誠にありがとうございます!
私よりも面白い物を書いていて少し嫉妬気味ですが...(苦笑い)
妬ましくなるほどとても面白いものでした。(氏康の鬼畜っぷりが拍車をかけたように回る回る!)
「休暇を申請する!」
忘れ去られることのできない土地【日本】その復興を旗印に戦場を彷徨く集団【ノースボックス】の本当の根拠地。
そこでいま(私にとっての)大勝負が行われていた!
「ダメです(キッパリ)」
畳敷きに卓袱台...なんと言うか大正や明治などの遠い昔の下町みたいな部屋で私たちは話し合っていた。
「フッフッフ...やはりか!だがこちらにも策はある」
この悪徳引きこもりの言葉はどうせ変わらないことは想定済みである。
「リバースカードオープン!この会社の規約で社員には必ずの休暇及び給料を支払うと明記されている!」
そう言って私は卓袱台に百科事典サイズの社内規約を置く。
あぁ!素晴らしきかな魅惑の言葉【休暇】よ!
こればっかりは休む概念を作った存在Xを感謝しようではないか!
そう喜び、小躍りをしようとした瞬間、氏康は退屈そうにパラパラと規約のページをめくり、何か目当てのページを見つけたらしくそのページの恐らく私に見てほしい部分を細く陶磁器のように白い指で指し示す。
「...トラップカード?発動、雇用主はその休暇及び給料の額、日数を変えること及び緊急の場合等においてはどのような状態であろうと雇用者を呼び出し、仕事をさせることができる。なお、その休暇の代わりは用意しなくてもよく、給料も残業や休日出勤等とすることはしなくてもよい...OK把握アンダスタァン?」
そう言って呆然とする私の肩に手を置き小さな声でささやく。
「合衆国の指定するカジノならいってもいいわよ...その代わり来月の給料日までそのカジノで稼いだお金で生活しなさい」
彼女は私の策を軽々と打ち破り、証拠品の社内規約書をゴミ箱に突っ込みその部屋を出ていく。
「さぁ、姉さん行きますかカジノ?」
どこからか現れた玄が目の前でお茶を飲みながら尋ねる。
「あぁ、行こうか...確実に遊んで生きれる額を!」
Nightとは言いがたい土地。
ネオンで昼間のように明るく、欲望渦巻く熱気が練り上げられ化け物を作る空気。
それが合衆国のカジノだった。
「ここが指定ポイントのカジノです」
緑のキャデラックの運転席に座りながら玄がたんたんと告げる。
「あとこっちは掛け金です...勿論姉さんの給料から差し引かれています」
そう言って手渡される封筒はずっしりと重く、中に大量の札が入っているのがわかる。
「非合法手段でも一応ある程度は手伝うので呼んでくださいです」
いったいどこまで助けてくれるかは分からないが助けを借りることも考え覚えておくようにする。
こうしてカジノという頭と指の戦争へ身を投じる。
まずは場の空気を探り、ルールや何処までの技量ならイカサマが分かるのかを観察するため近場のカジノへ潜る。
が、直ぐ様そのカジノをでて別の店へと移る。
理由はチップがこの町共通のチップ以外に別のものでもカジノに投じていたからだ。
まだ銃やクスリに家や現金なら予想はしていた・・・だが実際はそんなものでなく、クスリや銃がわりに取引されていたのは【子供】だった。
あの店だけの異常行動だと思いたく、別の店に入るがそこでも取引されていたのは年端もいかぬ少年少女...あぁ、まだ現実は非情であるのか!
別の店別の店へと練り歩き、まだまともな店があると信じて次々に入店しては即座に踵を返す。
そんな努力の結果として分かったのは、この町の十数件あるカジノはどれもこれも腐りきったもんであるということだった。
そして私は携帯をかける。
『おい!聴いてねぇぞ?』
かける先は玄...しかしどうせ出るのはアイツだ。
『予想よりも遅いから心配したじゃない....まぁ、そんなトーンなら今ぶちギレてるんでしょう?』
案の定携帯から出てきた声は氏康の物だった。
『勿論だ...どうせわかってて私を送ったんだろ? 相変わらず何でも先読みの策士だな』
だがどうせこいつの言うことは分かってる。
『分かってるようだけど言うわ』
あぁ、問題ない...これはいいバカンスになりそうだ。
『目的は子供たちを新天地へとつれることとストリップショー見てズボンの真ん中膨らんでるバカなオヤジどもの目を覚まさせることよ』
子供たちを連れて行き、大人の目を覚まさせることか....
『ハーメルンの笛吹男みたいだな』
私の思うことは手の内にあるようにクスリと笑う氏康。
『ならそうしましょう。 本作戦はこれより【ハーメルンの笛吹女作戦】とするわ!』
さて、ではさっそくブリーフィングだ。
『それで大まかに決まったけど細部は?』
『そちらに任せるわ....だけどできるだけ子供の前で人を殺すのはやめてね』
案外キツイ縛りだな...子供を拐うのに子供の前で殺しは無しなのは辛いな..
『装備は?こっちは休日出勤なんて想定してないぞ』
まぁ、指定される時点で危ないとこだろうとは思っていたから拳銃を一丁ほど持ってはいるんだが...
『素手は?』
氏康のヤツめ相手は銃なんだ。こっちはステゴロなんかで勝てる喧嘩じゃない。
『死んでほしいってならあいにく断らせていただく』
『...なら玄が何とかしてくれるわ』
それだけいって通話は切れる。
玄が何とかしてくれるね...
その玄は何処なのやら....
緑色のキャデラックを探し回ること数分...カジノ街から少し離れたところにあるバーで優雅にも軽食を食ってやがった。
眉を少しひくつかせながら玄のとなりに座る。
「少し前から思ってたんだがシートはレザーにしてるのか?」
「それがどうしたのさ、姉さん?」
見たところ二、三杯は飲んでいるなこいつ。
「シートはビニールだろ。 レザーは見かけ倒し、夏は暑いし、よく滑るおまけにすぐにひび割れるわろくなもんじゃない」
「姉さん、僕が一番気に入ってるのはそこじゃない」
「だったらなんだ?」
「値段さ」
そう言って玄はグイッとバンブーを飲み干す。
「お目当てのものはトランクに載ってる...あぁ、あと今度シートの張り替え手伝ってよ」
助けを借りるなら返してねって事だな...我が弟ながらすっかり資本主義への忠誠を誓って見せてくれる。
トランクを開ければ中には機械的な鞘に納められた小刀型の高周波ブレードがはいっていた。
「そう言えば笛吹女のお迎えは?」
トランクを漁りながら玄へと問いかける。
「僕がそんなことも想定せずにこんなとこまで来るわけないじゃないか。 ちゃんと本社の車両班が待機してる」
それもそうかと思い、トランクからブレード以外の物を取り出す。
「着替えはまぁトイレでやって来なよ」
そう言って玄はそっぽを向いてサンドイッチを食べる。
が次の瞬間顔をしかめる。
「なに入れたの?」
「知らない方がいいね」
グルの恨みとして少し罰を与えておこう。
「さて、着替えたし作戦もオッケー...後は実行を残すのみ」
聞き込みによれば奴隷となった子供たちはすべてのカジノから行ける地下の牢獄に閉じ込められているらしい。
大人たちをしばくのは直ぐにしたい。
しかし、どう考えても血が飛び散るのは想像にかたくない。
ならばどうするか...ここは先人の知恵を借りよう。
私は全ての店の所へ通じる広場にスピーカーを置きマイクを片手にスイッチを入れる
『レディースアーンドジェントルメーン!今宵ここに降り立ちますわ、ドイツの恐怖ハーメルン!』
店の戸口の方からはクスクスと笑う声が聞こえる。
『では先ずは第一段階のお掃除...ハーメルンのお話を知ってる博識な大人は居ませんか~?』
幾つかの店で笑い声が聞こえなくなる。
そんなに博識な大人は居なかったようだ。
『知らないお人が居るようですね~? ...では身をもって体験していただきましょう!』
遠くまで聴こえる私の宣言が終わり、学の無いドブネズミ共を洗い流す激流がカジノを押し潰す。
勿論下準備の段階で子供には害が及ばないように地下の入り口を塞いでいる。
全く驚いたね鍵は南京錠一つで扉は床下収納の蓋の様なものだった。
扉は水圧には勝てそうな鉄の扉だったので南京錠をダイアル式のものに変えといてあげた。
南京錠の鍵は鍵があれば直ぐに開けることができ、地下に逃げる可能性がある。
だから番号は誰も知らないし無理矢理開けるにしてもダイアルなら時間がかかる。
もし博識なドブネズミがいても結局は流される。
勿論激流はカジノの建物ごと倒壊させるような激流で私とて巻き込まれればただではすまないが、空中に待機しているヘリから吊るして貰えば十分に助かる。
では第二段階へ移ろう。
水が完全に引いた一時間後、玄が連れてきた車両班をフル活用し瓦礫の撤去を行いダイアル式の鍵を外し、地下牢獄に突入した。
突然戦闘服や不思議な服を着た大人が地下牢獄に入ってきて子供たちは怯える子や目を逸らす子、腕を組みこちらを見る子...反応は皆、防衛や恐怖だった。
「おっおねーさんたちは誰?」
とある一人の女の子が気丈にも震える心を制し話しかけてくる。
勇気は認める...だが声が震えているまんまだよお嬢ちゃん。
「うーんそうだねぇ...ハーメルンの笛吹軍団かな?」
その答えに目を光らせる子やさらに震える子と様々な反応を見せる。
「ねぇ君たちひとつ質問いいかい?」
手を叩いて音を出し注目を集める。
「この中でこんなクソみたいなところに残りたいヤツがいるなら手をあげてくれる?」
その質問に子供たちは顔を見合せるだけで誰も手をあげない。
「んじゃ締め切るけど答えは居ないでいいよね?」
幾人かの子供たちが首を縦に振る。
「それじゃあ一緒にいこうか! こんなクソみたいなところより余程マシな所へ!」
地下牢獄の鍵を開けさせ、歩ける子供は横に護衛をつけ歩けない子供は背負って地下から出る。
私のとなりは私に質問することをした少女。
「大人はどこにいったの?」
もう声は震えてはいないが、目にはまだ不安が窺える。
「簡単さ、ここにいた大人は悪ーいネズミさんだったから先に引き連れて川に連れてったよ」
「じゃあもうアンナ目に会わなくて済むの?」
健気なその子の頭を撫でつつ優しく告げる。
「大丈夫!私は貴女みたいな小さな子がネズミの食い物にされるのは大嫌いなの...だからそんなネズミが出てこない綺麗な場所に行こう?」
少女は目から大粒の真珠を溢しながらもはにかんだ。
まったくこれがバカンスですか...
少女に手を差し出す。
意味が分からないとばかりのキョトンとした少女の片手を掴んで隣に立つ。
「ほら行こ?」
少女はこの行為がやっと理解できたようだ。
「うん!」
有給全部とは言わないけど4/1くらいは満たされたかなと思える笑顔だった。
規約はちゃんと読もうね(白目)
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合衆国
言わずと知れた陰謀とUFOとステーキとファストフードとカジノとカッコいい車の国
???「車はアメリカで生まれました!日本の発明じゃありません。 しばし遅れをとりましたが今や巻き返しのときです!」
???「一番気に入っているのは」
???「なんです?」
???「値段だ」
???「あぁ、何を! あぁ、待って! ここで動かしちゃあ駄目ですよ! 待って! 止まれ! ウワァァァッ!」