いや、ちょっと思いついたのを書き殴ったら完成しちゃったので。
とりあえずあれだ。砂糖の大きな袋をぶちまけた気分。
短め。1700文字
朝。マスターの部屋。部屋に備え付けられたベッドがもぞもぞと動く。そうしてぷは、とばかりにぴょこんと顔を出したのは、アナだ。いつものローブ姿ではなく、寝るためのラフな服装になっている。
小さく欠伸をして、目の前を見る。マスターの寝顔。それを見て、アナは幸せそうに頬を緩めた。
温泉の旅行から戻ってきてから、アナがマスターと一緒にいる時間は少し増えた。いや、正直に言えば、かなり増えた。二日に一回のお茶の日は、こうして就寝まで一緒にしているほどだ。そのまま書類の仕事などを手伝ってから姉たちを探しに行くのが最近のサイクルとなっている。
時計を見る。午前五時。マスターの起床時間は六時なので、まだ一時間ある。ベッドから出て朝食の用意をするのもいいかもしれない。だが、それは残念ながらできない。
アナの体はマスターに抱きしめられている。こういうことは、あったりなかったり。ちょっと恥ずかしいけど、やっぱり嬉しい。そんな気持ち。
もぞもぞと動き、マスターに体を寄せる。マスターの温もりを感じて、とても幸せな気持ちになれる。
ふと思う。今の自分とマスターの関係は、どうなるのだろうか。主従? は違うと思う。いや、それももちろんあるのだが。
マスターは、かわいい彼女を自慢したい、とか言っていた。言ってくれた。思い出すだけで顔が熱くなるが、そんなことを言ってくれた。じゃあ、マスターはアナの彼氏?
「…………」
妙に恥ずかしくなってきた。どうしよう顔が熱い。内心で慌てるも、逃げることはできない。
「えへへ……」
もちろん嫌というわけじゃなくて。むしろとても嬉しくて。でも恥ずかしくて。
とりあえずこうしてマスターにくっついていると熱で溶けてしまいそうだ。マスターの温もりは惜しいが、とりあえず離れよう。そう思って脱出を試みるが、うまくいかない。がっちり捕まっている。これは困る。
「ん……」
不意にマスターの顔を頭に感じた。そのまま抱きしめる力が少しだけ強くなる。逃げられない。
「あうあう……」
真っ赤になりながらどうにかしないとと考えていると、小さく、笑った声が聞こえた。
なるほど。
「マスター。痛くですか? ひどくですか?」
「なにが!?」
がばりと顔を上げるマスター。アナはそんなマスターを、非難がましく見つめる。じとっと。
「ほら、やっぱり起きてました」
「しまった……!」
寝ているふりだったらしい。まったく、と思いながら、マスターへと言う。
「ではベッドから出ますので、放して下さい」
「え、それは嫌だけど」
「え」
いたって真面目に拒否された。まさか、と思いながらマスターを見ると、マスターはとても素敵な笑顔で、
「六時まではまだ時間があるだろ? もう少し寝ようよ」
「あの、ですけど、ちょっと恥ずかしくて……」
「アナは、俺と一緒に寝るのが嫌?」
その聞き方は卑怯だ。アナは言葉に詰まると、もごもごと口を動かした後、
「じゃあ、もう少しだけ……」
「よし」
改めてマスターが抱きしめてくる。結局、逃げられないどころかさらに追い詰められた。
「アナはあったかいなあ……」
マスターの声。アナもマスターに体を寄せて、
「マスターも、あったかいです」
「そっか……」
「はい……」
そうしてくっついていると、また眠たくなってきた。このまま眠りに身を任せるのもいいだろう。
「アナ」
「はい」
呼ばれたので、顔を上げる。即座に、口を塞がれた。唇で。
「……っ!」
アナが目を見開く。けれど、慣れたもので、すぐにマスターに身を任せる。マスターが、ひどいことをしないと知っているから。
マスターはアナがこういった関係に、こういった行為に不慣れなことを知っている。だから、こしたキスも、とても優しいいわゆるソフトキスばかりだ。今回もすぐにマスターから離れた。
「…………」
「…………」
「…………。もう一回」
「はい……」
もう一度、唇を合わせる。少し長めに。そうして、名残惜しそうにマスターが離れた。
「…………」
「…………」
「…………。寝ようか」
「はい」
アナは知っている。この後のマスターは、いつも顔を真っ赤にしていることを。小さく笑うと、マスターは薄く苦笑した。改めて、アナを抱き寄せてくる。アナからも体を寄せる。
お互いが、お互いの温もりを感じるために。
マスターの手がアナを撫でる。心地良いそれに身を委ねて、アナはそっと目を閉じた。
もう少しだけ、おやすみなさい。大好きなマスター。
壁|w・)満足。
次の更新は来週のどこかです。曜日は未定。
感想くれると嬉しいな!
Q.短くね?
A.いちゃいちゃをだらだら続けても仕方ないと思うのさ!