リリカルなのは~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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side 織斑 なのは(異世界)

 

しばらくはやてちゃん達をいじめて遊んでいたシュテルちゃん達でしたが、どうやら途中で飽きてきたらしく、ぽいっと私に渡してきました。

……とりあえず、さっさと楽にしてあげるのが一番だろうと思い、両手両足の爪がなく、両の耳と片方の眼球と舌をレヴァンティンに切り取られて失い、身体中の関節と言う関節をアイゼンで粉砕され、失血死しそうなところをクラールヴィントの糸で無理矢理血止めをされて生き長らえているような状態のはやてちゃんを抱き締める。

 

……流石の私も、この状態の人に追い打ちをかけようとするほど冷酷じゃないつもりだし。

 

半ば壊れたようなはやてちゃんをゆっくりと抱き締めて、少しずつ魔力を抜く。同時にシグナムさん達からも魔力を抜いて、レイジングハートにどんどんと集束していく。

 

「……ぁ……ぅ…………」

「……もう、大丈夫。私が貴女を助けてあげる」

「み……な……は……?」

 

……やっぱり、はやてちゃんははやてちゃんだね。こんな時でもシグナムさんやヴィータちゃん達の心配だなんて……。

 

「……大丈夫。みんなと一緒だよ」

 

「……ほん……か……うれ……なぁ……」

 

半ば潰されているらしい喉から、掠れた声が発される。まあ、確かに嘘は言ってないよね?

 

ゆっくりと、片方しか残っていない瞼を閉じて、はやてちゃんの顔をした闇の欠片は眠りについた。接触状態の私は、砕ける端からどんどん集束していく。

そしてはやてちゃんが終わったから、次はヴォルケンリッターで……最後にリインフォースかな。

 

私は、せめて最期には安らかに逝けるように、優しく彼女達を抱き締めた。

 

 

 

■ ■ ■ ■ ■ ■

 

 

 

全員を吸収し終えてから、私はやるべき事を模索する。

どうやらこっちの世界にも……存在は違うけれどシュテルちゃんやレヴィちゃん、ディアーチェちゃんは居るらしく、ついさっき産まれるのを……いや、話を聞く限りでは復活したって言う方が正しいのかな……まあ、復活したのを確認した。

 

……なんでさくらさんがシュテルちゃんやディアーチェちゃんみたいな姿になっているのかはなんとなくわかった。多分だけど、私達の世界で起きていた闇の欠片事件はもっと大きかったんだろう。それをさくらさんが大半を処理して、そしてその時にシュテルちゃん達が居たに違いない。多分間違ってないと思うけど……まあ、いいや。別に私は困らないし、そのお陰で姿は違えどさくらさんと一緒に働けるようになったんだから。

そう言うわけで、これからは敵対的な行為をされなければこっちもなにもしないと言うことで。わざわざ敵対しなくてもいいところを敵対するのは面倒だし、非効率的だからね。

 

……とは言うものの、敵対したところで大して困らないような人のご機嫌を伺ってまで仲良くしようとも思わないんだけどね。それこそ非効率的で面倒だし。

 

とりあえず今は大人しく魔力集束しながらの情報収集かな。今のところわかってるのは、

 

①『ここは異世界であり、時間的には過去である』

 

②『私の能力的には問題なく、普通に戦うことができる』

 

③『どうやら異世界から移動してきたのは私だけだが、時間移動者は他に六人いる。そのうち二人は何かを知っていそう』

 

④『闇の欠片再生中、こっちの世界ではシュテルちゃん達は【闇の書の構成体】と呼ばれているらしい』

 

⑤『私個人ならいつでも帰れるし、分身が残っていればまた来れる』

 

⑥『どうやらこっちの人達はお話にならないくらい弱いらしい。多分シグナムさんでも私の世界のヴィヴィオにぼろ負けする程度の実力しかない』

 

⑦『この世界にさくらさんはいない。その事から、私の世界から見てこの世界は多分平行世界の一つなんだろう』

 

⑧『アギトや狂気の提琴の召喚及び送還は可能。やってみたから確実』

 

……ああ、ついでに⑨『こっちの世界のお母さんのシュークリームより私の世界のお母さんのシュークリームの方が多分美味しい』

 

と、こんなとこかな。最後のは必要だったかどうかはわからないけど……まあ、さくらさんが異常を振り撒いてあの世界ができたって考えれば、そのさくらさんがしばらく住んでいた海鳴の人達が異常になっててもおかしくはないよね。

実ははやてちゃんだって結構な異常人だし、お父さんやお母さん達は言わずもがな。私の世界は異常で一杯です。

 

……私のせいじゃないよ? さくらさんが色々ばらまいたんだよ? ウイルス的な何かとか電波的ななにかとか。ワタシノセイジャナイヨ、ホントダヨ!

 

……ところで、いまちょうどフェイトちゃんとこっちの世界のレヴィちゃんが話をしてるみたいなんだけど……『砕けえぬ闇』って何だろうね?

正直に言って、闇が砕けるわけ無いと思うんだけど。

闇は光によって引き裂かれ、駆逐されることはあっても砕かれることはない。いつでもどこでも闇はそこにあって、光のある場所ではそれに塗り替えられているだけ。星の浮かぶ夜空を見ればよくわかると思うけど、いくら光が照らしても、闇は光の届かない場所に悠然と存在している。

 

……なんと言うか、光と闇の関係を考えると……こう、侵略しようとしてそれを成功させていると思い込んでいる者と、実際には何の被害も受けてなくて全く気にしてないおおらかな人……って感じだね。個人的には。

そう考えると闇ってなんだかさくらさんっぽいね。さくらさんの場合はあんまり五月蝿くするとブチ殺し確定モードに入って手がつけられなくなるけど、惨殺モードに入るまではそんな感じだし。

 

……それにしても、こっちの世界のレヴィちゃんはお馬鹿さんだなぁ……愛すべき馬鹿って意味でね。

なんと言うか、ちょっとだけ羨ましいかも。私はこんな風にひねくれて育っちゃったから、こうやって純粋無垢な子とかは見てて可愛いと思う。

 

……それでも、必要になればヤっちゃうんだけどね。

 

 

 

 

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