リリカルなのは~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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side 織斑 なのは(異世界)

 

「そう言う訳で、ディアーチェちゃん達にはエルトリアでのんびり暮らしてもらおうと思います。それが嫌な人は手を挙げて教えてね。欠片も考慮しないから挙げるだけ無駄だけど」

「それ聞いても挙げる人なんておらんがな……」

 

こっちの世界のはやてちゃんはそう言うけど、私の世界ではそれでも何か言いたいことがある人は普通に手を挙げて質問したりしてたけどね。それに、ちゃんと理由があって嫌だって言っていた場合には原因を解決してから実行するなど手は打つし。

 

「はーい!しつもーん」

「はいレヴィちゃん。一応言っておくと、リアルでモンハンみたいな真似はできないこともないよ。ダンジョンみたいな遺跡もあるみたいだし、凶暴化した魔法生物も居るみたいだからね」

「やったー!」

 

レヴィちゃんは見た目相応の子供のようにぴょんぴょんと跳ねて喜びを全身で表している。

でも、はやてちゃんはどうしてか眉間を押さえて頭痛を堪えるような仕草をしている。どうしてだろうね?

 

「なんで考えてることがわかるんか、誰一人突っ込もうとせえへんのはなんでや? あのあははうふふ状態がまだ続いとるんか?」

「クロノの奴ならさっき血を吐いて退場してったぜ。胃に穴が空いちまったらしい」

「クロノ君……頑張ったんやな……」

 

あ、アギトとはやてちゃんが見つめる空(※天井です)にいい笑顔を浮かべたクロノ君がサムズアップしてる。

 

『……グハッ!』

「クロノくーん!?」

 

……あ、私と目が合った途端に血を吐いて消えちゃった。たーいへん。

 

「それでは、私からも一つ質問が」

「はいどうぞシュテルちゃん」

 

そんな状況を完全に無視して、シュテルちゃんが手を挙げる。私はすぐに横長の楕円形眼鏡(伊達)をかけてシュテルちゃんに振り向く。気分は学校の先生って所だね。

 

「エルトリアはどの時代のどんな場所にあるかもわからない場所だと聞きましたが、何故貴女はその場所のことをそこまで詳しく知っているのですか?」

「キリエって言うピンクのお嬢さんに聞いたから」

 

とりあえず……アリス・イン・ワンダーランドって便利ですよね。特に機械相手だと認識阻害から情報改竄までなんでもござれの超道具。人間の認識阻害に使うのが基本ですが、機械類を相手にした場合の方ができることが若干増えるようです。

……とは言え、元々視覚に働きかけて幻覚を見せるのが主体であって、微弱な電波を発して機械類や人間の感覚を狂わせるのは本領じゃないからね。こっちはこっちでかなり使えるけど。

 

「……ちなみに、キリエは?」

「隣の部屋で目を虚ろにさせながら『らんらんるー☆……らんらんるー☆……』ってずっと呟き続けててとても子供に見せられるような状態じゃなかったから青のお嬢さんに任せてきたよ。今ごろ甲斐甲斐しくお世話されてるんじゃないかな?」

 

まるで初めて私と出会ってさくらさんにお仕置きされた時のヴィータちゃんみたいだね★

あの時のヴィータちゃんは完全に敵対判定してたから手加減なんてあんまりしてなかったし、さくらさんの手でかなり酷いことになってたからあんまり記憶に残ってないんだけど……目は虚ろで光を映してない曇った硝子玉みたいな感じなんだけど、目許口許は虚無的ながらも笑みを湛えているっていう凄くニヒルな笑い顔だったね。

 

……言ってることは『らんらんるー☆』だし、かっこよくも羨ましくもなんともないんだけど。

 

「あの……私達はどうなりますか?」

「えっと……リリィちゃんだったね。多分ピンクのお嬢さんと一緒に時間移動してそれぞれのいた時代に戻ることになるんじゃない?」

「…………じゃあ、平行世界から来たなのはさんは?」

 

……そう言えば、私がここに居るのは時間どころか世界すらも越えたイレギュラー中のイレギュラーなんだったね。確かに帰れるかどうか不安に思ったりもするだろうけど、そこら辺は安心してくれていい。もう座標とかは覚えたからね。

……まさか四次元的な座標計算をやるようになるとは思わなかったけど、ちょっと頑張ったらできるようになったしね。公式も見付けたから、多分これを持ち帰って発表したら凄いことになるんじゃないかな?

 

……まあ、つまりそれで何が言いたいのかと言うと。

 

「私は自力で時間移動及び平行世界間転移魔法を使えるから問題ないよ」

「……………………はい?」

「……………………へ?」

「……………………わぁお……」

 

はい全員の唖然とした表情頂きました。

ちなみにこれはさっき作った魔法だけど、分身を使って実験は済ませてある。あんまりやりたくないけどね。この魔法魔力を馬鹿食いするし。

 

「そんなわけだから、また暇になったら遊びに来るかもね?」

「…………はぁ……姐御はやっぱすげえなぁ……あははははは……」

 

アギトが力なく笑っているけれど、他の全員はいまだに固まっている。

残念ながらこれは私用であって他人に使えるかどうかわからないから、アギトやレイジングハートは来た時と同じ方法……私とユニゾンしてユニゾンしている分身とユニゾンしていない分身を取り替えて帰ることになると思うけど。

ついでに、本体は向こうの世界にいるからこっちの分身を消しちゃえばそれで解決するんだけど、それだと楽しくないからね。

少なくともエルトリアには行ってみたい。エルトリアの存在する時間軸にはもしかしたら色々な未来あるいは過去のお菓子が存在してるかもしれないし。

 

「……ところで、キリエはいつになったら元に戻りますか?」

「暫くすれば戻ると思うよ? 前にやった時もそうだったし。……それに、いつもはあんな風に素直じゃない子が自分のやることに素直に従っている今の状況って……嫌?」

「…………………………………………………………。

 

 

嫌に決まっているでしょう!」

 

今の空白は何だろうね? まあ、実際適当に放置しておけば直ると思うけどね。

ヴィータちゃんもシグナムさんやシャマルさん達の介護で戻ってきたんだし、たくさん愛情をもって接してあげるのが一番の薬になるんじゃないかな。

ヴィータちゃんの件については、何もしないでも普通に聞こえちゃう状態だったので聞いてた。途中で寝たけど、朝起きた時にはもう元に戻ってたかな。

 

「愛情ですね、わかりましたっ!このアミティエ・フローリアン、気合いと根性と可愛い妹への愛情には自信があります!」

 

そう言うが早いか、青のお嬢さんことアミタちゃんは凄い速度でピンクのお嬢さんの居る部屋に向かっていった。

 

……元気だねぇ……

……若いって、いいねぇ…………。

 

 

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