「ただいまー」
「おかえり、プリパラ行ってたの?」
「う……うん、そうだよ」
「そっか」
ママに、一言いうと、私は制服を脱いで、部屋着に着替える。
「パパは?」
「今日から、出張、昨日言ったでしょ?」
「あ……そ、そだっけ……」
やだな、めが兄ぃさんのことばっかで頭いっぱいだった。
「あ、あのさ、ママ」
「うん? どうしたの?」
夕食の準備をしているママに声をかけて、食卓の椅子に座る。
「『みつあ』って……知ってる?」
「……? 誰? アイドル?」
「えっと、実はねーー」
私はめが兄ぃさんが私にした話をママに全て話した。
ミライチャレンジのことも、今、私がもっていたミラチケ、ミライチケットのことも。
「へー、プリパラにそんなことがあったのね」
「かるっ!?」
「だって、昔のことでしょ。もうそのみつあって子もさすがに死んでるだろうし」
「そうだけどさ~ちょっと、もやってするったいうか!」
夕食のオムライスをママは口にほおばりながら、『みつあ』のことなんて知らない、幸せな顔をしている……。
「でさ、ママはどう思う?」
「なにが」
「ミラチケのこと! めが兄ぃさんに渡した方がいいかってこと!」
「うーん……私だったら、渡しちゃうな、そこまで言われたら、怖いし、やっぱり危ない橋はわたりたくないからね~」
「やっぱりそうだよね……」
「でも」
ママはスプーンを私に向けた。
「みやこは……そのチケットが危ないものだと思うの?」
「え?」
「『みつあ』って子の話を聞いて、みやこはそのチケットが本当に危ないものだって、確信したの? 災害をもたらすようなものだって」
「…………」
私はうつむいて、ミライチャレンジのことを、あの時のライブのことを思い返す。
思わない、あんな……素敵なライブが……危ないものだなんて、『みつあのさいがい』のような……悲劇を呼ぶようなものじゃないって……。
「ママ、ありがとう!」
私は立ち上がって、部屋へと向かう。
「え、ごはんは?」
「今から、明日のライブの練習するの!」
※※次の日※※
「めが兄ぃさん!」
「みやこさん……決めましたか」
「はい!」
めが兄ぃさんは手を伸ばした。
「では、そのチケットを……」
「このチケットは渡しません!」
「え?」
「私、あのライブが、このチケットがそんな危険なものだと思わないんです……! それよりも、もっと、いいことを呼んでくれるような……!」
「何を根拠にそんなことを!」
「今から……証明してみます! 私のライブで!」
「なっ……!?」
私のライブを止めようとするめが兄ぃさんの前にあいかは二ヤッと笑い、めが兄ィさんを止める。
「めが兄ぃさん、とりあえず、みやこのライブを見てみーひん? 答えを出すのはそれからでもおかしくないと思うで」
「しかしですね……!」
「あいか、歌詞のカンペ、お願い!」
「まだ、あの曲の歌詞、覚えてへんのか!?」
「カンペを見るアイドルなんて大丈夫ハトか……」
『コーデの数だけカードをスキャンしてね! 友達のトモチケもスキャンできるわ!』
『コーディネートスタート!』
『みやこちゃんのコーデはワンダーランドマカロンワンピね! みやこちゃんの憧れるかっこいい女性はキュートなコーデも着こなしちゃうのかしら?』
「ワンダーランドマカロンワンピ! イェーイ!」
make it!のBGMが流れ、私は練習通りに踊り始める。
大丈夫。
きっと……。来てくれる……!
「苦手なことを怖がるより」
「楽しむ気持ちが大事でしょ!」
「メイキングドラマ、スイッチオーン!」
「私が、あなたを案内してあげる!」
私が誰かの手を引っ張りながら、長い階段を上る。
「夢とあこがれのテーマパーク!」
「ネバ―ランド、プリパラ!」
「し、新作メイキングドラマ……!」
「みやこのやつ、いつのまに考えてたハトか!?」
ライブが終わると、歓声が沸き上がる。
私は実感した、成功したって!
あいかに向けて、ピースサインを送ると、手ぶらのあいかと目が合い、互いに笑った。
そしてー―。
『空に降り注ぐ、無数のプリチケ!』
『ボクはプリチケの配達人! アイドル達を見守る存在……!』
『さぁ、ボクの手を取って! 鏡の世界、ミラーガーデンへ!』
『ミライチャレンジライブ! スイッチオーン!!』
『パラレルジュエル!』
『ミラージュエル!』
「そして、私の決意……ラブリージュエル!」
プリパスの中にジュエルが入っていくと、プリパスが大きなマイクになって、私の手元へと現れ、私はミライチャレンジライブを始める。
『鏡にうつる未来の私たちへ! このチケットを……!』
『「ミラチケ!」』
…………。
……………………。
まばゆい光が消え、視界が戻ると、間をおいてから歓声が沸き起こる。
手元を見ると、新しいミラチケを私は持っていて。
「今のがミライチャレンジ!?」
「あのイケメンは誰なのー!!」
「みやこちゃんのおでことごっつんこしたぃいいい!!!」
驚いためが兄ぃさんはあわてて、ステージの上に乗る。
「みやこさん……! あなたは、なんてことを!」
めが兄ぃさんが人相を変えて、怒りを出そうとすると、観客席から数十人の女の子たちがステージに来て、それを止めた。
「なんや、なんや?」
「みやこちゃん、私、
「お礼……?」
「私たち、もうすぐ中学生なのに……なかなか、プリチケが届かなくて……」
「でもね! みやこちゃんのミライチャレンジライブを見ていたら、スマホから私たちのプりチケが現れたの!」
「えぇええ!?」
予想外のことを聞いて、びっくりしてしまう。
まさか、ミライチャレンジライブって……。
「おかげであこがれのアイドルになれたんだよ! ありがとう、みやこちゃん!」
女の子たちが私によって来ると、めが兄ぃさんは笑いだして。
「ははは……、女の子にプリチケを届けるライブ……ですか……」
「めが兄ぃさん!」
「はい?」
立ち去ろうとしていた、めが兄ぃさんは表紙抜けた返事をして振り向く。
「これ……今日の分のミラチケです」
「え……?」
「最初のミラチケは、ごめんなさい! あいかとの初めてのライブの結晶だから……どうしても渡したくないんです! だから、今日の分のミラチケをめが兄ぃさんに渡すのって……駄目ですか?」
めが兄ぃさんは私からチケットを受け取ると、私の顔を見て。
「いいんですか……?」
「その代わり、ミライチャレンジライブのことを調べてほしいんです、あの男の子が誰なのか……どうして起きるのか……」
「…………」
めが兄ぃさんは少し考えて、口を開いた。
「……わかりました。このチケットは預からせていただきます」
「これで一件落着やな」
あいかが安心して、ため息をつくと、一斉に会場のプリパスが鳴り響く。
『プリパラパンポ~ン!』
『みなさんシステムからのお知らせです~!』
『今年の夏に向けて、5月、6月にパラダイスコーデゲットグランプリを開催いたしま~す!』
『来月はパラダイスティアラライブ! 優勝者にはパラダイスシューズとパラダイスティアラが贈呈されま~す!
2人から、3人のチームを組んで、ふるって出場してください~! お知らせは以上です。プリパラパンポン』
「パラダイスコーデ!?」
「あの神アイドルが着ていたっていうあのコーデ!?」
「わたしほじぃぃいいいいいい!!」
観客席がさらに盛り上がって。活気を増す。
「みやこ、こうとなったら、レッスンさらに頑張らんとな!」
「うん!」
私はあることを思いつく。
「あいか、今度の大会……3人まで出場できるんだよね……?」
「うん……? そーみたいやな」
「いちごちゃんを誘わない? 私、もう一人組むとしたら、いちごちゃんしか考えられないと思う!」
「3人チームか! せやな……伝説の神アイドルも……この大会で3人チーム組んで、優勝したって聞いたことあるし……そないしよか!」
「よーし! いちごちゃんとチームを組んで、絶対優勝するよ!」