side 織斑 なのは(異世界)
現在位置はアースラの中、基本的に私は自室にはおらず、食堂等の人が集まるところで狂気の提琴を弾いていることが多い。
同時に索敵もやっているけど、探し当てるべきシステムU-Dは既に発見し、その上で改変を行っている始末。アースラ涙目ですねわかります。
まあ、仕事をしようとしても仕事のための観測機器が覗きの制裁として壊されちゃってて修理に暫く時間がかかる状態になってるし、仕方無いんだけどね。
「と言うわけで、皆にお知らせがあります。特にこっちの世界のマテリアルズには重要なことだから、しっかり聞いておいてね」
「わかりました」
「……その前に、何が『と言うわけ』なのか聞いてもええか?」
「別に聞くのは自由だけど私が答えるとは限らないからね? ノリで」
「答えとるやんか!? しかもノリ!?」
「五月蝿いぞ子鴉、少し静かにせんか」
「いやここは普通ツッコミいれるやろ!? なあなのはちゃん!」
こっちの世界のはやてちゃんがばっとなのはちゃんに振り向いた。
「え~? いいんじゃないかな~? ね~」
「ね~」
「ダメやなのはちゃんたち戻ってきてへん。うちがなんとかせな……ヴィータ、シグナム!」
ばっと振り向いたはやてちゃんの視線の先にあったものは!
「うにぅ……どうしたはやて~、なんかあったのか~?」
「いいではないですか~……」
「ヴィータ!シグナムまで!?」
ふっふっふ……この場にいるほとんどの存在は、既に私のナデホスキルの影響下にあったりする。
影響下に無いのはたった四人。こっちの世界のはやてちゃんと、クロノ君と、リインフォース。そしてアギトだけ。
さくらさん達は自分から受け入れてくれるから、私のナデホスキルでも通用する。……拒絶されたら効かないと思うけど、拒絶されたことは今まで一度もない。
「まあまあ、姐御のやることにいちいちツッコミ入れてたら疲れるだけだぜ? あたしも通った道だけど、慣れれば楽になるからよ」
「慣れたくないわこんな状況……と言うか、どちらさんや?」
「あたしか? あたしはアギトってんだ。姐御のデバイスやってる。初めのうちは同じようにツッコミ疲れてたんだが……なぁに、二年も付き合ってりゃ慣れもするさ」
そう言ったアギトは、なんだか遠い目をしていた。
「……苦労しとるんやね」
「……でも、姐御はいい人なんだぜ? 敵対した相手に対しては外道だし敵対してなかったとしても仲間は基本からかってくるし、色々と非常識だし、怒ると化物じみて怖いし、他人にトラウマ植え付けることが多かったりもするし、実は管理局に喧嘩を売られても個人で勝てる可能性が五割越えるような反則級の存在だけど……いい人なんだぜ?」
「なんやそれこわい」
「……凄まじいな……」
「……と言うか、まるで実行したかのような口ぶりだが……」
そこで四人は私の事を見て、それからすぐに目を逸らした。
「……どうしたの? 『確かにこの人なら管理局に本当に喧嘩を売って勝っちゃいそう』みたいな顔をしてるよ?」
「どんな顔やねん!?」
「そんな雄弁な表情筋など持っていないはずなんだが……」
「なんのはなしかわからないな」
「クロノ……だったよな? バレバレだ。姐御の直感なめんなよ」
いや、別に怒ってないけどね。
「それじゃあ話を戻すけど……見た方が早いよね。おいで」
「はい。失礼します」
そう言って普通に入り口から入ってきたのは、私の改造によってエグザミアの暴走を押さえられるようになったユーリだった。ただし、このまま放っておいたらまた暴走するようになるだろうけどね。
「こんにちは、紫天の盟主ユーリです」
「 」
「 」
「 」
正気組の三人はユーリのことを指差して口を開けたり閉じたりしている。なんとも面白い顔だけど、失礼じゃない?
「おお、ゆーりか。さあさあきさまもこちらにこい。わがとなりにすわることをゆるそうぞ」
「王様っ!? これはツッコミどころやで!? 」
「わ、我が主、落ち着いて……」
「これが落ち着いてられるかいな!ああもう何でこんな状況に」
「あ、それじゃあ失礼しますね、ディアーチェ」
「うむ、はやくすわるがよい」
「王様ぁぁぁあぁあぁぁぁっ!!?」
「我が主っ!? お気を確かに!」
「艦長、これはいくらなんでも不味いのでは……」
「べつにいいわよ~……おいしいわねぇ……ねぇ、えいみぃ?」
「そうですねぇ~……」
「艦長ぉぉぉぉっ!!?」
あっはっは、なんだか大変そうだね?
「なのはさんのせいやっ!」
「貴女のせいだ!」
知ってて言ってるからわざわざ言ってこなくてもいいよ。面倒だし、何を言われてもやる気はないし。
まあ、それはそれとして……。
「今は私がちょっと頑張ってるから暴走しないけど、今のうちにちゃんと制御できるようにしておいてくれる?」
「うむ、われにまかせるがよいぞ」
「おうさまさっすが~!」
「ディアーチェすごいです~」
わいわいと騒いでいるユーリ達を見て、はやてちゃんとクロノ君はお腹を押さえてうずくまってしまった。いったい何があったんだろうね?
「常識を捨てられない奴等の末路さ……あたしはああなる前に開き直れてよかったぜ。たまに再発するけど、他にツッコミがいればあたしは気にしないでいけるようになったし」
「よかったね、アギト」
「ああ」
アミタ・キリエ「え? 私たちの出番は……?」
悪いな、無い。
キリエ「うっそぉぉぉん!」