リリカルなのは~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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side 織斑 なのは(異世界)

 

現在、こちらの世界のディアーチェちゃんを説得中です。

どうもこっちのディアーチェちゃんは世界に喧嘩を売る気満々らしく、なんだか言ってることが過激に過ぎる。

自由を望むなら適当な管理外世界にでも行けばいいのに、こっちのディアーチェちゃんは逃げることは好かないと突っぱねている。

 

……ユーリが言うと迷いを見せるあたり、甘いよね。優しいって言うべきなのかな?

 

だけど、正直に言ってこっちの世界のディアーチェちゃん達じゃあ管理局をまるごと相手にして勝てるとは思えない。

こっちの世界のディアーチェちゃん達は確かに結構強いけど、私の居た世界のディアーチェちゃん……と言うか、さくらさんのように理不尽だと思えるほどの圧倒的な力は感じない。私の世界のユーノ君よりも弱いんじゃないかとすら思えるし、リシュとレジーはともかくとして……地上に勤め始めて二年くらい真面目に鍛えた武装隊員の方が強いんじゃないかと思うし。

 

……そう言えば最近トーレとセッテに会ってないなぁ……二人ともどれくらい強くなったか楽しみだね。

 

「そんなわけだから辞めておきなって。わざわざ滅ぼしたところで必要ない恨みを買うだけだよ? そんな面倒臭い上に非生産的な事はやめて、エルトリアにでも付いていったら? あの二人が管理局の存在を知らなかったことから言って向こうに管理局は手を出していない、あるいは存在してすらいないし、自由に暮らすだけだったら簡単だよ? ちょうどユーリの協力が欲しいって話もあるし……ね?」

「そうですよディアーチェ、一緒にエルトリアに行きましょう?」

「ぬぅ……しかしだな…………」

 

ユーリに上目使いで強請られたディアーチェちゃんはかなり揺らいでいたようだけど、それでもこっちの世界を攻めるのをやめるとは言わない。

……ほんと、困った王様だなぁ……。

 

「……それじゃあ、昔々から使われている方法で答えを決めようか。……負けた方が、勝った方の言うことを聞く」

「───ほう?」

 

あ、ディアーチェちゃんってばわるーい顔をしてるよ? ついでに私のことを侮ってるような空気が。

 

「いいだろう。貴様が勝利したならば、我は大人しくエルトリアに向かおう。しかし我が勝ったならば、貴様は管理局と戦う際に我が駒となれ!」

「いいよ」

「えぇっ!?」

 

ユーリから驚愕の声が上がったけど、私は負ける気は無いから安心していいよ?

 

「だ、ダメです!ディアーチェは強いんですよ? 魔力なんてSSランクなんですから!」

 

つまり、リミッター無しの私と同格だね。かなり多いじゃない。

はやてちゃんは確か……S+ランクだっけ? 凄いよねぇ……。

 

「それに、なのはさんの魔力は凄く少ないじゃないですか!これじゃあ一撃で落とされちゃいます!危ないですよぉ……」

「まあ、(対外的には)Eランクだからね。だけど、ランク差をひっくり返してこそ優秀な魔導師でしょ? 私の本職は菓子職人で、副業音楽家だけど」

「いくらなんでも差がありすぎます!八ランクの差はいくらなんでも……」

 

まあ、確かに普通は無理だよね。普通は。

 

「まあまあ見てなって。……そうそう、そっちはお仲間と一緒でもいいよ? 流石にユーリも一緒って言うのは勘弁だけど」

「……貴様は我を馬鹿にしているのか? よかろう、ジャガーノートの直撃を喰らわせてやるわ」

「そんな余裕があるんだったらどうぞ。あるんだったら……ね?」

 

……さて……と。レイジングハート。出力制限解除、及びこの世界に来てから今の今まで溜め込み続けて来た魔力を全部吐き出すよ。

こっちの世界の魔力を元の世界に持ち込んだら何が起きるかわからないし、こっちの世界の魔力はこっちに、私達の世界の魔力は私達の世界に持ち帰るよ。

 

『了解。デバイスリミッター解除。ジュエルシードシステム稼働スタンバイ……完了。いつでも行けます』

 

ありがとう。……それじゃあ行こうか。

 

 

 

 

 

side ユーリ・エーベルヴァイン

 

……なのはさんって、強いんですね。精神的にじゃなくて、実際に。

ディアーチェと無人世界で戦っているなのはさんの戦いを見て、私はそう思うことしかできていなかった。

 

烈火の剣精とユニゾンし、私の前で弾いていたバイオリンを持って戦い始めたなのはさんは、ディアーチェの行動をほぼ完璧に封殺していた。

射撃も砲撃も飛んでいる最中に分解されて魔力に戻り、そしてその魔力はなのはさんの物になる。

 

……こうやって私が『完成』するのを防いでいたと言うことはわかったけれど、こんなものは人間にできる領域を越えている。他者が今まさに操っている最中の魔力の支配権を奪い取るなんて……。

 

……なるほど、確かにこれならディアーチェの相手をして勝つこともできるでしょうし、シュテルとレヴィが一緒だったとしても全く歯牙にもかけないでしょう。

 

……例え私が行ったとしても、通じるかどうかわからない。暴走状態だったとしても封殺されてしまいそうだ。

『私に勝てないんだったら管理局にも勝てないでしょ?』と彼女は言ったけれど、彼女なら一人で管理局に勝ってしまうかもしれない。そう思った私は間違ってない……筈です。

 

……あ、ディアーチェのジャガーノートが分解されてしまいました。これで決着でしょうか?

 

 

 

 

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