【ヒーローズ・ユニバース】アベンジャーズ×仮面ライダー~リベンジ・オブ・ショッカー~   作:GAP

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※アベンジャーズと仮面ライダーのクロスオーバー小説です。
※基本アベンジャーズはMCUとしての参戦ですが、ところどころ原作での設定が使われています。
※独自解釈の部分があります。
※MCUはスパイダーマン:ホームカミング後、マイティ・ソー~バトルロイヤル~前の時系列となっています。
※仮面ライダーは仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL後となっています。
※三郎以外の少年同盟のメンバーの性格はほぼオリジナルのものとなっています。

トニー・スタークからの指令により、日本の新・天の川学園高校に編入したピーター・パーカーは少年同盟や仮面ライダー部の面々と交流し、友情を育んでいく。そんな天高に、危機が訪れようとしていたのだった。


第5話

日本、新・天の川学園高校。

日本では珍しく航空宇宙学など、宇宙開発系の分野が学べる高校で、卒業生の中には実際にJAXAで働く職員や、NASAの宇宙飛行士となった者もいるため、近辺のみならず日本中から宇宙を目指す若者たちが集まっている。

 

そんな学校の校門の前で、慣れない制服に身を包んだピーター・パーカーは緊張した面持ちで立ち尽くしていた。本来、アメリカにあるハイスクールに通っているはずのピーターがこの学園に来たのには理由がある。

1週間ほど前、唐突にスターク・インダストリアルの社長、トニー・スタークから直通で電話があり、アベンジャーズの新メンバー勧誘のためにここ、新・天の川学園高校への編入を言い渡されたのである。もちろん、ピーターは断ったのだが、渡航や日本での生活費はすべてトニーが持つことと、先日の記者会見の際にアベンジャーズ入りを断ったことを突かれ、半ば強制的に日本へ行くことになったのだ。そして、スタークの開発した睡眠学習装置によって日本語を突貫で習得した後、スターク・インダストリアル社の特別推薦編入生として今日から通学することになったのである。

 

意気揚々と登校する生徒たちから浮きまくるピーターは、

 

「本当にうまくやれるかな…」

 

とつぶやいてポケットからスマホのようなデバイスと片耳の無線イヤホンを取り出す。それは、スタークが連絡用にと持たせた高性能デバイスで、万が一日本語が聞き取れなかった場合には即時に翻訳してイヤホンから出力してくれるようになっている優れものだ。

 

知り合いはいないが、いつ話しかけられてもいいようにイヤホンを耳に装着しようとしたピーターの背後から、女子のけたたましい叫び声が聞こえた。

 

「ちょ、ちょっとそこ、危ないからどいて~~~~~~~~!!」

 

「え?」

 

ピーターが振り返ると、自転車に乗った女子生徒が猛スピードで自分へ突っ込んでくるのが見える。回避するため、飛び上がろうとしたピーターだったが、転校初日から目立つのはまずいと躊躇してしまう。

その間に自転車と女子生徒は接近し、ピーターにぶつかるかと思った瞬間、不意に女子生徒が自転車ごと宙に浮き、その軌道を変える。

しかし、浮いたことで女子生徒の体は宙に投げ出され、

 

「きゃあ~~~~!」

 

という悲鳴が響くが、とっさに現れた男子生徒が女子生徒を受け止めて着地し、事なきを得る。

 

「全く、みよっぺまた自転車のブレーキ壊したのか?」

 

「あははは~…ありがとう、風田君」

 

女子生徒ことみよっぺと、男子生徒こと風田三郎が話していると、その仲間のルビイとネズミ、そして自転車を担いだコングが近づいてくる。

 

「またブレーキが壊れています。放課後に僕が直しますよ」

 

ネズミがそう言うと同時に、コングが自転車をみよっぺに渡す。

 

「ありがとうね、ネズミ君、コング君」

 

みよっぺが笑顔でコングとネズミにお礼を言うと、今度はルビイがみよっぺに話しかける。

 

「アンタ今日日直でしょ?急がなくていいの?」

 

「あ、そうだった!ごめん、私もう行くね!」

 

「あ、ちょっとみよっぺ!」

 

走りだしたみよっぺを三郎が呼び止めようとするが、みよっぺはあっという間に校舎裏の自転車置き場へと走り去ってしまった。

その姿を見て、三郎は「全く…」と言ってため息をつくと、ピーターの方に近づき、声をかける。

 

「ごめんね。大丈夫だった?」

 

日本語での問いであり、聞き取れるか不安だったピーターだが、幸い睡眠学習装置による日本語習得はうまくいったようで、翻訳なしでも聞き取ることができる。そして不安交じりに、

 

「ああ。大丈夫。こっちもぼーっとしてたから」

 

と三郎に返すと、相手に意味はしっかりと伝わったようで、心の中でホッと胸を撫でおろす。

そんなピーターに、三郎は朗らかに話しかけてきた。

 

「転入生?日本語、うまいんだね!」

 

「ああ。知り合いが教えてくれたからね」

 

「そうなんだ。あ、自己紹介がまだだったね。俺は風田三郎。さっきの女子は大木美代子って名前で、みんなみよっぺって呼んでる」

 

「そうなんだ。僕はピーター・パーカー。ピーターって呼んでくれ」

 

「分かった!よろしく、ピーター」

 

そういって、三郎が右手を差し出してきたのでピーターはそれを握る。

すると、ピーターの持つスパイダー・センスが反応し、腕毛が制服の中で逆立つ。やはり、先ほど自転車を宙に浮かせたのは彼の特殊な力によるものだったらしい。

すると、三郎の方も何かを感じとったようで、ピーターに声をかける。

 

「もしかして君、何か特別な力を持ってる?」

 

その問いに、ピーターは一瞬だけ焦るが、何とか平静を装い、

 

「いや、気のせいじゃないかな?ただの高校生だよ」

 

と答えた。三郎は少しだけ訝しむような顔をしたが、すぐに表情を元に戻し、

 

「まぁ、何か困ったことがあったら言ってよ。俺でよければ力になるからさ」

 

と、ピーターに笑顔で言った。それを聞いて、ピーターはさっそく三郎に質問する。

 

「ありがとう。それじゃ、来客用の玄関はどこ?」

 

「ああ。それなら、右側の端っこにあるよ」

 

三郎が答えた瞬間、待っていたルビイが三郎を呼ぶ。

 

「三郎!そろそろ行かないと!」

 

「今行く!…ごめんピーター。俺もう行くね。また学校で」

 

「ああ。それじゃまた」

 

そう言葉を交わし、三郎は仲間たちの方へ走っていった。それを見てピーターは、

 

「日本にも、あんな力を持った高校生がいるのか…」

 

とつぶやき、来客用玄関から職員室へと向かった。

職員室につくと、ピーターの学年の主任だという大杉という教師がピーターに対応している。

 

「話は聞いているよ、ピーター君。私がこの学校のG(グレート)T(ティーチャー)O(オオスギ)こと、大杉だ!」

 

「はぁ…どうも…」

 

大杉の高すぎるテンションに困惑しながらも、ピーターは返事を返す。しかし、大杉はそんなピーターの心情を知る由もなく、話を続ける。

 

「いや~すまんねぇ。本当は担任が君にいろいろ説明するはずだったんだが、ちょっと遅れているようで…」

 

大杉がそう言っていると、職員室の扉が勢いよく開き、

 

「遅れてすんませんっす!」

 

といいながら、リーゼントに短ランのようなスーツを着た教師が入ってきた。

その教師を見ながら、大杉が怒鳴る

 

「き~さ~ら~ぎ~!編入生が来るというのに、何をやっているんだお前は~!」

 

「悪ぃ大杉先生!ちょっと髪が決まらなくて!…お!お前が編入生か!」

 

そう言うと、如月と呼ばれた教師は一目散にピーターへと近づき、彼の前に立つ。

 

「ピーター・パーカーです。今日からよろしくお願いします」

 

ピーターが挨拶すると、

 

「おう。俺は如月弦太郎!この学校の全員とダチになる男だ!よろしくな、ピーター!」

 

と言って、教師こと弦太郎右は手をピーターに差し出す。その高いテンションに若干気おされつつ、ピーターが手を取ると、

 

「よし!」

 

と言って、弦太郎はピーターの握った手を握手から腕相撲のように組み替え、その後拳を上下にぶつけて最後に合わせる。

 

「あの、これは?」

 

ピーターが戸惑いながら訪ねると弦太郎は満面の笑顔で、

 

「ダチの印だ!今日からお前も俺の生徒でありダチだぜ、ピーター!」

 

と元気よく返した。

その笑顔を見て、不思議とピーターの緊張がほぐれていく。正直、いきなり言ったこともない日本に来てうまくやれるか不安であったが、この人が担任ならば安心できるかもしれないと思う。

 

「それじゃ大杉先生、さっそく、ピーターは教室につれてくぜ」

 

そう言うと、弦太郎はピーターを連れて、自分の教室へと案内しようとする。

 

「ちょっと待て如月!まだ話は…」

 

大杉の言葉が終わる前に、弦太郎はピーター共に職員室を出て扉を閉め、教室へ向けて歩き出した。

 

その道中、弦太郎はピーターに質問をする。

 

「なんでピーターはこの学校に来たんだ?」

 

「えっと、前から航空宇宙工学に興味があって、色々勉強しながらスターク・インダストリアル社でバイトさせてもらってたんです。そしたら今回、社長のトニー・スタークさんが推薦してくれて…」

 

もちろん、これはスタークが事前に用意した言い訳で嘘である。疑われるかと内心ハラハラしたピーターだったが、弦太郎は特に疑う様子もなく、

 

「そっか!ピーターは努力家だな!」

 

と感心したような言葉をかける。

 

「いえ、好きなことを夢中でやってただけです」

 

「いや、そうやって1つのことに全力で臨めるのはすげーことだぜ。ここで学び足りなかったら、ダチの賢吾ってやつが大学で宇宙工学の研究室にいるから、そいつのところへも行けるようにしてやるぜ」

 

「ありがとうございます」

 

「だけどまぁ、せっかくアメリカから日本へ来たんだし、友達もたくさん作れよ!うちのクラスはみんないいやつだから、すぐに溶け込めると思うしな」

 

そこまで言うと、弦太郎の担当するクラスの教室につく。

 

「ここが俺のクラスだ。それじゃピーター、俺が呼んだら入ってきてくれ」

 

「分かりました」

 

ピーターの返事を聞き、弦太郎が先に教室に入る。そして朝の挨拶が終わるなり、

 

「ピーター、入ってくれ」

 

という弦太郎の声が聞こえる。その声に従い、ピーターは教室へ入り、弦太郎の隣に立った。その瞬間、

 

「あ~っ!」

 

という声が聞こえる。ピーターがその声の方に顔を向けると、先ほど校門で出会った風田三郎と、自分にぶつかりそうになったみよっぺが驚きの表情でピーターを見ていた。

 

「ん?なんだ三郎、みよっぺ。知り合いか?」

 

弦太郎が聞くと、みよっぺが答えづらそうに、

 

「いや~その、今朝ちょっと…ね?風田君?」

 

と言って三郎の方を向く。

 

「うん。まさか、うちのクラスとは…」

 

三郎がそう答えると、弦太郎は少し不思議そうな顔をしてから、ピーターの肩に手を置いて今一度クラス全員に紹介する。

 

「まぁ細かいことはいいか!今日から、このクラスの新しい仲間になるピーター・パーカーだ!みんな、仲良くしてくれ!」

 

弦太郎がそう言うと、

 

「ピーター・パーカーです。日本は初めてなので、よろしくお願いします」

 

と挨拶した。

 

「よし!それじゃ席は…三郎の隣が空いてるな。そこに座ってくれ」

 

弦太郎がそう言うと、ピーターはその指示に従って席に着く。すると、三郎が小声で、

 

「改めてよろしく」

 

と話しかけ、ピーターも、

 

「こちらこそ!」

 

と小さく答えた。

その後はHRからすぐ一限に入り、午前中の授業が始まる。ピーターは念のため、翻訳用のデバイスを起動させ、イヤホンを耳に装着して授業を受けたが、別になくても問題なく授業を受けることができたため途中からは外し、普通に授業を受けた。

そして昼休み。何とか午前の授業を乗り越えピーターが一息ついていると、みよっぺが近づいてくる。

 

「朝はごめんねピーター君!日直だから急いでて…」

 

目の前で手を合わせて謝るみよっぺを見て、ピーターは笑顔で返す。

 

「いや、特に怪我はしてないし、気にしなくてもいいよ」

 

ピーターのその声を聞いて、三郎が横から口を出す。

 

「全く、みよっぺは本当にそそっかしいんだから」

 

「しょうがないでしょ!…って、風田君も助けてくれてありがとね」

 

みよっぺがそう言うと、近づいてきたルビイがピーターに声をかける。

 

「ピーター、お昼は?お弁当か何かあるの?」

 

「いや、売店でパンでも買おうかと思ってるけど…」

 

その答えを聞くと、ルビイはスマホを取り出しながら続ける。

 

「それなら、ちょうどコングとネズミが買いに行ってるから、ピーターの分まで頼んどくね」

 

「いや、いいよ!自分で行くから」

 

慌てて席を立とうとするピーターに、今度は三郎が声をかける。

 

「うちの購買、昼時は混むから今から行っても買えないよ。ここはコングとネズミに頼んだ方がいいよ」

 

三郎の答えにピーターは申し訳なく思いつつも、

 

「それじゃあ、お願いするよ」

 

と言ってルビイの方を見た。

 

「OK。たぶん何売ってるかも分からないでしょうから、うちの購買で一番おいしいパンを買ってきてもらうわ」

 

ルビイはそう言うとスマホを手早く操作して、コングたちへメッセージを送った。

それが終わると、編入生にはお約束の質問タイムが始まる。

 

「ピーターは何で天高に来たの?」

 

三郎が聞くと、ピーターは朝に弦太郎へ説明したことをそのまま話す。

 

「すごい!ピーター君って頭いいんだね!」

 

「しかも、スタークインダストリアル社ってあのアイアンマンが社長をやってるところでしょ?ピーターも実はヒーローだったりして」

 

ルビイのいたずらっぽい一言に、一瞬ギクリとするピーターだったが、何とか表情を取り繕う。

 

「いや、僕はただのバイトだから!でも、アイアンマンのアーマーなら見たことあるよ」

 

「へー!」

 

そんなことを3人で話していると、購買からコングとネズミが戻ってきた

 

「お待たせしました!」

 

ネズミはそういってパンを1つ取り出すと、ピーターに差し出す。

 

「これは何のパン?」

 

ピーターがそう言うと、ネズミは得意げに答える。

 

「これは我が天高名物、青春宇宙サンド!いつも5分くらいで売り切れてしまう伝説のパンなんですよ!」

 

ネズミの答えを聞いて、ピーターは改めてパンを見る。背の割れたコッペパンに照り焼きのチキンやレタス、トマト、チーズなどが挟んであり、見るからにおいしそうな一品であった。

 

「ありがとう。えーと…」

 

ピーターが名前が分からず困惑していると、

 

「あ、申し遅れました!私の名前は根津誓夫。ネズミと呼んでください」

 

とネズミが答える。すると、背後にいたコングも、

 

「おれ、コング!よろしく!」

 

と言って簡単な自己紹介をした。

 

「ネズミにコングか。よろしく。あ、お金は…」

 

ピーターがそう言いながら財布を取り出そうとすると、

 

「あ、いいよ、朝のお詫びに私が出すから」

 

と言ってみよっぺが代わりに払う。

 

「いや、気にしてないからいいよ」

 

ピーターはそういうが、みよっぺは、

 

「急いでいたとはいえ、編入初日に危ない思いさせちゃったから、これくらいはさせて」

 

と言った。ピーターはみよっぺが何を言ってもお金を受け取らないだろうと感じ、おとなしく財布をしまう。

すると三郎が、

 

「それじゃ食べようか」

 

と全員に声をかけ、各々昼食を取り出して食べ始めた。そしてたわいもない話をしながら食事を進め、全員が食べ終わると今度はピーターが全員に質問する。

 

「ところで、みんなに聞きたいことがあるんだけど」

 

「何?なんでも聞いてよ」

 

「この学校に、『仮面ライダー部』っていうのがあるって聞いたんだけど…」

 

ピーターがそこまで言った瞬間、弁当箱を閉まっていたみよっぺが身を乗り出す。

 

「ピーター君、仮面ライダー部に興味があるの!?」

 

みよっぺのあまりの勢いに、少し気おされるピーターだったが、

 

「う、うん…。できれば、入部してみたいと思って…」

 

と答える。すると、みよっぺはピーターの両手をつかんでブンブンと振りながら、

 

「大歓迎だよ!今、部員私一人で寂しかったんだ!よろしくね!ピーター君!」

 

と言って満面の笑顔をピーターに見せた。

スタークがこの学校にピーターを編入させたのは、この仮面ライダー部の存在が大きい。仮面ライダー部はその名の通り、半ば都市伝説的に活動する仮面ライダーについて調査・研究を行う部活で、詳しい所在の分からない仮面ライダーの情報を集められるのではないかと考えたスタークはピーターに入部するように要請していたのであった。

とりあえず、そのスタークからの指令を果たせたことに、ピーターは心の中で胸をなでおろす。

 

「俺たちも部員みたいなもんだろ」

 

三郎が若干不満げに言うと、

 

「風田君たちは『少年同盟』であって、準部員みたいな感じでしょ。正式な部員が増えるのは久しぶりだからうれしいよ」

 

みよっぺの答えに、三郎は苦笑いしながら黙ってしまう。

すると、今度はルビイがピーターに声をかける。

 

「ピーターも仮面ライダー部に興味があるなんて物好きね。やっぱり、身近でアイアンマンっていうヒーローを見てるから?」

 

「まぁ、そんなところかな?日本のヒーローも気になって」

 

「ちょっとルビイ!そこは物好きじゃなくて、見る目があるって言ってよね!」

 

みよっぺがそう言った瞬間、窓の外から突如爆発音が響き渡った。

 

「な、何事!?」

 

ネズミがそう言うと、

 

「中庭からだ!みんな行くぞ!」

 

と言って三郎が教室の外へと駆け出し、みよっぺとルビイ、ネズミ、コングが続く。

 

「ちょ、待って!」

 

と言ってピーターもそのあとに続いて教室から飛び出した。

中庭につくと、それまで何もなかったはずの空間に、巨大な悪魔の手のような形をした装置が現れており、それを銀の禍々しいボディを持ったロボットが破壊している。

ロボットはやがて、その装置から何かのデータが収められたと思しきデバイスを取り出す。

 

「何だアイツは!?」

 

三郎の問いに、遅れてきたピーターが答える。

 

「あれは、ウルトロンだ!!」

 

ピーターの答えを聞いたルビイが驚愕の声を上げる。

 

「それってあのソコヴィアを攻撃したっていう!?アベンジャーズに倒されたんじゃ…」

 

「いや、スタークさんのデータで見せてもらったから間違いない!」

 

そんなやり取りをしていると、ウルトロンの視線がピーターたちの方に向き、攻撃を開始する。

 

「くっ!」

 

三郎は言いながら地面を転がって攻撃を避けると、

 

「みよっぺたちは生徒の非難を!ここは俺が食い止める!」

 

「分かった!」

 

みよっぺやコングはすぐに動こうとするが、ピーターがそれを止める。

 

「いや、彼ひとりじゃ無理だよ!」

 

すると、みよっぺは笑顔を浮かべながら、

 

「大丈夫!風田君は、天高のヒーローだから!」

 

と力強く答えた。すると、三郎が全身に力を溜めて叫ぶ。

 

「剛力!招来!」

 

すると三郎の姿がみるみる変化し、茶色の分厚い肉体の戦士、サナギマンへと変身した。

 

「いくぜ!」

 

三郎ことサナギマンはそう言うとウルトロンに接近し、格闘戦を仕掛ける。

 

「はぁ!うおりゃ!」

 

サナギマンはそう言いながらウルトロンに蹴りやパンチを放つが、装甲の硬いウルトロンには通用しない。そして逆に蹴りで吹っ飛ばされると、ウルトロンの手から発射されたビームが直撃する。

 

「うわぁぁぁ!」

 

サナギマンはそう叫びながら地面を転がった。

 

(これはヤバい!)

 

サナギマンの姿を見てそう思ったピーターは、みよっぺたちにばれないようにその場を抜け出し、校舎の影に隠れる。そして素早く制服を脱ぐと、その下に着込んでいたスパイダースーツの格好になり、最後にマスクをつけてスパイダーマンの格好になる。護身用にピーターはあらかじめスパイダースーツを着込んで登校していたのであった。

 

そして、適当な壁にウェーブシューターで糸をくっつけるとターザンのようにジャンプし、そのままウルトロンに向かって強烈なドロップキックを放った。その直撃を受け、ウルトロンの体が吹き飛ばされる。

すると、ピーターことスパイダーマンは倒れているサナギマンに手を貸し、

 

「大丈夫か!?」

 

と声をかけた。

 

「ああ。ありがとう。…!君は、ピーター?」

 

サナギマンが自身の超能力でその正体に気づくが、スパイダーマンは人差し指を口元に当て、

 

「みんなには黙っててくれ」

 

と小さく言う。

 

「分かった。それじゃ、何て呼べばいい?」

 

「スパイダーマンだ」

 

「了解。それじゃ行くぜ!スパイダーマン!」

 

そう言うと、スパイダーマンとサナギマンはウルトロンに向かっていく。

日米の少年ヒーローによる、共同戦線が始まったのであった。

 




【第5話 登場人物】
・スパイダーマン:ピーター・パーカー
アベンジャーズの準メンバー的なヒーロー。
社会科見学でオズボーン社に行った際、科学実験を受けたクモに噛まれ、超人的身体能力を得たピーターが街の平和を守るためにその力を使い始めたのがきっかけで誕生したヒーロー。当初はピーターが自作した特性スーツを使っていたが、現在はトニーが開発した最新式のスーツを使用している。
シビルウォーの際、その存在を知ったトニーにスカウトされ、アイアンマン陣営に加わってアントマンやキャプテン・アメリカと激闘を繰り広げる。その後、トニーからアベンジャーズの訓練生的な扱いを受け、武器密売組織を壊滅させる働きを見せる。そしてその功績を認められ、アベンジャーズの正式なメンバーとしてトニーに迎えられるが、ヒーローとして一番大切なことが何かに気づきメンバー入りを辞退。自分の住む街のヒーローとして活動することを選ぶ。
今回、トニーからの指令で天高に編入し、仮面ライダーに関する情報を集めることになる。

・サナギマン/イナズマン:風田三郎
新・天の川学園に通う高校生。弦太郎の教え子。
超能力者で、その力を高めることでサナギマン、イナズマンに変身する。
幼いころに巻き込まれたある事件がきっかけで超能力に目覚め、そのせいで周囲の人間から白眼視され、ずっと化け物扱いされてきた。そんな人生の中で心が荒み。天高に入学してからは同じ超能力者であるルビイ、コング、ネズミと共に『怪人同盟』を結成。当時仮面ライダーフォーゼとして戦っていた弦太郎を排除しようとするが、その弦太郎に諭され、さらに自分のためにフォーゼドライバーを溶鉱炉に投げ捨てた姿を見て改心し、自由の戦士イナズマンとして戦う決意をする。現在はコング、ネズミ、ルビイと共に『少年同盟』を組み、仮面ライダー部のみよっぺとも良好な関係を築いている。
今回、編入してきたピーターと友情を育み、ともにウルトロンへと立ち向かう。
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