西暦2018年1月1日
日本という国が年を越して、人が普段の食とは違いおせち料理などを食べていることなど以外は至って普通のこの日
しかし、普通じゃない人間もいた
右手に赤い痣のような模様が現れた7人の人間には一つの共通点があった
Fate/Grand order
そのゲームをプレイしているという共通点が……
2018年1月2日10時34分
1人の男が突然現れた赤い痣に悩まされていた
「う〜ん……どうするかなーこれ」
現在リビングで炬燵に入っているその男の名前は
現在大学生の一般人である
……右手に赤い痣さえなければ
「……昨日からこれあるけど。どう見ても令呪だよなぁ、これ」
令呪、それはFate/と呼ばれるゲームやアニメなどに登場する英霊というものを使役する為の3つの絶対命令権
その1画1画が膨大な魔力を持ち、英霊を逆らわせないようにする為の重要なもの……
しかし、それがガチの一般人に宿るはずはなく。本来魔術に携わる魔術師に宿るものである
「うーん……まぁいっか」
悠人はその思考を放棄し、某動画再生アプリを使おうとスマホの電源を入れる
その瞬間、スマホが光り出した
「えっ?」
そしてスマホが炬燵の上に浮かび、目が開けなくなるほどに光が強くなる
光が収まった時、そこに居たのは……
「キャスター、エレナ・ブラヴァツキー。私が貴方を導いてあげる!」
紫色の髪の少女が、炬燵の上に立っていた
「…………」
悠人は信じられないものを見たような目で硬直し、固まっている
「……えっと、何か言ってくれない?」
沈黙に耐えきれず、『英霊』である彼女が口を開く
「……とりあえずそこから降りてください」
〔そんなこんなで〕
悠人はエレナ・ブラヴァツキーと名乗った少女を炬燵に座らせ、どういう事なのか聞くことにした
「ええっと……ブラヴァツキーさん?ですよね」
「えぇ、そうよ?」
「貴女は……エレナ・ブラヴァツキー本人?」
未だに信じられない悠人はエレナ・ブラヴァツキーと名乗る少女にそう聞いた
「そうよ?サーヴァントだけどね」
「…………」
悠人は頭を抱える、確かに現実にエレナ・ブラヴァツキーという人物は存在する
しかし、それは過去の人物で目の前の少女は『ゲームに登場する』エレナ・ブラヴァツキーという人物の姿なのだ
(ちょっと他の人に相談してみるか……)
そう考えた悠人はスマホを手に取り、電源を入れてチャットアプリを起動する
「ええっと……大丈夫?」
エレナ・ブラヴァツキーを自称する少女の言葉を無視して悠人はそのチャットアプリのチャットルームに『スマホの電源を入れたら目の前にFGOのエレナ・ブラヴァツキーを名乗る少女が現れた』という趣旨の文を書き込む……