リリカルなのは~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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異伝7 その51

 

side 高町 なのは

 

結局、フェイトちゃんはギリギリのところで負けてしまった。

シグナムさんもかなりぼろぼろになっていたけれど、それでも致命傷は一つも負わずにフェイトちゃんをその剣で捉えて見せた。

 

私と別れた時よりもさらに鋭さと速さを増していたフェイトちゃんも、そのフェイトちゃんを捉えたシグナムさんも凄いと思う。

特にフェイトちゃんは、前にちょっと話しただけの『円錐状のシールドを自分の前方に張って、そのまま高速で突撃。ギリギリで避けられて反撃されそうになったら相手が避けた方向に魔力刃を突き出してカウンターをして離れる』何て言う荒業を本当に物にしちゃってるしね。

さくらさんと適当に言ってたうちの一つで、私には速度が足りなかったからできなかったんだけど……フェイトちゃんには速度も近接格闘能力もあるからできたんだろう。今の私でもちょっと無理かな。

 

シグナムさんは敗北して魔力を抜かれ、ぐったりと気絶しているフェイトちゃんをお姫様だっこで抱えたまま地面に降りていく。

たしかあの世界には魔力を持った大型肉食生物が居たはずだから、早く拾いに行ってあげないと危ないよね。

 

そんなわけで緊急転移。ゆっくりと降りていくシグナムさんの目の前に転移する。

シグナムさんは急に現れた私を見て、左腕にくてっとしているフェイトちゃんを抱えて私にデバイスを向ける。

そんなシグナムさんに、私はレイジングハートを下ろすことで戦意が無いことを伝える。シグナムさんは訝しげな顔をしているけれど、もしかして私はシグナムさんやヴィータちゃん達に戦闘狂とか砲撃魔とか鬼畜残虐無情外道の大魔王とか思われていたりするのかな?(8割方正解)

 

「戦闘の意思はありません。フェイトちゃんを引き取らせて頂ければ、シグナムさんはここからすぐに逃亡して頂いて結構です」

「……そう言われて、騎士がおめおめと逃げ帰ると?」

 

シグナムさんは好戦的な目で私を睨み付ける。けれど私はその視線を受け流して、笑顔を浮かべる。

 

「貴女が、貴女の主を大切に想っているのであれば、そうするでしょうね。貴女一人では私に勝てるかどうかは怪しいところですから」

「……ほう? 随分な自信だな?」

「ええまあ。上手くやれば戦術的な勝利を拾うことはできるでしょうね。例えば━━━」

 

『八神はやて』という娘に話をしてみるとかね?

 

最後の部分だけを念話で伝えた瞬間に、シグナムさんから殺気が迸り、私の全身を貫く。

まあ、このくらいならさくらさんの狂気やら覇気やらの方が断然凄いので大したことは無いけれど、やっぱりちょっと重苦しい。

 

「一応言っておくと、あの娘の事は私くらいしか知りませんし、誰にも伝えていないです。そして伝える気もありません…………今は……ね?」

「……何が望みだ」

 

シグナムさんは私を睨み付ける眼力を強め、まるで私が脅迫しているかのような発言をする。

私は別に脅迫なんかする気もしているつもりも無いけれど、どうして勘違いされるんでしょうか?

 

けれど私はそんなことを一切気にせず、要求する。

 

「だから、さっさとフェイトちゃんを渡して帰ってください。主を守るためにだったら、敵前逃亡がどうこうと五月蝿い騎士道精神もなんとか黙らせられるでしょ? 戦うならまた今度、シグナムさんが元気な時にやりましょう」

 

にこにこと笑顔を浮かべながら、ゆっくりとシグナムさんに近付いていく。

流石にレイジングハートはアクセルモードのままだし、警戒も怠ってないけど………まあ、フェイトちゃんに対する扱いは丁重なものだったから多少の信用はして

 

後ろから迫ってきた仮面の人にフラッシュバスターを撃ち込む。けれどどうやら二回目は通用しなかったみたいで、左腕くらいにしかダメージは通っていない。

そして即座に離れた仮面の人に、何重ものバインドをかける。

そのバインドはすぐに解除されてしまうけれど、それでも一瞬の時間稼ぎにはなったので、その隙に鳩尾にソニックシューターを81発。一点集中させるだけで簡単に威力アップが期待できるいい魔法だよね。

結構な量をシールドで防がれちゃったけど、それでもかなり削ってやった!

 

「……悪いんですけど、下に降りてフェイトちゃんのこと頼めます?」

「……いいだろう」

 

シグナムさんは私の言葉に何か(怒りの波動)を感じ取ったらしく、素直に下に降りていった。

さてと。心配事も少なくなったことだし、目の前の厄介事から片付けちゃおうかな。

 

………もうちょっとで新しい交遊関係が開拓できるところだったのに……。

 

私はとりあえず、仮面の人にクイックバスターを撃ち込んだ。

 

ちなみに、フラッシュバスターは射程と持続性を犠牲にしての隣接距離の高速砲撃。ラピッドバスターは威力と射程を僅かに削って連射に重点をおいた弱砲撃。クイックバスターはラピッドバスターと同じく、威力と射程を削って発射までの速度を上昇させた砲撃だったりする。基準はディバインバスター。

場面によって使い分けることで、私はそれなりの戦闘をすることができる。

 

……まあ、実はまだこういう技の一番凄いところには触れてないんだけど………それについてはまた今度♪

今は、あの仮面の人に射撃の弾幕で踊ってもらうことに忙しいからね。

 

…………フフフフ……逃がさないヨ?

 

私は、マジギレさくらさんによく似た狂気に満ちた笑顔を浮かべた。

さくらさん曰く、イカれた束姉さん笑い、らしいけど……自分でやってみると結構楽しいかも。

 

 

 

 

 

異伝7 その52

 

side 高町 なのは

 

開けた場所での私の知覚範囲(音を聞き分けて何がどうなっているのかを理解できる距離)は大体10キロメートルです。

それだけ広い範囲のことがわかれば、当然多少の壁や何かの向こうで行われていることがどんなことか予想を立てたりすることもできますし、機密情報を聞き取ることだってできちゃったりします。

 

何が言いたいのかと言うと、あの仮面の人にひたすらフラッシュバスターを連射し、ボロボロになったところでまたフラッシュバスターを連射し、ついでにフラッシュバスターを撃ち込み続け、全身がぼろ雑巾のようになっても撃ち込み続け、気絶しても撃ち込み続け、地に倒れ伏しても撃ち込み続け、最終的に私の魔力の半分くらいを消費したところでやめ、その理由を聞かれて、別にあの仮面の人の体が心配になったとかじゃなく、そろそろ反撃もできなくなっただろうとあたりをつけたからだと答えた私に対する評価が『鬼畜砲撃神TAKAMACHI』になっていることはわかっているし聞こえてるってことです。

 

……誰が言い始めたかも………ね?

……くすくすくすくす………♪

 

……まあ、別に報復したり無駄に砲撃したりわざと巻き込むように砲撃したりすることは無いですが。

それに私は砲撃は嫌いではありませんが好きでもないんですよね。みんな勘違いしてるような気がしますけど。

 

ついでに、私のことを睨み付けていた猫さんはもう一人の猫さんと同じ、怯えた目で私を見るようになりました。いったい何があったんでしょうね? 一般的ではないにしろ、ただの小学三年生の私にはよくわかりません。

ただ、元から怯えていた猫さんとは違って怯えながらも気丈に振る舞おうとしていて……こう、無害な小動物が捕食者においつめられた時のような必死な抵抗を見ているような気分になります。

 

ユーノ君とクロノ君にそう言ってみたら、なんだか恐ろしいものを見る目で見られてしまいました。

でも、必死な小動物の抵抗って……見てるとなんだか悲しくなってきますよね? 特に、抵抗する相手が自分の時は。

 

ちなみに、さくらさんのお姉さんの一人は苛めるのが大好きで、もう一人は苛めるのも苛められるのも大好きだそうです。

………その趣味はどちらもちょっと理解できませんけど。

 

私がまるで恐怖の大王みたいに扱われているなんていうどうでもいいことは置いておいて、シグナムさんに返してもらったフェイトちゃんのことを話そうと思います。

 

フェイトちゃんは今は目が覚めていて、シグナムさんに負けちゃったことを悔しがっています。

魔力をたくさん抜かれて魔法が使えないようになっていたみたいで、まだ暫くはリンカーコアを休ませてあげた方がいいみたいだとアースラの医務官の人が言っていました。

 

そんなわけでフェイトちゃんはお休みなのですが……フェイトちゃんのデバイスであるバルディッシュが改造希望を出しているようです。

そしてそれに便乗してレイジングハートも改造希望らしいのですが……ここで改造されたらこの先一生レイジングハート経由で管理局から監視されそうな気がするのは気のせいでしょうか?

 

………ちなみにレイジングハートが改造してほしい理由は、私の役に立ちたいと言うことと……狂気の提琴に対するちょっとした嫉妬が原因のようです。

 

……レイジングハートってば、いつもはクール系お姉さん型秘書さんみたいな感じなのに……可愛いなぁ♪ デバイスなのに、どうしてこんなに可愛いんだろう?

………もしかして、デバイスだからこそ可愛いのかな?

 

まあ、なんにしろ嫉妬するレイジングハートは可愛いねってことです。

 

フェイトちゃんの話からずれちゃったので、戻します。

フェイトちゃんはシグナムさんとの再戦に燃えていて、可愛らしく気合いを入れているみたいです。アルフさんもアルフさんで次こそフェイトちゃんを守ると言って、フェイトちゃんと同じようにぐっと握り拳をつくって気合いを入れているようです。

私としてはフェイトちゃんにもアルフさんにも、頑張ってほしいですね。

 

……私は私で動いています。なんだかこの闇の書事件の裏で何かが動いているような、そんな気がして仕方がないためです。

とりあえず、次にあの仮面の人が私の前に現れたら放置しないで捕まえてみようと思います。

 

それと、すずかちゃんから新しく『はやてちゃん』という女の子の友達のことを聞きました。なんてちょうどいいタイミングでしょう。今度接触してみることにします。

もうすぐクリスマスですし、サプライズパーティーとでも言えば呼んでも向こうに行っても変には思われないでしょう。

むこうの態度によっては空気が最悪になる可能性もありますが、すずかちゃんが言うには『はやてちゃん』は性格が穏やかで周りに迷惑をかけたがらないらしいので、多分『はやてちゃん』には内緒で動いているはず。

と言うことは、シグナムさんやヴィータちゃん達はその事を『はやてちゃん』には知られたくないはずだし、少なくとも『はやてちゃん』がいる場所ではそれを外に出すことは……無いと思います。

 

………自分で言うのもどうかと思いますが、やっぱり私は性格が悪いんでしょうか? 敵対者に対しては容赦とかそういったものを無くしているだけなんですけど……。

 

 

 

 

 

異伝7 その53

 

side 高町 なのは

 

音楽に触れていないと、心がひび割れていくような気がします。

そしてそのひび割れから悪意が流れ込み、私の心を荒ませて行くんです。

つまり、私の性格がこういった事件の時にだけ悪くなる原因は、音楽に触れられないこと。転じて事件を起こす人のせいなんですね。よくわかりました。

そう言うわけで、私があの仮面の人を砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して、砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃して砲撃しても……………別にいいんだよネ?

 

……大丈夫、痛いなんて感じるのは一瞬だから……すぐにそんなこと感じなくなるから………。

 

……あははははは………あはははははははは………♪

 

「なのはちゃん。怖いから戻ってきて?」

 

すずかちゃんに軽くツッコミを入れられ、私は現世に戻ってきた。どうやら私の演奏中毒は末期に近いらしい。

アースラでは狂気の提琴は使えないし、歌うと魔力を乗せちゃって計器が狂うとかそんな理由で歌えないし……ああ困った。困ったなぁ……。

 

まあ、いいや。それについてはアースラがいなくなってから演奏して発散しよう。それまで我慢できるかはわからないけど、やるだけやらなくちゃ。

それまでは、暇な時間にレイジングハートに頼んで演奏用の演習を組んでもらって……それでなんとか持たせよう。

 

………それはそれとして、すずかちゃんやアリサちゃん、フェイトちゃんをその気にさせて、『はやてちゃん』にサプライズプレゼントをすることにした。

すずかちゃんが言うには、『はやてちゃん』は今は病院に居るらしい。何が悪いのかと聞いてみると、時々胸のあたりが酷く痛むんだとか。

そしてその原因は不明。同じく、足が動かないらしいんだけれどその理由も不明。

 

………って、これって多分原因はリンカーコアの方だよね? 胸が痛むのに痛んでいる部分が見当たらないって言うのなら、ほぼ確実に。

 

そう言えば、リンカーコアって体のどこにあるんだろう? 心臓の辺りにあるって言うのは感覚的にわかるんだけど……実際にどこと言われると困るよね。解剖しても多分見えないし。

 

まあ、そういう関係ない話はどこかその辺にほっぽらかして。ユーノ君やクロノ君に面倒なことは投げ出して、前に進もう。

私は私らしく、演奏して歌ってお菓子作りのお勉強をして、未来の翠屋二号店の店長さんになるんだから。

それに、ユーノ君は無限書庫で夜天の魔導書のことを見付けてきたし、クロノ君も色々裏のことに気付き始めたみたいだし………適材適所だよね。うん。

 

と、言うことで。

 

「「「サプライズ・プレゼント~♪」」」

 

……ああ、シグナムさんや……名前を知らない金髪のお姉さんのぽかーんとした顔が面白い。

でも、ヴィータちゃんには凄く睨まれてます。ちょっと怖いや。

 

『な、なのは!? なんでビックリしてないの!? 探してた人かこんな近くに……』

『うん、予想してたからね』

『えぇっ!?』

 

……フェイトちゃんって、どうしてこんなにも普段と戦ってるときとの差があるんだろう?

あわあわとしていたフェイトちゃんの頭を撫でて落ち着かせて、それから私のことを睨み付けてくるヴィータちゃんとシグナムさん、金髪のお姉さんの三人を笑顔で見回す。

 

はじめまして(・・・・・・)

「……ああ。はじめまして」

 

……意味はちゃんと伝わったみたいで、よかったよかった。

それじゃあ、お話はちゃんと楽しんでからにしようかな。

 

 

 

 

 

 

異伝7 その54

 

side 高町 なのは

 

少なくとも私とアリサちゃんとすずかちゃん、そしてはやてちゃんは楽しんだであろうサプライズパーティーの終わりから少し過ぎて、今は真夜中。私の隣には完全復活を遂げたフェイトちゃんが居て、目の前にはシグナムさんとシャマルさんが立っている。

 

……うん。初めて……と言うか、二回目に会った時のフェイトちゃんとおんなじ目をしてる。こういう目をしている人は、自分のやるべきだと思っていることをどうしてもやり遂げようとするから引いてくれないんだよね。面倒だけど。

 

「……話があるんですけど………聞く気あります?」

「無い」

 

シグナムさんに一瞬にしてずばっと切られてしまった。どうやら本格的に面倒なことになりそうだ。

今もヴィータちゃんが空の上でカートリッジを使って私に突撃しようとしてるし、シグナムさんもシャマルさんも、どう考えても友好的な態度じゃないしね。

 

そんなわけで、レイジングハートを起動。事件が無いときはあんまり構ってあげていないせいか、事件の時にはいつもより頑張ろうとしてくれるんだよね。

そして空中から飛びかかってくるヴィータちゃんに顔を向けて、大きく息を吸い込み………叫ぶ。

 

「おぉぉりゃあぁぁぁっ!」

「La…………♪」

『ポイントプロテクション』

 

三つの音が同時に響き、それぞれの効果が起きる。

 

ヴィータちゃんのハンマーは私の鳩尾に迫り、レイジングハートによって小さく固く張られたプロテクションに受け止められた。

そして私の隠し技の一つ、声圧砲がヴィータちゃんの全身を貫いた。

 

私の声圧砲は、簡単に言えば物理的な振動だ。

その振動の幅を大きく大きくすることで、相手の全身に等しく衝撃とダメージを与えることができる。

それはもちろん内臓にもダメージを与え、普通なら飛ぶことも動くこともできなくなるんだけど………ヴィータちゃんはげほげほと咳き込みながらも私を睨み付け、浮いている。

 

喉の強化をしないと私の喉がつぶれてしまいそうになるこの技は、様々な使い方がある。

 

前方、私を頂点とした円錐形のみに被害を与えることができるようにした‘拡散集束’。

前方、全く散らさずに一点に集束し、その場所のみならアースラの装甲版程度なら粉々にできるようになっている‘集束’。

ただ広がるままに任せ、周囲に衝撃を与える‘通常’。

全体に均等にダメージを与える‘拡散’。

その他にもいくつかあるけれど、ここでは何も言わないでおく。

 

今回上げた四つの中で、ヴィータちゃんに向けて撃ったのは‘拡散集束’。それなりに効果範囲が広く、それなりに威力のあるそれは……まあ、ちょっとしたブロック塀くらいなら簡単に壊せてしまう程度の威力はある。

欠点は、媒体が同じだからノイズィソングとの同時使用ができないこと。そして狂気の提琴と違って点での攻撃ではなく線、あるいは面での攻撃になってしまうこと。最も酷いのが、あまり高威力のものを連射すると暫くまともに声が出せなくなってしまうこと。最悪潰れてしまう。

 

そんなわけで、うまく効果範囲を小さくして威力を上げた狂気の提琴の方が数段使いやすい。

威力も‘集束’の声圧砲とあまり変わらないくらいまで上げられるし、連射速度、効果範囲の操作などなど、使い勝手の良さは狂気の提琴の方が勝っている。

 

………アースラのお陰でここ最近は使えてないけどね!

 

ちなみに今回の声圧砲は、ヴィータちゃんの安全を考えて威力控えめでお送りしました。

 

私はヴィータちゃんに向き直る。当然、シグナムさんやシャマルさんから視線を外すような真似はしない。

 

「……悪魔め」

 

…………悪魔って……酷いなぁ。私が悪魔ならさくらさんはなんなの? 大魔神?

……あ、そんな感じかもね。

 

私は自分の想像に、くすりと笑ってしまう。なら、私はさくらさんに仕える悪魔でもいいかな。

 

「……くく……くくくくく…………」

「……な………なのは……?」

 

……あれ? なんだか笑いが止まらない。どうしてかなぁ?

止めようとしても止まらない。どんどん溢れてくる笑いの衝動を抑えようとするけれど、一度溢れ始めると止まらない。それどころかどんどん加速してしまう。

フェイトちゃんがなんだか恐ろしそうに私に話しかけてくるけど……ごめん、ちょっと今は返事できないや。

 

「くふ、くふふふ、は、ははははははっ♪ あははははははははははははははははははははははははははははははっ♪」

「ひぅ!?」

 

あ、ごめんねフェイトちゃん。びっくりさせちゃって。でもなんでか止まらないんだ。

 

「ふふふ……悪魔……かぁ………」

 

ようやく笑いの波が治まった私は、滲んだ涙を拭き取りながらヴィータちゃんに向けて呟く。

 

「………いいよ。ヴィータちゃんに教えてあげる。本当の悪魔が、どれだけ冷酷なのかってことを」

「…………殺傷設定は無しだからね?」

 

後ろでフェイトちゃんが当たり前のことを言ってくる。

大丈夫だよ。ちゃんとわかってる。私はこんなでも冷静なんだからね?

 

私はまた、くすりと笑った。

 

……それじゃあ、始めよっか。最後になってほしい、私達とヴィータちゃん達の本気の勝負を!

 

 

 

「な……なのは? 無しだからね? 殺傷設定は無しだからね!?」

 

フェイトちゃんのそんな声が、後ろから聞こえていたような気もするけれど、そんなことは後回しにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その55

 

side ヴィータ

 

戦況はあまりに一方的な物だった。ザフィーラだけじゃ足りなくて、あたしとシグナムが全力で守りに回って、その上シャマルがフルで回復役に回って漸く拮抗することができる。それだけの力と狡猾さをあの悪魔は持っていた。

悪魔はシャマルをよく狙い、回復から潰そうとする。ザフィーラがそれを防ぐけど、赤い犬に何度も隙をつかれていいのを何発か食らっている。

シグナムも黒いのの相手で忙しいし、あたしと自分を守るためにシールドやフィールドを張るので精一杯らしい。

ザフィーラも遊撃に回ろうとしているけど、悪魔の光弾がシャマルを襲おうとする度に無理矢理戻ることになる。毎回毎回、ザフィーラが全速力を出せばギリギリ間に合う場所に撃ち込むのがいやらしい。

 

あたしは歯を食いしばって、いくつもいくつも飛んでくる射撃魔法を叩き落としていく。

どう考えても異常な威力の魔力弾が、圧倒的な密度と速度で飛んでくる。

あの悪魔の魔力の総量からすると、この威力と密度はありえない。あいつはどう頑張ってもS+程度。こんな速度で魔力を消費してったら、ほんの十分程度しか戦えない。

それなのに、もう十五分以上戦いつづけているのに、あの悪魔の攻撃の手は緩まないし、疲労も見えない。

 

……何でだ? 何であんだけ魔力を使ってて平気そうなんだよ!?

 

「ヴィータ!左だっ!」

 

シグナムに怒鳴られ、左を向くと……そこには薄い桃色の魔力弾が迫ってきているのが見えた。

避けられそうにないし、バリアもシールドも間に合わない。フィールドでも防ぎきれないし、バリアジャケットでも完全には無理。

あたしは歯を食い縛りながら、フィールドとバリアジャケットに魔力を注いで強化する。

 

けど、その弾丸はあたしの防御を簡単に撃ち抜き、私の魔力を削り取る。

一発抜ければ次々に防御が破られ、そしてまたあたしの全身に突き刺さる。

 

……くそっ!何でだ……何であたしはこんなに弱い……っ!

 

カートリッジをロードして、シールドを更に固く張り直す。すると、まるでそれを見越していたかのように弾幕がシールドを避けてくる。

だからといってシールドを解けば、気を散らせるように時間を不規則に開けながら着弾してくる直射弾が当たる。

バリアを張って全体防御をしようとしても、カートリッジを使ってないあたしのバリアじゃ簡単に撃ち抜かれる。

 

「おぉぉぁぁぁっ!」

 

けど、着弾する前に私の近くに真っ白いシールドが張られる。これは………。

 

『……無事か? ヴィータ』

『ザフィーラ……』

 

強固なシールドを張り、回復と援護の要であるシャマルを守り続けていたはずのザフィーラ。あたしはザフィーラのシールドに守られていた。

 

『……ヴィータ。お前は一人で戦っているわけではない。シグナムがいる。シャマルがいる。……そして、私もいる』

『……ザフィーラ………』

 

ザフィーラに言われて、どうしてあれだけ削られたあたしの魔力が残っているのかを理解する。シャマルが、あたしに回復魔法をかけ続けていたからだ。

 

あたしの後ろには、頼りになるザフィーラがいる。

ザフィーラの後ろには、真剣な表情を浮かべるシャマルがいる。

近くの空には、黒いのと戦っているシグナムがいる。

そして、ここにはあたしがいる。

 

そうだ、あたしは一人じゃない。あたしたちが揃って戦えば、どんな相手でも敵じゃねえ!

 

折れかけていた戦意を奮い立たせ、あたしはグラーフアイゼンを構える。

 

「行くぞアイゼン!」

「了解。カートリッジロード」

 

カートリッジが消費され、固い固いシールドを前面に張りながら突撃する。

あまり動かねえこの悪魔なら、避けることなんて―――

 

「あぁぁぁぁああぁぁぁっ!!」

「があぁぁぁぁぁっ!?」

 

突然、あたしの後ろから響いた聞き覚えのある悲鳴に、あたしは突撃をやめて振り返る。

あの悪魔もあたしに攻撃を加えようとはせず、ただザフィーラとシャマルのことを凝視している。

 

あたし達より離れていたシグナムと黒いのも、ほんの少し遅れてザフィーラとシャマルに目を向ける。

 

するとそこには、胸からリンカーコアを露出させ、苦しんでいるザフィーラとシャマルの姿。そして、闇の書を持っている二人の仮面の姿があった。

 

「ぐぅあぁぁぁぁぁぁっ!?」

「うぅ……っ!あぁぁぁぁっ!?」

 

ザフィーラとシャマルの苦しみ方が激しくなったかと思うと、二人の姿が足元から消えていくのに気が付いた。

 

「おい……何やってんだよおまえら………」

「…………」

 

仮面の奴は無言でザフィーラとシャマルのリンカーコアを蒐集し続ける。そして徐々に消えていく二人を見て、あたしは動きたいのに体が言うことをきいてくれない。

そして二人が完全に消えて………闇の書がぱたりと閉じられる。

 

「……やはり、この程度か」

 

ブチリ、と、あたしの中で何かが切れた。

それはシグナムも同じみたいで、明らかに怒りの気配をぶちまけながら仮面の奴に突っ込んでいく。

そして同時にカートリッジをロード。シグナムはレヴァンティンに炎を纏わせ、あたしはグラーフアイゼンをラケーテンに。

 

「紫電……」

「ラケーテン……」

 

シグナムは剣を振り上げ、あたしはハンマーをぶん回しながら突っ込んでいく。

 

「一閃!!」

「ハンマーっ!!」

 

そして、カートリッジで強化されている魔法を、仮面の二人に解き放った。

 

 

 

 

※ボツネタ。あくまでボツネタです。

流石にここからリカバリーはできません。三流二次創作者ですから。

 

 

 

 

 

 

 

そうだ、あたしは一人じゃない。

あたしたちが揃って戦えば、どんな相手でも敵じゃねえ!

 

 

 

『妄想混じりの楽しい戯言は終わった? それじゃあそろそろ準備運動は終わらせて、本番に行こっか?』

 

あの悪魔が、私とザフィーラの念話に割り込むように入ってきた。

そして、急激に上がる弾幕の密度。あたしのシールドは水をかけられた和紙のように撃ち抜かれ、その圧倒的な速度にあたしは魔力を削り切られ、消滅していく。

 

最後に聞こえたのは、ザフィーラが、シャマルが、シグナムがあたしの名前を呼ぶ声。

あたしはそれに返そうとして…………砲撃に頭を撃ち抜かれ、それすらできずに消し飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

…………うん、やっぱりここからリカバリーは無理だ。

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その56

 

side リーゼアリア

 

闇の書の守護騎士の攻撃を、バインドで止める。シールドを使って攻撃そのものを受け止めるより、攻撃の基点である腕を止めた方が効率的だから。

そして、そのまま残った二人の魔力を奪う。二人は苦痛に表情を歪ませ、呻き声をあげながらも……私達に憎悪の視線を送りながら消えていった。

 

けれど、これもみんなお父様の悲願のため。けして後悔はしないし、無駄にはしない。

闇の書の白紙のページはあとわずか。これも、一応想定のうち。

 

「お願いね」

「わかってるわよ」

 

ロッテに促され、私はお父様の魔力をロッテを通して闇の書に蒐集させる。

お父様の魔力とロッテの魔力。二人分の魔力を食いつくした闇の書は、666あるページを全て埋めた。

後は、ここにあの娘を呼んで……闇の書を起動させる。そして暴走の直前に、私がデュランダルで完全氷結封印をすれば………全てが終わる!

 

……けれど、そのためには………あの子達は邪魔だ。

 

私は、私とロッテにトラウマを刻み込んだあの娘と、黒いバリアジャケットの少女を睨み付けた。

 

 

 

 

 

side 高町 なのは

 

どうやら目の前で起きた仮面の人達はお仕事に一段落がついたみたいで、一人残った仮面の人は闇の書を片手に私のことを睨み付けている。

フェイトちゃんじゃなくて私ばっかり睨み付けているのは……何か私に嫌な思い出でもあるのかな?

 

……なんて言ってみたけど、ちょっと予想すればわかるよね。

 

二人の仮面の男。

二匹の猫の使い魔。

片方が怯えて片方が私を睨む状態からの急変。その間にあった仮面の人との戦闘。

仮面の人を攻撃し続け、気絶した後に残っていた猫。

 

……これだけ情報が揃えば、気づかない方が難しい。

あの二人はクロノ君のお師匠さんで、猫の使い魔でもあるリーゼロッテさんとリーゼアリアさん。確たる証拠は無いけれど、実況証拠は十分すぎる。

……十分すぎるけど、私はなんにもできないんだよね。嘱託試験なんて受けてないから嘱託魔導師じゃないし、逮捕権も捜査権も持ってない、とっても普通な小学三年生(音楽家志望)の私にいったい何を期待しているのやら……。

 

「なのは、なのは、なのは。つっこまなきゃいけない気がしたからつっこむね? なのはが、普通とか、絶対に、ありえない」

「フェイトちゃんもなかなか言うようになったね? その成長ぶりは喜んでいいのか悲しむべきなのかわからないけど、一応おめでとうって言っておくね」

「うん。ありがと、なのは」

 

…………実はあんまり誉めてないんだけど……まあ、いっか。そう言ったところで大して変わる物でもないし。

 

「……それで、何? 私としてはさっさとその闇の書をどうにかしちゃいたいんだけど」

 

具体的には、ユーノ君とクロノ君の合同で作った作戦で、はやてちゃんと協力してヴィータちゃん達を闇の書から分離させて、それから闇の部分だけアルカンシェルとかでズドンって消し飛ばすとか。

 

ところで、ズドンっていう音を聞くとさくらさんの拳が音速を越えながら血の詰まった肉袋(私の分身)を殴るのを思い出しますよね。私の分身はあれで何回挽肉になったことか……。

……まあ、挽肉になっても元は魔力だから魔力に戻るだけなんだけど……見た目が心臓に悪すぎるよね。

 

そう考えていることを知ってか知らないでか、一人になった仮面の人は私にバインドとクリスタルケージをかけようとする。

私はあえてフェイトちゃんを抱き寄せて、そのクリスタルケージの中に入り込む。フェイトちゃんは私のことを驚愕の視線で見つめているけど………ここはこうしておくのが一番楽なんだよね。

さっきまではシグナムさんやヴィータちゃん達が話をさせてくれなかったけど、今はシグナムさんもヴィータちゃんも他の二人もいないし、はやてちゃんに話をすることができる。

けど、はやてちゃんは今は病室にいるから普通には会えない。そこで仮面の人に呼び出してもらってるわけだね。

 

ノイズィソングでクリスタルケージを緩ませて、いい感じに緩めたところでタイミングを見計らう。

一部穴を開けて外の魔力素を集束させながら現場を見ると………って、なんで仮面の人の姿が私?

 

……まあ、いいや。一番私の狙い通りになりやすそうなタイミングで、やらないとね。

さくらさん直伝の煽動術と、ギリギリでグレーゾーンの詐術紛いの話術。お話し合いにはとっても重要なこの二つを使うには、色々やりやすい状況に持っていかないと最大のパフォーマンスを発揮できないからね。

 

「……えっと…………なのは?」

「どうしたの? フェイトちゃん」

「あの………その物凄い量が溜まってる砲撃はどうするのかな~……なんて…………」

「良いところで撃つよ。一番効果的なところでね」

「…………あの人死んじゃうよ?」

「フェイトちゃんは私をなんだと思ってるの? そんなことはしません」

「……ほんと?」

「もちろん。最悪でもリンカーコアが跡形も無く削り潰されて二度と魔法が使えなくなる程度に抑えるよ」

「それはやりすぎだよなのはっ!?」

 

フェイトちゃんはなんだか凄く慌てているけど、人間は死ななければその先もなんとかなるらしいから……大丈夫だって。

それに、大して無茶って訳でも……

 

「シュート!」

『スターライトバスター』

 

私の砲撃が、はやてちゃんを精神的に追い詰めようとしていた仮面の人の変装した私を飲み込んだ。

さてと。無力化してこようかな。

 

 

 

 

 

side 八神 はやて

 

「フラッシュ」

『バスター』

 

爆音が響き、閃光が走り、ついさっきまで私の前にいた人に光線が突き刺さる。

 

「フラッシュ」

『バスター』

 

再び爆音と閃光。二つの声が聞こえる度、衝撃波が走る。

 

「フラッシュ」

『バスター』

 

「フラッシュ」

『バスター』

 

「フラッシュ」

『バスター』

 

「フラッシュ」

『バスター』

 

「フラッシュ」

『バスター』

 

「フラッシュ」

『バスター』

 

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」

『バスター』

「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』

 

「あ……あぁぁあぁああぁぁぅぁぅぁぅぁぅぁぅ…………」

 

……なんか、フェイトちゃんがなのはちゃんを止めようとしとるみたいやけど………これ、いったいなんなん? まったくわからんよ。

 

「あぁぁぁ………と、とりあえず、はやて? お話があるから、ちょっと……いい?」

「あ……う、うん、かまへんよ」

 

こうして私は、フェイトちゃんに連れられてアースラまで行くことになった。

……ああ、もうなにがなんだかわからんよ………。

 

「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』「フラッシュ」『バスター』

 

……あと、そろそろ勘弁してあげへん? 見てるこっちが申し訳なくなってきたわ……。

 

 

 

 

 

 

異伝7 その57

 

side 高町 なのは

 

フラッシュバスターを連打するだけの簡単なお仕事を終わらせ、砲撃痕に残った猫一匹とそこら辺でふらふらしていた猫一匹をつれてアースラに転移する。

あれだけ撃ってもあんまり疲労していないのはちょっとタネも仕掛けもあったりするんだけど、言ってもどうせ真似できるものじゃないらしいし黙ってることにする。

聞かれたら答えると思うけど、きっとまた妙な顔とか化け物を見るような顔をされるんだろう。

 

「フーッ!」

「五月蝿いよ」

『フラッシュバスター』

 

気絶している方の猫は大人しくしていてくれるけど、ギリギリ起きていた方の猫はまともに体も動かせないだろうに私を威嚇してきた。

そんな体でも引っ掛かれたら痛いので、加減してフラッシュバスターを撃ち込む。使い魔の魔力を削りすぎると色々不味いと教えてもらったけれど、何度か魔力供給をして魔力だけは保たせてるから問題ない。

スターライトブレイカーのように、リンカーコアを通さないで魔力を使っているだけだから、やろうとすれば理論上は誰でもできるはずなんだよね。できる人は今まで私以外に見たこと無いけど。

 

そうして両手で気絶した猫を一匹ずつ連れ帰ってきた私は、とりあえずリンディさんにその猫二匹を引き渡してからはやてちゃんの所に行く。

 

「あ、はやてちゃん?」

「ヒィ!?」

 

なんだかすっごい怯えられた。今も動かない両足と両腕で必死に後ずさってるし………はやてちゃんになにがあったんだろう?

 

……って言っても、何があったのかは聞こえてたし、観察すればすぐにわかることなんだけどね。

 

はやてちゃんの近くには、空中に浮いている画面が二つ。一つは私とフェイトちゃんの模擬戦の映像で、もう一つはさっきまで私が居たビルの屋上の映像だった。

つまり、はやてちゃんはなんの覚悟もないままに私がひたすら砲撃を撃ち込み続けている所も、フェイトちゃんに極大砲撃を撃ち込んだ所も見てしまったってことかな。

フェイトちゃんもこの映像を見たせいかトラウマが再発してるし、多分私の予想は間違ってないと思う。

 

ちょっと考えて、それから今さっきの模擬戦の時の映像を見直してみる。

…………途中から機械的にやっていたせいか、私の目のハイライトが消えていた。確かにこれは怖がってもしょうがないかな。

 

くるりとはやてちゃんに振り向くと、またビクッと怯えた表情をされた。

そんなはやてちゃんに、私は笑顔を向ける。

 

「大丈夫だよ、はやてちゃん。私は襲われたりしない限りは手は出さないからね」

「……ほ……ほんまか?」

「勿論だよ。例外は訓練と模擬戦と………相当機嫌が悪いときくらいだけど、今はそこそこ気分がいいからね。さっきのでストレスは粗方吐き出してきたし」

 

私がそう言うと、はやてちゃんはまだ少し怯えながらも私の話をそこそこしっかり聞いてくれそうな体勢になった。

私ははやてちゃんの座っているベッドのすぐ近くに座り、はやてちゃんと向き合う。

 

「それじゃあ、色々聞きたいことはあるだろうけど、私の話が全部終わってから質問してね?」

「……わかったわ」

 

はやてちゃんは、真剣な目をして私を見てきた。

……じゃあ、私も締めるところは締めないとね。

 

 

 

そんなわけで、はやてちゃんには私から色々話した。

闇の書のこと。夜天の書のこと。守護騎士達のやってきたこと。仮面のさっき私の姿で色々言っていた人のこと。管理局のこと。そして、これからのこと。

 

「……つまり、あの時のなのはちゃんモドキの言っていた事はほんとと嘘が混じりあってて、闇の書は壊れとるけど私のせいやなくて、シグナムやヴィータ達が居なくなったのはなのはちゃんモドキのせいで、闇の書をこのままにしとったら色々危ないって訳やな?」

「ついでに、死んでも結局問題の先送りをしてるだけだからおすすめしないってことと、封印すればなんとかなるけどそれ以外にもやりようはあること。ついでに直すのは無理でも悪いとこを切り離して消滅させることはできるって」

「そこんとこ詳しくお願いや」

「……まあ、いいけどね。つまり、闇の書にはバグがあるんだけど、それと転生機能と再生機能を闇の書の外に放り出して消滅させてやればなんとかなるよ。ただ、その後に本体がバグ部分を再生させようとするだろうから消滅させないとだけどね。うまくやればシグナムさん、ヴィータちゃん、シャマルさん、ザフィーラさんの四人とはやてちゃんは助かると思うよ? ユーノ君とリンディさんには相談してそうなるだろうって結論は出てるし、確実性もばっちりだよ。質問は?」

「なんでそのこと言わなかったん?」

「言ったけどヴィータちゃんは信じてくれなかったし、シグナムさんは初めに『話を聞く気はありますか』って聞いたら『無い』って即答されちゃったし、シャマルさんは裏方で話そうとしたら転移で逃げちゃって話せなかったし、ザフィーラさんは聞く気はなかったみたいだったから……とりあえずしばらく動けないくらいぼこぼこにしてから話をしようとしたら途中でああなって……」

「現在に至る、と」

「いぐざくとりー」

「……発音下手やな」

「Exactly」

「ちゃんとできるん!? なんで初めからやらなかったん!?」

「さて、話を続けるけど……」

「おーい!私のことは無視かー?」

「……話を続けるけど、そんなわけで闇の書を内側から乗っとり返して貰って、その上で切り離して貰えればこの事件の大筋は終わるから。あと、やらなかったのは面倒だったから」

「ああもうなのはちゃん自由すぎや!いやまあそうやって案を出してもらったりするのはありがたいし、話を通してあるって言うのも凄くありがたいんやけど!」

 

じゃあ、それをやってもらうってことでいいね。

それじゃ、リンディさんの所に行って打ち合わせをしよっか。作戦の要ははやてちゃんだから、頑張って貰わないと!

そういうことでフェイトちゃんを起こして……ああ、はやてちゃんは動けないんだっけ。お姫様だっこでいいよね。

 

「ふぁあっ!?」

「わ、はやてちゃん軽いね? ちゃんと食べてる?」

「あ~……脚使わんからそこだけ筋肉つかんからなぁ……」

「あ、そっか。なるほどね。それじゃあ来年にはもっと健康的に重くなっててね」

「ん。頑張るわ」

 

じゃあ、闇の書を終わらせに行こうか。

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その58

 

side 高町 なのは

 

リンディさんとの打ち合わせの結果、何故か地球で闇の書を起動させてからはやてちゃんがバグを外に放り出し、シグナムさん達を再生させてからバグを攻撃。コアを露出させてから転移させて地球の衛星軌道上に放り出してアルカンシェルでズドン。そんな計画を立てた。

何故地球でやるかと言うと、管理局の上の上の方の人達が一々五月蝿くて地球からアースラを離したら絶対に文句をつけて来るだろうから。

そうしたら多分私を管理局に出さなければいけなくなるだろうし……って言われて渋々。

まあ、失敗は多分無いだろうし大丈夫だとは思うんだけど……最悪クロノ君に永久凍結封印してもらえばいいし……でも、何が心配ってさくらさんを起こさないかって事なんだよね。

 

……もしさくらさんを起こしちゃったら………絶対ヤバい。私はまだ死にたくないです。

………頑張ろう。さくらさんが起きちゃう前に、バグに永遠の眠りを与えないと………死んじゃうよ? 生物学的に。

 

「じゃ、頑張って殺ろうか」

「殺るんか!?」

「殺らないと殺られるよ? 非殺傷設定なんて使ってくれるほど優しい相手じゃ無さそうだしね(さくらさんの話)」

「そうだね。非殺傷は使ってこないから……下手したら死んじゃうね(闇の書の闇の話)」

「……なんや致命的な部分がちごうとるような気がするんやけど……」

 

それは多分気のせいじゃないと思うよ? はやてちゃん。

 

 

 

そんなこんなで闇の書起動。なんだか幸薄そうな雰囲気だけど綺麗な女の人(銀髪に赤い目ってことはアルビノなのかな?)が現れて、なんだか鬱々と喋り続けていたのでとりあえずさっさとディバインバスター。

 

「ちょ、なのは!?」

「ごめんフェイトちゃん。なんだか自分と自分の主だけがこの世で不幸なんだああ死にたいって言う雰囲気を醸し出してたから、つい」

「『つい』じゃなくてね!?」

『そや!急にやられてリインフォースも蛙が鳩鉄砲食らったみたいに驚いとるよ!?』

「鳩鉄砲ってなに!?」

 

ほんと、鳩鉄砲ってなんだろうね。

 

「で、はやてちゃん、どう?」

『あ~………ちょっと動きを止めるのが精一杯やな。外のが弱れば行けるやろうから、なのはちゃんとフェイトちゃんに吹っ飛ばすの任せてええか? シールドとかは切っとくさかい』

「加減はいる?」

『いらんいらん。全力で頼むでー』

「はやて!? 死んじゃうよ!?」

「……フェイトちゃんは私をなんだと思ってるの? 流石にあれは無理」

 

そう言いながら、私は周囲の魔力を集めてスターライトバスターの準備をしている。

まあ、スターライトバスターなんて名前は付いてるけど、要するに劣化したスターライトブレイカーなんだよね。

射程を少しと威力を下げて、チャージ速度を上げただけ。とりあえず外身を削ればいいんだよね?

 

「ほら、フェイトちゃんも削って削って。フェイトちゃんが頑張ってリインフォースさんの魔力を吐き出させればそれだけ威力も上がるんだから」

「……なのはのそれって、ほんとに理不尽だよね」

「経済的って言ってほしいな」

 

実際、魔力の運用には気を使ってるしね。狂気の提琴をより上手く使うには、日々の努力が大切なんだよ?

まあ、今はリインフォースさんの外身を削り落とすのが先決かな。

シールドもフィールドもバリアも張らないでくれるらしいから、とりあえず溜めた魔力はフラッシュバスターみたいに一瞬につぎ込んで威力の底上げをしよう。

痛くないように、やり過ぎないように削りきる。結構難しそうだけど……気にせず砲撃。

 

「フェイトちゃん、はやてちゃん。行くよ~」

『わかった』

『どんとこいや!』

 

どんと、って言うか……ズドンと……だけどね。

こんな感じに。

 

「スターライト」

『フラッシュ』

「『バスター』」

 

……ちなみに、魔力の圧縮率はいつもの数倍。ここまで圧縮すると、なんだか魔力がどろりと粘りつくような気がして仕方がないようになる。

つまり魔力が異常に濃いってことなんだけど………はやてちゃんとリインフォースさんは大丈夫かな? 私がやったんだけど。

 

「……なのは。また威力上げた?」

「まあ、スターライトバスターはスターライトブレイカーの威力が低くて溜め時間が短いやつだからね。最大値はスターライトブレイカーと同じだから、スターライトブレイカーの上限が殆ど無いことを考えると……」

「……無限大?」

「それじゃあ私の体とレイジングハートが持たないよ」

 

逆に言えば、レイジングハートと私が耐えられるところまでなら行けるってことなんだけどね。

 

『……容赦ないなぁなのはちゃん』

「今回は加減したっていいことないからね。ちょこっと強めにやってみた」

『この威力でちょこっと増しかい……なのはちゃんは怒らせん方がええな』

「大丈夫だよはやてちゃん。今回みたいに理不尽に攻撃されたりとか殺されかけたりとかしない限りは私から攻撃とかありえないから」

『……ヴィータ達には手は出さんといてな?』

「出てきたときの態度次第かな。攻撃してきたら大人しく……魔力がもったいないから適当にあしらうから、フラッシュバスターはまた今度ね。……ほら、はやてちゃん。早く出ておいでよ。じゃないと計画が進まないでしょ?」

『……そやな』

 

はやてちゃんが漸く出てきた。後にはなんだか黒く澱んだ塊があって、見てるだけで気持ちが悪い。なんだかゴキブリ見てる気分だよ。

 

……まあ、いいや。早く終わらせていつもの生活に戻らないと。

最近は夜遅くまで起きてることが多かったからなぁ………後でさくらさんに頼んで時差ボケを直してもらおうかな?

 

……うん、そうしよう。

 

私は誰にも伝えることなく心に決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その59

 

side 高町 なのは

 

闇の書から出てきたばっかりのはやてちゃんがヴォルケンリッターの全員を復活させると、ヴィータちゃんもシグナムさんもシャマルさんも私に警戒心バリバリの視線を叩き付けてきた。

……つまりあれ? 私はまずシグナムさん達からお話ししないといけないのかな? ……はやてちゃんも先に説明してくれてればいいのに。

 

「あー、みんな警戒するのはわかるけど、今は協力せなあかんよー? 外の状況はわかっとるやろ?」

「……まあ、そうだけどよ………」

 

ヴィータちゃんが渋々と大きなハンマーを下ろす。それを皮切りに、警戒心はそのままだけど一応全員が構えを解いた。

私としては信用はしなくていいから一時的にでも協力してほしいところなんだよね。今だけでいいから。

……と言うか、はやてちゃんはなんで警戒するのはわかるなんて言うんだろうね? 私は悲しいよ? しくしく。

 

まあ、そんな三文芝居はどうでもいいからどこかその辺にでも置いといて、さっさとコアだけ取り出して衛星軌道上のアースラの前に放り出さないと。

闇の書の騎士と現代の魔導師の初の共同作業だね。こう言うとなんだか結婚式みたいに聞こえちゃうけど、そんなことはない。ただ面倒なだけの仕事だ。

 

「そんなわけで、空気を読んで静かにしててくれたクロノ君。執務官らしく作戦の確認をお願いしていい?」

「ああ、構わないが……珍しいな、君が他人を誉めるなんて」

「やだなあ、クロノ君が誉められるようなことを今までしてこなかっただけでしょ。空気を読まなかったり突然攻撃してきたり突然攻撃の目の前に現れてすぐさま撃墜されたり管理外世界の現地民を相手に管理局法を適用させようとしたり脅迫紛いの方法で同行願ったり自分達が遅れてきたくせにその事を謝らないどころか頑張ってジュエルシードを集めていた私達に無謀だなんだと巫山戯たことをぬかしやがったり実力差もわからないであっという間に拘束されたりアルフさんからの情報提供がなかったら相手の親玉の名前もわからなかっただろうし孕ませ執務官だしエイミィさんにからかわれて顔を真っ赤にするような純情さんだしそのくせフェイトちゃんの笑顔でほっぺを紅くするロリコンだしたまにアルフさんやシグナムさんの胸に視線が吸い寄せられてるしヴィータちゃんやフェイトちゃんの生足にも視線が吸い寄せられてるしジュエルシード事件じゃいいとこなかったしそれ以外じゃ会ってないんだから誉められる訳がないじゃんなに言ってるの馬鹿じゃない土下座して五歳くらい年下の女の子に後頭部を踏みつけられながら『私、クロノ・ハラオウンはこうして小さくて可愛い女の子に踏まれることに至上の喜びを見出だすような蛆虫未満の下等生命体でございます、どうか皆々様私に蔑みに満ちた視線を浴びせ、罵倒の嵐を叩き付けてくださいませ』って言ってきてくれない? 私は協力しないし、私の友達にも協力させないけど」

「君はいくらなんでも言い過ぎだ!」

『へー? クロノ君ってば結構えっちなんだね』

「エイミィィィィィっ!?」

「……クロノのえっち」

「フェイトまで!?」

 

クロノ君はほんとにからかいやすいなぁ。……フェイトちゃんは天然でやってると思うけど。

 

「はいはい、クロノ君がえっちなんはわかったから、説明してなー」

「君までそんなことを言うのか!?」

「おい、はやてに近づくんじゃねえ」

「お前も離れろ、ヴィータ。お前はあの変態の好みらしいからな。……主はやてのことを頼むぞ」

「ちょっ!? 待ってくれ!僕は━━━」

「………(無言ではやてを守るヴィータとクロノの間に立ち塞がるシャマル)」

「………(無言でシャマルとクロノの間に立ち塞がるザフィーラ)」

「僕は……僕は変態じゃな━━━いっ!!」

 

クロノ君の絶叫が、夜の海鳴上空に響き渡った。

……五月蝿いなぁ………いいから先に説明してよ。

 

 

 

そんなこんなでクロノ君の説明が終わり、皆でなにをするかの方向を決めることができた。

……こうやってもう少し頭を柔らかくしておけば、きっと色々なところで役に立つようになると思うんだけどなぁ………。

管理外世界で管理局法を適用しようとしたりとか、そう言うのも頭が固すぎるから起きる弊害みたいなものだからね。

 

「じゃあそんなわけで、嫌かもしれないけど今だけは協力してね?」

「……ふんっ」

「こぉらっ!駄目やでヴィータ。そんな態度じゃ!」

「う……」

「まあまあ、私は気にしないよ?」

 

本当に、好かれることにも慣れてるけど、嫌われることも苦手じゃない。正確には、嫌われるのなんてどうでもよくなった。

誰かに嫌われてても私は私だし、誰かに好かれていても私が私じゃなくなるなんて事は無い。さくらさんを見ていると心の底からそう思える。

 

下で、闇の書の闇が殻を破るようにして現れた。産声と言うべきか、とても五月蝿い。

 

………………ん? 『五月蝿い』?

 

……………………逃げ帰っていいかな?

 

 

 

 

 

side 織斑 一夏

 

いつものようにアンダーグラウンドサーチライトの中で眠っていたら、突然世界を震わせる咆哮が響き渡った。

アンダーグラウンドサーチライトは異界に存在する。そんなアンダーグラウンドサーチライトを直接攻撃できると言うことは、相手は次元を越えることができると言うことだ。

そして、この時期に海鳴で次元を越えて空間攻撃できるような輩は、なのちゃんかアースラのアルカンシェル、闇の書の三種くらいだろう。

 

その中で、なのちゃんは俺を起こさないことに全力だから恐らく違う。アルカンシェルは、消滅してないから違う。

となると答えは最後の闇の書って事になるんだが………思い入れも無いし、ブッコロス。

 

久し振りに頭の中身が怒りで沸騰した俺は、いつものようにクロを起動し、シロをライオットで展開し、シルバースキンを1000ほど着込んでからアンダーグラウンドサーチライトを飛び出した。

 

行き先は海鳴近くの洋上、結界内。ぎゃーぎゃーと五月蝿い糞蟲を潰すにはいい場所だ。

 

さて、暴れるか。

 

 

 

 

 

 

 

異伝7 その60

 

とりあえず結界を抜けて目の前にあった巨大な塊をかなり強めに殴り付ける。相手は障壁で防ごうとしたようだが、その障壁をまるで濡らした最中の皮のようにぶち抜いて殴った。

すると、でかいのはその体の大半を肉片としてぶちまけながら空を舞う。俺はそこにさらに追い討ちをかける。

シロの飛行能力を使って追い付き、左の拳でぶん殴る。

そして右の拳で追撃。この時点ででかいのがそこそこでかい程度まで散っていたが、再生のお陰かどんどんと体積を元に戻そうとしているようだ。

 

……そんなことを許すわけがないのにな。

 

某筋肉達磨も使った『萬烈拳』でさらに削る。コアに近ければ近いほど回復も早いようだが、それを上回る速度で粉々にする。

見た目からするとブラボー技の一つ『ブラボラッシュ』の方がいいのかもしれないが、連発数とノリで萬烈拳に決めた。

ちなみに、結界をすり抜けてからこうして全体の四割程度を殴って消し飛ばすまでの時間は二秒未満。シロは速いし威力は高い。束姉さんも凄まじいものを作ったよなぁ………時計以外の用途で使ったのは久し振りだけど。

 

……っと、コア発見。流石に回復が早くなってきているので、コアだけを右手で握り潰すように掴むと同時に、掌にアンダーグラウンドサーチライトを開いて中へ。

そしてすぐさま入り口を閉じて、中身ごとアンダーグラウンドサーチライトを消滅させた。これで終わり。所要時間二秒ちょっと。はいお疲れー。

 

さて、帰って寝るか。

 

 

 

 

 

side 高町 なのは

 

どうにかこうにか生きていられた。私はそう思ってほっと一息ついた。

他のみんなは何が起こったのかわかっていないようだったけど、私には何となくわかる。

 

あれは、さくらさんだ。さくらさんが生まれたてのあれを殴り飛ばし、消し飛ばし、消滅させたんだろう。

そのくらい、さくらさんならいとも簡単にやってしまうだろうと言うことが予想できる。

それでも次元を食い破るような化物を相手に当然のように勝ってしまうなんて……やっぱりさくらさんは理不尽だ。

 

「な……何が起こったんだ?」

「……わからない。けど、なのはなら『何が起きたのか』はわからないにしても、予想くらいなら立てられるんじゃないかな?」

 

恐らくさくらさんに殴るか蹴るかされて空まで打ち上げられてから私達に雪のように闇の書の欠片が降る中で、フェイトちゃんが言った。

フェイトちゃんのその言葉で、その場の全員-1+2の視線が私に向けられる。ちなみに-1はクロノ君で、+2はこの場にはいないけど画面越しにこの場面を見ていたエイミィさんとリンディさん。

私はそれらの視線を向けられているのを感じながら、どこまで話してもいいものかと思考を巡らせる。

さくらさんがブラボーさんだと言うことは話せない。けど、ブラボーさんが今のをやったというのは話してもいい。

話すのならブラボーさんがさくらさんだと言うのは絶対に内緒にしなくちゃいけなくて、私はさくらさんであるはずのブラボーさんと戦う気はないとしっかり伝えなくちゃいけない。

そしてもちろん、私はブラボーさんに会う方法もどこにいるかも知らないし、前に会ったのはジュエルシード事件の時が最後だってことにしないと。

 

……とすると、このくらいでいいかな。

 

「……エイミィさん。闇の書の反応は無くなってますよね?」

『うん。あの一瞬で消失してるよ』

「……その時の映像をスロー再生して貰えませんか? 場所は私達から見て闇の書を通して真逆の海面すれすれの部分を」

『……なんで?』

「私のソナーでそこに引っ掛かりました」

『あー……なるほど。ちょっと待ってね』

 

ジュエルシード事件の時に見せたソナーを知っていたエイミィさんは、すぐに納得して私の言った通りの場所をズームして……

 

『…………なのはちゃん?』

「なんですか?」

『…………なにこれ?』

「ブラボーさんじゃないですか? アルカンシェルを防げるなら空間侵食型の闇の書の闇だってなんとかしちゃうんじゃないですか? どうやってやったのかは知りませんし、速すぎてわからなかったんですけど」

 

そこには、ブラボーさんことさくらさんが闇の書の闇をひたすら殴り続けている映像が………この映像ってスロー倍率何倍? 右上に千分の一倍って書いてあるように見えるんだけど、そんな中でもブラボーさんは物凄く速い。

 

……って言うか、さくらさんってほんとに何者? 人間じゃないことは確定だけど、だからって言っても異常で非常識で理不尽だ。

アルカンシェルでようやく壊せる闇の書の闇を素手で壊せるって………しかもコアは握り潰してるって……。

しかもそれを私達の目の前でやって、ほとんど誰にも気付かれずに終わらせるなんて………。

 

『……なのはさん。彼の居場所を教えて貰えませんか?』

 

リンディさんが私にそう聞いてくる。

 

「教えたらどうするつもりですか? 一応言っておきますと、私は勝てる気がしない相手とはできるだけ敵対しないようにしていますので協力できませんよ? それ以前に、結界で音が遮断されてますから結界を抜けていったブラボーさんの居場所なんてわかりませんし」

『……そう』

「ええ」

 

……さてと。それじゃあ帰ろっかな。朝帰りなんてしたらお父さん達に怒られちゃうし。

 

 

 

 

 

 

 

 

……これは、ボツネタ。あくまで、ボツネタです。

 

 

 

 

海の上に浮いている布に作られたアンダーグラウンドサーチライト。俺は今その中にいる。

 

俺の目の前には闇の書の闇。ぐちゃぐちゃぬるぬるとした卑猥な放送禁止のモザイクかけるべき腐れ触手の群れの塊。ああもう死ねよほんと。

バスターバロンを一体二体三体五体十体二十体五十体百体三百体七百体、次々に呼び出して武器を持たせる。

 

剣を、鎚を、鉾を、刀を、戟を、大刀を、戦斧を、銃を。

ランスを、フレイルを、ガトリングガンを、棍棒を、ウォーハンマーを、爆弾を、グレートアックスを。

レーザーライフルを、ミサイルを、焼夷弾を、水素爆弾を、衛星砲を。ありとあらゆる武器兵器を。

 

剣を持ったバスターバロンが、闇の全身をズタズタに切り裂く。闇は自動で修復される。

 

鎚を持ったバスターバロンが、闇の全身をぐちゃぐちゃに叩き潰す。闇は自動で修復される。

 

鉾を持ったバスターバロンが、闇の全身をバラバラに吹き飛ばす。闇は自動で修復される。

 

刀を持ったバスターバロンが、闇の全身をズタズタに切り棄てる。闇は自動で修復される。

 

戟を持ったバスターバロンが、闇の全身をボロボロになるまで抉り取る。闇は自動で修復される。

 

巨大な鑢を持ったバスターバロンが、闇の全身を削りおろす。闇は自動で修復される。

 

大刀を持ったバスターバロンが、闇の全身を微塵に切り潰す。闇は自動で修復される。

 

戦斧を持ったバスターバロンが、闇の全身を切れ味鈍く叩き斬る。闇は自動で修復される。

 

銃を持ったバスターバロンが、闇の全身を穴だらけになるまで撃ち貫く。闇は自動で修復される。

 

ランスを持ったバスターバロンが、闇の全身に巨大な穴を開ける。闇は自動で修復される。

 

ハルバードを持ったバスターバロンが、闇の全身を原型をなくすほど切り払う。闇は自動で修復される。

 

フレイルを持ったバスターバロンが、闇の全身を殴り潰す。闇は自動で修復される。

 

ガトリングガンを持ったバスターバロンが、闇の全身に無数の風穴を開ける。闇は自動で修復される。

 

棍棒を持ったバスターバロンが、闇の全身を矢鱈滅多に撃ち据える。闇は自動で修復される。

 

ウォーハンマーを持ったバスターバロンが、闇の全身を殴り飛ばす。闇は自動で修復される。

 

爆弾を持ったバスターバロンが、闇の全身を爆風で消し飛ばす。闇は自動で修復される。

 

レーザーライフルを持ったバスターバロンが、闇の全身を膨大な熱量で焼き払い、貫く。闇は自動で修復される。

 

ミサイルを撃つバスターバロンが、闇の全てを焼き潰していく。闇は自動で修復される。

 

焼夷弾を撃つバスターバロンが、闇を問答無用で焼き切っていく。闇は自動で修復される。

 

水素爆弾を持ったバスターバロンが、闇の全身を衝撃と熱量で破砕する。闇は自動で修復される。

 

衛星砲を撃つバスターバロンが、闇の全身を蒸発させる。闇は自動で修復される。

 

そして、無数のバスターバロンの腕に、巨大なバスターバロンから見ても更に巨大な腕が装着される。

巨大な巨大な、手甲型の破城鎚。それがバスターバロンの数だけ闇に叩き込まれ、潰していく。

 

そして全てのバスターバロンが破城鎚を打ち込み終えたその瞬間。その場に存在するバスターバロンが巨大な爆弾へと変質する。

 

俺はアンダーグラウンドサーチライトの一部を開いて、即座にヘルメスドライブで脱出する。

海鳴臨海公園に足をつけると同時に、海上で巨大な爆発が起きたみたいだが……俺はなんにも知らないよ?

 

最後にコアだけ残った闇を、アンダーグラウンドサーチライトごと消滅させる。

さて、ようやく静かになっ

 

「管理局だ。今の爆発にお前が関わっていることは調べがついている。武装を解除して投降してもらおうか」

 

……………………あ゛?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……はい、ボツネタになった理由はラストのせいです。

あれをきっかけにアースラに乗り込んでとりあえず皆殺し。アースラを乗っ取って管理局の本局に行き、ライアーズマスクで変装しながら本局の壁という壁を触りながらランブルデトネイターを発動させて爆弾に変え、脳味噌三人集に消えてもらって全ての本局所属の局員を呼び出してから全体爆破で本局まるごと殲滅。生き残りはバスターバロン軍団で文字通り挽肉に。

 

……そんな終わりじゃ納得できなかったので、つい。

 

 

 

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