【ヒーローズ・ユニバース】アベンジャーズ×仮面ライダー~リベンジ・オブ・ショッカー~   作:GAP

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※アベンジャーズと仮面ライダーのクロスオーバー小説です。
※基本アベンジャーズはMCUとしての参戦ですが、ところどころ原作での設定が使われています。
※独自解釈の部分があります。
※MCUはスパイダーマン:ホームカミング後、マイティ・ソー~バトルロイヤル~前の時系列となっています。
※仮面ライダーは仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL後となっています。
※シャドームーンは仮面ライダーディケイド版の月影信彦となっています。

地球で財団Xが暗躍を始め、各ヒーローが動き始めたころ、アスガルドへ帰還したソーはソコヴィアの戦いの際に見た、世界の終末を暗示する夢のことに苦悩していた。そんな時、突如として死者の国ニフルヘイムからシャドームーン率いる謎の軍団「ショッカー」が現れ、アスガルドに侵攻する。アスガルドの戦士としてショッカーに立ち向かうソーだが、圧倒的な力を持つショッカーたちの前に苦戦する。
そんな時、世界を放浪し、その危機を救う「通りすがりの仮面ライダー」がアスガルドに現れる。


第3話

神の国アスガルド。

地球(ミッドガルド)を含む9つの世界の頂点に立つこの国では、最高神オーディンを筆頭とした神と呼ばれる者たちが住んでおり、他の8つの世界や宇宙の危機に目を光らせている。

 

その国の中心にある宮殿内の宝物庫で、オーディンの息子である雷神、ソーはあるものを見つめて物思いに耽っていた。それは、この宇宙創成に深く関わったとされる秘宝、コズミック・キューブである。

ソーはかつて起きたソコヴィアでの戦いの際に、世界の終末を暗示する夢を見ていた。その夢には、このコズミックキューブが深く関わっており、世界は生と死、光と闇、そして正義と悪が混ざり合う混沌としたものになっていた。

 

その夢を見たソーはソコヴィアでの戦いの後アスガルドに帰還し、自分の見た夢が何を意味するか、そしてその終末が現実にならないようにするにはどうすればいいかを考え続けているのであった。真剣な表情でコズミック・キューブを見つめるソーの背後から、声がかけられる。

 

「また、それを見ておったのか」

 

ソーが振り返ると、そこには父でありこの国を治める隻眼の王、オーディンが立っていた。

 

「父上…」

 

ソーが声をかけると、オーディンは真剣な表情になりながら口を開く。

 

「お前の見たその夢…もしかすればラグナロクが近いことを告げているのかもしれん」

 

ラグナロクとはアスガルドに伝わる終末の予言で、炎の悪魔が住む国、ムスペルヘイムの王、スルトがアスガルドを焼き尽くし、世界は終焉を迎えるといったものだった。

 

オーディンの言葉に、ソーは複雑な表情で答える。

 

「最初は、俺もそう考えました…。しかし、俺が見たあの夢の中に本来滅びをもたらすはずのスルトは出てこなかったんです。それに、アスガルドだけじゃなく、地球…ミッドガルドが荒廃するところも見えたんです」

 

「そして、その中心にあったのがこのキューブだったと」

 

「はい…。正確には、このキューブが全ての滅びをもたらす元凶のように見えました」

 

そこまで言って、ソーは視線を再びキューブの方に向ける。その顔には、どこか悲壮感というか焦りのようなものが見えた。

そんなソーの姿を見て、オーディンが優しく声をかける。

 

「夢の内容が気になるお主の気持ちも分かるが、今は少し休め、息子よ。ミッドガルドより帰還して以来、お前の気は張り詰めすぎている。いくら神といえど、それでは今に壊れてしまうぞ」

 

「分かっています。ですが今は…!」

 

ソーが何か言い返そうとオーディンの方を向くが、オーディンはソーの肩に手を置き、優しい表情で告げる。

 

「我ら神々の見る夢には何かの意味がある。お前が過剰に気にするのも無理はなかろう。だが、それにばかり囚われていては物事の本質は見抜けんのだ。心を沈め、静かなる心でもう一度向き合おうことも必要なのだ」

 

オーディンの言葉に、ソーは黙り込んでしまう。確かに、自分は夢に執着するあまり焦り、本質を見失っていたのかもしれない。父の言う通り、頭を冷やせば何か解決法が見えることもあるだろう。

 

「分かりました。一度頭を冷やします」

 

「それでよい。ゆっくりと食事をとり、湯に浸かって己の心を休めよ」

 

「はい。その後は、父上にも夢のことについて相談させていただきます」

 

「良いだろう。ユミルの泉から得た、万能の知恵をお前に貸そう」

 

そう話して、宝物庫を後にしようと2人が歩き出すと、ソーの忠臣であるウォリアーズ・スリーの1人、ホーガンが駆け込んできた。

 

「ソー!それに王よ!ここにおられましたか!」

 

ただならぬ雰囲気に、オーディンがすかさず声をかける。

 

「何事だ?」

 

「ニフルヘイムより、正体不明の軍団がアスガルドに侵攻してきました!」

 

「何だと!?」

 

ホーガンのその言葉に、ソーが思わず声を上げる。ニフルヘイムは死者の国で、主に亡者が住み着いており、このアスガルドに攻め込んでこれるような兵力はないはずである。

ソーと同じ考えに至ったらしいオーディンが、ホーガンに問う。

 

「ニフルヘイムの軍勢といっても、しょせんは亡者であろう?エインヘリヤルの精鋭たちにかかれば、造作もなく蹴散らせるのではないか?」

 

オーディンがその意見を持つのはもっともで、アスガルドの誇る兵団、エインヘリヤルは屈強かつ勇敢な精鋭たちによって編成されており、その戦力は9つの世界の中でも最強と言われているのであった。

しかし、ホーガンは顔に苦い色を浮かべ、オーディンの問いに答える。

 

「それが、攻めてきたのは亡者たちではありません!仮面を被った戦士や、人外の化け物たちです!」

 

そのホーガンの報告を聞いたソーの心に、嫌な予感が走る。まさか自分の見た夢が早くも現実になったのではないかと。

そしてソーはオーディンとホーガンに視線を向け、

 

「父上は民たちを安全なところへ導いてください!ホーガンは王宮の守りを固めろ!俺が迎え撃つ!」

 

と言い残し、その場から飛び出していく。そして王宮のテラスまで一気に駆け上がると腰につけていた愛用のハンマー、ムジョルニアを右手に持ち、そのまま空中へと飛び立った。

そして空から眼下を見渡し、王宮からほど近い広場に戦士たちが集結しているのを見つけてそこに降り立つ。

 

「ソーだ!!」

 

「オーディンの息子だ!」

 

広場に降りたソーを見て、エインヘリヤルの戦士たちが叫ぶ。ソーはその中の1人に声をかけ、状況を尋ねた。

 

「戦況はどうなっている!?」

 

「すでに敵は前衛の部隊を蹴散らし、すぐにここへ来ます!圧倒的な力です!」

 

戦士が答えた瞬間、前方の方から悲鳴と爆発音が響いた。その音を聞いて、ソーが集まる戦士たちの先頭に向かい、音のした方へと目を向ける。

そこには、屈強なるエインヘリヤルの戦士が倒れ、爆煙が上がっていた。そしてその煙の中から、敵がゆっくりと姿を現す。

 

それは、奇妙な姿をした軍団だった。歩兵と思しき者たちはみな、黒に骨の模様が入った全身タイツのようなものを着て、「イーッ!」という奇声を上げている。その後には、人と獣が合体したような異形の怪人が続き、それらを統率しているであろう者たちは様々なタイプの仮面を被り、特殊な形をした鎧に身を包んでいた。

 

「何者だ貴様ら!」

 

ソーが叫ぶと、奥の方からこの軍団の長と思しき者が現れる。それは、手に赤い刀身のサーベルを持ち、銀色の仮面と鎧に身を包んだ戦士だった。

戦士はソーの方に目を向け、ゆっくりと答える。

 

「我が名はシャドームーン。秘密結社ゴルゴムの創成王にして、偉大なるショッカーの幹部!」

 

「ショッカーだと!?ニフルヘイムにそんな名前の者たちは存在しない!」

 

ソーの言葉に、シャドームーンは仰々しく答える。

 

「ニフルヘイムは我々が占領した!今やあの地は、ショッカーの領地だ!!」

 

その言葉に、ソーは愕然とする。死者の国とは言え、ニフルヘイムもそこを治める王族がいたはずである。しかし、今のシャドームーンの言葉を聞く限りでは、その者たちをこのショッカーという連中が排除し、支配したことを意味している。

そんなソーの心中など関係なく、シャドームーンは続ける。

 

「我々の目的は、この地に封印されているコズミック・キューブと地球への帰還だ!それを邪魔する者たちは排除する!」

 

シャドームーンの言葉を聞いて、ショッカーの面々が戦闘態勢に入る。そして、

 

「かかれ!」

 

というシャドームーンの号令と共に、怪人や他の戦士たちが一斉に襲い掛かってきた。

一方、エインヘリヤルの戦士たちも、

 

「応戦しろ!アスガルドを邪悪な者たちに汚させるな!」

 

というソーの号令と共にショッカーに立ち向かう。そして広場は瞬く間に戦場となった。

 

「でやぁぁぁぁぁぁ!」

 

ソーが雄叫びと共にムジョルニアから雷撃を放ち、ショッカーの戦闘員と怪人をまとめて薙ぎ払う。そしてそのままシャドームーンへと肉薄し、ムジョルニアで殴り掛かるが、シャドームーンは素早く手にしたサーベルでそれを受け、つばぜり合いのような状態になる。

 

「コズミック・キューブで何をするつもりだ!」

 

「決まっている!地球を我らショッカーのものとし、そこから全宇宙の覇権を握るのだ!」

 

「ふざけるな!」

 

シャドームーンの言葉を聞いてソーは激高し、ムジョルニアに雷撃をまとわせる。そしてそのまま力任せにシャドームーンのサーベルを押し切り、広場の壁まで吹っ飛ばした。

 

「貴様のようなものに、あれは渡さない!雷神の一撃で消し炭となれ!」

 

そう言ってソーはムジョルニアを上に掲げる。しかし、突如背後から不意打ちくらって倒れ、さらにそこに銃弾が飛んできた。その銃弾をガードし、顔を上げると黒いマスクを被り、レールのようなスカーフを巻いた戦士と、英語のXのような模様の入った仮面を被り、黄色いラインの入った鎧をまとった戦士の姿がソーの目に入る。

 

「我々の目的の邪魔はさせん」

 

黒いマスクの戦士はそう言うと、ソーに襲い掛かり、Xのようなマスクをかぶった戦士も、

 

「気に入らないんだよなぁ・・・。俺の邪魔をする奴は!」

 

と言ってソーに向かってくる。急遽、2対1での戦いに陥ったソーはムジョルニアを振るって応戦するが、どちらの戦士もかなりの手練れで、手に持った特殊な剣でソーを圧倒していく。

その様子を見ながらシャドームーンは立ち上がり、

 

「そいつの相手は任せるぞ、幽汽、カイザよ」

 

と言って近づいてきたエインヘリヤルの戦士を蹴散らし、周囲の軍団を集めながら王宮へと向かう。

 

「待て!」

 

ソーが叫ぶが、シャドームーンは意に介さずにその場を立ち去った。

門番をすべて蹴散らし、王宮の中に入ったシャドームーンたちは、広間で待ち構えていたオーディンの近衛兵とホーガンに出くわす。

 

「ここは死んでも通さん!」

 

そう言って、ホーガンと近衛兵がシャドームーンたちに立ち向かう。しかし、シャドームーンは圧倒的な力でそれらの全てを蹴散らし、ホーガンは地面を転がった。

そのホーガンに、シャドームーンはサーベルの刃を向ける。

 

「止めだ!」

 

シャドームーンがそう言ってサーベル振り上げたその時、突如飛んできた槍がシャドームーンに襲う。とっさに避けたシャドームーンだったが、槍はまるで意思を持っているかのようにシャドームーンを追跡し、やがて胸元に強力な一撃を入れた。

 

「ぐあっ!」

 

うめき声をあげながらシャドームーンが地面に転がると、槍は元の飛んできた方向に戻っていく。

 

「何者だ!」

 

槍の飛んできた方向に目を向け、シャドームーンが叫ぶと、ゆっくりとアスガルドを治める最高神、オーディンがk姿を現した。

 

「神の国を汚す不届き者よ!最高神の名において、このオーディンが裁きを下す!」

 

その言葉と同時に、オーディンとシャドームーンの戦いが始まった。

 

一方、広場ではソーが仮面ライダー幽汽、カイザに苦戦していた。

 

「これで倒れろ!」

 

カイザがそう叫びながら、手にしていたカイザブレイガンでソーに攻撃すると、

 

「止めだ!」

 

という声と共に幽汽が手にしていた鞭でソーの体を打ち据える。

 

「ぐああああああ!」

 

という叫びと共に、ソーは地面に転がった。この2人、おそらく本来の実力であればソーの足元にも及ばないのであろうが、体中から何か怨念とか執念といったものが発されて、それが力に繋がっている。

 

「ぐ、ぐぅぅ…」

 

うめき声をあげるソーを見て、カイザが、

 

「今、楽にしてやるよ」

 

と言いながらカイザブレイガンを構えて近づいてくる。応戦しようとソーは立ち上がろうとするが、2人の攻撃によって体が傷つき、中々立ち上がることができない。

その時、どこかから飛んできた銃撃がカイザを襲い、よろめかせる。

 

「誰だ!」

 

カイザが叫びながら銃弾の飛んできた方向に目を向けると、ソーもそちらに視線を合わせる。

そこには、黒いジャケットを着て特殊な銃を持った男が立っていた。男は、カイザに向かって声をかける。

 

「全く、お前たちショッカーは何度蘇れば気が済むんだ」

 

男の呆れたように言いながらゆっくりとソーに近づき、肩を貸して立たせる。

 

「すまない、助かった」

 

ソーは礼を述べるが、男は特に感慨もないように答える。

 

「気にするな。どうやらこいつらの野望を潰すのが、今回の俺の役目みたいだからな」

 

そんな男の姿を見て、神経を逆なでされたカイザが激高しながら叫ぶ。

 

「お前らも俺の邪魔をするのかぁ!」

 

すると幽汽も、

 

「何者かは知らんが、邪魔をするならば容赦はしない!」

 

と言って手にした鞭を構える。

 

「何者かは知らない、か。ショッカーでの俺の知名度も落ちたもんだな」

 

そう言うと、男は左手に白いベルトのようなもって腹部につけてさらに続ける。

 

「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」

 

そう言うと、男は右手で懐から一枚のカードを取り出し、

 

「変身!」

 

と言ってベルトに装填した。するとベルトから

 

『カメンライド!ディケイド!』

 

という音声が鳴り、男の姿が変わっていく。そして、バーコードのような模様の入った戦士、仮面ライダーディケイドになった。

 

目の前で起きた出来事に呆気を取られているソーに、ディケイドは声をかける。

 

「アンタは他の連中を頼む。奴らは俺がやる」

 

それだけ言うと、ディケイドはカイザと幽汽に立ち向かっていった。その姿を見てソーも気を取り直し、周囲でエインヘリヤルの戦士と戦っていた怪人たちに立ち向かう。

 

「邪魔なんだよ!」

 

向かってきたディケイドに、カイザはカイザブレイガンで切りかかるが、ディケイドは手にしていた特殊な銃、ライドブッカーをソードモードにしてカイザの一撃を弾き、逆に切り裂く。そこに幽汽がすかさず鞭で攻撃を仕掛けるが、ディケイドはそれを避け、再びライドブッカーをガンモードにして幽汽を撃ち抜いた。

 

「お前らにぴったりの姿で相手をしてやる」

 

そう言うと、ディケイドはライドブッカーからカードを1枚取り出して、すかさずベルトへと装填する。

 

『カメンライド!ファイズ!』

 

という音声と共に、ディケイドが仮面ライダー555の姿へと変わる。そして555となったディケイドはさらにライドブッカーからカードを取り出して装填し、

 

『フォームライド!アクセル!』

 

という音声と共に仮面ライダー555アクセルフォームへと姿を変え、超高速で幽汽とカイザに怒涛の連続攻撃を決め、2人を一気に吹っ飛ばす。そして、

 

「まずは1人目だ!」

 

という声と共に555の必殺技、クリムゾン・スマッシュをカイザに決めた。

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

という断末魔と共にカイザが爆発すると、ディケイドは、

 

「お次はこいつだ!」

 

と言って再びカードをベルトに装填した。

 

『カメンライド!デンオウ!』

 

という音声と共に今度は555から電王の姿となり、手にしていたデンガッシャーを幽汽に向かって構える。

 

「俺の必殺技、パート1ってやつだ!受け取れ!」

 

そう言うと、デンガッシャーの刀身部分が柄から分裂し、電子の線によって連結された状態になる。そしてディケイドは

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

という声とともにデンガッシャーを縦横無尽に振り、幽汽に連撃を叩きこんだ。

 

「ああああああああああああ!」

 

という声を上げて幽汽が爆発すると、ディケイドは元の姿に戻る。

その少し離れたところでは、ソーがエインヘリヤルの戦士たちと共にショッカーの戦闘員や怪人を蹴散らしていた。

 

「これが雷神の一撃だ!」

 

ソーが叫びながらムジョルニアを振り下ろすと、空から極大の雷撃が降り注ぎ、戦闘員や怪人をまとめて消し炭にした。

戦いを終えたソーの元に、ディケイドが近づいてくる。

 

「終わったようだな」

 

「ああ。だが、王宮に行ったシャドームーンというやつを追わねば!」

 

ソーの口からシャドームーンという単語を聞き、ディケイドが露骨に呆れたような声を出す。

 

「ショッカーでシャドームーンとなると、月影か。あいつも懲りないな」

 

「何か知っているのか?」

 

「以前、ちょっとした因縁があってな。それで言ったら、こいつらショッカーとも因縁だらけだが」

 

「そうだったのか。ところで、今更なんだが君は一体何者だ?通りすがりの仮面ライダーとか言っていたが…」

 

ソーの問いに、うっかりしていたとでも言うようにディケイドが答える。

 

「そういえば自己紹介がまだだったな。俺の名は門矢士。仮面ライダーディケイドであり、世界の破壊者だ」

 

ディケイドの「世界の破壊者」という単語を聞いて、

 

「破壊者だと!?」

 

と言いながらソーは身構える。その姿を見て、ディケイドは少し慌てたように言った。

 

「落ち着け。そういわれたのは過去の話だ。今はいろいろな世界を旅しながら、こういう世界の危機に立ち向かってる」

 

「信じていいんだな?」

 

そう問いかけたソーに、ディケイドははっきりと答える。

 

「ああ。じゃなきゃ、こんなところに顔を出したりはしない」

 

ディケイドの態度を見ると、ソーは警戒を解き、右手を差し出しながら声をかける。

 

「分かった。君を信頼する。さっきはありがとう、ディケイド」

 

差し出された右手を握りながら、ディケイドはその言葉に答える。

 

「全く、命の恩人になんて態度だ。だが、俺も言い方が悪かったな。あんたの名前は?」

 

「ソーだ。このアスガルドを治める最高神、オーディンの息子であり、アベンジャーズのヒーロー、雷神だ」

 

「神の息子でヒーローで雷神か。あんたも中々面白い肩書きなんだな。それじゃシャドームーンを追うぞ、ソー。俺のことは士でいい」

 

「分かった。王宮はこっちだ、士」

 

ソーの言葉と共に、ディケイドは王宮へ向かって歩き出す。しかし、そこではある悲劇が、2人を待ち構えていたのであった。




【第3話】 登場人物
・ソー
北欧神話に登場する雷神トールその人にして神の国アスガルドを治める最高神、オーディンの息子。
雷を操るハンマー、ムジョルニアに選ばれた戦士で、アスガルドでも好戦的で野蛮な性格だったが、その行いを父に咎められ、一時期地球に追放される。そこで人間を愛するようになり、真の高潔な精神を得てアスガルドへと帰還する。その後、実弟のロキがコズミック・キューブを悪用し、異星人の侵略者と手を組んで地球を攻撃したため再び地球へと向かい、そこでアイアンマンやキャプテン・アメリカらと共にアベンジャーズを結成し、メンバーとなる。その後もダークエルフとの戦いやソコヴィアの戦いに参加し、アベンジャーズとして地球を救うが、その際に見た世界の終末を予言する夢について調べるためアスガルドに帰還した。
アスガルドに攻めてきたショッカーの姿を見て、自分の見た夢が現実になったのではないかと危惧し、全力でショッカーに立ち向かう。

・仮面ライダーディケイド:門矢士
世界を放浪し、その行く先々で危機を救ってきた青年。写真が趣味で、いつも自分の訪れた世界の風景をトイカメラに収めている。
かつては「世界の破壊者」として紅渡から使命を与えられ、9つの世界を旅し、多元世界の支配を目論む大ショッカーと戦う。しかし、本来は破壊されなければならなかった世界を救ってしまったために多元宇宙の崩壊を招き、使命を与えた紅渡や剣崎一真らと敵対してライダー大戦を引き起こす。そしてすべての仮面ライダーを倒した後、仲間であった光夏海の手によって命を失うが、自分が救ってきた9つの世界の人々の記憶によって蘇り、そこで暗躍していた大ショッカーの残党、スーパーショッカーを仲間と共に壊滅させる。その後は世界を放浪し、時には悪を演じながらもその世界の危機を救い、後輩のライダーの道標となったりしていた。
ニフルヘイムを支配したショッカーの動きを察知し、奴らの野望を阻止すべくアスガルドへ現れる。
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