リリカルなのは~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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異伝7 その121

 

side 高町 なのは (ミッドチルダ・機動六課)

 

ヴィヴィオと『私の部屋にいるさくらさんと一緒に大人しく六課で待っている』と言う約束をしてから、私ははやてちゃんとフェイトちゃんの二人と一緒に聖王教会に行く。そこで全部説明してくれるらしいけど、いったいどんな理由で日の当たらない生活が好きな私をわざわざ引っ張り出してくる気になったんだろうね?

もしも下らない理由だったら、私はちょっと怒る。バインドで動けなくして圧縮した魔力を鼻から胃に送り込んでお腹の中をパンパンにして内側から引き裂いて、それから死なないように傷口を魔力の糸で縫い合わせる。

勿論、お腹の後は肺で同じことをやる。こっちは先に窒息しちゃうかも知れないけど……まあ、大丈夫だよね?

そして最後は肺と胃腸の隅々まで魔力を吸着させてから一気に口から引っ張り出せば、内臓が裏返りながら口から飛び出して来たりするんじゃないかと思ってみたり。

 

「……なのは? なんだか凄いことを考えてない?」

「ん~……ちょっとここまで来て嘘をつかれた時の報復方法を考えてるだけだよ?」

「……す……スターライトな……」

「あはははは、違う違う。ちょっと口から内臓をぴゅるっと吐き出させようかな~なんて考えてるだけだから。ちなみにやり方は」

「いいから!やり方とか知りたくないからお願いだから黙ってて!あと死んじゃうからほんとにやめて!?」

 

嘘をつかれなければ始めっからやらないよ~。もしもあの時嘘をつかれてなかったら、考えもしなかったと思うよ?

まあ、過ぎたことだし何を言っても始まらないし、ついでに今回嘘じゃなければ問題ない話なんだけどね。

 

「……つ……つかんよ? 今回ばかりは嘘はつかんよ? ほんとやからな?」

「うん。私もそう信じたいよ」

 

……なんでフェイトちゃんもはやてちゃんもかたかたかたかた震えてるんだろうね? 私には難しくてわからないや。

それも向こうに着いたら説明してくれるのかな?

 

 

 

そんなわけで、私は無事に聖王教会の本部に到着。ここで説明してくれるらしいけど、クロノ君によく似たお兄さんとこの女の人は……ああ、クロノ君本人と『カリムさん』かな?

まあ、私の前に会ったことの無い人が居たり、説明が無い状態でこうしているのは……もうはやてちゃんが⑨だから仕方無いってことにして、カリムさんが関わってくるってことは……レジーが嫌いなレアスキルの一種、……確か、予言能力が関わって来るんだろうね。

一応レジーも予言には目を通してるらしいけど、あんまりどころかほぼまったく信用してないんだよね。

 

それで私も聞かせてもらったけど、確か……。

 

 

古い結晶と無限の欲望が集い交わる地。死せる王の元、聖地より、彼の翼が甦る。

 

死者達が躍り、なかつ大地の法の塔は虚しく焼け落ち、それを先駆けに、数多の海を護る法の船も砕け落ちる。

 

 

……だったっけ?

『なかつ大地』って言うのは多分『中都大地』、つまりミッドチルダの陸のことだろうし、『法の塔』は地上本部。『数多の海を護る法の船』は管理局の本局だろうから……ロストロギアと無限の欲望から始まる地上本部の壊滅と、管理局の崩壊ってところだよね。

 

……そう言えば、『無限の欲望』って言葉をどこかで聞いたことがあるなぁ…………どこだっけ?

確かあれは……機密通信だったか機密文書のデータの傍受だったかで見た……人造人間のコードネームだったっけ。人造魔導師じゃないって言うところに興味を引かれたけど、役には立たなさそうだったから一応写して地下の第三秘密金庫(アンダーグラウンドサーチライト)に仕舞い込んだんだっけ。

後で翠屋の私に確認してもらおう。使わないだろうけど一応整理しておいてよかったぁ……。

 

「……なのはちゃん? 聞いとった?」

「地上がレアスキル嫌いって話だったっけ?」

「……それはちょうど今話そうとしとった話やな」

 

間違ってはないのね。よかったよかった。

それじゃあ、そろそろちゃんと話を聞こうかな。なんとなくオチはわかっちゃったけど……。

 

 

 

それで、カリムさんのレアスキルの細かい内容を聞いてみたところ、本当に大したことがないってことがよくわかった。

確かに一種の未来予知だけれど、詩文形式で書かれるって言うのが一番面倒臭い。

解釈ミスをゼロとして考えれば多分正解率は100%なんだろうけど、いつ、どこでその事件が起こるのかは詩文形式のそれから読み取らなければならなくて、大きい事件から書き出される訳じゃなくてそっちも完全にランダム。

 

……ついでに言うと、割とよく当たる占いと言うと正解率はほぼ100%ですよ?

すずかちゃんの占いの的中率は気違いじみた物があるけど、本人曰くこれでもそこそこらしいし。

 

……どうでもいいですね。ほんと。

 

「そんな騎士カリムの能力に、数年前からある予言が描き出されていた……んだが」

 

……『だが』?

 

「少し前に、突然その予言の内容が入れ替わったのです」

 

……聞いたこと無いんだけど。凄い初耳。ここに来て一番驚いたかも。

 

「そうなんや。そんで、その予言の内容がな……」

 

そこでカリムさんが、自分の目の前にある予言の紙を読み上げ始めた。

 

「『古い結晶と無限の欲望が集い交わる地。死せる王の元、聖地より、彼の翼が甦る。

星が輝き陽光降る天の下、歯車の騎士団が折れた刃を手に法の船を握り潰し、魔王は高らかに滅びを笑う。』」

 

色々と変わり果てた予言の内容を聞いて、私はただ呆然としてしまう。

フェイトちゃんやはやてちゃん、クロノ君にカリムさんの四人は大真面目にどういうことかを考えているけれど、私の中にある感情を言葉にするなら、たった一言でけりがつく。

 

…………すっごい簡単にどういう状況かわかっちゃったんだけど……。

 

私は、久し振りに痛くなった頭をぐりぐりと解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その122

 

side 高町 なのは (ミッドチルダ・機動六課)

 

カリムさんから新しい予言の内容を聞いて、自分でおよその意訳を終わらせました。

 

 

『古い結晶と無限の欲望が集い交わる地。死せる王の元、聖地より、彼の翼が甦る。』

 

ここまでは以前のままなのですが、管理局の裏が関わってくるので……私からは何も言わないようにしておきます。

重要なのは次ですね。

 

『星が輝き陽光降る天の下、歯車の騎士団が折れた刃を手に法の船を握り潰し、魔王は高らかに滅びを笑う。』

 

……これは、わかる人は私くらいしかいないだろうけど、凄く簡単にわかってしまう。

 

『星』はシュテルちゃんの事を現し、『陽光』は私の事を示しているんだろう。

『歯車の騎士団』は『機械の兵団』、つまりディアーチェちゃんの『群機』だと思うし、『折れた刃』は『壊れた刃』でレヴィちゃん。『魔王』は…………さくらさんか私のどちらか。……きっとさくらさんですね。

 

つまり、何らかの理由で本局の方が私を含むさくらさん達(全員さくらさん)にちょっかいを出してそして逆襲されてこの世から消えるんだろうと予想がたてられます。

それを見て『魔王』が大爆笑……きっと壊れ行く本局を指差しながら『見ろ!人がゴミだ!』とか言うんでしょうね。さくらさんはキレると一気に冷酷になるから……その場面が簡単に想像できてしまいます。

ああ、怖い。

 

……でも、なんでか周りの目が私に突き刺さってるんだけど。クロノ君とはやてちゃんとフェイトちゃんの視線が痛いよ?

 

「……なに? もしかして私が魔王とでも思ってたりするの?」

 

私の言葉に、フェイトちゃん・はやてちゃん・クロノ君の三人全員が目を逸らした。

……確かに私は魔王って呼ばれたりしているけれど、どちらかと言えば今は『陽光の殲滅者』って呼ばれることの方が多いんだから、呼ぶならせめてそっちで呼んで欲しいです。

 

……とりあえず、後で全員とお話ししましょう。魔法言語とか肉体言語じゃなくて、ちゃんとした言葉でですけど。

色々へし折る寸前までやってみよう。寸前までだから大丈夫だよ?

それに、私程度に折られるような柔な精神をしてる筈が無いしね。

 

そんな意味を込めてにっこりと笑ってみたら、なんだかはやてちゃんとフェイトちゃんが恐慌状態になってしまった。

はやてちゃんは頭を抱えて虚ろな目でひたすら

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…………」

 

……って繰り返すだけの壊れたレコードみたいになっちゃったし、フェイトちゃんはフェイトちゃんで後退りながら

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい許してください許してください許してお願いします許して許してごめんなさいごめんなさい許してお願いしますお願いします許してごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい許してお願いします許してくださいごめんなさい撃たないで許して助けてごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい誰か助けてごめんなさい許してくださいごめんなさい許して許して助けてごめんなさい誰か助けて撃たないでごめんなさいごめんなさい助けてごめんなさい私が悪かったですごめんなさい産まれてきてごめんなさい今まで生きてきてごめんなさいこんな私でごめんなさいあ、あぁ、あ、あぁああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁああぁぁぁっ!!」

 

……って、なんだかやけに怖がってたし……。

 

それのお陰でカリムさんも私を危険人物と見なしたのか後退りしてるし、クロノ君も顔色が真っ青で気分は最悪に近そう。

ちょっと怒りを込めて微笑んだだけなのに、この扱いは酷いと思います。泣いちゃいますよ?

 

……音響魔法で悲哀の感情を増幅させたものを乗せながら。

 

「……なのは」

「どうしたの? クロノ君」

 

顔色が最悪に近いままのクロノ君が、恐る恐ると私に話しかけてきた。

 

「…………君は、フェイトとはやてにいったい何をやったんだ? と言うか、何をやらかせばああなるんだ?」

 

はやてちゃんの方は、ちょっとバインドしながらゆっくり上下前後左右全方向にスターライトブレイカーを一発ずつ配置して撃ち込んだだけなんだけどね。

フェイトちゃんの方は…………あれ? なにかしたっけ?

最近だと……機動六課設立当日の鎮圧作業くらいしかやってないよ?

 

……あ、でも昔に初めてスターライトブレイカーをバインドから一方的に撃ち込んだ時もあんな反応をしばらくしてたよう

 

「ピンク色に光る壁がぁぁぁぁぁぁっ!?」

「ひぃぃぃぃぃぃぃっ!?」

 

……あー、うん。あんな感じあんな感じ。

 

……そろそろ落ち着かせようかな。話が進まないし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その123

 

side 高町 なのは (ミッドチルダ・機動六課)

 

はやてちゃんとフェイトちゃんが発狂してしまったので、15分くらい時間をもらって二人を落ち着かせた。

私の魔力光を見ると色々駄目みたいだから、優しく抱き締めて視界を塞いで心音を聞かせながら小さく歌を歌ってみた。

泣く子のための歌だけど、実はただの子守唄なんだよね。

 

眠れ、眠れ、母の胸に。眠らずや、愛し子よ……♪

 

……ちなみに、ヴィヴィオに歌ってあげたのもこの歌だったりする。その後いろんな人にお母さんって呼ばれたのは、つい最近と言うか数時間前のことだ。

なんだかよくわからないけど、この歌を聞くと私に凄く母性を感じるようになるみたい。病院で歌ってあげたら、なんだか死ぬ寸前のおじいさんが目を開けて、私の膝にすがってお母さんって呼んできたしね。

そんなエピソードがあるから、海鳴では私は魔王とか殲滅者とか呼ばれることはほとんど無く、聖母とか女神様とか呼ばれることが多い。

 

……すずかちゃんは時々私をからかって『お母さん』って呼んでくるけど、そんな時は私もすずかちゃんのことを『姉さん』って呼んでみたりする。

一度始まるとしばらくその呼び方が続くんだけど、その間はいつも活発でムードメーカーなアリサちゃんが静かになっちゃうんだよね。

毎回不思議なんだけど、私もすずかちゃんもそれを外に出したりはしないでいる。わざわざ知りたいとは思わないし、前に一回だけ聞いてみた時には『なんでもない』って返ってきたからね。そういう風に隠してるんなら聞き出そうとはしないって言うのが私のスタイル。ただし、私に被害が来ないうちに限る。

 

……で、フェイトちゃんとはやてちゃんが復活したところで私は話を切り出す。

 

「それで、復活早々悪いんだけどさ」

「どうしたん?」

「ちょっとお願いがあるんだけど……機動六課を辞めて海鳴に帰っていい?」

「いきなりなんなん!? 何が原因!? 私か? 私がうざかったからか!?」

 

いや、違うけど。

 

「はやてちゃんがたまに鬱陶しいのは知ってるけど、今回はそれじゃなくて予言の方が原因かな」

「……まるで内容がわかっとるみたいな言い方をするな?」

「わかるからね」

「……え?」

「……え?」

「……え?」

「……え?」

 

全員の驚愕の表情、頂きました。

 

 

 

……しばらく固まっていた空気を破り、はやてちゃんが恐る恐る話しかけてくる。

 

「えっと……参考までに、どんな内容か教えてくれへん?」

「あってるかどうかは保証しないし、細かくは説明しないよ? それでいい?」

「かまへんよ」

 

そ。それじゃあ簡単に。

 

「ロストロギアを切っ掛けに、管理局の闇の産物が関わる事件が起きて、巡り巡って少数の存在に滅ぼされるよ。一人一人が私より強いから気をつけてね♪」

「なんで楽しそうなん!? あとなのはちゃんより強いって想像できへんのやけど!?」

「はやてちゃんに想像できようができまいが、私より強い存在が本局を滅ぼしに来ると思うよ? 上手くやれば回避できると思うけど」

「どうすればええ!?」

「その人達になにもしなければいいと思うよ? 管理局全体にそれを徹底させれば敵対はされないと思う……よ?」

「不安や!」

「何にもしなければ確実に誰かがちょっかいをかけると思うけど、不安に思ってれば解決するの?」

「せんけど!言い種が酷ないか!?」

 

酷いとは思わなくもないけど、からかった時のはやてちゃんの反応が面白すぎるのがいけないんだよ?

あと、ついでに言うと管理局の地上本部だったらともかく、本局がどうなろうと知ったことじゃないしね。

 

……本局の連中(まあ、一部の人だけどね)は、管理局には入らないって言ってるのに何度も何度もしつこく勧誘してくるし、営業妨害をしてくることもあるし、私のDNAサンプルを手に入れようと髪を拾って裏の方に送ろうとしてきたり、結婚詐欺みたいな方法で局員の中でも顔のいい人を出して惚れさせて言うことを聞かせようとしてきたりとか、本当に嫌だ。

ちなみに、最後の人はまだに翠屋に来ている。残念ながら私の男性の趣味は一般的な物からはかなり解離してるから、効果は全く無いけどね♪

 

無駄なお仕事お疲れさまでーす♪ その仕事でお給料が出るんだから、良い御身分ですよね?

 

……ああ、危ない危ない。ちょっと黒いのが出そうになった。ミッドチルダと言うか、お腹の中身が真っ黒な人が多いところだと私も黒っぽくなっちゃうんだよね。

一年が過ぎて海鳴に帰れたら、しばらく遠出はしないと思う。心を癒す時間の確保のために、シュテルちゃんやレヴィちゃん、ディアーチェちゃんを含めたさくらさんと一緒にたくさん寝よう。

そして昔みたいに、皆であの公園で演奏会を開いたり、ケーキを作ったりして過ごそう。管理局には、もう関わりは持たないようにしたいな。

 

……ああ、ミッドチルダ地上本部は、トップがレジーの間だけ別にしてね。できればずっと良い関係を築いていきたいよ。

じゃないと、翠屋をやるのに色々と面倒なことが起きちゃうからね。

 

「……まあ、地上が一時期予言に出てたけど無くなったってことは、多分その予言が上書きされたってことだから地上への襲撃はあるんだろうね。だから、その時の状況に合わせて行動するのが一番現実的じゃないかな」

「……それしかないかぁ……」

「そうだね。それが一番正確だと思う」

「そうだな」

 

……なんで私の言がまるっと採用されちゃったんでしょうね?

 

「なのはだからかな?」

 

……まあ、いいや。

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その124

 

side 高町 なのは (ミッドチルダ・機動六課)

 

機動六課に戻ってきた私は、なんだか疲れきった表情を浮かべるはやてちゃんとフェイトちゃんをスルーしてのんびりと寮の自分の部屋に戻ります。

私の部屋は一人部屋で、自分でも年頃の乙女の部屋としてこれはどうかと思ってしまう程度には殺風景なんだよね。フェイトちゃんにも『これはどうなの?』って言われちゃってたりして。

 

……一応行っておくと、海鳴の自室やミッドチルダの翠屋ではもう少し私物が溢れています。ここに私物を置こうとはあんまり思わないだけです。

 

そんな部屋にヴィヴィオを一人にしていくわけにもいかないので、エリオとキャロの二人にヴィヴィオと一緒にいてもらっています。

私が出掛けた時にはさくらさんがアンダーグラウンドサーチライトの外に出ていたということはありませんでしたが、運がよかったりすれば面倒を見てくれるか、あるいは一緒に寝てくれたりするでしょう。

 

……多分。

 

「ただいま~」

 

そう言いながら部屋に入ると………………。

 

「……にゃぅ……」

「……ぅに……」

「……くぅ……ん…………」

「……んにゅ……」

「……すぅ……」

 

ちっちゃいさくらさんがいっぱいと、さくらさん本人が一人。それからエリオとキャロが一人ずつと、ヴィヴィオが一人、アンダーグラウンドサーチライトの中のベッドの上で山になっていた。

 

……なんだか下になって顔だけ出ているエリオとキャロはちょっと苦しそう。かわりにヴィヴィオとさくらさん達はかなり安らかな寝顔だけど……。

そう考えながら、私は山になっているさくらさんと小さなさくらさんをどかしてエリオとキャロを引っ張り出す。すると、なんだか二人がほっとしたような表情になりました。

さくらさんとヴィヴィオの面倒を見て疲れているだろうと思うので、エリオとキャロはこのまま寝かせてあげようと思います。

 

……さて。それじゃあこれからどうしよう? ご飯にするのもいいけれど、やっぱり眠いなぁ……ご飯は分身に食べてもらって、私は寝ようかな?

あるいは、分身と本体をしばらく入れ換えてご飯を食べてからそっちで寝るって言うのもアリかな。

 

……どうしようかな?

 

 

 

 

 

side オーリス・ゲイズ

 

今日もまた少し、いつもの通りに少しずつ、様々なところに情報を流す。

レジアス中将に命じられた内容は、中将に繋がらないようにしながら情報を散らすこと。特に、108部隊のナカジマ三佐に重点的に、スカリエッティに繋がりうる情報を。

 

ナカジマ三佐は奥方を戦闘機人事件で喪っていて、そしてその奥方のクイントさんは中将の……父さんの親友とも言える騎士ゼストの居た隊で、父さんが今でも悔やみ続けている事件で死んでしまった。

実は、父さんはその事をかなり気にしている。だから情報を集中して渡している訳なんだけれど……今も止まることができずに苦しみ、それでもその行動はただ地上を守るために。

 

……けれど、そんな父さんを見ていて苦しんでいる私がいる。

父さんは過去に囚われてしまっている。そんな過去を塗り替えようと必死に足掻き、努力し……それでも結局、忘れられないでいる。

 

そんな父さんは、見ていてなんだか痛々しい。

自分の親が苦しんでいるのに、自分は何もできないということが……

 

「苦しいとかおも、ひっく……思ったりする訳なのよ!」

「ああはい、私もわかるよ。一時期私の家も規模は違えどそんな感じだったからね」

「……ひっく。やっぱり私達って、似てるところ、ひっく……似てるところがあるみたいね……」

 

そうだね、なんて言いながら、モモは私のグラスにお酒を注いでくれる。

モモという名前は偽名だとわかったわけだけど、それでも呼び慣れた名前だし愛称だと思って今でもそう呼び続けている。

 

彼女にはこうしてたまに愚痴を聞いてもらったりしているのだけれど、彼女が聞き上手だという事もあって私はほぼ毎回途中で眠ってしまう。そして目が覚めると、私は翠屋の二階の客室のベッドに寝かされているのです。

 

いつも酔いつぶれているけれど、酔っている間の記憶もしっかりあるようになったのはここ三年ほどのこと。それ以来、毎回自分がどんなことをしてしまったかをしっかりと覚えている。

それでも私がこうしてモモに愚痴を聞いてもらっているのは……ただの甘えと言うものなんだろう。

モモは毎回『気にしなくていい』と言ってくれているけれど、私がああして酔って荒れては絡んでいるのを思い出すと……やっぱり心苦しい。

 

…………それでも私は彼女にこうして話を聞いてもらいに来ている。夜の翠屋は、どこから取り寄せたのか管理世界、管理外世界の多種多様なお酒で溢れていて、いつもはカウンターの中だったり席の間を歩き回ったりしている彼女がカウンター席に座り、彼女とそっくりのイーストエッジさんがカウンターの中でカクテルや何かを作っていることがある。

私はその場に混ざり、いくつもの飲みやすいカクテルを片手に彼女達に話を聞いてもらうのだ。

 

イーストエッジさんは聞き上手という事は無いが、気を回すのは上手い。私が愚痴を言っていると、さりげなくカウンターの端へと離れていく。

 

「……どうぞ」

「ああ、ありがと、シュテルちゃん」

「ひっく……きいれるろ?」

「もちろんちゃんと聞いてるよ」

 

……ああもう、私ってやつは…………。

 

………………ひっく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その125

 

side 高町 なのは (ミッドチルダ・機動六課)

 

フォワード達の訓練内容がセカンドモードを基本にしたものに変わってからしばらくしたとある日。はやてちゃんがクロノ君の居る新造艦に行く予定があって、ティアナもそれに着いていくって言う話になった。

その日ははやてちゃんがいなくて、フェイトちゃんが率いるライトニング分隊が現場検証で不在。そしてシグナムさんとヴィータちゃんはオフシフトだから、ティアナがいなくなったら実働部隊は私とスバルの二人だけっていう状況になってしまうんだけど…………何かあった時に人手は足りるかな?

 

まあ、なんにも無ければそれが一番だし、同時に何かがあっても大丈夫なようにしておかないと、実際に何かあった時に困るんですよね。

正直に言って、何もかも徒労に終わるのが一番だし、管理局も警察も必要なくなるのが一番平和な世界なんですけど……やっぱり難しいですね。

 

……そうそう、ヴィヴィオはやっぱり私のことをママと呼び続けるようになった。最近ではフェイトちゃんにもなついてきたけれど、やっぱり私が一番好かれているみたい。

寝るときは同じベッドだし、起きたときに私の姿が無いと半泣きになって私のことを探し始めるし……。

 

まあ、そんなわけで何もなければいいなぁ……なんてかなり本気で思っているんだけれど、今日はまだ大丈夫な気がするんだよね。

ヴィヴィオは今日も私の部屋でお留守番をしてるんだけど、ザフィーラとアイナさんに面倒を見てもらっていて本当にありがたい。

そのお陰で私はお仕事に集中できるんだし、本当に頭をあげられないよ。上げてるけど。

 

あと、一応私が保護責任者になっている。ヴィヴィオには伝えていないけれど、フェイトちゃんが後見人として名前を連ねていたりもする。

当然のことながらヴィヴィオを引き取ってくれそうな所で、なんら後ろ暗いところのない人達を探すのは続けているけどね。

 

なんでフェイトちゃんのことを伝えていないかと言うと、ヴィヴィオに私がお母さんの代わりだよって伝えたら大泣きしちゃったから、暫くは自重している訳なんだけど……もうちょっとしたら伝えてあげないとね。

 

……さくらさんに知られたらなんだか凄くからかわれそうな気がしますが…………まあ、大丈夫なはずだと思いたい。

ただでさえアリサちゃんに『すずかと付き合ってるんじゃないの?』っていう百合疑惑を持たれてしまっているんですから、それ以上の変な疑惑はノーサンキューです。

フェイトちゃんもその言葉にいつもの天然っぷりを発揮して暫く本気にしちゃってましたから、そろそろ勘弁してほしいところです。

 

……さてと。それじゃあそろそろお昼の時間だし、ヴィヴィオと一緒に食べようかな?

 

 

 

昼食の後、いつもの癖で知覚範囲を広げたら陸士108部隊であの戦闘機人達の正体に気付いたらしく、なんだか議論をしていた。

とりあえずナカジマ三佐とギンガ陸曹、それと前にはやてちゃんやフェイトちゃん、ヴィータちゃん達から話を聞いたマリエル技術官も一緒に車で来るみたい。

 

……まあ、それは私にとってはどうでもいいんだけど……スバルの教導内容を適当に考えとかないとね。

なんだか私ははやてちゃんやヴィータちゃん達に勝手に教導官扱いされているようですが、私はあくまで民間協力者。持っている資格なんて調理師免許とフグの調理免許と地球の車の免許くらいしかない。

デバイスマイスターの資格とか教導官の資格なんて持ってないんだから、あんまりわからないんだけどね……。

 

私にできることと言ったら、とにかく地味な基礎固めくらい。相手がスバルなら体力をつけることと筋力の増大、体重移動とかそういうのを含めた判断力等の基本をひたすら鍛えるくらい。

私の経験から言わせてもらうと、基礎と言うのは名前を聞けばわかるだろうけれど、とにかくなんにでも応用できる技術の固まりと言うか、あらゆる行動の根本にあるべき技なんだよね。

だからと言うべきか、基礎を極めると言うことは戦闘と言う行為その物を極めるに等しいこと。

……正確には戦闘に限ったことじゃ無いのだけれど、全ての基礎に共通する事項は『極めると言うことは相応に難易度が高い』という点。

 

それでもその遠い極みに到達するために、頑張ってもらわないとね。

 

「………………(反応があんまりない。まるっきり半死人のようだ)」

 

……ちょっとやり過ぎたかな? 基礎的な物をひたすら繰り返しただけなんだけど……私も一緒にやったし、戦闘機人のスバルからすれば大したことじゃないと思うんだけどなぁ……?

 

「…………あ……あははは……きっつぅ……」

「……そんなにきつい?」

「……ええ……まあ…………」

 

……そうかなぁ……このくらい普通にできるよね?

さくらさんだってできるだろうし、フェイトちゃんだって頑張ればできると思うし、すずかちゃんもアリサちゃんもお父さんもお母さんもお兄ちゃんもお姉ちゃんも…………あれ? なんだか私の周りに居る人ばっかりだね?

……地味にレジーもこのくらいならできそうな気がするし、リシュだって多少息切れくらいはしそうだけどできなくはないだろうし、私が一時期色々教えた地上本部の実働部隊の皆はもうちょっと激しいのにもついてきたしね。

 

…………戦闘機人って、もしかしてあんまり大したことない?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その126

 

side 高町 なのは (ミッドチルダ・機動六課)

 

今日からしばらくギンガ陸曹とマリエル技官が機動六課に出向してくるということをはやてちゃんの口から直接聞いたのは、朝食の席でのことだった。

それ以前にも聞いてはいたけれど、それは私の常時の知覚範囲内(大体220キロメートル圏内)で話していたから知っていただけで、直接聞いた訳じゃないから除外する。

 

それで、ちょっとギンガ陸曹にスバルの成長を見てもらおうと思って軽い模擬戦を組んでみたんだけど……。

 

「はっ!や!はっ!せいっ!」

「くっ、うっ!」

 

……スバルってば強くなったねぇ?

 

小回りと連射が利くように、腕をぎゅっと体に寄せての連撃。鋭く小さくそれでいて重い攻撃に、ギンガ陸曹は終始押されっぱなしになっている。

速度も上がってるし、六課に入る前に比べれば無駄も相当削れている。決めに大振りをしちゃう癖はまだ直っていないけど、基礎的な能力は相当上がっている。

やっぱりあの超回復機能付きの回復魔法も少しは役に立ってると思うけれど、やらなかった場合のデータは無いからわかりづらいんだけどね。

 

あれからと言うもの、スバルはよく超回復を求めて全身を引きずるようにしながら私のところに来るようになったし、時々ではあるけれどティアナやエリオ、そしてキャロも来ていたりする。

とは言っても、身体能力だけで勝負の行方が決まるわけじゃないし、どれだけ身体能力的に恵まれていたとしても使い手がへっぽこじゃあ宝の持ち腐れと言うものだ。

だから、身体能力的にはギンガ陸曹よりもスバルの方が全体的に優れているのに、いまだにスバルはギンガ陸曹を打倒できていないんだよ?

 

これはスバルが下手なんじゃなくて、ギンガ陸曹が上手いんだろうね。所々に地上でよく見る私流の流れが見えるから、私の一ヶ月間程度の地上本部での教導は無駄じゃなかったってことでいいのかな?

なんというか、結構昔のほんの少しの時間だって言うのに、よく広がったものだよね。

 

……昔は年齢のお陰でよく低く見られたから、とりあえず初めに魔力任せじゃない技術による力を見せてから教えたんだっけね。

そうすると人の話をちゃんと聞いてくれるようになって、五日目には初めから言うことをしっかり聞いてくれるようになったんだよね。

 

ちなみに私がやったのは限界ギリギリの基礎固め。全身の筋肉だけじゃなくて、リンカーコアまで同時に超回復させる荒業。

ほんの少しとはいえ魔力量も上がってたし、魔力の回復力も上がっていた。体力や筋力は言わずもがな。

それによってわずかな時間である程度の基礎力をつけてから、フラッシュムーブとフラッシュムーブメントの二つを教えた。

捕らえるときの無力化の技術も、力尽くで押さえるんじゃなくて関節部を押さえて最小限の力でできるようにとさくらさん式の柔術……合気柔術の基礎部だけ教えた。

……私も極めたわけじゃないし、近接戦闘は陽光殲滅を含む射砲撃の補助くらいにしか使わないから上手くもないんだけどね。

 

それでも何も知らないよりはずっといいし、シールドでの攻撃を逸らす技には役に立つし、便利でいいよね。

実際に地上では相当役に立ってるみたいだし教えた甲斐があったってことだよね。

 

……フェイトちゃんもはやてちゃんもシグナムさんもスバルもティアナも知らなかったみたいだけど。

ギンガ陸曹は知ってたみたいだし、ヴァイス君も地上部隊じゃないけどたまたま直接受けた事があるから知ってるはず。だから私はヴァイス君のことをヴァイス“陸曹”じゃなくってヴァイス“君”って呼んでるんだし。

 

……あ、そんなことを考えてる間に決着がつきそうだね。

ギンガ陸曹も途中から結構本気だったみたいだし、頑張ったみたいだけど…………。

 

残念だったね、スバル。

 

私が見た最後の瞬間は、とどめを意識していつもよりかなり大振りになっていたスバルと、上手くプロテクションで斜めに受け流しながらカウンターの左ナックルを寸止めしているギンガ陸曹の姿だった。

 

「はーい、そこまで!」

 

……うん、惜しかったね。だからあれほど決め技だからって大振りになるのを押さえようねって言ったのに……。

次からはスバルには大振りの癖を無くしてもらわないと。今回のことで大振りの危険性はよーくわかっただろうしね。

あと、ギンガ陸曹は技の方は後回しにしてひたすら基礎の詰め込みかな。今の豪邸のような基礎から、城塞のような基礎にまで進化させないと。スバルの方もそんな感じだし。

あと一歩で城塞から要塞、それも高機動要塞になるんだけど……進歩が早いよね。

 

……エリオの方は空陸両用の基礎ができてて、ティアナは中距離射撃と幻惑。キャロもブーストのスタミナがついてきたし、近接格闘もまあそこそこ。育て甲斐のある子達だよね。本当に。

 

「……それで、ギンガ陸曹。スバルの出来はどうでした?」

「はい!文句のつけようがありません。終始押されてしまいました!」

「……ギンガ陸曹も、あのくらいは強くなってもらうからね?」

「ありがとうございます!高町臨時教導官閣下!」

 

…………閣下……閣下って……。

 

「“閣下”は必要ありません。それに今は“臨時教導官”でもありません。単なる民間協力者ですから、呼び捨てで構いません。理解しましたか?」

「はい!申し訳ありません!高町さん!」

 

…………まあ、これくらいならいいかな?

 

私は誰にも気づかれないように、こっそりとため息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その127

 

side 高町 なのは (ミッドチルダ・機動六課)

 

ギンガ(こう呼んでくださいと言われたからこれからはそう呼ぶことにした)とスバルの模擬戦が終わり、いつも通りの教導の時間が始まる。

ティアナはヴィータちゃんと一緒に突撃型の捌き方を練習し、エリオとキャロはフェイトちゃんと一緒に基礎固め。基礎はどこまでいっても役に立つからね。

 

それでスバルとギンガは私と一緒にやっぱり基礎。ギンガもスバルについていこうとしてるけど、やっぱり慣れか身体能力の差か、僅かに遅れてしまう。

まあ、しばらくやってれば一応追い付けるとは思うけど……頑張ろうね。

 

スバルの方はまだ余裕がありそうなので、もうちょっと密度を上げてみようかな。

……何の密度かって? うん、後ろから撃ってる弾幕の。

 

「スバル、密度上げるよー」

「はいっ!お願いします!」

 

うん、元気元気。いいことだよね。

その元気を賞して、1.3倍までやってみよう。頑張ればギリギリ避けきれる。

……と言うより、できるだけ無駄を無くした動きをしてれば普通に走ってても当たらないようになってるはずなんだよね。実際に走るときにはマッハキャリバーを使うからあんまり意味がないように見えるけど、体力をつけるにはかなりいいからやっている。

 

ギンガの方は……うん、予想通りにいい動きをするね。やっぱり上から高速で降ってくる魔力弾が次々後ろに着弾するのは怖いかな?

これをやると嫌でも限界速と低速ダッシュを使い分けて走らなくちゃいけないから瞬発力も尽くし、マラソン的な効果もあって持久力と精神力もつく。

その上、たまに前から飛んできたり後ろから飛んでくる魔力弾を敵の攻撃と仮定して咄嗟の判断力も鍛えられると言う一石四鳥の美味しい訓練だったりします。

しかも、私自身にも魔力集束や操作性能の向上、相手の地力を正確に測れるようになるなど、どちらにも旨味のある特訓なのです。

 

…………やられる側はかなり必死になるそうですけどね。と言うか、なりますけどね。実体験的に。

 

「……そうだ、なのは」

「どうしましたか、ヴィータ教導官」

「…………ああ、折角だし、ギンガも入れたチーム戦をやってみねえか? あと、ヴィータちゃんでいいし敬語も使わなくていい」

「ヴィータちゃんがそう言うなら協力者である私はやるけど、ギンガの実力はさっき見たから大体わかるし、ついでに言うともうかなりバテてるから大変だと思うよ?」

「いえ!私は大丈夫です!」

 

びしっ!と立ち上がって綺麗な敬礼を見せてくるギンガ。どうもギンガはギンガで負けず嫌いらしい。

まあ、負けず嫌いなのはいいけど、負けを認めなかったりたりないところから目を逸らしたりしないタイプだったらなおいいよね。

そういうタイプは自分を高めることに熱心だから、効果があるとわかればしっかりついてきてくれる。楽でいいよねほんとにさ。

 

……さてと。ギンガも大丈夫みたいだし、スバルやティアナ、それにライトニング隊の方もやる気になってるみたいだし……これは私もやるしかないかな。

とりあえずチーム分けをしなくちゃいけないんだけど……いつも通りのチームにギンガを追加しただけでいいかな。

フォワード陣+1VS前線隊長+1チーム。私は一応隊長じゃなくてフリーランスのはずなんだけど、書類上はフリークス隊の隊長扱いになってるんだよね。

……フリークス隊は前線じゃなくて遊撃隊だから、前線隊長とは別でいいんだけど。

 

フォワード陣からの簡単なチーム戦解説が終わったところで、ギンガに追加情報を伝える。

ギンガの場合の有効打は左ナックルと蹴りで、ティアナの場合はクロスファイアー、スバルは右ナックルと蹴り、エリオはストラーダの刃による攻撃(柄は不可)で、キャロはフリードのブラストフレアあるいはブラストレイ。

それと時間までフォワードメンバーは戦闘不能にはならず、戦闘終了になるには隊長達全員に有効打を打ち込むか時間切れまで待たなければならないこと。

 

……なお、流石に私は念話を聞き取ることはしていないし、思考を読むこともしていない。反則過ぎるからね。

あと、このチーム戦の目的は、コンビネーションあるいはチームワークの確認と円滑化。そして私達は今まで教えたことがどれだけフォワード達に染み付いているのかの確認と、新しくできている癖あるいは欠点の捜索。色々狙いはあるけれど、主なところはこのくらいだ。

 

……スバルの場合は熱くなっても練習通りのことがしっかり出てくるくらいまで体に叩き込めばいいんだけど、これまでのストライクアーツの経験で大振りを癖にしちゃってるから大変なんだよね。

……その辺りはこれからの課題にして、今はこっちに集中集中。生徒が本気で来てくれるんだから、こっちも本気でいかないと失礼だし。

 

私はレイジングハートをアクセルモードで起動する。それに合わせてフェイトちゃんやシグナムさんも一緒に起動。戦闘準備を整える。

 

「それじゃあ久し振りのチーム戦、お互い頑張ろうね」

 

「はいっ!」

 

フォワード陣+1は、元気に返事をしてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その128

 

side 高町 なのは (ミッドチルダ・機動六課)

 

開始五秒でギンガに砲撃を一発撃ち込む。私の射撃性能を知らないんだから当然かもしれないけど、一発当たったらすぐに全速力で逃げ出してくれたのでギリギリ及第点。びっくりしてても意識の切り替えはできるみたいでよかった。

そこでギンガは誰かに念話を飛ばす。多分ティアナかスバルだろうけど、その後エリオの方に向かって行ったから多分ティアナに指示をもらったんだろう。

さて、今度はいったいどんな作戦を立ててくるのかな?

 

……と、思いながらスバルを迎撃。とりあえず後ろ向きのままフラッシュバスターを8発ほど撃ち込んだら、慌てて逃げていった。

ティアナが幻術でも使っているのかやけにまっすぐ逃げていくけど、どこまで逃げていくのかな?

 

頑張れ頑張れ若人たち♪

……いやまあ私もまだ若いけど、スバルやティアナ達に比べれば歳上だからね。若人達で間違ってないよ?

 

 

 

……とまあ、そんな感じでちょこちょこ撃ったり削ったりしながらできを見ていたら、いつの間にか時間切れ。フォワード達は全員二回は落とされていたけど隊長陣は誰も落とされていないという完全勝利状態で、ギンガを入れた初めてのチーム戦は幕を下ろした。

フォワード陣は全員ぐったり。隊長陣も一部くてっとしながら終わった辺りで、ヴィヴィオがやってきた。

 

「ママー!」

「あ、ヴィヴィオだ」

 

とてててー、と私とフェイトちゃんに向かって走ってくるヴィヴィオ。さっきヴィヴィオがマリエル技官とシャーリーに挨拶できてたんだよね。偉い偉い。

 

「危ないよー、転ばないでねー」

 

私の隣でフェイトちゃんがそんなことを言うけれど、それはダメだよフェイトちゃん。

子供っていうのはネガティブな風に注意すると実現させやすいんだから。この場合は『転んじゃダメだよ』じゃなくて『足元に気を付けてね』って言うんだよ。

じゃないと……

 

「うん!───ふぇっ!」

 

……ほら、転んじゃった。

 

フェイトちゃんは転んだヴィヴィオを心配してかすぐに助けに行こうとするけれど、私はそれを左腕で遮る。

 

「え……」

「大丈夫。あの辺りの地面は柔らかいし、石とかも無いし、きれいに転んだから怪我はないよ」

 

正確には、あの場所はヴィヴィオが転ぶ寸前に衝撃波を使って柔らかくしたし、石もある程度以上浅い場所にあってそれなりに大きいのは全部(と言っても一個か二個だけど)砕いたし、きれいに転べそうになかったら魔法で一瞬浮かせて危ないところを無くしてから転ばせる予定だったんだけどね。

 

「でも……」

「甘やかしすぎて自分でできることをやっちゃうのは親の仕事じゃないよ。親の仕事は、いつでも子供を見守って、子供の力じゃどうしようもなくなっちゃった時に何とかしてあげることだけなんだから」

 

……あ、でも父親の仕事には『息子にかっこいいところを見せる』っていうのもあったっけ。男は口で語らず背中と行為で語れってやつだね。

……フェイトちゃんも私も男親じゃないし、ヴィヴィオも女の子だけど。

 

私は倒れたままのヴィヴィオに声をかける。簡単な治癒魔法を、誰にも気付かれないようにゆっくりゆっくりとかけながら。

 

「ヴィヴィオ」

「……ママぁ…………」

 

ああ、涙目になっちゃって。痛いところなんてほとんど無いと思うんだけど、ショックで涙が止まらなくなっちゃったのかな?

まあ、それでも私は手を貸さないんだけどね。

 

「ヴィヴィオは、一人で立てるよね? 頑張って、ここまで歩いて来てみようか?」

「ぅ……ぁぅ…………」

 

声に魔力を乗せて、ヴィヴィオを励ます。体の回復は終わってるから、次は精神面だね。

 

「ほら、ヴィヴィオ」

「…………ぅん……」

 

私が促すと、ヴィヴィオは自分で立ち上がってぐしぐしと涙を拭いた。

そしてそのままとてとてと走ってきて、私の腕の中に飛び込んできた。

私はそんなヴィヴィオの頭を優しく撫でながら、耳元で囁いた。

 

「……うん、良くできました。ヴィヴィオは強い子だね」

「……うん!」

 

ちょっとまだ涙目ではあったけど、ヴィヴィオはちゃんと私に笑いかけて見せた。

……うん、ヴィヴィオはやっぱりいい子で、とっても強い子だ。

 

「……何て言うか、なのはって子供の扱い上手だよね。まるで本当にお母さんみたい」

「今はヴィヴィオのお母さんだからね」

 

どこかにこの子を引き取ってくれるいい家を見つけて、そこに引き取られるまでは……だけど。

それは後見人のフェイトちゃんだってわかってるはずなのに、どうしてわざわざそんなことを言うのかな?

 

…………まあ、いいや。今はこうして母親らしくしていよう。私に何か害があるわけでも無いし。

ただ、どうしてかこの子に魔法を見せたいとは思わないんだよね。理由はわからないけど、虫が知らせてくる感じでさ……。

 

考え事をしながらも、私の手はヴィヴィオの服についた土を払い落とす。私の服にもついていたから、そっちも一緒に。

 

ぽふぽふと払い終わってから、私はヴィヴィオの手を取った。

 

「それじゃあ、ご飯にしようか」

「うん!」

 

ヴィヴィオは私の手を両手で握り直して、とても純粋な笑顔を見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その129

 

side 高町 なのは (ミッドチルダ・機動六課)

 

毎日スバルに超回復機能付きの回復魔法をかけている日常に、新しくギンガも追加されてからしばらくしてからのこと。そこそこ自力をつけたギンガとスバルは、毎日毎日自主トレーニングにストライクアーツの組手を行っているようです。

基本的には細かく早く鋭く重い攻撃を高速の体重移動によって実現させているスバルですが、やっぱり決めを大振りにする悪癖は治っていません。

ギンガもその辺りを重点的に教えているようですが、少し小さくなっただけでまだまだ大振りなのは変わりません。

 

……けれど、少し直ったと言うことはいつか完全に矯正できる可能性があるということ。今まで諦めずに教えてきた甲斐があったというものです。

それに、ティアナとキャロも少しだけ参加。ティアナはクロスミラージュを持っていることを前提にした近接での銃撃戦のため。キャロは、一瞬守れば頼もしい槍騎士さんが駆け付けてきてくれるので、その一瞬を得るために。

……まあ、ティアナの方はともかくキャロの方はあまり効果は出ていないようですけど。

 

実際に見てみればわかると思いますが、キャロは体格的にストライクアーツよりも合気の方が向いているような気がします。

小柄ゆえの筋力の無さを技術で補い、そしてあらゆる攻撃を柔らかく受け流すことができるようになるまではしばらく時間がかかることでしょうが、それでもキャロはストライクアーツよりは合気を学ぶべきじゃないかと。

 

……ストライクアーツも学んでおいて損はないと思うから止めないけどね。

 

それで、今日はもうほとんどお仕事は終わり。夜遅くに出動しなくちゃいけないから、それまでしっかり寝てようかな。

公開意見陳述会まであと20時間。しっかり寝ておかないと。

 

……そうだ、もしもの時のために、さくらさんにお願いしておこうかな。

『五月蝿くなったらでいいから、六課に何かあったら出てきてほしい』って。

 

OKって言ってくれるなら六課の方に戦力を裂く必要が無くなるし、ダメならダメでしょうがない。私達の都合だからね。

まあ、何かあったらアンダーグラウンドサーチライトの方に衝撃が連続するだろうから、多分起きてくると思うけど。

 

……そうそう、多分シュテルちゃんは出陣することになるだろうから、今日はもうお休みにしてあげないと。レヴィちゃんが何か言ってくるかもしれないけど、そこは諦めてもらおう。

さあ、仮眠をとらなくちゃ。私はフォワード達と一緒に夜警だから、体が持たないよ? 嘘だけど。

 

……ちなみに私の本体は今どこに居るかと言うと、実は海鳴に居るのが本物の私だったりします。

海鳴の私が一番規則正しい生活ができるのでいつも海鳴に居るのですが、本体がそこに居ても私は自由に動くことができると言うのが分身のいいところです。

お父さんやお母さんは分身を覚えてからさらにイチャイチャしてますし、お兄ちゃん達も修行をしながら翠屋のお手伝いをしながら学校に行くと言う荒業を当然のようにやっています。

 

……分身を使った荒業云々は私が言える台詞ではないと言う事くらい、重々承知していますとも。その上で荒業だと言っています。

……実際、かなりの荒業ですからね。

 

私はそんなことをのんびりと考えながら、やって来たフォワード陣に回復魔法をかけて眠りにつく。

分身だから本当は必要ないけど、私は眠りに落ちる時の一瞬浮くような感覚が大好きだったりする。

よく食べて、自分の好きなことをやって、よく寝て…………そんな風に生活できるだけで私はとても幸せです。

……まあ、当然のことですけど。

 

 

 

 

 

side レジアス・ゲイズ

 

明日は公開意見陳述会。アインヘリアルについての議論やこれからの管理局の在り方、今年のおよその方針決定に始まり、一部の予算会議や軽い腹の探り合いなどが続く会議だが、ここ五年ほどは大抵地上の検挙率の高さの秘密を一部の本局局員が探りに来たり、地上の事に関心などほぼ無いだろうに結果だけを見て予算を更に削れるとほくそ笑む馬鹿共が増えた。

検挙率が上がり、犯罪発生率が下がっているのは良いことだが、だからといって予算を削られてはたまったものではない。

 

「もぐもぐ……そうだろうオーリス」

「もきゅもきゅ……はい、その通りかと」

 

そんなこともあり、儂とオーリスは翠屋のケーキを食べる。

美味いものを食べるのはストレス解消にもいいし、新たな友のいるこの地上を守りたいという感情が沸き上がってくる。

 

……今度こそ。今度こそは何があろうと護ってみせるとも。

例え相手が次元犯罪者だろうが、本局だろうが、最高評議会だろうが……だ。

 

評議会の三人の居場所は既にわかっている。三人のやって来た後ろ暗いことの証拠も揃えてある。高町の耳は現状起きている出来事に関しては凄まじい諜報能力を期待できるが、過去に起こった出来事には無力。しかし、その点は儂の子飼いの諜報部が役に立ってくれた。

全員が高町に一時期教導を受けていた者達で、この地上を守りたいと願う同士達。彼らの協力を得られたのは実に運がよかった。彼らが居なければ、あの老害を排除する準備が整うまでに更に時間がかかっていた所だ。

 

…………叶うのならば、あの頃にこれだけの権力があり、そして彼らを助けられるだけの能力があれば……。

 

「中将。鼻の頭にクリームが」

「む……そうか」

 

オーリス言われ、手元にあったティッシュを使って鼻の頭を拭う。

……それでは、そろそろ寝るとしようか。明日は早い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その130

 

side 高町 なのは (ミッドチルダ・機動六課)

 

機動六課を出発する少し前に、はやてちゃんから相談をうけた。

なんでも、この土壇場で新しい予言が追加されたらしい。

 

『盲目の銀の目を閉ざせ。その目が開いた時こそが、崩壊の角笛が鳴り響く時。

盲目の銀を盲目のままに。』

 

……絶対さくらさんのことだろうなと思いつつ、なにもわからないと言ってその場を後にしました。

 

あと、ヴィヴィオが見送りに来てくれました。眠いと思うのだけれど、ちょっとふらふらしながら頑張っている姿は可愛らしい。

けれど今は割と危ない時期なのでちょっとだけ叱って、それから『何かあったらさくらさんを頼るように』と言い残して私は地上本部に向かうヘリに乗り込んだ。

 

「……なんだかすっごくなついてますね」

「そうだね。割と厳しい方だと思うんだけど、なんでかな? 普通フェイトちゃんの方に行くと思うんだけど……」

「きっと、なのはさんが優しいってわかるんですよ」

 

……もしもそうなら、子供って言うのはとても鋭いよね。

一応厳しくしながらできないことはやらせてないつもりだし、本当に限界ギリギリを責めてもいない。

なんでか私の魔法を見るのが好きみたいだけど、私は教導で必要な分以上は見せていない。

ヴィヴィオが魔法を使いたがっているのかどうかは知らないけれど、私の魔法は多少なりとも魔力集束ができないとちょっとばかり難しいからね。

 

「このままなのはさんの子供にしちゃったらどうですか?」

「あと一年くらい探して見付からなかったらそうするつもりだけど、その間に見付かったら説得する予定だよ」

「……納得しない気がするんですけど……」

 

ああ、やっぱり? 説得作業は大変そうだよね。

まあ、見付かるまでは私が責任もって育てるよ。保護責任者だしね。

 

……と、そういう話は置いといて……いったい地上にどんなことが起きるんだろうね?

私は一応中の警備に回してもらっているけれど、内部からのクーデターとかはまず無いそうだし……となると、来るのはやっぱり外部から。それも、向こうには優秀な召喚師が居るんだから、相手からの電撃戦になることは避けられないだろう。

ガジェットくらいなら本部の実働部隊なら問題ない。あの戦闘機人だって、チームワークと練度で三人か四人くらいならなんとかなるはず。

あの眼鏡の幻術師は厄介だから私が先に潰しておけばいいし、狙撃手は近付ければそこまで驚異でもない。問題は私にとっての新顔と、足から羽を生やす高速機動型の人くらいだけど……それもあんまり問題ないはず。

 

地味に相手をするのが面倒なのはあのモグラみたいな子だけど、その子もずっと地中に居る訳じゃないからなんとかなる。出てきた時にバインドかけて、そのまま高威力砲撃でおしまい……ってなるといいんだけどね。楽だし。

後はあの小さな融合機と召喚師の子。流石に新顔の事はわからないからなんとも言えないんだけど、わかってるだけでもこれだけ多く驚異がある。

ああもうまったく、困るよねぇ……。

 

まあ、それを何とかするために私がここに来てるんだけどさ。

 

地上本部に到着したヘリを降りると、そこには見覚えのある顔ばかりがいくつもいくつも並んでいた。

 

「高町臨時教導官に、敬礼っ!」

 

ザッ!と、全く同時に敬礼をされると同時に道ができて、その先には地上本部の現場指揮官が私に敬礼を見せていた。

ティアナやスバル達は目を白黒させていたけれど、ヴィータちゃんとヴァイス君だけはなんだか色々なものを諦めたような表情をしてはいたものの、普通に対応している。慣れたのかな。

 

私も一応慣れない敬礼を返して、その道を歩く。私は民間協力者なのに、なんで正規の局員であるはずのヴィータちゃんは私の後についてくるんでしょうか?

 

「こちら、地上部隊013部隊、部隊指揮を任されています、トゥム・ハンクス二等陸尉です。貴女方を歓迎いたします、高町臨時教導官」

「こちら機動六課、民間協力者フリークス1、高町なのはです。そしてこちらがスターズ1、八神ヴィータと、スターズ2、スバル・ナカジマ。スターズ3、ティアナ・ランスター。ライトニング3、エリオ・モンディアル。ライトニング4、キャロ・ル・ルシエです。歓迎を感謝します、ハンクス二尉」

 

……こらこら、向こうは直接のじゃないとはいえ上官なんだから、敬礼しなくちゃ失礼でしょ?

 

そう念話を送ると、慌てたようにフォワード陣は敬礼を返す。少なくとも私よりは綺麗だよね。子供とはいえ本職なんだし。

 

それからちょっと現場指揮官のトゥムさんを交えて作戦会議。緊急時には何故か私の指揮下に入ることになってしまった。

そんな権限は持ってないと反論しようと思ったら、先回りでレジーからの権利書が発行していてくれた。緊急時のみ、私は少将相当官だそうです。

 

……お給料も何故か出るそうです。いったいどんなごり押しでこの書類を通させたのか、聞くのが怖い気がしますが、一応聞いておくことに。

 

「どれだけごり押ししたのかな?」

「地上では高町臨時教導官は救世主です。ごり押しなど必要ありません」

 

どうやら本当に私は感謝されているそうです。それどころか、なんだか私の一派も存在するとか。

 

……気にしてなかったけど、びっくりです。

 

 

 

 

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