大会当日の朝!
集合場所の噴水広場にふらつきながら、向かう。
あいかはしっかり準備ばっちりで、包帯ぐるぐるまきのハトさんを入れた鳥かごを太ももの上にのせて、目を閉じながら、イヤホンで音楽を聴いてる。
「あいか、お゛はぁよぅ~」
私が弱弱しく手を振ると、二度見して、イヤホンを外し、私の元に駆け足できた。
「なんや、みやこ。大会当日やのに元気あらへんな?」
「緊張で寝られなくて……ちょっと、ジェリアのライブ見てたら」
「夜更かししてしまったってことやな。ま、ジェリアから元気もらえたんやないか?」
私はちょっと笑って。
そうだ、ジェリアのライブを見て改めて確認できた。
私はアイドルになれたんだ、次はあこがれの……ジェリアのようなかっこいいアイドルになるんだ。
「うん!」
今日の大会を優勝して、パラダイスコーデを手に入れるんだ……!
「大会は13時からやし、受付の長いすで少し寝とくか?」
「ううん、大丈夫。それよりもいちごちゃんがくるまで、ライブの最終確認をしたい!」
「せやったら、そないしよか。いちごちゃんももうすぐ来るやろし」
「うん!」
1時間後。
「いちごちゃん、こないね……」
「せやな。連絡も全然つながらへんし。どないしたんやろう?」
「もしかして、迷ってるのかも!」
「いや、それはないやろ。いちごちゃん、プリパラ行き慣れてるはずやし」
「うーん……」
3時間後。
「いや、さすがに遅すぎやろ!」
「連絡は?」
「全っ然っ、来てへん! いちごちゃん、どないしてんや……」
しばらく空を眺めていると、めが姉ぇさんからのアナウンスが鳴り始める。
『プリパラパンポ~ン!』
『パラ宿、パラダイスティアラライブ! 参加希望のアイドルの受付を開始しま~す!』
『システムからでした! プリパラパンポン』
アナウンスを聞いた周りの女の子たちは、受付場所へと走り始める。
「とりあえず、受付始まっちゃったし……先にエントリーしとかない? 順番を最後にしてもらって」
「せやな、一応、いちごちゃんにメールしてっと」
「そういえば、ハトさんさっきから喋ってないけど大丈夫?」
「……見てみ」
鳥かごを開くと、鳥かごの中で、イケメンたちのポスターを何枚も貼り、『メスども退散』とかかれたハチマキをしたハトさんがいた。
ハトさんはいまだにぴくぴくしながら、白目をむいていて。
「何してるの」
「こうやって、女気を追い払って、元気を取り戻すんやって」
「あはは……」
受付で待っていると、大会開始の13時になると、何組かはライブをやり始める。
大丈夫だよね。あのいちごちゃんのことだもん。
こんなに遅れているなんて何か理由があるんだよ……。
「みやこ、大丈夫か?」
「ううん、大丈夫。あ、受付、私たちの番だよ」
あいかがめが姉ぇさんと話してると、あいかが突然、驚いて。
「えぇ!? エントリーできひん!?」
「はい、システムに認められていないチームは、参加できませーん!」
「あ……」
そういえば、いちごちゃんがハトさんを気絶させてしまって……チーム結成ができなかったんだ。
なんで、こんなに……。
「システムで―す!」
「そこをなんとか、めが姉ぇさん!」
「システムでーす!」
「うぅ……わかった……」
あいかが疲れた顔をして、戻ってきた。
受付近くの椅子に座ると、ぐったりしてうーんとうなりながら、悩み始める。
「受付終了が14時……あと、30分しかあらへん」
「……大丈夫だよ。きっと、いちごちゃんは来るから……!」
他のアイドルたちのライブを見ながら、私たちは受付で待っていた。
どの女の子も私よりも上手に、綺麗に踊れている気がしてきて。
10分後、見覚えのあるグループがやってきた。
「フラワートラップじゃない!?」
「フラワートラップ、三人目の子がいる!」
「三人目の子、なんだか暗そうな子……」
既にライブを終えた、アイドルが受付に来たフラワートラップに注目をし始める。
「あれがフラワートラップ……3人目の子?」
アイドルというには、あまりにも不格好な子で。
髪はぼさぼさ。
前髪で表情が読み取れない、不思議な子だった。
「本当にフラワートラップの3人目なんか? 言っちゃ悪いけど、フラワーって感じじゃあらへんな」
3人が受付を終え、会場に向かうと、3人目の子のポケットにあるプリパスが目に入った。
「あの、ストラップって……いちごちゃんと同じ……?」