リリカルなのは~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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27~後日談・海鳴~

 

 

 

 

side 高町 なのは

 

こんにちは。普通の小学三年生と一緒に魔法少女をやっている、高町なのはです。

最近、何ヵ月か前に倒したはずの闇の書の構成体(マテリアル)が突然復活したり、次元世界のどこかからやって来たキリエさんの行動を始まりとした大事件が起きてから一日。

 

…………早くも私の記憶封印が一部解けて無くなりました。原因はわかりきっています。

 

「なんでなのはさんがここにいるんですかっ!?」

「え? なのは? 私は【鷹牧桃華】ですよ?」

 

にっこりと笑顔を浮かべてそう言うその人の顔は、どこからどう見ても私本人と言えそうなくらいに私と同じ顔をしていた。

そして私は、この翠屋のエプロンをつけている新しいバイトさんに凄く心当たりがある。

 

『……それで、どうしてここにいるんですか?』

『平行世界間移動魔法を使えるから。『また来るよ』って言ったよね?』

『だからって普通事件から三日も経たないうちに世界の壁を越えてやってきたりしませんよね!?』

 

私は目の前でにこにこと笑っているなのはs……『桃華さん』に向けて念話を使って叫ぶけれど、『桃華さん』はどこ吹く風と受け流しているようで全く堪えた様子が無い。

 

『世間一般の普通がそうだったとして、世界の全てがそれに従わなくちゃいけない訳じゃないよね? 実際従ってないし、常識は遥か彼方に投げ捨てる物だって教わった私がそんなものに従うと?』

『思いません。思いませんけど一つだけ言わせてください。……じょうしきだいじに!』

『しかしももかはひるねをはじめた!』

『ドラクエとポケモン夢のコラボ!?』

 

なんだかバッジの力で言うことを聞いてくれるレベルの外のポケモンを貰っちゃった気分!そんな経験一度もないけど!

 

『……こっちの私は寂しい小学生時代を過ごしてるんだね……よしよし』

『……撫でないでください。それに、寂しくなんて無いです』

「よーしよしよしよし……」

「だ、だからなでにゃいで……はふぅ…………」

 

……はぁ……まあいっかー。……ももかさんがきててもわるいことなんてないし~……。

 

「あら、なのはと桃華さんはもう仲良くなったのね?」

「そうみたいですね。似た者同士っていう共通点もありますし、仲良くなるための話題には事欠かなかったせいでしょうか?」

「そうかも~」

 

……あ。もうがっこうにいかなきゃいけないじかんだ~。ちこくなんてしたらありさちゃんたちにしんぱいかけちゃうし~……。

 

 

 

 

 

side 織斑 なのは(分身)

 

緩んだ笑顔を浮かべたまま学校に行こうと準備をしているなのはちゃんを、私と桃子さんはそっくりな笑顔を浮かべながら眺めている。

こんな朝から私が翠屋に居る理由は、新しく入ったバイトさんとしてよく翠屋を使うオーナー一家に顔見せをするためだったりする。

 

「ごめんなさいね、こんな朝早くから呼び出しちゃって……」

「いえいえ、仕事が見付からなくて困っていた私を雇ってくれた恩人のお願いですから。大体の事は聞いちゃいますよ」

「そう? でも気にしなくっていいのよ?」

「私が、桃子さんのお願いを聞きたかったんです。それに、私とそっくりだと言っていた娘さんの顔も見てみたかったと言うこともありますし」

 

もう知っていたということは言わないでおいて、私はにっこりと笑顔を浮かべながら『桃子さん』の言葉に返す。私の笑顔の仮面はかなりの厚さを持つし、それでいて自然だからまずバレない。

今までにこの仮面がバレたのは……アリサちゃんとすずかちゃんくらいかな? お母さん達の前じゃあ笑顔の仮面なんてほとんどつけないし。

すずかちゃんやアリサちゃんの場合、悩み相談とかの時にこういう仮面が役に立つ。すずかちゃんが吸血鬼一族の末裔だって言うのを私とアリサちゃんに話そうとして話せなくって困ってた時とか、そのすずかちゃんの躊躇いを感じ取りながらも何もできない自分に憤りを感じていたアリサちゃんの愚痴を聞く時とか……なんと言うか、微笑ましいんだよね。

お互いがお互いの事を大好きなのに、現状の関係が壊れてしまうことを恐れるすずかちゃんと、大好きだからこそもっと近付いて行きたいと願うアリサちゃん。そして私はその二人の緩衝材として、二人の相談に乗ってきた。

 

すずかちゃんには、私とアリサちゃんはどんな話を聞いてもすずかちゃんの友達だと励まし、そして話があるんだったらすずかちゃんの方で心が決まるまで待つ、でもアリサちゃんも心配してるみたいだから急いで、でも焦らず、後悔しないようにと発破をかける。

アリサちゃんには、すずかちゃんも迷ってるから今はまだ待っていてあげてほしいと言うことを話してゆっくりと感情に蓋をしてもらう。

 

……ちなみに、すずかちゃんの相談を受けてから数日後。私とアリサちゃんはすずかちゃんの家に呼ばれて吸血鬼一家の末裔だと言う話を聞きました。

アリサちゃんはちょっとビックリしながらも普通に受け入れて、そして私は耳がよかったので普通に知っていたと言うオチで、それから私達はそれまで以上に仲のいい友達になれたと思います。

 

……じゃなかったらいくらなんでもそういう関係にはならないと思いますし。

 

……さてと。それじゃあお仕事お仕事。取り敢えず掃除とレジ打ちですね。今日も頑張りましょう。

 

 

 

 

 

~その頃のなのは~

 

「おはよ~ありさちゃん」

「おは……なのは? なんでそんなにゆるゆるなのよ? あんまりぽけっとしてるとぶつかるわよ?」

「だいじょ~ぶだよ~?」

「大丈夫に見えないんだけど……」

 

ありさちゃんってばしんぱいしょうだな~。あはははは~。

 

 

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