【ヒーローズ・ユニバース】アベンジャーズ×仮面ライダー~リベンジ・オブ・ショッカー~ 作:GAP
※基本アベンジャーズはMCUとしての参戦ですが、ところどころ原作での設定が使われています。
※独自解釈の部分があります。
※MCUはスパイダーマン:ホームカミング後、マイティ・ソー~バトルロイヤル~前の時系列となっています。
※仮面ライダーは仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL後となっています。
キャプテン・アメリカとアイアンマンの対立によって引き起こされたシビル・ウォー。
この戦いにより、アベンジャーズは真っ二つに割れ、その力は大きく弱体化した。
この事態を打開するべく、アイアンマンことトニー・スタークはニューヨークに住む魔術師、Dr.ストレンジことスティーブン・ストレンジの元を訪れ、彼にアベンジャーズへの加入を依頼する。
しかし、そこでトニーはストレンジから、世界に迫る新たなる危機を告げられる。
アメリカ・ニューヨーク。
「自由の国アメリカ」の象徴とも言えるこの街は、3年前にアスガルドの邪神、ロキの策略によって現れた異星人、とヒーローチーム「アベンジャーズ」の戦いで破壊されたが、今では無事に復興し、今日も様々な人や車が多く行きかっている。
その中を、アベンジャーズのメンバーであり代表を務めるトニー・スタークはAI制御の車に乗って走っていた。
目的はこの街に住むある人物を訪ねるためである。
ほんの数か月前、アベンジャーズの活動を政府の管理下に置く「超人登録法」と、ヒドラの暗殺者、ウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズの処遇を巡り、アベンジャーズはリーダーであるキャプテン・アメリカ派と、トニーことアイアンマン派に分かれて争うことになった。
この戦いで、リーダーであるキャプテン・アメリカと彼についたヒーローたちは消息不明となり、自分についたウォーマシンことローディは重症にて療養中、ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフは行方知れずとなっており、まともなメンバーは現在、トニーと彼のAIから生まれたヴィジョンだけとなっている。
戦力増強のため、トニーは前回の戦いにも参戦し、個人でヒーロー活動を行っていたスパイダーマンことピーター・パーカーを育成し、正式なメンバーに迎えようとするが、本人に断られてしまったため頓挫し、今は特別メンバーとして加入するにとどまっていた。
―――このままでは、ニューヨークやソコヴィアの戦いのような大きな危機に対処できなくなる。
そう考えたトニーは、自身が経営するスターク・インダストリアル社の持つ情報網をすべて駆使し、新たなメンバー候補の調査を行った。その結果、このニューヨークに1人、有力な候補を発見し、直接赴いて勧誘しようと考えたのである。
「何とかして、彼にはメンバーに入ってもらわないとな…」
トニーがそういうと、車は大通りを抜け、少し狭い路地に入っていく。そして、少し古びた洋館風のマンションの前で止まると、AIことフライデーの音声が社内に響いた。
「目的地に到着しました」
「ああ。了解した。レッカーされないようにその辺を適当に走っていてくれ。終わり次第また呼ぶ」
「承知しました」
トニーはそう言いながら車から降りる。
「事故には気を付けるように。それと、いい女…じゃなくて車にはついていくなよ?」
「トニー様と違って私は奥手ですので。では、合図があるまでは走行してまいります」
そういうと、フライデーは車のドアを閉じ、そのままゆっくりと走り去っていった。その姿を見送りながらトニーは、
「全く、ジャービスと違ってあいつは口が減らないな」
と言って、マンションの扉の前に立つ。そして、横にあったインターホンを鳴らした。古い形式のもので、カメラはおろか音声マイクもついていない。来客が分かるのかトニーが不安になっていると、急に扉が開いた。
一瞬、不安になるトニーだったが、住んでいる人物のことを考えるとこれが自然なのかもしれないと考え、中に入る。
玄関を抜けてすぐのところにあるホールに出ると、扉がひとりでに音を立てて閉まり、トニーはその音に反応して扉の方を向く。すると、後ろの方からいきなり男の声がかかった。
「ようこそ。サンクトラムへ」
その声の方にトニーが体を向けると、道着のような不思議な衣装に身を包んだ魔術師、Dr.ストレンジことスティーブン・ストレンジが立っていた。
「突然の来訪で申し訳ない。初めましてDr.ストレンジ。トニー・スタークだ。」
トニーはそう言いながら右手をストレンジの前に差し出す。ストレンジはそれを握ると、自分も名前を名乗る。
「スティーブン・ストレンジだ。君が今日ここに来ることは分かっていた。何も気にする必要はない」
「それも魔法の力か?」
「魔術と言ってくれ。私には千里眼の能力があるのでね。近い未来のことであればある程度は分かる。まぁこんなところで立ち話もなんだし…」
そう言うと、ストレンジは握手していた手を放し、軽く宙で振る。すると、ホールの空間が変化し、あっという間に応接室のように様変わりした。
「そこにかけてくれ。お茶の用意もある」
ストレンジがトニーを彼の背後にあるソファへと促す。
「魔法…いや、魔術というのは便利なんだな。わが社の製品も顔負けだ」
「君の培ってきた科学とは根本的に違うからな。比べてもしょうがないことだ」
ストレンジは答えながら2つティーカップを用意し、そこにお茶を注いでいく。そして1つをトニーに差し出し、残った1つを自分の口につけながらトニーの向かい側にあるソファへと腰を下ろし、話を切り出した。
「それで、スターク・インダストリアルの社長が私に何の用かな?」
ストレンジの問いに、スタークが答える。
「千里眼を持つ君に回りくどく言っても無駄だから、単刀直入に言おう。アベンジャーズに入ってほしい」
トニーの言葉を聞いて、ストレンジがカップをテーブルに置く。
「私をアベンジャーズに、か。大方、そんなところだとは思っていたがね」
「我々の戦力は今、低下してしまっている。このままでは、危機に対応できない」
「君たちの起こした内戦でか?」
ストレンジが棘のある口調で言うと、トニーは黙ってしまう。
先の戦いは結局のところ、自分が感情的になってしまったがゆえに起こってしまったことであり、そのせいで多くの被害と大切な友を失い、結果としてアベンジャーズを弱体化させてしまった。ストレンジにそこを突かれてしまっては、トニーに言い返せる言葉はない。
沈痛な表情を見せるトニーに、ストレンジが謝罪する。
「すまない。不用意な発言だった」
「いや、君の言っていることは正しい。謝罪する必要はないさ。全ては、私の感情が招いてしまったことだからな。だが、これだけは誇りを持って言える。あの戦いは私利私欲のためにやったことではない。あの状況では、ああするのが世界を守るのにベストだと、そう判断してのことだ。最終的には怒りに任せてしまったが、決して己の利益のためにやったことではない」
トニーのその言葉を聞いて、ストレンジは真顔で答える。
「君の今の姿を見て、本当に世界を危機から守りたいという決意を感じた。もし君がキャプテン・アメリカを悪にしたり、貶める発言をするようならさっきの申し出は断り、このサンクトラムから追い出すつもりだったが…」
そう言いながらストレンジはソファから立ち上がり、改めてトニーに右手を差し出す。
「君にその気は一切なかった。だから協力しよう。そして不用意な発言で君を試してしまったことと、君を私欲にまみれた男だと思ってしまったことを謝罪させてくれ」
ストレンジの言葉を聞くと、トニーは立ち上がって差し出された右手を握る。
「ありがとう。君が加わってくれればアベンジャーズも心強い」
「世界を危機から救うのは私の役目でもあるからな。協力は惜しまないつもりだ。それに関連した話なんだが、君に見てもらいたいものがある」
「見てもらいたいもの?」
トニーが怪訝な顔で尋ねると、ストレンジはまた宙で手を振って部屋を変える。
今度は巨大な星々の浮いた、天文台のような部屋になった。
「ここは一体…」
トニーが尋ねると、ストレンジは真面目な顔で答える。
「この世界や次元を観測する部屋だ。我々は魔術師はこの部屋から地球の危機を察知し、対応することにしている」
「アベンジャーズの基地にも欲しい設備だな」
「魔術師にしか扱えないが、似たようなものなら君の持つ技術力で作れるはずだ。後で説明しよう。それで、本題なんだが、これを見てくれ」
ストレンジはそういうと、手を操作して浮かんでいる天体を操り、地球を拡大する。拡大された地球は黒くゆがんでおり、ところどころにノイズのようなものが発生していた。
「これが今の地球か?」
トニーの問いに、ストレンジが厳しい表情で答える。
「ああ。通常であれば我々が映像などで目にするような青い姿のはずなのだが、ここ最近は次元の歪みが発生し、このような状態となっている。」
「原因は?」
「はっきりとはわからない。しかし、これは多次元からの侵略というだけではなく、こちらの世界から別の次元へアクセスしようとした形跡がある」
「そんなことが可能なのか?!」
トニーの問いに、ストレンジは静かに答える。
「魔術の世界にはそういった方法もあるが、これは魔術とは違う、どちらかと言えば科学によってアクセスしようとしたものだと思う。そして、それは今もなお続いている。このままいけば、別の次元と衝突し、この世界は消滅するだろう」
ストレンジの言葉に、トニーは絶句する。世界にそのような危機が迫っているとは、知る由もなかったからだ。
そのトニーを見ながら、ストレンジは続ける。
「こちらの世界から科学の力で別の次元へアクセスしようとする者がいるならば、相当大きな力を持った連中の仕業だろう。そうなれば、アベンジャーズの力が必要になる。一刻も早く、この状況を打開すべきだ」
ストレンジがそういうと、トニーは決意を固めた表情になる。
「君の言うとおりだが、君が加わったとはいえ、今のアベンジャーズの力では対応しきれない」
「ならばどうする?新たなメンバーのアテでもあるのか?」
「もちろんだ」
そういうと、トニーは懐から端末を取り出しボタンを押す。すると、画面が宙にホログラフを展開した。そこには、様々なタイプの、仮面を被った戦士たちの姿が映っている。
「これは?」
ストレンジが聞くと、スタークが真顔で答える。
「スターク・インダストリアル社の情報網すべてを使って探し当てた、アベンジャーズの候補となるヒーローたちだ。彼らの名は『仮面ライダー』。主に日本を拠点に活動し、世界征服を企む秘密結社や異次元からの侵略者と戦ってきた戦士たちだ。かなりたくさんのライダーがいるが、所在が判明した者は今でも日本で活動しているらしい」
「仮面ライダーか…。話には聞いたことがある。医師をしていた頃に知り合った日本の医師が、その関係者になっているはずだ」
「それなら好都合だ。早速だが、君にはやってもらいたいことがある」
トニーはそういうと、映し出されている仮面ライダーの中から1人を選び取り、ストレンジの前に表示する。
そこには、緑を基調にしたライダーの姿と、本郷猛という名前が刻まれていた。
「君のもつ千里眼で、まずはこの男を探してもらいたい。名前は本郷猛。この世に生まれた一番最初のライダー、仮面ライダー1号だ。ライダーの世界でも伝説、そして最強の男として語り継がれている」
トニーの言葉を聞いて、ストレンジはデータに目を通す。そしてその経歴と、屈強な姿を脳裏に刻み込む。
「探せそうか?」
トニーの問いに、ストレンジは自信満々に答える。
「君のデータが細かいおかげで、だいぶイメージがしやすかった。これならすぐにでも見つけられそうだ」
ストレンジはそういうと、右手の人差し指と中指を立てて宙に手をかざし、精神を集中する。すると、ストレンジの脳内で様々な国や景色が早送りのように再生されていき、やがて1つの国の景色をはっきりと映し出した。
それを確認すると、ストレンジは集中を解き、トニーの方に向き直った。
「居場所が分かった」
「早いな!それで、彼はどこに?」
「タイだ。おそらくミャンマー付近だと思う。正確な住所などがつかめなかったところを見ると、定住しているわけじゃないらしい」
「なるほど、タイか…。日本のライダーたちを先に誘うつもりだったんだが、この状況ではそうもいかないか」
ストレンジの答えを聞いて、トニーは少し考えてから答えた。
「分かった。私がタイに行って彼をアベンジャーズに勧誘しよう。君は引き続きここで世界の観測と、さっき話していた医師に連絡を取ってみてくれ」
「それはいいが、日本の方はどうする?君が行くんじゃなかったのか?」
ストレンジの問いに、トニーは笑って答える。
「日本には有望な新人に向かってもらうことにする。旅費はすべて、こちら持ちでな」
「そうか。なら私はしばらくこの歪みの動向を探ってから、日本にいる知り合いに連絡を取ろう」
「よろしく頼む。この危機だ、お互いにベストを尽くそう」
そういって、2人は本日3度目となる握手を交わす。
そしてトニーはサンクタムを出てフライデーに連絡し、車を呼び出した。車はすぐにサンクタムの前へときて、トニーを載せて走り出す。するとトニーはさっそくフライデーに指示を出した。
「フライデー、本社へ向かえ。それと、ピーター・パーカーの携帯に電話を繋いでくれ。緊急事態だ」
「承知しました。コールします」
「出るまでかけ続けろ。急を要する任務だからな」
そういって、トニーの乗った車はスターク・インダストリアルの本社に向かって走り出す。
世界の危機を救うため、ヒーローたちが動きだそうとしていた。
【第1話 登場人物】
・アイアンマン:トニースターク
スターク・インダストリアル社の社長。自分が開発したアーマーをまとい、アイアンマンとしてヒーロー活動をしている。
アベンジャーズの創設メンバーで、資金面や技術面で多大な支援をしており、常に世界の危機に対して目を光らせている。シビルウォーの後はいなくなったキャプテン・アメリカに代わって代表を務める。
戦力の減ったアベンジャーズの新メンバーとして、Dr.ストレンジと仮面ライダーを引き入れようとしている。
・Dr.ストレンジ:スティーブン・ストレンジ
元医者にして魔術師。
天才的な外科医であったが交通事故により両手の自由を失い、医師としての道を断たれる。そしてカトマンズにある魔術師の聖地、カマー・タージにて魔術の修行を行い、そこにあった秘宝「アガモットの目」を使いこなすほどにまで成長した。
アベンジャーズのように表立ってヒーロー活動はしていないが、ニューヨークにあるサンクタム・サンクトラムから常に世界を観測し、危機に備えている。
トニーの申し出を受けて今回アベンジャーズに加入すると同時に、次元の歪みからくる世界の危機を伝える。