リリカルなのは~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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28~後日談・エルトリア~

 

 

 

 

side ロード・ディアーチェ

 

エルトリアにやって来た我等の目に入った物は、話に聞いていた通りの毒の海と…………

 

「あ、遅かったねディアーチェちゃん」

「だから!何故!貴様が!ここに居るっ!!?」

 

……我が天敵、異界からの来訪者……その名を高町なのはと言うその者が立っていた。

 

「どうやって来たか? 簡単だよ、ディアーチェちゃんじゃなくってユーリのポケットに小さい分身を入れといて、それを目印に世界間移動をしただけだよ」

「それだけのことをやっておきながら『だけ』で済ますでないわっ!」

「……また、理不尽な……」

「なのはさん、すごいですー」

「ユーリも『すごいですー』で済ましてよいことではないと言うに!」

「でも凄いや魔王様っ!」

「レヴィぃぃぃいいぃぃぃぃっ!!」

 

この非常識かつ異常な事態を『凄い』の一言で済まそうとするユーリとレヴィにツッコミを入れ、それから我が天敵に向き直る。

我が天敵はニコニコと笑いながら我を見ている。その姿からはどうしてもあれほどの戦力を保有しているとは思えないが、その事実を知っている身としてはそれを窺わせることのないその笑顔がひたすらに恐ろしいものに見えてしまう。

後ろでは桃色がカタカタと震えながら青色の後ろに隠れ、青色はそんな桃色をよしよしと優しく撫でて落ち着かせようとしている。

……効果はあまり無いようだが、震えがほんの僅かだけ小さくなったように見受けられる。

 

「……あははは、やっぱりこういうのを見ると悲しくなるね。私としては戦いの後で遺恨が無いなら仲良くしたいんだけど、いつもちょっとやり過ぎちゃうみたいで……」

「……ちょっとではない、かなりやり過ぎだ」

「ディアーチェちゃんの敬語もちょっとショックだったんだよ? 笑顔の仮面は得意だから外には出てなかったと思うけど」

 

だから、今みたいに普通に喋ってくれるのが嬉しいと、我が天敵はそう言った。

 

「ところで、再会祝いにケーキ食べる? さっき引っ越し蕎麦の代わりにエルトリア全域に配り歩いたんだけど」

「どれ程前に来ておるのだお前はっ!?」

「来てから今まで三十分は過ぎてないよ」

『早っ!?』

「わーいケーキだー!」

「頂いても大丈夫なのでしょうか……?」

「大丈夫だよ。ほらこっちにおいで」

 

そう言って我が天敵はいつの間にかそこにあったテーブルとイスを我等にすすめてくる。本当にいつの間にあそこにあったのだろうか……。

我がそんな疑問を持っている間に、レヴィとユーリはとてとてと天敵の元に走っていってしまう。……ええい、緊張感の無い……。

 

「ディアーチェちゃんは来ないの?」

「行かんわ!」

「私は行きますが……」

「シュテル!?」

 

なんと、シュテルまで天敵の元に行ってしまった。

シュテルは普段通りの無表情で天敵の隣に座り、そして用意されたチーズケーキ(甘さ控えめ)をつつき始めている。

 

「ディアーチェちゃんは来ないの?」

「来ないようですね。仕方ありませんし、ディアーチェの分は私が……」

「えっ!? 王様来ないの!?」

「こんなに美味しいのに……」

 

レヴィとユーリがパクパクモグモグとケーキを頬張りながらそんなことを言うが……うぅ……。

 

「と言うか、シュテるんずるいぞー!僕だって食べたいんだぞー!」

「では、分けて食べましょう。私と、ユーリと、レヴィの三人で」

「あ、それでは私も……」

「貴様っ!」

 

なんと青いのまでもがケーキの魔力に引かれて行ってしまった。桃色も青いのの影に隠れながらも着いていっている。

ぐ……ぬぬぬ……っ!

 

「……ええいわかった!我も食べる!待っていろ!」

 

我がそう言うと、少し落ち込んでいるような空気を纏っていたユーリとレヴィが突然明るくなった。シュテルの表情も……若干緩んでいるように見える。

そして我が天敵も、それはそれは美味そうな『ガレット・デ・ロワ』を手にしたままにっこりと我を招いている。

 

我はその誘いに乗るべく、ずんずんと歩いてユーリのもとへと向かって行くのであった。

 

 

 

 

 

side 織斑 なのは(分身その2)

 

ディアーチェちゃん御一行をお菓子で釣ることに成功し、なし崩しで私はエルトリアに根を下ろすことに成功しました。

初めの内は色々と(主にケーキやクッキーなどのお菓子の材料の入手に)苦労しましたが、今ではどうにか定期的にエルトリアで小麦等を入手することに成功しています。

具体的な方法は……ほら、同じ平行世界の違う時軸に意識を共有した私が居るわけだから……平行世界間転移魔法を応用して時間移動くらいなら簡単に……。

 

ちなみにその話を聞いた時のディアーチェちゃんは『聞くんじゃなかった……』と言う色がありありと現れたような、苦虫を数千ほど纏めて噛み潰したような物凄い表情を浮かべていたとだけ言っておく事にします。

ユーリやレヴィはいつも通りに『なのはさん凄いです~』や『凄いや魔王様!』で終わらせたのに、あんまり常識なんかに囚われてるからこんなことになっちゃうんだよね。やっぱり常識なんかに縛られてちゃ駄目ってことだよね!

 

「アホかぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

突然ディアーチェちゃんが私に向けてエクスカリバー(軽いツッコミ)を入れてきたけど、私は弾指で出した音に魔力結合分解と衝撃・付加能力増幅を重ねて掛けて相殺。全くもう、私じゃなかったら大変なことになってるよ?

 

「貴様以外にこんなことはやらんわっ!あと常識は捨てるなっ!」

「人生において常識以外に捨てていいものなんて処女と童貞の他にあるの?」

「しょっ……」

「? なのはさん、『しょじょ』ってなんですか?」

「ユーリ!?」

「女の子の一生に一度しかあげられない大切なものだよ。ユーリも大切な人にあげられるように、大事にするんだよ?」

「貴様も何を答えている!間違ってはおらんが致命的に情報が足りておらんだろうがっ!」

 

これで間違ってはいないんだけどね。おかしい所なんて何一つ無いよ?

 

「貴様……ん? どうしたユーリ」

 

……あ、面白いことになりそう。ルシフェリオン、映像記録をお願いね?

 

くいくいとディアーチェちゃんの服の裾を引っ張るユーリに、ディアーチェちゃんが振り向く。

そしてユーリは……。

 

「ディアーチェっ!私の『しょじょ』をもらってくださいっ!」

「ごべばっぶふぅっ!?」

 

……予想通り、とても面白いことになった。と言うかディアーチェちゃん、顔真っ赤。

 

「誰のせいだと……っ!」

「……ダメ……ですか? ……ディアーチェは……私のこと…………キライ……ですか?」

 

……この後、ディアーチェちゃんがどういう反応を返し、どうしたのかは……また今度会ったときにでも……♪

 

「未来永劫話させんわっ!ジャガーノートっ!」

 

おっと、危ない。(指パッチンで撃墜)

 

 

 

 




 
今回ばかりは最初に言っておきます。

ワッフルされてもディア×ユーリとか絶対やらねえから!織斑なのはによるディアユーシュテレヴィロリハーレムとか絶対書かないから!
今書いてるなのすずアリサ物もあるし、これ以上は毎日更新にさし障るから!と言うかもうさし障っててしばらく書きに徹しますから!

だからほんとワッフルすんなよ!絶対すんなよ!? 約束したからな!!?

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