アナといっしょ!   作:龍翠

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明日投稿しようかなと思いましたが、感想をもらえて嬉しかったのでさっさと投下だ!
1800文字。


マイルーム(アナ)

 

「アナ! 一緒に俺の部屋に来てくれ!」

「え?」

「あら」

「へえ!」

 

 廊下を歩いていると、マスターに呼び止められた、その内容を理解できず、アナの頭は真っ白になる。すぐ側には、たまたま通りかかった姉二人がいて、アナと同じように驚きつつも、すぐにちょっと意地の悪い笑顔になった。

 

「あらマスター。メドゥーサに用事?」

「うん。ああ、ごめん。邪魔した?」

「気にしなくていいから連れて行きなさい!」

 

 さあさあどうぞどうぞと、姉とまだ挨拶を交わしてもいないのに何故かその姉に送り出されて、アナはマスターの後をついて行くことになった。ちょっと意味が分からない。

 いやそれよりも先ほどの言葉の意味も分からない。

 

「あ、あの、マスター? 今からどちらに……?」

「俺の部屋」

「え、あ、へ……?」

 

 思考が追いつかない。マスターの部屋? 何故? どうして? これはいわゆる、テレビのドラマとかであるような、あの……!

 そこまで考えて、アナは首を振った。少し現代の文化に毒されすぎている気がする。反省。

 案の定、部屋にたどり着いたアナを待っていたのは、大量の書類だった。

 

「ちょっと手伝ってほしくて」

「はあ……。分かりました。ただ、できる範囲になりますけど」

「うん。とりあえず、日付順に並び替えてもらえる? その後はまた指示を出すから」

「了解です」

 

 山積みの書類を一枚一枚確認して、日付順に整理していく。その側ではマスターが目を通して、何かしらサインをしたりしていた。マスターにも色々と仕事があるらしい。

 二人で黙々と作業をこなしていく。とても静かな時間だ。けれど、ちょっとだけ幸せな時間だ。

 日付ごとの整理が終わった後も細々とした仕事を依頼されて、アナはそれに従事した。戦闘とは無縁の仕事だが、マスターの役に立てるなら何でも良い。

 そうして昼前から始まった作業は、昼食の時間なんてすっ飛ばして、夕方に終えることができた。普段とは違う仕事だったのでとても疲れてしまった。マスターの目の前なので、情けない姿は見せられないが、もう机に突っ伏してしまいたい。

 

「お疲れ様、アナ。ありがとう、とても助かったよ」

「いえ。この程度ならいつでも呼んでください」

「ココアでもいれるけど、飲む?」

「いただきます」

 

 マスターが引いてくれた椅子に座り、キッチンへと消えたマスターを待つ。程なくして、マスターが戻ってきた。手には湯気の立つマグカップが二つ。そのうち一つを、アナに手渡してくれる。

 

「ありがとう、マスター」

「いえいえ」

 

 早速一口。少し熱いが、飲めないことはない。やはりアナには甘すぎるが、しかしそれも丁度良い。ちびちびと、いつものように飲む。

 

「ちなみにそのマグカップだけど」

「んく……。はい」

「アナ用だから」

「はい?」

 

 首を傾げるアナに、マスターがマグカップの側面を指差す。そこを見ると、マスターが使っている無地のマグカップとは違い、アナの持つものには黒猫が描かれていた。こちらを見ている黒猫のイラストで、ちょっとかわいい。

 いや待って、そうじゃない。

 

「あの、マスター? 私用ってどういうことですか?」

「いや、別に。何も用事がなくても、飲みにきてほしいなと思って。まあ俺がいない時もあるだろうけど、勝手に入って使ってくれてもいいし」

「そ、それはさすがに……。その……」

 

 アナ用。つまり自分用。マスターがアナのために用意してくれたマグカップ。

 どうしよう。すごく嬉しい。頬がにやけそうになる。必死に堪えていると、マスターが言う。

 

「俺はアナが来てくれると嬉しいからさ。来てほしいな」

「あう……。はい、分かりました……」

 

 にこにことマスターが笑っている。その笑顔を直視できなくて、アナはマグカップに視線を落とした。ちびちびと、飲む。何故か甘くなったような気がする。気のせいかな。

 

「マスター」

「ん?」

「その……。ありがとう……」

「はは。うん。どういたしまして」

 

 二人で飲むココアは、とても美味しかった。

 

 

 

 後日。二日に一回程度ではあるが、アナはマスターの部屋を訪ねてココアを飲むようになった。それを知った姉二人がよく頑張ったととても褒めてくれたが、けれどやっぱりもっと頑張れと怒られもした。

 

「毎日行けばいいじゃない」

 

 という下姉さまの言葉。

 

「私は、姉さまがたとも一緒にお茶を飲みたいです」

「…………」

「あら。私。顔が真っ赤よ」

「うるさいわよ、私。生意気なのよメドゥーサ」

「あうあう」

 

 またほっぺたを引っ張られた。ちょっとだけ理不尽にも思えるが、けれど姉二人と過ごす時間はアナにとっては至福の時間だ。

 こんな機会をくれたマスターには、心から感謝している。恥ずかしくて、あまり言えないけども。

 




最後ぶった切った感じがありますが、これ以上続けると別の話になりそうだったので。
どこかで呼んだ設定に、マスターはお気に入りのサーヴァントを部屋に連れ込んでいると書かれていたので、つまりはこういうことかと自分なりに書いてみました。



Q.マスターの書類仕事なんてあるの?
A.知らないよ! ねつ造設定だよ! もうそろそろねつ造設定タグがいるかな!?
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