第1話 アイドル始められました!ー1
プリパラ! それは女の子の楽園!
年頃になった女の子所にいつのまにか届くプリチケ、それはプリパラへの招待状。
だけど……
「どうして私のところだけ届かないのぉぉお!」
「あんた、いつもそれやな……まぁまぁ、落ち着きやーって」
「うっさい! 小5の時に届いた奴が言うな! 私なんてもう中学2年生だよ!?周りの子みんなデビューしてるしおかしいよ!」
「はは、まぁしゃーないやんか。みやこは大学生になったら届くかもしれへんで!」
「だ……大学生……」
大学生……大学生になったら、殆どの女の子はアイドル引退してる……そんな時に私だけ……大学生で……アイドル……
「嫌だぁああ!!」
「ほな、うちはこれからライブやし! お先に失礼するわ~」
「ら、ライブ……!」
「ちゃんと見るんやで~うちのポップでハッピーなライブ! ほな~~」
そういうと、あいかは、私に向かって指さしてニヤニヤ笑いながら、プリチケバッグを見せびらかすように持ってプリズムストーンの方へ走って行った。
幼馴染のあいかは、アイドル科がある高校を目指している正真正銘のアイドルっ子で、今のパラ宿のプリパラでも、悔しいけど、人気No1のアイドル。
出身はバリバリの関東人のくせに、キャラづくりのためだけに関西弁をしゃべってるやつだ!!
私は関西出身だから、あいかのエセ関西弁なんてすぐに見破れるんだから!
「かぁあああ! あいかの奴、何さ、あのエセ関西人!」
「ま、まぁ……みやこちゃん、落ち着いて……あはは」
「いちごちゃんも酷いと思わない!? あー私がアイドルデビューしたら、あんな奴すぐに抜かすんだからぁあああ!」
「はは……」
「あ、いちごちゃんはプリパラ行かなくていいの?」
「うん、私は見る方が好きだし……習い事もあるから……あ、でも土曜日には行くよ、好きなアイドルのライブがあるんだっ」
「そっかぁ……」
いちごちゃんはほっぺを赤くして、プリチケで口を隠す。
いちごちゃん、確かにアイドルって感じじゃないし、図書館滞在女子! 清楚系女子!って感じだから……でも、いいな。土曜日にはプリパラに行けるんだ。
私だけ土曜日もいつも通り家でスマホ弄って……。
あーあ、私もプリチケ欲しいなぁ……。
「じゃあね、みやこちゃん」
「うん、また明日……」
うぅ……みんないいな。もう2年くらいこんな感じだけど……。
小学5年生から、プリパラに行ける子が一人、二人、三人って増えていって、気が付けば……プリチケ届いていないの学校で私だけ。
みんなだけプリパラいって、仲の良かった子もみんな、みんなプリパラ、プリパラって言って遊ばなくなっちゃった。
特にやることもないし、家に帰ってプリパラのライブの動画見ようかなぁ。
「ただいまぁ~お母さん、プリチケ届いてる~?」
「おかえり、プリチケなんて届いてないからさっさと、宿題終わらせちゃいなさい!」
「はいはい……」
部屋に戻ると、着替えずにベッドに寝転がって、スマホでいつも通りプリパラのライブが配信されている動画サイト,pritubeを開く。
毎日こんな生活。
別に友達がいないわけじゃないけど、みんな、プリパラに行ってるから……。ゆかりちゃん、さくらちゃん、りんちゃん……みんなと最後に遊んだのいつだっけ。
「やっぱりかっこいいなぁ……」
『君の心にロマンスを!』
『ジェリアー! 私にキスしてー!』
『私の心、掴み持って行って~!!』
憧れのアイドルのライブ映像……伝説のクールアイドル……ジェリア。
ここ最近で1番神アイドルに近い存在って言われていたけど……ジェリアはラストライブを境に9年前からパラ宿からいなくなった。
名前以外ほとんど何者かわからないアイドルだったけど、ジェリアは子供の時の私の憧れだったんだ。
こんな、かっこいい女性になりたい、って心から思って。
ジェリアが着ていた服のブランドとか、全部調べて……。
お父さんに似た服をお誕生日に買ってもらった時はうれしかったな。
つまらないことで喧嘩しちゃっても、ジェリアのライブを聞いた女の子はみんな元気になって、夢中になって、その時悩んでたこととか、いやなこと全部忘れられた。
でも、今ではジェリアも消えちゃって、私だけ仲間外れで。
プリパラは女の子楽園だけど、私だけどうしていけないの……?
私には資格がないの?
このまま独りぼっちで過ごすの?
一人、ライブ映像だけ見て、普通に勉強して、普通の高校生になって……。小さいときなりたかった私を目指しちゃ駄目なの?
「プリパラなんて……大嫌い……」
今日も1人プリパラのライブの動画だけを見て、私は1日を終えた。