勘違いで生き残れ!   作:朝が嫌い

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約束の物と魔王の執念

 間に合った・・・アナの奴ガリガリ魔力削っていくんだからひやひやしたぜ。

 

 多分宝具を打ったんだろうな・・・さてさて、ペストは生きてるかな。

 

 煙が晴れてきた。

 

 

★★★★

 

 

 

 

「くッ・・・」

 

 

 ペストは、ここから逃げようと動こうとするがダメージが深刻で動けなかった。

 

 

「動けませんよ・・・」

 

 

 ペストの目の前にアナが立っている。

 

 

「なぜ、私は死んでないのかしら?」

 

 

「あの、攻撃は私が生き残れるほどぬるい攻撃ではなかったはずよね。」

 

 

 下からアナを見上げる形で話す。一人は、ほぼ無傷で立っており、もう一人は倒れて起き上がれないでいた。まるで、勝者と敗者を象徴するかのような立ち位置だった。

 

 

「あなたを殺すと、主の聞きたいことが聞けませんので」

 

 

「・・・そうだったわね」

 

 

「話してください。」

 

 

 大鎌を突き付けながら話す。

 

 

「いや、その必要はない」

 

 

(マスター)・・・」

 

 

 少し驚いた様子でアナが振り返る。白帝が現れたことで周りの空気が変わった。

 

 近づこうとしていたものは、距離を置き、駆けつけてきた十六夜たちもかたずをのんで見守っている。

 

「貴様の、復讐は失敗に終わってしまったのだ。今回は、お前の負けだ」

 

「くッッ・・・私はまだ・・・」

 

「諦めろとは言わんよ。しかし、このギフトゲームではお前の負けだ。恨みを忘れろとは言わん。だが、今回は諦めろ。お前は、お前たちは、この町と・・・ノーネームの挑戦者に負けたのだ。引き際が分からないほど愚かではあるまい?」

 

 白の言葉が、静かに響いていく。ペストは、伏せていた顔を上げて

 

「まだよ・・・私はまだあきらめない・・・情報は渡すわ」

 

 そう言って、ペストは羊皮紙を取り出した。

 

「これは?」

 

「ここに知りたいことは書いてあるわ」

 

「・・・そうか」

 

「だから、ここからはあなたもその部下も介入するな!!!」

 

 瞬間、死の風が吹き荒れた。間一髪で白とアナは躱した。

 

「アナ・・・手加減をしすぎたんじゃないか?」

 

「・・・いえ、あれは彼女の執念です」

 

「・・・ここから先は、ノーネームにサラマンドラに預ける。痛みを受けたやつが戦え」

 

「は、当たり前だぜ!!!」

 

 十六夜が吠えた。

 

 

 

 

 

 

 

(どうせ負けるのなら、・・・あの2人に笑われないような幕引きにしないとね。)

 

 そう決意した、ペストは高らかに宣言する。

 

 

 

「聞きなさい!私こそ、死の風を操りあらゆるものに死を与える死神、"黒死斑の死神"(ペスト)! かかってきなさい、たった一人でも貴方達全員くらい相手してあげるわ!」

 

 

 

 街全体に死の風をまき散らすペスト、それを吸った参加者が次々と体調が悪くなり徐々に弱り始める。 即死でないものの、このまま長引けば死ぬのは目に見えていた。

 

 

 

「黒ウサギ一気に片を付ける」

 

 

 

「了解しました! 黒ウサギのとっておきの内の一つ。お見せします!」

 

 

 

 黒ウサギの持つ白黒のギフトカードが輝く。

 

 

 

 温度が急激に下がり、大気が凍りつくほど過酷な環境を体験したかと思えば、気がつけば一面灰色の荒野に白達はいた。

 

 

 

 上を見れば、逆さになった箱庭が浮かんでいた。

 

 

 

「な、 "月界神殿"!軍神ではなく、月神の神格を持つギフト!」

 

 

 

「YES!このギフトこそ、我々"月の兎"が招かれた神殿!帝釈天様と月神様から譲り受けた、"月界神殿"でございます!」

 

 

 

 顔面蒼白なペストの叫びに両手を広げて言う黒ウサギ。

 

 

 

「け、けど......!ルールではゲーム盤から出る事は禁じられてるはず、」

 

 

 

「ちゃんとゲーム盤の枠内に居りますよ?ただ、高度が物凄く高いだけでございます。」

 

 

 

「!?」

 

 

 

 黒ウサギの説明に息をのむペスト。

 

 

 

「サンドラ様、少しの間ペストの相手をお願いします。黒ウサギも直ぐに向かいますゆえ。」

 

 

 

 黒ウサギに言われ、サンドラは急な状況に戸惑うペストへと向かっていった。

 

 

 

 サンドラがペストの気を引いているのを確認した黒ウサギは、ギフトカードから三叉の槍が描かれた紙片を取り出しす。紙片は雷鳴とともに槍へ変わり、飛鳥に渡す。

 

 

 

「この槍を彼女に当ててください。」

 

 

 

「うん、分かったわ」

 

 

 

 飛鳥はデイーンにやりを持たせ、黒ウサギたちが隙を作り、ペストに当てて見せた。

 

 

 

 ああ、負けてしまったな、あの魔王・・・まあでも、

 

『聞きなさい!私こそ、死の風を操りあらゆるものに死を与える死神、"黒死斑の魔王"ペスト! かかってきなさい、たった一人でも貴方達全員くらい相手してあげるわ!』

 

 あの啖呵は素晴らしかった。新米魔王だと侮っていたのは、失礼だったな、

 

「安らかに眠れ・・・"黒死斑の魔王」

 

★★★★

 

「しかし、凄まじかったな」

「ああ、部下のアナがあのレベルということは白帝はどれだけの力を持っているんだろうな」

「恐ろしぜ」

あの後、魔王が倒されもろもろの収集が付いたころ色々な噂や憶測が飛び交っていた。どれも、白帝を恐れるものばかりだったが

「へ、部下が強いだけで本人を強いと考えるのは早計だろうよ」

などという声もあった。少数ではあるもののまだ下層には白帝の脅威は伝わり切っていない・・・

「・・・次は、俺が主体で動く必要があるな・・・」

白帝の暗躍が止まらない。

 

 

 




火龍誕生祭は終わりです。少し間が空きます。
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