【ヒーローズ・ユニバース】アベンジャーズ×仮面ライダー~リベンジ・オブ・ショッカー~ 作:GAP
※基本アベンジャーズはMCUとしての参戦ですが、ところどころ原作での設定が使われています。
※独自解釈の部分があります。
※MCUはスパイダーマン:ホームカミング後、マイティ・ソー~バトルロイヤル~前の時系列となっています。
※仮面ライダーは仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL後となっています。
日本やワカンダで次々とヒーローたちが邂逅している頃、アイアンマンことトニー・スタークはタイへ赴き、伝説の戦士、仮面ライダー1号こと本郷猛と出会い、アベンジャーズへの加入を要請する。しかし、本郷とトニーの信念の違いから2人は衝突。その結果、本郷がトニーの正義を見極めるため2人は共同戦線を張り、タイに魔の手を伸ばしていたショッカー、財団Xへと立ち向かう。
タイ王国・ミャンマー。その市内にある飲食店の屋台は、夜にもかかわらず盛況で、地元のタイ人はもとより、海外からの観光客も多く押し寄せ、思い思いに夕食や地元の酒に舌鼓を打っている。
その人込みをかき分け、トニーは目的を果たすために一番大きな屋台を目指していた。
ニューヨークでストレンジと別れた後、トニーはすぐさまスパイダーマンことピーター・パーカーに連絡を取り、彼を日本へと派遣する準備を整えた。そして自分は衛星軌道上に浮かぶ人工衛星「ベロニカ」と人工知能フライデーを駆使し、データの絞り込みを開始。そしてついに、目的の人物の捕捉に成功したため、こうして直接出向いてきたのだった。
目的の屋台に到着すると、トニーはすぐさま辺りを見渡し、すぐさまその人物の姿を見つけると、その人物の座る席の向かい側へと腰を下ろす。
その人物は、向かい側に座ったトニーに一瞬目を向けるがすぐさま視線を外し、自分の真下にある麺料理を食べ進める。
この人物こそ、トニーがニューヨークでストレンジに探してもらい、アベンジャーズの新メンバーへと勧誘しようとしているヒーロー、仮面ライダー1号こと本郷猛である。
今から約50年前に、当時世界征服を謳って暗躍していた秘密結社、ショッカーの手によって生まれた改造人間で、洗脳手術の前に組織を脱走し、仮面ライダーを自称。その後、約50年もの間、その後に続く仮面ライダーたちの先達として、人類の自由と平和のために戦い続けてきた。
その経歴を物語るように、本郷の体からはただならぬ気配が醸し出されており、向かい側に座ったトニーはその気配に圧倒され、中々口を開けずにいる。
やがて、本郷は料理の入っていた丼を両手に持ち、中に残っていたスープを飲み干すと静かに丼と箸をテーブルに置き、両手を合わせて一礼した。そして、ゆっくりとトニーに視線を合わせ、
「俺に何か用か?」
と野太い声で問いかけた。
その問いを聞いて、トニーがチャンスとばかりに喋りだす
「いやー、お食事中に済まないね。僕の名はトニー・スターク。スターク・インダストリアル社の代表で、アメリカでヒーローたちのチーム、アベンジャーズの代表をやらせてもらっている。今日はミスター…あー、違うか、えーと、何て呼べばいいんだ…?」
「本郷でいい。まどろっこしいのは嫌いなんだ。要件を簡潔に言ってくれ」
「あっそう。それじゃ単刀直入に。君に、アベンジャーズに入ってほしい。我々の力は今、低下している。とはいっても、それは僕のせいなんだが、このままでは、世界の大きな危機には対処できない。君のような歴戦の戦士の力が必要なんだ。チームに入ってくれ」
トニーの誘い文句を聞いて、本郷の目に鋭い光が宿る。
「お前たちの言う大きな危機への対処とは、自分たちの敵を倒すためによその国へ勝手に入って暴れまわり、そこに住む人たちを平和を脅かすことか?そんなことをするチームになど、協力は出来ん!」
本郷の怒声に、トニーは言葉を失う。それは、かつてシビルウォーの時にロス将軍からも指摘されたことで、その結果、ソコヴィア協定が締結され、アベンジャーズは2つに割れることとなったのだ。
トニーが言葉を見つけられないでいると、本郷はさらに追い打ちをかける。
「いいか、覚えておけ。真のヒーローとは、誰の目に触れられずとも、人知れず自由のため、平和のために孤高に戦う戦士たちのことだ。お前たちのように強大な力を持っていながら徒党を組み、その力を無作為に使いまくる者を、ヒーローとは呼ばん!俺が言いたいのはそれだけだ!今すぐここから帰れ!」
そう言うと、本郷は代金をテーブルの上に置いて椅子から立ち、その場を後にしようとする。
トニーはその間、下を向いていたが反論できなかったからではない。甚大な被害を出したとは言え、アベンジャーズは地球の危機を救ってきた。それこそ、毎回傷だらけになりながらである。その戦いを、成果を、初めてであったばかりの何も知らない男に全否定されては、トニーも穏やかでいられようはずもない。
立ち去ろうとする本郷の背中に向かって、トニーは怒りを込めた声をかける。
「アンタだって他人のことをとやかく言えないんじゃないか?」
その言葉に、本郷が足を止め、トニーへと向き直る。
「何だと?」
本郷に声をかけられたトニーは彼との距離を詰めながらまくしたてる。
「アンタは孤高に戦ってきたというが、その実全然孤高じゃない。むしろ、僕たち以上に寂しがり屋だ1人じゃ何にもできやしない。君がもし、本当に孤高に戦おうとしたなら、同じくショッカーに改造された一文字隼人を何故戦いに巻き込んだんだ?」
トニーの皮肉っぽい問いを聞いて、本郷の頭に血が上る。しかし、トニーは追及の手を緩めない。
「それだけじゃない。いくら本人が望んだとはいえ、アンタは風見志郎という男にあまつさえ改造手術まで施してやっている。どんなに言葉を繕おうとも、アンタは結局怖かったのさ。一人でこの先、永遠に戦い続けるのが!その結果が、終わらない戦いと新たな仮面ライダーを生むことになった!それに、チームは組まないだって?だったら栄光の7人ライダーっていうのは何だい?立派にチームを組んでるじゃないか?なんなら、ウチの初期よりも人数が多いぞ?」
トニーの度重なる言葉を聞いて本郷は激昂し、トニーの胸倉をつかみ上げる。
「おお怖。怒ったか?これだから日本の頑固オヤジは。だがまだ言いたいことはあるぞ?平和のために戦ってきたというのなら、6年前のニューヨークの戦いのとき君はどこで何してた?知ってるぞ、スーパー戦隊って連中と日本で内戦してたそうじゃないか?僕たちよりも質が悪い。それじゃソコヴィアの時は?君たちが世の陰でコソコソと戦っている頃、僕たちは必死に人類を守ろうと血を流してた!それも、ショッカーなんて地球の秘密結社じゃない!宇宙の果てからくる強大な力を持った敵と、命がけの戦いをしてたんだ!みんな必死だった!その戦いを、いくら50年間戦い続けた歴戦の戦士とは言え、今日あったばかりの男に否定などさせない!」
そこまでトニーが言うと、本郷は胸倉を掴んでいた手を放し、呼吸を整える。トニーに図星を突かれ、冷静になったからだ。
そして頭の中を冷やすと、再びトニーに背を向け、無言で歩き出す。
その姿を見たトニーは、怒りのあまり言いすぎてしまったと正気に戻り、慌ててその背を追った。
「すまない。悪かった、謝る。言い過ぎた。別に君と喧嘩しに来たんじゃないんだ」
トニーがそう声をかけるが、本郷はただ一言、
「ついてこい」
と言って再び歩き始める。
本郷の言葉に、取りつく島がないと悟ったトニーは観念し、黙ってその後をついていくことにする。
2人はどんどん街を離れ、近くの森林に足を踏み入れていく。そして、しばらく歩いた後、開けた土地の目前で足を止め、木陰に身を隠した。
「あれを見ろ」
本郷が開けた土地の方を指さす。暗闇に目を凝らしてみると、そこには廃工場のようなものがあり、周りを武装した男たちが囲っている。
「何だあれは?」
トニーが小声で本郷に尋ねる。
「数か月前、ここに拠点を構えたテロ組織だ。俺の調べでは、ショッカーと繋がりのある財団Xが関わっているらしい」
「財団Xって、あの死の商人とか言われてる連中か?なんだってこんなところに…」
「そうか、君の会社は、かつて兵器産業に手を染めていたんだな」
本郷の言葉に、トニーはバツが悪そうに答える。
「今はもうやってない。クリーンな企業さ。代表は美人で気が利くパーフェクトな企業。それで、これからどうする?」
トニーの問いに、本郷は静かに答える。
「俺とお前、2人で奴らを壊滅させる。お前の覚悟を俺に見せろ。それを見て、チームに入るか検討する」
本郷の答えにトニーは一瞬驚愕するが、すぐさま笑みを浮かべる。
「なるほど、分かりやすい。それじゃ行こうか」
「スーツの着用まで時間は稼ぐぞ」
本郷の申し出に、トニーは不敵な笑みを浮かべる。
「いや、必要ない。スーツは今…ここにある」
そう言うと、トニーは自分の胸元にあるアーク・リアクターを右手でタッチする。すると、胸元から赤く細かい金属片が体中に広がっていき、やがてアイアンマンスーツを形成し、トニーの姿がアイアンマン・マーク50へと変わった。
「便利なものだな。自分を改造したのか?」
本郷の問いに、トニーは軽く答える。
「アンタほどじゃないがね。体にナノマシンを埋め込んだ。これでスーツをいちいち持ち運ぶ必要もない。それじゃ、僕が突撃してかく乱するから、アンタはその後を頼む」
そう言うと、トニーことアイアンマンは足と手からブラスターを噴射し、空中へ飛び上がると武装した男たちに急襲をかけるべく突撃する。
「よぉーしテストの時間だ、派手に行くぞ!」
そう言うとアイアンマンは武装した男たちに手から発射したブラスターを次々と浴びせていく。急な攻撃に慌てふためくものの、男たちはすぐに迎撃態勢をとろうとするが、そこに林の中から本郷が現れ、格闘戦で蹴散らされていく。
空からはアイアンマン、地上には本郷という完璧なる布陣により、武装集団はあっという間に沈黙した。
「財団Xが関わっている割には大したことなかったな」
トニーがそう言うと、本郷は厳しい表情で答える。
「油断するな。本番はこれからだ」
本郷がそう言うとと同時に、廃工場から複数のマスカレイド・ドーパントとシオマネキングにギリザメス、サソリ男と言ったショッカーの怪人たちが姿を現した。
「やはりショッカーの怪人を再生させていたか!」
「その怪人とやらもすさまじいが、あの骨みたいな奴らもなかなか侮れないぞ!」
トニーがフライデーによる分析データを見ながら本郷へ声をかけたその時、怪人たちの集団からひときわ派手な格好をした男が現れる。鞭を地に叩きつけ、盛大な音を鳴らしながら、その男は本郷に向かって声をかけた。
「フハハハハハハ!久しぶりだな、本郷猛よ!」
その姿を見て、本郷が答える。
「どうやら、傷は癒えたようだな、地獄大使!」
本郷の言葉に、地獄大使は笑いながら答える。
「貴様に情けをかけられた後、俺は恥を承知で財団Xの元へ向かい、治療と強化を行った!もはや俺は以前の俺ではない!その名の通り、地獄から貴様を倒すためにやってきた使者よ!」
地獄大使の言葉を聞いて、アイアンマンが本郷に声をかける。
「えーっと、とりあえず、あの時代錯誤で暑苦しい奴は任せてもいいか?他は受け持つ」
「ああ…奴とは、1対1で決着をつけねばならんからな。俺も本気で行く!」
「やれやれ、昭和世代は熱いねぇ」
アイアンマンがそう言うと、本郷は腹部に両手を構え、ベルトを出現させる。そして、両手を独特に構えると、高らかに宣言する。
「ライダァァァァァァァ!変身!!」
そう言ってポーズをとると、本郷の周りに風が巻き起こり、やがてその姿が伝説の戦士、仮面ライダー1号へと変わっていく。
変身を終えた本郷こと仮面ライダー1号は、
「行くぞ!地獄大使!」
と言って真っ先に地獄大使に向かって走り出した。
一方の地獄大使も、
「それでこそだ、本郷猛!!今こそ我らの長き因縁に、決着をつけるぞ!」
と言いながら、自分の本来の姿である怪人ガラガランダへと姿を変えながら仮面ライダー1号に向かって突進する。
それを見たトニーは
「やれやれ、僕の父といい、オヤジ世代というのは本当に暑苦しいねぇ。まぁでも、嫌いじゃない!僕も見習って、熱く行こうか!」
とどこか楽しそうに言うと空に飛び上がり、空中からブラスターを撃ちまくる。
こうして、日米ヒーローによる本格的な共同戦線が本格的に幕を開けた。
【第7話 登場人物】
本郷猛:仮面ライダー1号
この世で初めて生まれた仮面ライダーで、伝説の戦士。
オートレーサーの青年、本郷猛が世界征服を目論む悪の秘密結社ショッカーによって改造手術を受けたことにより誕生。当初はショッカーの改造人間(怪人)として日本侵略の尖兵となる予定だったが、脳改造を前に運よく脱出し、洗脳を免れた。その後は自ら仮面ライダーを名乗り、ショッカーを壊滅。その後にできた仮面ライダー2号やV3といった仲間と共に、ショッカーの系譜を受け継ぐゲルショッカーやデストロン、デルザー軍団などと死闘を繰り広げ、ショッカー大首領こと岩石大首領を栄光の7人ライダーと呼ばれる仲間たちと共に打ち倒し、ショッカーの野望に終止符を告げる。その後も人類の自由と平和のために、世界中にはびこる悪と戦い続けてきた。
今回、アイアンマンことトニー・スタークにアベンジャーズ加入を誘われ拒否するも、その真意を見極めるべく共同戦線を張ってショッカー、財団Xに立ち向かう。