カードキャプターさくら『苺鈴外伝』   作:狼と踊る男

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とある空間内にて3人と白いぬいぐるみのような一匹がふわふわ浮きながらどこかに向かっていた・・・

3人のうち一人が「そろそろ次の世界につくころだな」と声をかけ、高いところから飛び降り、着地するときの心構えをするかのような気持ちでいたら突然彼らよりも上に位置する処から悲鳴のようなものが聞こえる。パッと見たところ『人』のように見えた。だが気づいた時にはもう遅く、そのままなし崩しに悲鳴を上げていた少女が彼らを下敷きにしてとある世界へと無理やり招き入れてしまったのであった・・・・・・







第12話『苺鈴とブリジットと旅人達』

ふなっしー「ひぁっはぁぁ~~!?」

 

とある町の河川敷にて、赤いサングラスをかけた4Mくらいの怪物が人々と梨の妖精であるゆるキャラ「ふなっしー」を襲う。しかし、そこに怪物に空からキックを決めるピンクのポ二ーテールの少女を筆頭(ひっとう)に次々と青いツインテールと黄色のふわふわしたポニーテールと少し薄い紫がかったポニーテールの黒いベストを着ていた少女たちもその場に現れ、4人で怪物と激闘を繰り広げていく。

 

ふなっしー「プリキュアァァ!!頑張るなっしぃぃ~~!!ひゃっはぁ~~!!」

 

4人の少女「皆に響け!!幸せの大爆発!!・・・プリキュア!!ハピネス・ビッグバアァァン!!」

 

サングラスの怪物「ゴォ~クラァァ~ク!!」

 

闘いは少女達が押していきふなっしーを始めとした他の声援に力をもらい4人はドレッサーのような物を召喚していき、最後に光の爆発を起こして怪物を消滅させた。

 

 

 

 

 

 

ブリジット「ほぇ~・・・」

 

苺鈴 「どうですか?前にブリジットさんが話してたヨクバールって怪物ってこれでしたか?」

 

ブリジット「いえ、これは違いますね。私が見たのはサングラスの怪物ではないですし、叫び声も「サイア~ク」ではなくて「ヨクバ~ル」でしたからねぇ」

 

苺鈴 「やっぱり違いましたかぁ~・・・」

 

ブリジット「っで、この怪物って?」

 

苺鈴 「えぇ、この怪物は『サイアーク』って言いまして、2年ぐらい前にこの世界に現れた『幻影帝国』って国が操っている怪物です。」

 

ブリジット「へぇ~じゃあこの4人の女の子は?」

 

苺鈴 「よくぞ聞いてくれました!!彼女達は『ハピネスチャージプリキュア!』!!主に日本で活動していた4人チームの戦士で、『幻影帝国』の魔の手から世界を救ったスーパーヒロインなんですよ!!」

 

ブリジット「へっへぇ~・・・」

 

苺鈴は自身のスマフォ内の動画を見せる。2年前、世界各国に侵攻してきた「クイーン・ミラージュ」率いる『幻影帝国』と日本で活躍していた『ハピネスチャージプリキュア!』の戦いである。

以前ブリジットがフェイトと初めて出会った時に戦った怪物「ヨクバール」がもしや自分が知っている『幻影帝国』の「サイアーク」なのでは?と思い、確認してもらおうとしていた。

 

ブリジットはプリキュアの事を目を輝かせて、自分にぐいぐい迫りながら語りだす苺鈴に若干引き気味になりながらも「この怪物は違う」と伝える。それを聞いた苺鈴も「幻影帝国の残党じゃないのか?」と自分達の知らない所で新しい敵が動き出しているのかもしれない予感を感じたが、調べようもないので深くは考えなかった。

 

さくら「苺鈴ちゃん・ブリジットさん準備できたよぉ~!!」

 

苺鈴・ブリジット「あっはぁ~い!!」

 

さくらに呼ばれて二人はさくらの所に向かう。今この場所にいるのは苺鈴・ブリジット・さくら・小狼・知世・ケルベロスである。時刻は早朝、場所は友枝町の月峰神社の御神木前。

こんな時に一同がなのは達と別行動をとっているのはさくらの力を借りてある事を調べるためである。話は月城亭でのアルフとの再会の後にまで遡る。

 

 

 

 

 

月城亭から一度さくらの家のさくらの部屋に場所を移した雪兎とアルフを除く一同は、大まかな事が決まったのはいいが、なのはがフェイトの対戦相手になるのはほぼ決定していたが、問題が残っていた事をどうするか話し合っていた。

 

ブリジット「苺鈴さん。なのはさんとフェイトさんの一騎打ちはいいんですけど、なのはさんはフェイトさんに勝てると思うんですか?」

 

苺鈴 「さぁね?」

 

ブリジット「さぁねって苺鈴さん!?そんな無責任なっ!?」

 

苺鈴 「分かる訳ないでしょ?なのはにも、そしてあの子にも互いに負けられない理由がある。戦う事になったらまず互いに手加減なんてしてられないわ。」

 

苺鈴の言う事も尤(もっと)もである。そうでなければこんなことになってはいなかったのであるのだから・・・

 

さくら「・・・でも苺鈴ちゃん。あの子が・・・フェイトちゃんって子はなんでそうまでしてジュエルシードが欲しいんだろう?」

 

苺鈴 「えっ?」

 

ブリジット「それはフェイトさんのお母様が必要としているからで・・・」

 

さくら「それは分かるんですけど、でも自分のそれも私達よりも小さいあんな女の子に犯罪までさせてまでなんで必要なの?それにフェイトちゃんだってわかってるはずだよ!!これがいけない事だって!!それなのになんでお母さんを止めないの!?」

 

苺鈴 「・・・・・・」

 

ブリジット「・・・さくらさんさっきアルフさんも言ってましたよね?あの子はお母様に振り向いてもらいたいんだと、そしてフェイトさんは言ってました。「昔みたいに母さんに笑ってほしいんだ」とね・・・」

 

知世 「昔?・・・ブリジットさん少しいいですか?」

 

ブリジット「はい?」

 

知世 「昔はフェイトちゃんとフェイトちゃんのお母様は仲が良かったのですか?」

 

ブリジットは「えっ?」と聞き返すが、言われてみれば今の仲のフェイトとプレシアしか知らないので気づかなかったが、フェイトの拠点で見た昔のフェイトとプレシアの写った写真から見てもとても娘に虐待をするような雰囲気には見えなかった。

 

ブリジット「言われてみれば・・・確かに変ですね?この世界のフェイトさんの拠点で見た写真の5~6歳位のフェイトさんとお母様はそんな風に仲が悪いようには見えませんでした。」

 

知世 「5~6歳位のという事は今のフェイトちゃんが確かなのはちゃんと同い年ぐらいですよね?」

 

ブリジット「えぇ。歳は9だと言ってました。」

 

知世 「そうなりますと、たった2~3年でそんな風になってしまうほどの『何か』があった。と考えられますわね」

 

苺鈴 「『何か』って何よ?大道寺さん」

 

知世 「そこまではわたくしにも・・・」

 

小狼 「話を聞く限りじゃフェイトは母上を慕っていて、母上は一方的にフェイトを嫌っているように思えるが・・・」

 

ブリジット「そこなんですよねぇ~フェイトさんにも前に私も一緒にお母様の所に報告に言った後で「何でお母様にあんな風に接せられるようになったんですか?」と聞いたんですけどフェイトさんも心当たりがないらしくて、いつの頃からかだんだん彼女の事を見てもらえなくなっていったそうです。」

 

一同は沈黙して少しの間が流れ出し、ブリジットは両手を頭の上に移動させて「あぁ~!!」と頭を掻きむしる。

 

ブリジット「あぁ~もう~!!考えてもさっぱりですはい!!あぁ~アルケイよ!!セリマに真実を!!フェイトさんの過去の出来事を見せてくださいです、はいぃ!!」

 

ブリジットの「過去の出来事を見せて」という単語にさくらは反応した。何かを思い出したかのように・・・

 

さくら「ブリジットさん、今なんて言いました!?」

 

ブリジット「えっ?セリマに真実を」

 

さくら「その後です!!」

 

ブリジット「フェイトさんの過去の出来事を見せてください・・・」

 

さくら「過去・・・あっそれですブリジットさん!!」

 

ブリジット「それ?」

 

さくら「ブリジットさん・苺鈴ちゃん!!フェイトちゃんとフェイトちゃんのお母さんに何が起こったのかわかるかも!!」

 

苺鈴・ブリジット「えっ!?」

 

さくらの思わぬ発言に二人はハモリながらさくらを見て、互いの顔を目を点にしながら見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苺鈴 「『リターン』のカードを使うなんて考えたわよねぇ~木之本さん」

 

ブリジット「といいますか、過去に戻れる魔法があるなんて何でもありなんですね?さくらさんの魔法?」.

 

知世 「確かあの時、『リターン』のカードの封印の時は苺鈴ちゃんもいらっしゃらなかったんですわよね?」

 

ブリジット「あれ?そうなんですか?」

 

苺鈴 「あ~えぇ、色々あってちょっと・・・」

 

小狼 「あの頃は日本に来て間もなかったから、漢字が苦手で宿題が終わってなかったんだったな」

 

ブリジット「へぇ~」

 

苺鈴 「ちょっと小狼恥ずかしいじゃないの!!宿題出来てないからお留守番なんてぇ!!」

 

ケロ 「まぁ今も昔も小娘はまだまだやぁいうことやなぁ~」

 

苺鈴 「なんですってぇ~!!」

 

ブリジット「まぁまぁ」

 

皆のやり取りを見ていた知世は「う~ん」と何かを考えこんでいた。視線を感じたブリジットが知世に「どうかしましたか?」と尋ねるとブリジットも異世界からやってきたことをきいていた知世は問いかける「ブリジットさんは異世界から来たんですよね?」と、ブリジットも「それが何か?」と何が言いたいのか分からず首をかしげる。

 

知世 「ブリジットさんっていつからこちらの世界の言葉を勉強なされたのですか?」

 

苺鈴 「そういえば・・・確かフェイト達と違って、いきなりこの世界に現れたって言ってましたよね?私と初めて翠屋で会ったのもそれからすぐって言ってましたし?」

 

ブリジット「あぁそれはもうすぐに始めましたね。3日位はフェイトさんの拠点で缶詰でしたよ。」

 

苺鈴・さくら・小狼「3日!?」

 

知世 「あらまぁ」

 

さくら「ほぇ~それでどこまでこの世界の言葉を覚えたんですか?」

 

ブリジット「まぁ流石に細かいところまでは無理でしたけど、少なくても日本語は日常会話が出来る程度の読み書きは出来ますよ。英語は元の世界と大体似ていますからね。あまり苦労はしませんでしたね。そういえば初めて会った時フェイトさんとアルフさん、何で私の言葉が日本語なの?って聞いてましたね?」

 

たった数日でそこまで達者(たっしゃ)に言葉を覚えられたという事実に皆思わず「ほぇ~・・・」と唖然していたと同時にブリジットの意外な優秀さを垣間見た一同であり、苺鈴は「ブリジットさんって、意外と頭いいんですね?」と一応褒めた。もちろんブリジットも「私って、そんなに馬鹿に見えるんですか?」とちょこっと不機嫌そうに聞き返していた。

事実、元の世界でも『ローゼンベルグ騎士養成学校』の卒業後の配属先は諜報員(ちょうほういん)関係であったため、やはり成績優秀な者にしか入ることが出来ないほどの場所に選ばれたのだから当然と言えば当然である。

 

ブリジット「苺鈴さんには前にも話しましたけどね?私アサシンな訳ですから敵国に潜入するためにもその国の言葉や文字なんかを理解しておかないといけない訳なんですよ。ですから動く前にまず言葉を勉強するんです!!」

 

一同は「なるほどぉ~」と頷きながら納得した。

 

???「さくらさん。そろそろ始めてもらいたいのですが?」

 

さくら「あぁごめんエリオル君もう始めるよ」

 

さくらのスマフォには一本の電話がつながっていた。相手は『柊沢 エリオル』、『クロウ・リード』の生まれ変わりであり、現在イギリス在住の彼に連絡をしていたのはさくらが「過去の事がわかるかも?」と話した直後に再び遡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリオル「成程。以前クロウが生きていた頃に戻ったように『リターン』のカードを・・・」

 

さくら「うん。出来るかな?この世界のじゃなくて異世界の過去なんだけど?」

 

さくらのスマフォをスピーカーにして皆に聞こえるようにしてもらい、電話越しのエリオルは「う~ん」と唸りながら、「以前に使用したように、月峰神社の御神木の力を借りれば何とかなる」との返事が返り皆が喜ぶ中、ブリジットは真剣な顔になりさくらにある頼みごとをする。

 

さくら「何ですかブリジットさん?」

 

ブリジット「えぇ、お願いですさくらさん。そのフェイトさんの過去を見るの、出来れば私と苺鈴さんに見せてもらえませんでしょうか?」

 

さくら「えっ!?えっとぉ~・・・」

 

エリオル「あなたは確かブリジットさんでしたね?あなたが見たいというのは分かりますが、何故苺鈴さんにも?」

 

ブリジット「それは・・・私やフェイトさんと深く関わりを持ち、尚且つ苺鈴さんとは命がけの戦いを死合いました。」

 

ブリジット以外の一同の視線がブリジットに注がれる中、ブリジットは苺鈴を見ながら語り続けた。

 

ブリジット「それなのに、私に手を差し出してくれました。「あなたと分かり合いたい」ってね。・・・敵であってもこの人は信頼できるって、そう思えたんですよ。それに・・・フェイトさんとお母様の過去は、私の想像を絶する物かもしれません。真実を知った時、もし私が尻込みしそうになったとしても、彼女なら私の背中を押し出してくれるんじゃないかってね。だから、苺鈴さんと一緒が良いんです!!」

 

「お願いします!!」とさくらに頭を下げるブリジット。苺鈴もさくらに「私からもお願い!!」とブリジット同様頭を下げる。さくらがあたふたしていると、エリオルは悩んだ末に一つの提案をしてきた。

 

苺鈴 「何とかできるの!?」

 

エリオル「えぇ。『リターン』のカードは『過去』という時間を一時的に利用するための力を持っています。ブリジットさんはともかく魔力の無い苺鈴さんではさくらさんの時のように直接過去に向かうのにはリスクがあります。最悪、帰ることが出来ないかもしれません。」

 

さくら「えぇ!?嫌だよそんなの!!」

 

苺鈴 「そうよ!!それは困る!!」

 

エリオル「しかも二人同時となりますと、カードにもかなりの負荷がかかるかもしれません。そこで、以前の時とは違う方法でお二人を過去に送ります。」

 

小狼 「違う方法?」

 

ケロ 「どないするきや?」

 

エリオル「さくらさん。『ドリーム』のカードの力は何だったか覚えていますか?」

 

さくら「うん。『ドリーム』は予知夢を・・・」

 

エリオル「その通(とお)りです。ですが、カードは、組み合わせによっては、別の使い道があります。」

 

さくら「別の?」

 

エリオル「『リターン』は時間・『ドリーム』は夢に干渉できる力を持っています。この二つのカードを同時に使えば、『予知夢』とは逆に、過去に起きたことを夢で見ることが出来るはずです。それなら、直接過去に向かうよりはリスクも、さくらさんの負担も軽減できるはず」

 

小狼 「確かにそれなら使うカードは二枚でも」

 

エリオル「えぇ。それに、何かあってもさくらさんが起きていればどうにか出来ますしね。」

 

「それで、何時(いつ)過去に向かいますか?」とエリオルはブリジットに尋ねると、横から苺鈴が「明日よ」と割って入る。明日の一言に思わずエリオルを除く皆は「明日!?」とつい聞き返す。さくらの負担の事を考えるとあまり無理強いしたくはないのだがさっきのアルフの様子からあまり悠長(ゆうちょう)にしている時間がないと感じたためだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、時間はまた現在に戻り、御神木にもたれかかるように座り込む苺鈴とブリジット。さくらが「行くよ」と二人に話すと、軽くうなずき返しさくらはまず他者を眠らせる『スリープ』のカードを二人に使う。『スリープ』のカードから現れた妖精にまき散らす眠り粉を浴びた二人は薄れていく意識の中、苺鈴はブリジットの手を握り、ブリジットもそれに応えるかのように手を握り返す。そして、ほどなくして二人は小さな寝息(ねいき)を立てながら完全に眠りについた。

 

小狼 「・・・二人共、眠ったな。」

 

知世 「手を握られていますね。そのせいか、安らいだ顔をしていますわ」

 

さくら「じゃ次行くよ!!・・・かの者達に過去のすべてを見せよ!!『リターン』・『ドリーム』!!」

 

さくらは『リターン』・『ドリーム』を同時使用して、苺鈴とブリジットを夢の世界で過去に送り出す。カードを使い、今頃夢を見始めたであろう二人をさくらは見つめ続けた・・・

 

さくら(・・・苺鈴ちゃん・ブリジットさん、気を付けて)

 

さくらは1枚の写真と、とある新聞記事を見つめていると、ケルベロスが写真を見て「しかし、エラいピンボケな写真やなぁ~」と見たまんまの感想を述(の)べる。

 

さくら「うん。ブリジットさんが昨日クロノ君にお願いしてフェイトちゃんの拠点に行かせてもらって、このために写真を取ってきてくれたんだって。ピンボケの写真は撮った時にフェイトちゃんが気に入ったからちゃんと撮れた方の写真と一緒に写真立てに入れてたんだって」

 

知世 「お二人はこの写真を撮られた時間を見ていらっしゃるんですよね?」

 

さくらは「うん。そのはずだよ?」と返事を返して、知世は悩みながら「味のある写真ですね?」ととりあえず感想を述べた。ケルベロスも「どないしたらこんな写真が撮れるねん!?」と呆れながらもこんなピンボケ写真を撮った人物が誰なのか無性に気なってきていた。

 

因みにその写真は幼いころのフェイトとカメラに向かって微笑み掛けるプレシアのツーショットであるのだが、二人が3~4重位で合わせ鏡のように何人もいるかのような不思議な写真であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苺鈴 「・・・んん?・・・ここは・・・」

 

夢の世界のはずなのだが、目を覚ました苺鈴は辺りを見渡す。場所は草原で、自分のそばには共に眠りについたブリジットが未だに眠りこけていた。

 

ブリジット「すぴぃ~・・・」

 

苺鈴 「ブリジットさん。起きてくださいブリジットさん」

 

ブリジット「う~ん・・・もう食べられませんってばぁ~あっでもロイヤルプディングパフェは別腹むにゃむにゃ・・・」

 

苺鈴 「・・・さっさと起きなさい!!ブリジットォッ!!」

 

ブリジット「わひゃいっ!?」

 

未だに眠り続けるブリジットにしびれを切らし、大声をあげて起こして思わず飛び跳ねるブリジットをジト~と見つめる苺鈴。その痛い視線を突き刺す苺鈴に苦笑いしながら「すっすみませんです、はい・・・」ととりあえず謝罪する。

 

二人はあたりを見渡し恐らく写真を撮った草原であると確信して、取り合えずフェイトとプレシアを探すことにした。

 

苺鈴・ブリジット「・・・・・・」

 

二人は今、空を飛んでいる。二人は飛行魔法など使えないのだが、眠りにつく前にエリオルが「夢の世界でなら強く念じれば、空を飛ぶことも、見たい過去に飛ぶことも可能です。」と説明しており、そもそも以前のようにさくらが直接、実体で向かったという訳ではなく、精神体のみなので出来る芸当なのだ。

 

苺鈴 「ブリジットさんあれ!!」

 

ブリジット「いました!!フェイトさんとお母様ですはい!!」

 

苺鈴 「あれがプレシア・テスタロッサ・・・」

 

二人が見たのは、ちょうどここに来る前に見た写真を撮ろうとしている場面であった。二人はその一部始終(いちぶしじゅう)を見守っていた。

 

苺鈴 「・・・見た感じ・・・」

 

ブリジット「私が知っているお二人の間柄(あいだがら)とはまるで違いますね・・・あれ?」

 

二人が見たところとてもアルフの証言、そして一度虐待の実態を目(ま)の当たりにしたブリジットですらあの二人に「あそこまでの溝(みぞ)が出来るなんて」と思えるほど仲が良さそうに見えた。

 

写真を撮り終えたのか、テスタロッサ親子と一緒にいた青年はそのまま去っていく。テスタロッサ親子もそのまま丘を手を繋(つな)ぎながら下っていくのであった。それを見届けた二人も色々考えていたが、「次の時間に向かってみましょう」とブリジットに提案し、二人は手を繋ぎ、空を飛んだ時のように強く念じる。「暴走事故のあった時間へ!!」と。

少しの間の後、二人の体が光り出し、二人は何処(いずこ)かへ消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は遡り、苺鈴とブリジットがテスタロッサ親子を見つけ出すより少し前の事。

テスタロッサ親子が写真を撮った丘に銀色のオーロラが現れ、その中から首からマゼンタ色の一眼レフのトイカメラをぶら下げた一人の青年が現れる。見たところ少し不機嫌そうにしていた・・・

 

青年 「ったく海東(かいとう)の奴どこ行きやがった!!俺のカード盗んでそのまま行きやがって」

 

青年はどうやら誰かを探しているようだった。時には敵として時には仲間として行動を共にしてきたトレジャーハンターの男を・・・

追いかけられている彼はカメラの青年の大事なカードを半分腹いせに盗み出し、そのまま行方をくらました。すぐに追いかければ追い付いたのだろうが、色々なことを見届けていたら出遅れてしまったのだ。しばらくカメラの青年は辺りを見渡すがやはり目的の人物は見つからず、そのまま去ろうとしたが、後ろから誰かが近づいてくる気配を感じたため振り返る。するとそこにはテスタロッサ親子が丘の頂上に向かって来ていた所であった。

 

幼いフェイト「お母さん・リニス!!早く早く~!!」

 

プレシア「はいはい。今行くわ!!」

 

親子を見た青年は特に気に掛ける事もなく、そのままそっぽを向いたままである。幼いフェイトはくるくる回りながらはしゃぎ、プレシアはそんな幼いフェイトの姿を見て微笑みが絶えない。プレシアは幼いフェイトに「記念写真でも撮りましょう!!」と提案して幼いフェイトもそれに乗る事にした。プレシアはデジカメを取り出したはいいが、デジカメ用の脚立(きゃたつ)を忘れたようで「どうしましょう?」と悩んでいた。

 

幼いフェイト「う~ん・・・あっ!?お母さんカメラ貸して!!」

 

幼いフェイトが何かを思いついたのかプレシアに「カメラ貸して」とお願いして、カメラを受け取る。そして、すぐさま近くにいたカメラの青年のそばに近寄り「お兄さんお兄さん!!」と声をかける。声を掛けられた青年は「何だ?」と聞き返すと、「あのね、カメラ撮ってほしいんです!!」とお願いしていたのであった。近くにいたプレシアも慌てて青年に「突然すみません」とあやまりながらもよろしければお願いしますとついでに頼み込む。青年は若干不機嫌そうにしながらも「いいだろ。だが、笑うなよ」と了解してくれたので、二人は丘の頂上にある大きな木の下に移動して「撮るぞ」と青年が声をかけるとカメラに向かって微笑みかける。

 

幼いフェイト「ありがとうお兄さん」

 

プレシア「見せてもらってもいいですか?」

 

青年 「あんたらの写真だ。俺の許可なんか要るのか?」

 

プレシア「ふふふっそれもそうね。」

 

幼いフェイト「見せて見せて!!」

 

二人が青年からデジカメを一度返してもらい今撮った写真を見てみると、自分達や周りの景色が何重にも重なって見えるピンボケ写真が取れていた。プレシアは「何これ?」と目を点にして、反対に幼いフェイトは「おもしろ~い!!」とこの写真を気に入ったようでその場で何度か小刻みにジャンプしていた。こんな写真でもこんなに気に入ってくれたのが嬉しかったのか機嫌がよくなったようだ。とはいえこれだけとういのもなんなのでもう一枚撮る事に、しかし、青年はそれには渋っていた。

 

青年 「ここも俺の世界じゃない。だからこの世界が俺に撮られたがられないんだ。」

 

はっきり言って意味不明な回答であったが、彼が撮る写真は必ずこうなるらしい。「う~ん」とまた唸っていた幼いフェイトは「そうだ!!」とまた何かを思いついたようで、青年に写真を撮った時と同じ構えをしてほしいと頼み込み、青年がとりあえずさっきと同じ高さ・構えをとる。幼いフェイトはデジカメを操作して青年に渡し、プレシアの手を繋ぎ急いでさっき自分達が立っていた場所に戻る。戻った直後デジカメのシャッターがおり、写真が撮れた。それを確認してみると今度はちゃんとした写真が撮れていた。

 

プレシア「成程ね。タイマーを」

 

幼いフェイト「そう!!すごいでしょ!!」

 

プレシア「すごいすごい。」

 

幼いフェイト「えへへ」

 

青年 (これならありなのか?・・・)

 

写真が撮れテスタロッサ親子は青年に手を振ってさよならと丘を後にする。青年は去っていく親子を自分のトイカメラで一枚撮り、丘を下っていく。

『海東 大樹』を探しだし『ディケイドカード』を取り返すため青年『門矢 士』も突如現れた銀色のオーロラの中に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苺鈴 「・・・ここは?」

 

ブリジット「恐らくフェイトさんの昔の家ではないかと・・・」

 

写真を撮った時間から更に時が進んだ時間。そこには幼いフェイトと黒髪の強面(こわもて)の男性と色白のニコニコした男性と見知った顔が一つ。そして、白いぬいぐるみと黒いパーカーのワンピースを着た薄紫のロングヘアーの女性がいた。

 

ブリジット「・・・あの苺鈴さん私の見間違いなのでしょうか?あの人って・・・小狼さんにそっくりですよね?」

 

苺鈴 「そっくりというより・・・まんま小狼じゃない!?どゆこと!?」

 

二人が見たのは二人が知っている小狼よりも成長した感じの小狼であった。皆の様子を見てみると、TVゲームで遊んでいるようであった。数十分ほどその様子を見ていると、白いぬいぐるみのような生き物が突如光だし、小狼に似た青年達が幼いフェイトに別れを告げてその生き物に吸い込まれ、魔法陣のような物に飛び込むところを見届ける。

ただ、一緒にいた女性だけは手帳を開き、まるでブラックホールのような小さい黒い穴に飛び込み姿を消す。

何がなんやら分からない二人だが、そのほんの数分後、『その時』が来る・・・

 

ブリジット「行っちゃいましたね小狼さん」

 

苺鈴 「えぇ・・・もう何がどうなっているのよ?」

 

小狼達が去った後、幼いフェイトのいる部屋に、光が差し込んでくる。ほんの一瞬の出来事であったが、光が晴れ、目を閉じていた二人が幼いフェイトを見てみると床にぐったりと横たわっているのだった。

 

ブリジット・苺鈴「フェイトさん!!・フェイト!!」

 

二人は体を揺さぶろうとしたが、ここはあくまでも『夢で見ている過去の世界』であるため、何も干渉できない。従ってフェイトに触ることが出来ないでいた。その状態で更に数時間後、数人の防護服のような服を着た者達が部屋に入ってくる。しばらくその様子を伺っていた二人は防護服を着た者の一人が話した言葉に驚愕していた。幼いフェイトを調べて「死亡しています。」と言ったのだ。二人は夢を見る前にもこの事件の記事を読んでいたのだが、プレシア・テスタロッサの関わる大きな事件で『実験の暴走事故があった』という事故があったとしか聞かされていなかった。

 

事前にブリジットはこのために昨日のうちにクロノの許可をもらってから記事を持ち出していたのだった。しかし、記事を用意をしたのはエイミィであり、クロノの指示で意図的に細かい所は見せても持ち出させてもくれなかったのである。この事故によって『プレシア・テスタロッサの娘が死亡した』という重大な事実を・・・

 

一度時は遡りブリジットが記事をプリントしてもらった際の事・・・

 

エイミィ「OK!!これが例の記事だよ。」

 

ブリジット「助かりますですはい。ありがとうございますエイミーさん」

 

エイミィは「いえいえ」と手を振り、ブリジットは一度自室に戻る。部屋からブリジットが出ていったことを見届け、エイミィはクロノに問いかける「あの事は言わなくてよかったの?」と・・・

 

クロノ「今言えば彼女達が立てたフェイト・テスタロッサとの決闘に支障が起きるかもしれないからな。それに僕らは当事者じゃない。もしかしたら僕達よりも詳しい真相を掴んでくれるかもしれない。だったらあえて教えないほうがいいかもしれないと思ってな」

 

エイミィ「成程ね・・・そういえばさくらちゃんの過去に戻る力を使うんだったよね?」

 

クロノ「あぁそうらしい。全く彼女の魔法は本当に何でも有りだな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更にまた苺鈴達が過去に遡ってくるよりも前の時間。部屋には幼いフェイトがいた。その様子は何だかつまらなさそうに過ごしていた。

 

幼いフェイト「・・・はぁ~・・・お母さん・・・まだお仕事終わらないのかなぁ~・・・つまんないねリニス」

 

幼いフェイトは寝ころびながらテスタロッサ家の飼い猫である『リニス』を抱っこしながら母親不在への不満を少しぶつける。「何か起こらないかなぁ~~」と退屈しのぎになる事を求めていたが思わぬ形でそれが手に入る。リニスを抱っこしながら仰向けになっていると天井に何の前触れもなく魔法陣のようなものが浮かぶ。

 

幼いフェイト「えっ!?何これ!?」

 

幼いフェイトは得体のしれない何かが目の前に起こっていることに怯え、腰が抜けたようであった。魔法陣からはまるで地面がドロッと垂れてくるかのような何かが落ちてきてブワッとそれがはがれると中から青年が一人・白人のへらへらした優しそうな男性が一人・全身黒一色の強面の一番高身の男性が一人・そして、三人を下敷きにする形でふわふわしたぬいぐるみのような白い者と黒いパーカータイプのワンピースを着た薄紫色のロングヘアーの女性が姿を現す。

 

紫の女性「あいたたたもうっクロちゃん!!またこんないたずらして!!」

 

クロちゃんと呼ばれた手帳「へへっこうした方が面白れぇだろ?それにこんな風に座標が安定しねぇのはおめぇが俺をこんな本に閉じ込めてるからだろ?だったらさっさと俺を出しやがれ」

 

紫の女性「ダ~メ!!こんないたずらするようなクロちゃんは出してあげないよ~!!」

 

女性が自身が持っていた手帳に向かって誰かと口論していると女性の下敷きになっていた男性のうち一人のニコニコした男性が「ねぇ君?」と声をかけると女性は自分のお尻辺りをのぞいてみる。

自分達に視線を向けてくれたことを確認したと同時に「そろそろどいてくれる?」と催促(さいそく)する。気づいた女性はおちゃらけながらもそこをどく。

 

紫の女性「あっ!?ごめんごめん!!いやぁ~でも私の下敷きになっているお兄さんはラッキーだったよね?よっ!!このラッキースケベ!!」

 

青年 「らっきーすけべ?何だそれは?」

 

黒い男性「お前ら、俺にはなんにもねぇのか?」

 

女性がどき始めたのをきっかけに他の二人の青年も一番下にいた黒い男性からどいていく。黒い男性は一番下にいて一番負担が掛かった自分への謝罪が中々来ないことに若干、苛立ちを感じており青年は普通に謝罪をしたが残りの二人は同時におちゃらけながら謝罪する。

 

ニコニコした男性・紫の女性「黒様許してちょ!!・てへぺろっ!!」

 

黒い男性「てぇめえらぁ~~!!」

 

ニコニコした男性・紫の女性「わぁ~怒ったぁ~逃げろぉ~!!(棒読み)・あ~れ~お助けぇ~(棒読み)」

 

黒い男性「待てこらぁっ!!」

 

黒い男性がニコニコした男性と紫の女性を追いかけまわし、二人はのらりくらりと逃げ回る。もう一人の青年は幼いフェイトに気づき近寄り膝立ちで幼いフェイトの顔を見る。

 

幼いフェイト「えっと・・・」

 

青年 「怖がらなくていい。何もしない。すまないな。いきなり押しかけて」

 

青年が頭を下げて謝ると、幼いフェイトもオロオロしながらも「いいえ」と答える。青年が謝った後、白いプクーっとしたお饅頭(まんじゅう)のようなもちもちしていそうなぬいぐるみがぴょこぴょこと歩み寄って来て自己紹介を始めた。

 

モコナ「ぷぅ!!モコナだよ!!モコナ=モドキ!!」

 

幼いフェイト「モコナ・・・わぁ~可愛い!!」

 

青年 「抱いてみるか?」

 

幼いフェイト「いいの!?」

 

青年が「いいよ」と答えると「わ~~い!!」と喜びモコナと自己紹介した生きているぬいぐるみのような者を抱いた幼いフェイトは抱き心地が良かったのかすぐにぎゅ~と抱きしめた。モコナの方もまんざらではない様子で気持ちよさげな顔をしていた。追いかけっこが終わったのか青年の仲間と思わしき三人も寄って来て自己紹介を始めた。

 

青年 「紹介する。俺の旅の仲間の」

 

ファイ「ファイで~~す!!よろしくねぇ!!因みにこっちの強面(こわもて)の黒いお父さんは黒リンだよ!!よ~~く覚えてねぇ!!」

 

黒鋼 「誰がお前のオヤジだ!!それに黒リンでもねぇ!!ったく、俺は黒鋼(くろがね)だ。」

 

ネプテューヌ「っんで、私はネプテューヌ!!異世界中の珍しい昆虫を探し求める次元昆虫ハンターだよ!!よろしくね!!」

 

小狼 「あぁよろしく。俺は小狼だ。君は・・・」

 

幼いフェイト「あっ私は・・・」

 

 

 

 

 

アリシア「『アリシア』。『アリシア・テスタロッサ』です。」

 

 

 

 

 

ネプテューヌ「アリシアちゃんか。確かモコナって言ったよね?うわぁ~絵になるなぁ~美少女と可愛いぬいぐるみのツーショット!!いいねぇ!!お姉さん興奮してきちゃったぁ~~!!」

 

黒鋼 「おい。何だかよく分からんが危なそうなこと言ってんじゃねぇぞ?」

 

ネプテューヌ「大丈夫だって!!メタな事言うと、この後私がたどり着く『新次元ゲイムネプテューヌVⅡ』か『VⅡR』で私が出会う緑の女神のお姉さんと違ってそこはちゃんとブレーキ利くから私。あっ!!そういえばさっきはごめんねぇぶつかっちゃって」

 

黒鋼 「あっ?」

 

小狼 「もしかして、さっき次元を移動していた時に俺達がぶつかったのは君だったのか?」

 

ネプテューヌ「うん。そうなんだぁ。実はこの『ねぷノート』に標本にしちゃったクロちゃんっ子がいるんだけど、その子割と悪い事が好きみたいでさぁ、それで今回も私がクロちゃんの力を借りて次元移動をしようとしたら悪ふざけで私が着地失敗するように座標をいじっちゃってね。」

 

クロちゃんと呼ばれた手帳「俺をこんな本に閉じ込めてる罰だ。またこうなりたくなかったらさっさと俺を出しやがれ!!」

 

ネプテューヌ「ダ~~メ!!クロちゃんってば目が届かなくなるとどんな事しでかすか分かったもんじゃないんだから、だからダ~メ!!」

 

そう言って『ねぷノート』と書かれた手帳を閉じたネプテューヌ。閉める際に「あっ!?おいっ!?」とクロちゃんと呼ばれた誰かが抗議していたがそれをあえて無視してクロちゃんの声は完全に途切れた。

 

ネプテューヌ「あっそうだ!!ねぇねぇ折角こうして出会ったのも何かの縁だし、親睦を兼ねてゲームでもしない?丁度そこにテレビもあるしさぁ!!」

 

小狼・黒鋼・アリシア「げーむ?」

 

「そう!!」とネプテューヌは再び『ねぷノート』を開く。またクロちゃんが「出せ!!」と言い続けているが、あえて無視し、別のページを開ける。そのページには『ニン〇〇ドウ64』に似たゲームハードとコントローラーが4つ描かれており、そのページに手を突っ込むと本の中から絵と全く同じ物が実体化する。

 

アリシア・ファイ・モコナ「おおっーー!!」

 

ネプテューヌ「どお?すごいでしょ!!何を隠そう私はゲームハードコレクターでもあるんだなぁ~これがぁ!!」

 

アリシア「ねぇねぇ遊んでもいいの?」

 

ネプテューヌ「勿論!!ただ、コントローラー4つしかないから交代でするか、遊ぶゲームにもよるけど、だれかが二人一組でコントローラーを使ってもらうしかないかぁ~という訳でアリシアちゃん・モコナ私達3人一組で一緒にやろ!!」

 

アリシア「うん!!いいよ。」

 

モコナ「モコナもいいよ。」

 

ネプテューヌ「OK!!じゃあゲームスタートォォ!!」

 

ネプテューヌがハードを起動させると、すでにセットされていたソフトも起動する。どうやら双六(すごろく)をベースにしたパーティーゲームのようだ。小狼はキノコをモチーフにした民族っぽいキャラを、ファイは緑色のファンシーな恐竜を、黒鋼はファイが勝手に選んだ「DK」と書かれたネクタイを付けたゴリラを、ネプテューヌ・アリシア・モコナのキャラはピンクのドレスを着たお姫様を選んでいた。

 

ネプテューヌ「ようし、まずは私達の番だね。アリシア先に操作していいよ。」

 

アリシア「良いの!?やったぁー!!じゃあ行くよ。えいっ!!」

 

ネプテューヌ達のチームはサイコロを割り4マス進める目が出たため4マス進める。青いマスに止まると手持ちのお金が増えるようだった。

 

ファイ「次は俺かぁ~・・・何が出るかな?何が出るかなぁ?・・・ほいっ!!」

 

ファイは『3』がでたため3マス進める。この結果に「あっちゃ~」とあんまり進めなかったのを残念そうにしていた。しかし、青いマスだったのでお金が増えた。

 

黒鋼 「次は俺か?・・・このボタンだったな?・・・んっ!!」

 

黒鋼は一番進める『10』が出たので進んだので「おしっ!!」と喜んだのも束の間、赤いマスに止まり手持ちのお金が減ってしまった。

 

小狼 「ん?このマスは?」

 

最後は小狼の番だったようで、彼が止まったマスは6進んだところで『?』マークがついていた。なにかイベントが起こるところだったようで3つの宝箱の内どれか一つを選ぶように指示が流れる。適当に真ん中にあった宝箱を選ぶとお金が入っていて、手持ちのお金が一気に2倍に膨れ上がった。

 

4人のキャラが行動を終え、4つほど何かの項目が現れそれからランダムに選ばれる。

 

黒鋼 「あ~「あなほりたんさく」?」

 

ネプテューヌ「あぁこれはAボタンをT名人のごとく連打してどこかにある宝箱を探すミニゲームだよ。宝箱は一つだけだから早い者勝ちだよ!!」

 

ネプテューヌが簡単に選ばれたミニゲームの説明を終えると、ちょうどミニゲームが始まるところであったようだ。皆準備が整ったようで「スタート」の合図が鳴ると、一斉にAボタンを連打しながら宝箱を探し出す。しばらく探し回ると、黒鋼が見つけたようで先のお金が減った分を取り返し、お釣りも来た。

 

黒鋼 「おしっ!!」

 

ファイ「わぁ~お!!黒様の野生の勘すご~い!!」

 

ネプテューヌ・アリシア・モコナ「すご~い!!」

 

取り合えず褒められたのだが、微妙にけなされている気がしたので素直に喜べなかった。

 

そんなこんなで同じサイクルを繰り返し時間は30分ほど進み、ついに決着がついた。

 

ファイ「ひゅ~小狼君の優勝~~!!」

 

小狼 「俺の勝ちか・・・」

 

モコナ「小狼優勝おめでとう!!」

 

小狼 「ありがとうモコナ」

 

アリシア「あ~あ、負けちゃった・・・」

 

ネプテューヌ「だね。でも白熱したバトルだったね~アリシアちゃんも楽しめたかな?」

 

アリシア「うん!!負けちゃったけど、すっごく楽しかった!!」

 

ネプテューヌ「よかったぁ~」

 

ゲームが一区切りつき、それぞれが余韻(よいん)に浸(ひた)っていたその最中、突如モコナの体が光り出す。その様子にアリシアは咄嗟にネプテューヌに抱き着く。

 

アリシア「なっ何々!?」

 

ネプテューヌ「ちょっ!?モコちゃんどうしちゃったの!?」

 

小狼 「大丈夫だ。気にしないでくれ。お別れの時間が来ただけだ。」

 

小狼の言葉にネプテューヌとアリシアは「えっ!?」と聞き返す。事情を聞くと小狼達はモコナの力で次元移動を行っていたようで、モコナが光り出すと新しい次元に旅立つ合図となっているのだった。

 

小狼 「元気でな」

 

ファイ「またね。楽しかったよ。」

 

黒鋼 「じゃあな」

 

モコナ「じゃあ皆、いっくよぉ~~!!」

 

モコナは魔法陣を召喚し、三人とモコナはその中に消えていった。それを見送った二人であったが、ネプテューヌも何かを決めたように荷造りを始める。といっても、ゲームを片付けただけであったが

 

ネプテューヌ「さてと、小狼達も行っちゃったし、悪いんだけど私もそろそろ行くね。」

 

アリシア「えっ!?もう行っちゃうの?」

 

ネプテューヌ「うん。本当はもっとここでアリシアちゃんと遊んでいたかったけど、尺(しゃく)の都合でもう行かなきゃなんだ。」

 

アリシア「えっ?どういう意味?」

 

ネプテューヌはアリシアを抱きしめながら「楽しかったよ」とつぶやきながら『ねぷノート』を開く。

 

ネプテューヌ「それじゃあクロちゃんお願い!!」

 

クロちゃんと呼ばれた存在は黒い穴のような空間を作りその中へと足を運びだす。

 

ネプテューヌ「アリシアちゃん」

 

アリシア「なぁに?」

 

ネプテューヌ「またいつかこれたら遊びに来てもいいかな?」

 

アリシア「うん。私もリニスもそれに・・・私のお母さんも待ってるよ!!」

 

ネプテューヌ「良かったぁ~じゃあ、元気でね!!」

 

アリシアが「またね。バイバイ!!」と手を振り返し、ネプテューヌはそのまま黒い穴に飛び込む。黒い穴が完全に消えた後、アリシアはまた寂しそうな顔をしてそばに寄ってきたリニスを抱き上げる。

 

アリシア「お姉さん達行っちゃったねリニス・・・また遊びに来てくれるかなぁ~・・・ん?」

 

アリシアは何かを感じベランダに出てみると、プレシアが働いている研究所から強烈な光が迫っているのが見えた。そして、それがアリシアが見た最後の景色になったのだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

苺鈴 「・・・プレシアさん・・・泣いてたわね」

 

ブリジット「えぇ・・・」

 

あれからしばらくしてプレシアも自宅にやってきて、「お子さんが亡くなりました。」という報告を受けてその場で膝をつき、泣き崩れた。その様子ははたから見てもとても苦しそうで、悲しそうで・・・人目もはばからずに大泣きしていた・・・その様子に特にブリジットはやはり信じられないという顔をしていた。

 

苺鈴 「・・・でも・・・これではっきりしましたね」

 

ブリジット「何がですか?」

 

苺鈴 「ブリジットさんも薄々気づいてたんじゃないですか?最初の過去であの子を見て「あれ?」って言っていたの聞こえてましたよ。」

 

ブリジット「えぇ・・・あの時、カメラを渡した時に出していた手・・・フェイトさんは確か右利きのはずなのに、あの時は左手でした。ただの偶然だと思ってたんですけど・・・」

 

苺鈴 「さっきの時間でそれもはっきりしましたね。あの子、フェイトじゃなかった・・・」

 

ブリジット「あの時、プレシアさんは泣きながらハッキリ言ってましたね。『アリシア』って」

 

苺鈴 「という事はですよ?じゃあフェイトって何者なの?見た目はあのアリシアって子にそっくりでしたし、それにフェイトには最初の過去で十中八九プレシアと一緒にいたアリシアって子が体験したはずの記憶を自分が体験した記憶として持っているという事になりますよ?そんなことありえると思いますか?」

 

ブリジット「・・・無いですよね?『知っている』んじゃなくて『実際に過ごした』ではまるで話が変わります。それにまだ気になることが一つ」

 

苺鈴 「何ですか?」

 

ブリジット「さっきのアリシアさんとフェイトさんが一緒にいるところを見ていない事ですよ。単純に双子という事も考えられますけど、そんな話は一度も聞いたこともないですし」

 

苺鈴 「それも次の時間でわかりますね。」

 

ブリジット「来ます!!」

 

ブリジットがそう言うと二人は光の輪のような物を潜り抜ける。『プレシアがフェイトを嫌うようになった時間へ』と念じた二人、その先にはブリジットも一度だけ訪れたことのある場所に出ていた

 

苺鈴 「・・・ここは?・・・」

 

ブリジット「ここは恐らく時の庭園ですね」

 

苺鈴 「時の庭園?」

 

ブリジット「プレシアさんの拠点ですよ。前に一度だけ来たことがあるんです。」

 

ブリジットの言葉を聞き、「ここがプレシアさんの拠点・・・」と辺りをまた見渡す。そして二人は手分けしてプレシアを探すことにする。

 

しばらく散策していたブリジットはとある部屋に来た時に思わず目を疑い、咄嗟に身を隠す。その視線の先には死んだはずのアリシアがおいしそうに食事をとっていたのだから・・・

 

その頃、苺鈴の方も当てがある訳でもないため適当に歩き回っていたが、その最中どこからか乱暴に物が崩れ落ちていくような物音が聞こえ、その音に発生場所に向かう。

苺鈴がたどり着いた部屋は一際大きく頑丈そうな扉で少し入りづらい雰囲気を出していたが、ここはあくまで夢の世界そんな遠慮は無用だったため構わず侵入するとプレシアがとにかく何かに怒りのようなものをぶつけるようにそこらにあった本や書類を辺りにぶちまけていた・・・

 

プレシア「違う!!違う!!違うっ!!」

 

苺鈴 (違う?・・・何が違うっていうのよ!?・・・えっ!?フェイト!?いやアリシア!?どっちなの?)

 

部屋の中にあるモニターにはちょうどブリジットもいる子供部屋が映し出され苺鈴はその中にいるのがアリシアなのかフェイトなのかもう分からなくなっていた。しかし、プレシアの次の一言で一体どちらなのかが確信できた。

 

プレシア「どうしてなの!?アリシアの記憶は確かにあの子に全部与えた!!なのに違う!?利き腕も、口調も、目の色も何もかも違う!!私はどこで失敗したっていうの!?どうしてあんな出来損ないになってしまうの!?」

 

苺鈴 (記憶を・・・与えた?それに出来損ないって・・・)

 

プレシアはしばらく暴れた後、部屋を後にする。その足取りはふらついており、何かをぶつぶつつぶやいていた・・・苺鈴はそれをつけていき様子を見ている。すると突如プレシアは何かを思いつき顔を上げながらこう一人で提案する。

 

プレシア「そうだわ。あの出来損ないを使えばいいんだわ。アルハザードの技術さえ手に入れれば、きっとアリシアを・・・そうよそれがいいわ・・・あははっ・・・あはははは!!」

 

プレシアはまるで狂気に染まったかのように高笑いを浮かべながらまた歩き出しその場を立ち去る。プレシアが去った後追わずそのまま立ち尽くしていた苺鈴は絶句していた・・・

 

 

 

 

 

???「苺鈴ちゃん!!苺鈴ちゃん!!」

 

あれからどれだけ時間が経っただろう・・・苺鈴はあれから記憶がないかのように茫然(ぼうぜん)としていたようで、気が付いたらさくらに両肩を掴まれ揺さぶられていた。

どうやらいつの間にか現実の世界に戻ってきていたようであった。ブリジットはどうやら先に起きていたようで中々目を覚まさなかった苺鈴を心配そうに見つめていたが、無事に目を覚ましたようでとりあえず安堵していた。

 

ブリジット「良かったですはい。このまま眠り続けるのではないかと思ったですよはい。」

 

苺鈴 「木之本さん・ブリジットさん・・・どうやら夢から覚めたみたいね」

 

さくら「よかったぁ~中々起きてくれないから心配したよぉ~」

 

苺鈴 「ごめんなさい木之本さん皆、心配かけたわね。」

 

さくら「ううん。いいんだよ!!無事に戻ってきてくれたんだから!!」

 

ブリジット「その通りですはい」

 

小狼 「苺鈴、お前過去で何を見たんだ?顔色が悪いみたいだが?・・・」

 

ブリジット「そうでした!!私の方も最後に向かった過去で多分フェイトさんだと思う方を見つけたんですけど突然目が覚めてしまって」

 

ケロ 「まぁ流石にスリープの効き目が切れてもうたんやろなぁ~んで、何か収穫あったんかぁ小娘?」

 

苺鈴 「・・・えぇ、あったわ。飛び切り想像以上の事実がね・・・ところで私達どれぐらい寝てたの?」

 

知世 「およそ30分ほどですわ」

 

意外と時間が経っていない事に「そんなものなんだ」と思いながら苺鈴はそれまで見てきた過去と三度目の過去でプレシアが言っていた言葉をその場にいた全員に話した。

自分の推測も含めて・・・

 

苺鈴「という事があってね。少なくてもプレシアさんにはフェイトではなく『アリシア』って娘がいて、その子はもう亡くなっていた・・・その後、ここからは私の推測なんだけど、プレシアさんは何らかの魔法か何かを使ってアリシアって子にフェイトを似せて、記憶を埋め込んだんじゃないかって思う。」

 

知世 「ですが、それではまるでフェイトちゃんは・・・」

 

苺鈴 「えぇ大道寺さんの言う通り、フェイトはアリシアのコピーつまり、クローン人間だって事になるわ。魔法なんてファンタジーな事が絡んでいるのにいきなりSFが絡むんですもの話がぶっ飛んでるわよ」

 

そこまで苺鈴が話すと、知世のスマフォに一本の電話が入る。相手はアースラーにいるエイミィであった。スマフォを片手に一度、皆に背を向けて通話をしていた知世はパッと皆の方に向き直り今聞いたことを伝えた。そのことを聞いたブリジット以外の特に苺鈴は嬉しそうな顔をしていた。

 

知世 「皆さん!!なのはちゃんがフェイトちゃんに勝利したそうですわ!!」

 

苺鈴 「本当!?うぅ~~・・・やったぁー!!やったわなのは!!」

 

さくら「めっ苺鈴ちゃん・・・苦しぃ~~」

 

「なのはが勝った」という朗報を聞いた苺鈴は遠回しに「フェイトが負けた」という悲報でもあることに複雑な気分をして苦笑いしていたブリジットをよそに目の前にいたさくらに喜びのあまり思わず加減もせずに抱きしめる。

 

知世 「ですが・・・」

 

苺鈴 「え?」

 

知世 「ですがその後、プレシアさんの仕業かと思われる大規模攻撃があったらしくて、なのはちゃん達はご無事なのですけれど、フェイトちゃんが・・・」

 

苺鈴 「何ですって・・・」

 

ブリジット「皆さんとにかく一度アースラに向かいましょう!!」

 

知世は頷き、エイミィに転送を依頼してその場にいた全員がアースラーへと転送され、月峰神社には再び静寂が流れていった・・・・・・

 

 

 

 

 

 




ネプテューヌ「遂になのはとフェイトの戦いに決着が着いた矢先に放たれたラスボスのプレシアの一撃。その一撃が最終決戦への火蓋(ひぶた)を切る。」

苺鈴 「そして私の最高の友達の贈り物がプレシアの兵隊達に炸裂する。」

小狼(青年)「次回『カードキャプターさくら外伝』「ジュエルシード編」第13話『苺鈴と最高の贈り物』」

ネプテューヌ「リリカル・マジカル、私はプリンでも食べながらのんびりこの小説を読み返しておこ~と」

苺鈴 「ってこら!!この話限りのゲストキャラだからって、だらけないでくださいよぉ~!!」

ネプテューヌ「いいじゃん!!私もこの後色々大変な事に巻き込まれちゃうんだからさぁ」

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