side 織斑 なのは(異世界)
どうもどうもこんにちは、もうすぐ元の世界に帰ることになっている織斑なのは(ただしこっちでは高町なのはと名乗っています。隠しているわけではないのですが、聞かれることもないので)です。でも実は分身を置いておけばその時代になら移動できることがわかっているので、多分たまにこっちの世界にも来ることになるでしょう。
ちなみにその場合、私はこの世界でそれなりに暮らしていくつもりですが、翠屋のアルバイトでもしてみようと考えていたりいなかったり。
勿論偽名を使います。いつも向こうで使っている鷹牧桃華の名前を。
……そうだ、エルトリアの方にも分身を送ってみようかな。未だにキリエちゃんは私の姿を視界に入れて認識しただけでガタブル状態でアミタちゃんの影に隠れるようになっちゃってるし、こっちの世界のディアーチェちゃんは私に敬語を使ってくるようになってるけど…………問題ないよね?
「姐御。それは問題ないんじゃない。問題しかないんだ」
「えー? でも二人とも私の子守唄を聞いて私の膝で眠ってくれてしかも『お母さん』って呼んでくれたじゃない」
「その後ガクブル状態に戻ってたことを棚にあげんなよ」
でも、実際に私の子守唄で落ち着いてくれたし、私に寄りかかって寝てまでくれたんだけどね。
ちなみにこの時に一緒に寝ていたのは、さくらさんズ(イーストエッジ、サブラク、サウスバレイの三人)とこっちの世界の私達三人(なのフェイはや)、ヴォルケンズとリインさんとアギトとキリエちゃんとアミタちゃん、紫天の書の四人と未来組の四人。……要するに、その場に居たほとんど全員。勿論起床時の一言目はみんな揃って『お母さん』だった。『母さん』(これはフェイトちゃん)とか『母上』(紫天組のディアーチェちゃんとシュテルちゃん)とか『ママ』(意外なことにキリエちゃんと、普通にヴィヴィオ)とか『お母様』とか、色々バリエーションはあったけどね。
まあ、そんなわけで色々あったけれど、今はのんびり……
『次ですよ。秒間三十発を全て避けずに叩き落としてください』
『はい!』
「いやいや『はい!』じゃないよ私っ!? あんなの全部叩き落とせるわけ……」
『すぅ…………覇っ!』
「ってやっちゃったー!?」
「む……凄まじい鍛え方ですね……正直私でもまず勝てないでしょうが……血がたぎります」
「アインハルトさん!?」
……こんな感じで、私の世界の訓練記録なんかを見せています。
勿論見せているのはヴィヴィオの物だけじゃなく、はやてちゃんの物とか(はやてちゃんやヴォルケンズはひきつったような笑顔を浮かべていた)地上本部の武装隊の物とか(スバル曰くの『狂気的を通り越して最早猟奇的の域にある基礎固め』)、どうせ忘れることを前提に本当に色々。
ただし、クロノ君なんかにはちょっと不評ですけどね。明らかにオーバートレーニングだと言う理由だそうですが……実際にできちゃってるんだから問題ないでしょ?
「あっあっあっあっ!? 私がぼっこぼこに!?」
「……しかし、致命傷は全て避けています。それにボロボロなのはどうやら外側だけで、機動力などにはなんの問題も見受けられません」
「そりゃそうだろ、家の方のヴィヴィオは単発でお宅のなのはのスターライトブレイカーを越えかねない威力のディバインバスター・ファランクスシフトをボロボロになりながらも切り抜けてんだからよ。あのくらいじゃあ慌てもしねえよ」
「それ死にますよね!? そっちの私は大丈夫なんですか!?」
「聖王状態の時に全力全開・極大規模砲撃である『サンライトスレイヤー』を見てなかったら『ママは私のことが嫌いだからこうやって訓練と称して私を殺す気なんだ』って思ってたと思う……って言ってたぜ。ちなみにそのお陰で聖王の鎧を意識して引き出せるようになったらしい」
「凄いことになってる!?」
……元気だなぁ……と言うか、アギトの基準も随分とおかしくなってきた。これならもうすぐ私やさくらさんと同じ『非常識組』に入れるよ。よかったね?
それと、ヴィヴィオは学校に行きながらDASSインターミドルチャンピオンシップで優勝するべく頑張って修行しつつ、翠屋のお手伝いまでしてくれるいい子だからね。格闘型の才能はあんまり持ってないけど、それを努力と修行で克服しようとしてる非常識なまでの努力家だからね。
特技は他人の真似、最強モードは聖王状態でディアーチェちゃんを憑依させること。その状態だったら戦闘機人モードのスバルといい勝負ができるくらいには強くなる。振動とかが全部鎧で防がれるから、スバルにとっては相性がよくないんだよね。
……ちなみに私がやるときは、力尽くで鎧ごと撃ち抜くかもしくは関節技で。シュテルちゃんの場合は普通に撃ち抜くか殴り飛ばす。ディアーチェちゃんは掴んで振り回して遠心力で体内を攻める。レヴィちゃんはそもそもの鎧を無視して体を直接攻撃できるから鎧なんて纏うだけ無駄。
……やっぱりレヴィちゃんの防御無視は反則だよね。私の魔法封殺とか魔力収束とかも十分反則の域にあるって言うことはわかってても、やっぱり反則っぽいよね。
だってほら、防御無視で当たったらほぼ一撃必殺の技が何の前触れもなく広域に同時に展開されるんだよ? これはもう酷すぎるって言ってもいいはず!
まあ、そんなレヴィちゃんにも弱点はあるけどね。具体的には、戦闘続行能力は気違い染みて高いけど、自分の怪我を治すのはあんまり得意じゃなくて核金任せだから暫く攻撃し続けてれば一時的に行動不能にできるって事とか、痛いのには強いけど優しく撫でられたりするのには弱くてくすぐったがりだとか……とまあ、可愛い弱点が色々と。
そうは言ってもそんな弱点なんて外見からじゃわからないし、それがわかるようになるまでには結構長い時間が必要になる。
しかも結構個人的に密な付き合いをしないとわからないから、多分この弱点を知っているのは私達翠屋組くらいだろうね。
『アクセルアサルト……星群反転っ!』
『残念ですが、私の『星群』は追跡砲撃なのです』
『ちょ、それ反そきゃあぁぁぁぁぁぁああぁぁっ!?』
「私ぃぃいぃぃいいぃっ!?」
「今のは……旋衝破? しかし、受け止めると言うよりは受け流すと言った方が正しいような……」
「アインハルトさんはどうして平然と分析してるんですかっ!? 追跡砲撃なんて今まであり得ない技を見せられて私がボロボロなのにっ!?」
「ええ、ですから今のうちに対応策を……と」
「前向き!?」
……どうやら、こっちの世界の私の娘はとっても元気でアグレッシブな性格のようです。
はやて「え……ちょ……うわ~……何でこんなことされてわたしは逃げへんの? ……って、なんか後ろから砲撃の雨霰に追われとるで!?」
はやて「……あら、ザフィーラと向き合って……ってザフィーラのパンチ受け止めよった!? どんだけ鍛えたん!?」
はやて「……あ、みんな一緒になのはさんにボコられとる……なのはさん強すぎやろ……」