全てなしになるとは、それこそ天変地異並みの異常事態である。
そんな男の内心に気付いたのか、凛は笑っているのに笑っていない極上の笑みでぶっとい釘を刺してきた。
「…………………何が言いたいのかはわかっているけど、言ったら……
「い、イエスマム」
徒手の間合いでは自身の流儀を加味しても、なお圧勝できるだけの技量を有していると思っているが、今だけはそんな理屈は通じないと本能で悟る。
余計なことを言えば、その瞬間予言は現実になる。
その確信が男にはあった。
「ま、あなたの疑問も当然ね」
「教えてくれるんですか?」
「いいえ。ただ、いずれ時が来れば分かるわ。今までの貸しすべてと釣り合うってことが、ね」
そう言って、凛は紅茶だけはしっかり飲み干すと、用は済んだとばかりに颯爽と帰っていった。
残されたのは、理由も目的もわからない頼み事と……
(赤いリボン、か。さて、どうやって身に付けよう)
一度請け負ったからには、最後までそれを通すのは当然とばかりに気に付け方を考える。
とはいえ、彼もまさかこんなことになるとは思わなかったことだろう。
数十年後、今際の際になってもなお、結局凛の頼みの意味は分からずじまい。
それどころか、あれ以来彼女は一度として男の前に姿を現さない、などと。
だが、それは違う。違ったのだ。
彼女が言った“時”、それは何も彼の命があるうちのことを指していたのではない。
凛が見ていたのはさらにその先。
彼女は知っていた。かつて自らが参加した一大魔術儀式におけるイレギュラー。
自身が呼び出した使い魔の正体と、なぜ彼が呼ばれたのか…その理由を。
故にこう考えた。“いずれ英霊に至るであろう人物に、その人物を召喚させたい者の持ち物を持たせれば、それが縁となって召喚される英霊を操作することができるはずだ”と。
その読みは見事的中する。
時代は遡る。あるいは、全く別の世界線へと移り変わる。
縁と呼ぶにも細い糸。決してそれは聖遺物などと呼ばれるようなものではない。
そもそも、持ち主たる少女自身にすらそんな認識はない。
当然だ、それは彼女姉が別れの間際に渡した手製のリボン。
姉妹の絆、目に見える繋がり……当事者たちにとっては尊くあれど、ただそれだけのもの……そのはずだった。
しかし、それがいつかの未来において、人理にその名を刻む傑物の手にあったとすれば意味が変わる。
今はまだ一人の少女の私物に過ぎない赤いリボンが確かな縁となり、一人の男を呼び寄せた。
曰く「一人多国籍軍」。
曰く「武の一つの到達点」。
曰く「史上最強の弟子」。
曰く「あれで凡人とかないわー」。
その男の名は……
「はじめまして、僕の名前は白浜兼一。君が僕を呼んだマスターかな?」
暗く、深く、無数の蟲が蠢く地下。
そんな「真っ当」なんて言葉からかけ離れた場所で、むしろ不自然なほど自然に、男は膝をついた少女へ手を差し伸べながら、至極真っ当な自己紹介をする。
柔和な顔立ち、穏やかな声音。英霊……なんて、仰々しい名称とは到底結びつかない平凡さ。
特別背が高いわけではなく、体格が良いわけでもない、まさに中肉中背。
黒髪黒目の色彩は日本人である少女にとっても目に馴染んだもので、見る人によっては「ハンサム」に見えないこともないかもしれない程度の顔立ち。
もうどこからどう見ても場違い感が半端ではない男が、魔法陣の中心に立っていた。
その上「あ、ちなみにクラスはアサシンだよ……アサシン? え、僕が? えぇ~……」なんて、自分自身で困惑していると来た。緊張感とかその他諸々色々台無しである。
「…………ぁ、おいおいおいおいおいおいおいおい! なんだよこれ、何なんだよこれはさぁ!!
聖杯戦争だぞ! サーヴァントの召喚だぞ! それなのになに呼び出してんだよこの愚図は!」
少女の後ろで直前までどこか怯えた様子でいた少年が、いっそ感心するレベルの変わり身の早さで少女を罵倒している。
少女はその場等を受けて顔をうつ向かせ、グッと口元を引き結ぶ。
その様は何かに怯えるようであり、同時に何かに耐えるようでもあり、また……どこか安堵したように兼一には見えた。
「ふざけんじゃないぞ! やりなおせ、やりなおせよ! この僕が折角役立たずのお前の代わりに戦ってやろうっていうのに、こんな外れ呼び出しやがって! わかってんのかよ、おい!!」
「え~っと、ちょっといいかな……」
「あん? 何勝手に喋ってんだよ、道具のくせに! お前は良いからさっさと来てくれない。僕たちはこれからちゃんとしたサーヴァントを召喚しなくちゃならないんだ。わかる? 用なしなの、だからさっさと「黙れ慎二」…ヒッ!? お、お爺様?」
同じく少女の後ろに立っていた老人の一瞥を受け、それまで居丈高に振る舞っていた少年の声がひきつる。
「さて、孫が失礼したようじゃの。儂の名は間桐臓硯、こやつらの祖父じゃ」
「……そうでしたか。改めて、僕の名前は……」
「よいよい。そなたの名はこの老いぼれの耳にもしっかり届いておる。
じゃが、あまり関心はせんな。聖杯戦争において真名は秘すべきもの。迂闊にもらせばそれが致命傷となろう。
これからは、アサシンと名乗るべきじゃろうな。わしらも、其方をそのように呼ばせてもらおう」
「ああ、そうみたいですね。すみません」
老人…臓硯からの忠告に兼一は素直にうなずく。
一応それが慣例であり常道であることは理解している。例え、聖杯には全く興味がなく、「勝ち残るのも無理だろうなぁ」と思っていたとしても。
付け加えるなら、そもそも彼の真名は知られたところで全く困らない。明確な弱点がないとかではなく、今の時代では彼は限りなく無名に等しい。
知る人ぞ知る……と言えなくもない程度には名が知れてはいるが、それも武術界隈でのこと。魔術の世界の住人が彼のことを知っているとは到底思えない。
その意味でも、真名を隠すことにはさほど意味がないのだが……今はそれよりも優先すべきことがある。
「ところで……」
「うむ、その娘がそなたを召喚せしマスターじゃ。桜、いつまでそうしておる」
「……はい、お爺様」
(…………………まだ若いのに、何て目を)
緩慢な動作で立ち上がった少女…桜の目を見て、兼一は奥歯を強く噛み締めた。
前途ある若者がするような目ではない。彼女の目は、絶望と諦観で埋め尽くされていた。
まるで、人生それ自体を見限ってしまったかのような、そんな目。
と、同時に兼一は桜の髪を結うリボンの存在に気付く。
(ああ…………なるほど、つまり今が借りを返す時ってことですか。遠坂さん)
古い知り合いが残した不可解な頼み事。その意味の一端がようやく知れた。
生憎と、自らの主と彼女の間にどんな関係があるのかは知らない。残念ながら、家族関係などを知るほどの深い繋がりではなかった。兼一が知る彼女の関係者は、本人を除けば弟子と好敵手、それに時計塔の
とはいえ、“あの”遠坂凛が仕組んだことだ。
彼女はきっと、目の前の少女のためにこれを仕組んだのだろう。
(だとすれば、僕は彼女のために全力を尽くすだけだ。さしあたっては……)
「さて、桜。あとはわかっておるな」
「はい」
「うむ、では……」
「あ、ちょっといいかな、マスター。まず君の名前を聞かせてくれない?」
「はぁ? おまえ、何聞いてたんだよ。だいたい、そいつの名前なんて知る必要は……」
「いや、だって……僕のマスターは彼女なわけだし、ちゃんと本人の口から聞きたいじゃないか」
「……ありがとう、ございます。でも、ごめんなさい」
「? なんで謝るんだい?」
「私は、すぐにあなたのマスターではなくなります。これからは、兄さんがあなたのマスターになって戦うから」
「…………………………どんな理由があるかはわからないけど、それが君の願いなら……わかった」
それは兼一の本心だった。彼には聖杯に託す願いはない。
いや、そもそも生前に己が為すべきことを全て……とはいかないまでも、出来る限りのことをしたという自負がある。
悔いはある、心残りもあった。されど、第二の生を受けてまで固執するほどの物はない。
だから、彼としては自らを呼び出すほどの何かがある人物に、できる限り助力しようと思っている。
少なくともそれが、彼の信念に悖らないことである限りは。
その魂の在り方は、ある種「聖人」と呼ばれる者たちに近い。
「ごめんなさい」
「いや、気にしないで。でも、その前にひとつだけ……」
「え?」
「ちょっと失礼」
そう言って、兼一は僅かに顔を上げた桜の胸元……ちょうど心臓の真上に掌を置く。
そして……
「フッ!」
僅かな呼気と共に、地下室がまるで地震でも起こったかのように鳴動した。
天井からはチリともホコリともつかない細々としたものが降り、突然の振動に慎二が尻もちをつく。
「お、お前いきなりなにしやが「ぐぉっ」……お、お爺様?」
「なるほど。マスターの心臓あたりに何かいると思ったら、あなただったんですね」
「お、お主……気付いて」
「ええ、魔術のことはさっぱりですが、人体のことはそれなりに通じているつもりです。
気配に違和感があったので、やってみたんですが……とりあえずマスターの心臓から出てくれませんか?
あまり人を疑うことはしたくないんですが、あなたの目を見る限りあまり信用すべきではなさそうですから」
磨き抜かれた洞察力は、傀儡越しとはいえ臓硯の在り様を正しく見抜いていた。
根っからのお人好しと称された彼だが、それでも理解している。
世の中には、どうあっても許してはならない存在と言うものがいるという事を。
丁度、今まさにうら若き少女の心臓に巣食う何者かのような。
「くっ……よ、よいのか。桜の心臓、今すぐにでも……」
「あなたが何かするよりも、僕の発勁の方が早いですよ。今は手加減しましたが、次は」
「わ、儂を一撃で潰すほどの力を籠めれば、桜がどうなるか……!」
「そんな不手際はしませんよ。他の部位には一切傷つけず、あなただけを攻撃する……造作もありません」
「ぐぬぅ……おのれ、よもやサーヴァント如きにぃ……」
「さぁ、どうしますか。ああそれと、体中にいる何かも連れて出てください。まぁ、そちらは一匹ずつ駆除してもいいんですけど」
表情一つ変えずに脅しをかける兼一に、臓硯の傀儡が忌々しそうな視線を向けるが微動だにしない。
いつの間にか蚊帳の外に追いやられた慎二は呆然としたまま座り込み、桜もまた理解が及ばないのか固まっている。
二人は思いもしなかったのだろう、自分たちの全てを支配するこの妖怪が追い詰められることがあること自体が。
(くっ、動こうとすればその瞬間に察知してきよる。出し抜くには、一度引くより他にないか。
白浜兼一……日本の英霊なのは間違いないが、どの時代の英霊じゃ。この屈辱、必ずや晴らしてくれる!!)
「……どうやら、行ったようだね」
臓硯が桜の体から抜け出し、兼一もまた当てていた手を放す。
とりあえず、これで桜のことは大丈夫だろう。
「さ、これでとりあえず君は自由になった、と言って良いと思うんだけど……どうするマスター?」
※以下、サーヴァント設定でございます。
真名:白浜兼一
クラス:アサシン
属性:秩序・善
筋力:B 耐久:A++ 敏捷:C 魔力:― 幸運:E- 宝具:C(EX)
クラススキル
気配遮断B(EX)=武芸者の無想の域「明鏡止水」として有しており、本職の暗殺者ほどではないがランクは高い。括弧付きでEX なのは、「強者としての気配」が全く表に出ないことから。そのため、初見で彼をサーヴァントであると見抜ける者はまずいない。
保有スキル
一人多国籍軍:A++=空手・柔術・中国拳法・ムエタイ・我流・対武器術(香坂流)、一連の武術を統合した特殊スキル。また、それらをどれほど極めたかの値。複数の武術を修めている分、一つ一つにおいてはその頂点に今一歩及ばない。
活人拳:A=不殺の信念。意識が無くても戦闘を可能とし、十全な技のキレを保持したまま決して相手を殺さずに闘う。その性質上、聖杯戦争の様な殺し合いには果てしなく不向きなスキル。
心眼(真):B+=修行・鍛錬によって培った洞察力。窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、活路を見出す“戦闘論理”。本来であれば最高ランクの心眼(真)を保有している筈なのだが、生来の甘さのせいでランクが下がっている。
戦闘続行:C++=異常なまでのタフさ、別名「人知を超えた驚異の“痩せ我慢”」。通常なら行動不能なダメージを受けても戦闘を可能する。が、あくまでも痩せ我慢。また、時と場合によっては「死んでも蘇ってくる」可能性すらあるとか……。
宝具
対象の心の中心、最も触れられたくない箇所へ“口”撃してしまう。成功した場合「狂化:E-」が対象に付加され、冷静さを失う代わりに筋力・耐久・敏捷に補正がかかる。本人も無意識かつ無自覚に行ってしまう無差別発動型の宝具。あまりの業の深さ故、ついには宝具にまで至ってしまった“死んでも治らない”白浜兼一最大の悪癖。役立たずにも程がある三流にもとどかないダメ宝具。
無能非才、武術家として全く欠片も芽の無かった白浜兼一を、武の極みへと導いた彼の聖地をある種の結界空間として展開する宝具。最高効率を遥かに超越した鍛錬を施し、才能の有無に関係なく対象を急激に成長させる。一度入ると三日間は出て来られず、場合によっては命を落とす可能性するある危険な代物。内部は閉ざされた空間で、外界から干渉・観測する術はなく、中でなにが起こっているかは外にいる者には知る由もない。知る術はただ一つ、中に入って修業を受ける事なのだが……出て来た者は頭を抱えて震えるばかりで、内部であった事を何一つ語ろうとしないため、やはりその内実は闇の中。一説には、時間の流れすら異なっていると言う話すらある。その苛烈どころの話ではない修業を耐えきった者は、戦闘続行や肉体改造、活人拳などの多様なスキルを得ることができる。ただし、生き残る事が出来ればの話だが……なにしろ非常に無茶な修業なので、効果は絶大だが命の危険も同じ位に絶大。ちなみに、肉体改造と自己改造は似て非なるスキル。別の肉体を付属・融合させるのではなく、元からある肉体を武術体質へと造り変えるもの。
白浜兼一の人生そのもの。常識的に考えれば「越えられない限界」を力づくで打ち破って来た実績が宝具化した物。既に完結した存在であるが故に能力的な成長をしない筈のサーヴァントでありながら、今なお進歩し続けることを可能とする。「死」と言う名の壁ですら、彼にとっては生前に越えて来た無数の「壁」と大差はない。とはいえ、無条件に成長し続けると言うわけではなく、成長のためには相応の鍛錬が必要であり、壁を越えるには彼が生前そうしていた様に、これまた常軌を逸した無茶が必要になる。肉体が宝具なのではなく、彼の人生の在り方そのものが宝具と言える。
とまぁ、こんな感じかなぁと。
適正クラスはアサシンとバーサーカー。前者は「どんなに強くなっても一向に強く見えない」という、ある意味究極の隠行から。後者は強固な信念故に、常人視点で見れば十分狂っているレベルであることから。
「史上最強の弟子」の達人たちは大体バーサーカー適性があり、その場合の狂化は以下のような感じでしょうか。
狂化:EX(―)=狂化していても会話を行う事が出来、意思疎通も問題はない。さらに、平常時・戦闘時を問わず至って理性的……に見える。問題なのは、彼が「武術に狂っている」こと。武術関連については、言葉は通じても話が通じない。無茶な修行、無謀な勝負、無理のある策とも呼べぬ策を実行し、嬉々として危険に突っ込んでいく様は正に狂戦士。冷静に話を聞き、理性的に相手の意を汲み、今後の展開を熟慮した上でとんでもないことをしでかすから性質が悪い。また、魔力と幸運を除いたパラメーターをランクアップするが、本人が拒んでいるため作用していない。
世界観としては型月と史上最強の弟子が同一の世界と言うタイプ。魔術世界と武術世界でキッチリ住み分けはできているのですが、士郎があれなので兼一と凛にも接点ができた感じ。
兼一的には凛は油断ならない知り合い、士郎は共感する部分もありつつ相容れないところもある心中複雑な相手。
逆に士郎からすると、なりたかった自分の一つの完成形でもあるだけに劣等感を抱いたりと、やっぱり心中複雑。
そして、兼一自身はスキルや宝具の関係……というか、本人の信念的に絶望的に聖杯戦争には不向き。特に、後半二つの宝具は成果を出すのに時間がかかるので、二週間程度で終わってしまう通常の聖杯戦争では、ほぼ意味がありません。年単位で活動出来れば話は別なんですけどねぇ……。
また、本人にも聖杯に託す願いはないのですが、呼ばれた身として極力マスターの力にはなる方針。ただし、自分の信念とかが最優先でもあるので、カルナとか程ではない感じです。