「いちごちゃん! お願い! 私とチーム組んで!」
いちごちゃんに向かって、手を合わせながら頭を下げると、いちごちゃんは目を丸くして私を見た。
「え……私と?」
「うん! 次のパラダイスコーデゲットグランプリ……いちごちゃんそして、あいかと一緒に出たいんだ!」
いちごちゃんはしばらくうーんとうなづきながら、困った顔をして悩み始める。
「ダメかな? 私と、あいかを繋げてくれたのはいちごちゃんだし……3人チームを組むなら、いちごちゃんしかいないって……」
「……わかった、みやこちゃん。いいよ。あんまり練習には参加できないけど……いいかな?」
「あ……あぁあ!! ありがとう! いちごちゃん!」
「うぅん、私の方こそ、誘ってくれてありがとう、みやこちゃん」
いちごちゃんと握手しながらぶんぶん、手を回していると、
「お、その調子やとOKもらえたみたいやな!」
「あいか!」
「あいかちゃんと同じチームなら、心強いわ、よろしゅうな!」
あいかもいちごちゃんと握手して、互いに笑いあう。
「でも、二人に先に謝らないといけないことがあって……」
「「??」」
「習い事でいろいろ立て込んでいて……大会までに練習できる日が1日しかないの……」
「1日!?」
「うん……大会当日は、2人のライブを見たかったから、お母さんにお願いして開けてもらったんだけど」
大会当日までに3人で練習できる日がたったの1日だけ!?
トップアイドルでライブに慣れてるあいかや、バレエの習い事で踊り慣れてるいちごちゃんならともかく、私は……。
「みやこ、心配せんで大丈夫やって。曲はみやこの得意な『make it 』にして、出来るだけ3人で練習しなあかんようなところは減らしていこ。いちごちゃんもそれでええ?」
「私は大丈夫! 出来たら、2人の歌とダンスの練習中の動画を定期的に送ってくれないかな?」
「ええけど? なんでや?」
「2人のクセやタイミングを知りたくて……ダメかな?」
「ええで、ほな、いちごちゃんのプリパスの連絡先登録お願いするわ」
あいかといちごちゃんがプリパスで連絡先を交換していると、いちごちゃんのプリパスに青と黄色のストラップがついているのを見えた。
前はいちごのキーホルダーだった気がするんだけど……。
「あれ? いちごちゃん、ストラップ変えた?」
「え? あ、うん。ちょっとね……」
「へー」
「よし、これでOKやな! そうと決まったら、みやこ! 練習しに行くで!」
「え、もう!?」
「何言ってるんや、アイドルはテキパキと動くもんやで! ほな、いちごちゃんまた~!」
あいかと私は走って、学校の教室をでていく。
校門近くの謎の筋肉ムキムキの銅像が立っている噴水に、見おぼえのある女の子を見かけた。
青い髪で、黙っていればかっこいい系の女の子だけど、口を開くと、へにゃへにゃになる子……
にこちゃんだった。
「にこちゃん?」
「ふぇ!? あいかさんにみやこさん!? な、なひゃんでしょうか!?」
「あんた、ライブの時とは違って、ほんま全然クールじゃあらへんな……」
あいかが苦笑いしながら、慌てるにこちゃんを見つめる。
やっぱり、あいか……いろんなアイドルのライブをすでにみてるんだ。すごい。
「にこお姉さま! また、キャラが崩れていますわ……!」
にこちゃんが目をバッテンにしながら、慌てていると、後ろからちんちくりんの黄色の髪でかわいらしいツインテールの小学部の生徒が現れる。
ツリ目で気のキツそうな少女はどこかで見たことが……。
「あわぁ! さこちゃん……ごめんなさい……」
「謝る暇が合ったら、さっさとクールになってくださいまし!」
「……にこっ」
あいかがその様子を見て、大きなため息をつく。
「はぁあああ……めんどくさいやつらやなぁ……こんなところで何しとるんや」
「お姉さまをお待ちですの!」
黄色い髪の毛の……お嬢様みたいな口調を聞いてると、だんだん思い出して……。
「あぁあ!! まさか、君ってさこちゃん!?」
「はぁ……そうですが……」
「小学生だったの!?」
「そうですわ」
かなり背のちっちゃいさこちゃんにひざを曲げながら近づいていく。
「ち、近すぎますわ……離れて、くださる……?」
「あ! ごめん!」
あんな気のキツそうで、彼氏つくるためにネコ被ってますみたいなアイドルをやっている子が、こんな、清楚でいたいげな子だったなんて……。
プリパラってすごい。
「ま、ええわ、あんたらもパラダイスコーデグランプリに出るんか?」
「えぇえ! 普段はにこお姉さまとわたしくとの2人でライブをしていましたが、パラプリでは3人ライブを初披露しますの!」
「……? あんたらって、3人チームやったんか……?」
「さこちゃん! しゃべりすぎだよ!!」
「はっ!」
なんだろう、どっちもどっちもちょっと抜けているというか、なんというか。
「と、とりあえず、あなたたち2人なんかには負けませんのよ!! さ、さらばですわ~!!!!」
さこちゃんはあっかんべーをしてから、にこちゃんの手を引っ張りながら、一目散に立ち去った。
「なんやあいつら……」
「はは……私、プリパラのさこちゃんよりもあっちの方がかわいくて好きかも」
気になるところではあるけど……相手がどうであろうと関係ない。
いちごちゃん、あいか、私で……