ハヤウェイ「うおぉぉっっ~~!!でやぁっ~~!!」
『時の庭園』の駆同炉の部屋にて、増援として現れていたハヤウェイは単身『究極天使』「ウルティマ・アンゲル」と戦っていた・・・
ハヤウェイは繰り出されてきた究極天使の真っ黒で強靭(きょうじん)な尻尾を一閃で叩き切り、尻尾と胴体を離れ離れにしていた。尻尾は動きを止め、究極天使は苦しいのか雄たけびを上げ、憎らし気にハヤウェイを睨み付けている。それに応えるかのようにハヤウェイも自身の剣『アーラ・グラディウス』を構える。
フィーリア「お兄ちゃん!!」
さくら「なのはちゃん・ユーノ君!!封印ってまだ掛かりそう?」
なのは「はい!!まだ掛かります!!」
ユーノ「これでも急いでやっているんですけど、まだ・・・」
小狼 「仕方がない。さくらは三人を守っていてくれ。俺はあの人の加勢に行く」
さくら「えっ!?でも小狼君一人だけじゃ・・・」
小狼 「確かに俺よりあの人、『ハヤウェイ』さんの方が強いってのは分かってる。だが、あんなのを相手にたった一人じゃ危険だ。俺が倒せなくても、サポート位なら・・・」
ケルベロス「おっしゃ小僧!!それならワイも」
ハヤウェイ「来ちゃだめだ!!」
なのは・ユーノの守りをさくらに任せ、ハヤウェイの加勢に行こうとする小狼とケルベロスに静止の声を出すハヤウェイ・・・究極天使の攻撃を避けながらも「みんなは来ちゃだめだ」と頑(かたく)なに助っ人を拒み続けているのであった。
なのは「ハヤウェイさん?・・・」
さくら「どうしてですか!?みんなで力を合わせればきっと倒せます!!」
ハヤウェイ「確かにそうかもしれない・・・でも駄目だ!!『君達が』手を出しちゃ駄目だ!!」
小狼 「『俺達が』?・・・」
なのは「フィーリアさん。ハヤウェイさんの言葉の意味って・・・」
ユーノ「なのは!!僕達は封印に集中しよう!!どちらにしても僕達は封印が終わらないと加勢に行けない!!」
なのは「分かった!!」
フィーリア(お兄ちゃん・・・もしかして『あの事』があるから?だから戦わせたくないんだとしたら・・・)
ハヤウェイ「フィーリア!!」
フィーリア「あっ!?うん!!」
ハヤウェイ「究極天使を倒したら皆に究極天使の残骸を見せないように気をつけさせて!!」
フィーリア「分かった!!」
ケルベロス「なぁブラシの嬢ちゃんあの兄ちゃんの言うとる事ってどういう意味や?」
フィーリア「えっ?」
小狼 「確かにそうだ。倒した後の残骸も見るなってどういう事なんだ?俺達にあいつと戦わせまいとしようとしている事と関係があるのか?」
フィーリア「えっえっと~~・・・」
さくら「フィーリアさん?・・・」
フィーリア(どうしよ~あの事は言わない方が良いよね?・・・お兄ちゃん・・・)
ハヤウェイ(知らない方が良い!!戦わない方が良い!!きっと、手を出せば後悔する!!・・・この子を助けるために殺す役目をするのは・・・僕だけでいい!!)「うおぉっっぉっ~~!!」
ハヤウェイと究極天使の死闘が続いていく中、同じ頃プレシア対苺鈴・ブリジットの闘いも激化していた・・・・・・
プレシア「ふん!!」
プレシアは魔法弾を何発も苺鈴とブリジットに向けて乱射する。二人はそれを回避・防御を繰り返す。ブリジットは短剣で魔法弾を切り裂き、苺鈴ははたき・正拳突きでこれらに対処していた。
苺鈴 「こんのぉ~~!!」
魔法弾の雨の中、プレシアに接近した苺鈴は正拳突きを放つが、バリア魔法によってプレシアに拳が届く事は無かった。バリアに拳が阻まれ顔をしかめた苺鈴はプレシアが何かアクションを起こそうとしたのが直感で感じ取り、バックステップで再び距離を取る。
プレシア「ふっ!!」
苺鈴の予想通り、プレシアは左手を振りまわすと、苺鈴のいた場所に鞭でしばかれたかのような衝撃波が何発も発生する。それを直撃は逃れたが、何発かかすり軽く服も切り裂かれていた。
苺鈴 「飛び引いて正解だった・・・ふんっ!!」
苺鈴は再びプレシアに向かい駆け出していくが、プレシアは再び電撃魔法を放つ。玉のような物ではなく雷のようなギザギザな物である。それを咄嗟にまた回避すると、右に駆け出しプレシアの周囲を回りながら連撃の電撃を回避していく、しかし、苺鈴もただ逃げ回っている訳でもなく、今の苺鈴には遠距離からでも攻撃をする術(すべ)があるのだ
苺鈴 「全くもう少しは休ませなさいよぉ!!」
苺鈴は右手を突き出し、エレキハンドからエレキ光線を放射する。プレシアの電撃とぶつかると相殺され、走りながら撃っているのもあってか中々思うようには照準が合わない・・・
そんな苺鈴とは反対にプレシアはその場から動くことなく苺鈴に向かって今度は球体の魔法弾を放つ。それを苺鈴はエレキ光線で相殺していくが、中々近づく事は出来ずにいた。
ブリジット「でやぁぁーー!!」
苺鈴に気を取られブリジットへの注意が疎かになっていたプレシアは接近される隙を作ってしまい、ブリジットは一気にプレシアとの距離を縮める。ブリジットは短剣を何度も振るい、プレシアはそれをバリアも張らずに避けていきブリジットは更に一振り剣を振るう
ブリジット「はぁっ!!」
プレシア「ふんっ!!」
ブリジットが一突き剣を向けるが、プレシアはそれもよけ、その隙を突きカウンターで魔法弾をブリジットの脇腹にゼロ距離で命中させブリジットはその衝撃で体が吹き飛び岩盤に向かって一直線に進んでいく
苺鈴 「ブリジットさん!!・・・ふっ!!・・・うんっ!!ぁっ!?」
プレシア「・・・ふんっ!!」
苺鈴 「うんっ!!ああぁぁっ!?がはっ・・・ぁっ・・・」
プレシア「消えなさい・・・サンダー・・・」
苺鈴 「ぅぅっ・・・」
ブリジット「ぁっ!!」
プレシア「レイジ!!」
吹き飛ぶブリジットを咄嗟にジャンプして空中で受けとめ岩盤に激突するのを防いだ苺鈴であったが、プレシアが更に鞭による追撃を放ちそれを見た苺鈴は受け止めたブリジットを放り投げ十字受けの体勢を取るが、今度は苺鈴が吹き飛び岩盤に激突する。岩盤に少しの間埋まっていたが、重力に従って地面に落ちていき地面に伏せってしまう。そして、プレシアは苺鈴の頭上に魔法陣を展開させ止めをさそうとするが、苺鈴のおかげで難を逃れていたブリジットはすぐさま苺鈴に向かって駆け出し、サンダーレイジが苺鈴に被弾するまさにその直前ブリジットは苺鈴の前を通過すると同時に煙玉を落としプレシアの視界から二人の姿が消える。魔法を放ったプレシアは、手応えを感じられない事に不審感を覚え煙が晴れるのを待ち、煙が晴れるとそこには二人の姿が消えてなくなっていた。プレシアは目視で二人を探して周囲を見渡す。そして、二人はすぐそばにあった岩陰に隠れて小休止を兼ねてプレシアの様子を伺っていた
苺鈴 「はぁっはぁっはぁっ・・・ありがとうブリジットさん。助かりました」
ブリジット「いえいえ何のです、はい。それよりも・・・」
苺鈴 「えぇ。やっぱり強いですねプレシアさん・・・流石はフェイトのお母様」
ブリジット「近づくのも困難ですし、何よりもあのバリアー・・・あれをどうにかしませんと」
苺鈴 「あれを破るのは正直厳しいですね。せめてパワーハンドでないと破れる自身無いわ。そうでなくてもなのはのバリアーも破ったことないのに・・・」
ブリジット「あっ私はありますよ。一度なのはさんのバリアー破ってます」
苺鈴 「えっ!?そうなの!?軽くショック何ですけど・・・」
ブリジット「あははっ・・・ん?・・・」
苺鈴 「どうかしました?」
ブリジット「いえ、何かプレシアさんの様子がおかしいと思いまして」
「えっ?」と苺鈴ももう一度こちらを探すプレシアを見て見ると、プレシアは肩で息をしており、やけに疲れているよであった・・・
苺鈴 「・・・なんだか、やけに息が上がってる?でもそれがどうかしました?・・・」
ブリジット「私達はこれまで連戦でしたから息が上がるのもうなずけますが、プレシアさんに至ってはここで待ち構えていたぐらいですよ。でしたら私達よりも体力が温存されているはずです。それなのにもうあの疲労ですよ?ダメージを与えた訳でもないというのに・・・」
苺鈴 「でも、逆にプレシアさんも私達との戦闘で結構魔法使っている訳ですし、疲れていくのも当然じゃ」
ブリジット「だとしても私達二人程度にですよ?これからまだ管理局の方から次々戦力が回ってくるかもしれないこの状況でそんな後先考えずに力を行使できるとは思えません。」
苺鈴 「でも、魔法ってかなり疲れるんじゃないんですか?さくらもカード一枚使うのに相当魔力使うって言ってましたし・・・」
ブリジット「それはさくらさんの魔法の話です、はい。プレシアさんの使う魔法・・・フェイトさんと同じような魔法も多いですけど、フェイトさんそんなに多くの魔力を消費するような物はあまりないそうです」
苺鈴 「っていう事はまさか・・・」
ブリジット「恐らく」
プレシアに対して何か確信めいた二人は、小休止を止め同時に頷くと一斉に飛び出す。プレシアが二人に気付いた時には左右に分かれて飛び出したものだから一瞬どちらを狙うか迷っていたが、苺鈴の方がブリジットに比べて捉え易いと踏んだのか、苺鈴の方へと狙いを定める。
苺鈴 「ふんっ!!」
プレシア「ふっ!!」
苺鈴は走りながらエレキ光線を放ち続ける。それをプレシアはバリアで防いでいく。破られそうではないが何発も撃たれて僅かでもプレシアは眉をゆがめている。反対方向からもブリジットは投剣(とうけん)用の仕込み小型ナイフを何発も投げていく。それにも反応したプレシアはもう片方の手から魔法陣を展開し、バリアーを張りそれも弾き返す。ただ、その様子を見ていたフェイトは何処か二人の動きに疑問を持っていた・・・
フェイト「ねぇアルフ。二人の動きううん攻撃なんだけど、なんだかおかしくない?」
アルフ「えっ?・・・」
フェイト「二人共・・・やたらと攻撃を出している気がする」
アルフ「やたらって?それじゃあ何かい?あの二人闇雲に攻撃しているってのかい?」
フェイト「ううん。あの二人に限ってそんな考えなしの行動をするとは思えない。きっとこれも多分、何か理由があると思う」
アルフ「何かって?・・・」
フェイト「分からない・・・でも・・・きっとあの二人なら母さんを止めてくれるはず。私はそれを信じたい」
フェイトは瞬(まばた)きをするのも忘れて、二人とプレシアの戦いを両手を祈るように握りながら見つめる。そして苺鈴は行動に移していくのであった・・・
苺鈴 (いいわ。このまま魔法を使い続けて頂戴よぉ~・・・)
プレシア「うっ!?うぅっ・・・うっとおしいわ!!」
苺鈴 「うわぁっ!?くぅっ!!・・・ぁっ!?」(ちぃっ!!プレシアさんの弱点を見つけたからこの方法を取ったはいいけど、これじゃあラチが明かない!!)
エレキ光線を放ち続けていた苺鈴に対してプレシアは更に魔力を込めた魔法弾を放ち苺鈴の足元に命中させる。爆風で吹き飛ぶ苺鈴は一度地面を転がっていくが、すぐさま立ちあがりプレシアの的にならないように再び駆け出していく。そして、苺鈴の言うプレシアの弱点。それは二人の岩場での小休止の最中で見つけたプレシア攻略のためのカギを握る重大な事であった・・・・・・
プレシア「はぁっ!!」
苺鈴 「エレキ光線!!」
プレシア「うっ!?」
苺鈴 「ふっ!!・・・そしてここから!!チェンジ!!冷熱ハンド!!・・・超高温火炎!!」
プレシア「うっ!!・・・ぅっ・・・」
苺鈴 「この超高温・・・バリア越しでも熱気が伝わるようね!!それじゃあこれはどう!!」
苺鈴はプレシアに向かって突き進みながらエレキ光線を放ち、プレシアも3発ほどの魔法弾を一斉に放ち相殺する。その時の爆風に両者は腕で顔を覆い、煙を防いでいるが苺鈴はすぐさま腕を振り上げ、煙を晴らすと今度は冷熱ハンドへと換装し、火炎放射をプレシアに放つ。それを咄嗟に展開したバリアーで防ぐが、この炎の熱がすさまじいのか熱はバリアー越しに伝わりプレシアは今にでも腕を引っ込めたくなるような衝動にかられ汗をかいていた。そして苺鈴は火炎放射を止め、再び駆け出して行くがそれと同時に反対の腕から冷凍ガスを地面に向けて噴射し、一瞬にして地面が凍り付くのであった。
苺鈴 「ふっ!!・・・てぇぇやぁぁっっ~~!!はぁっ!!」
プレシア「うぅっ!?」
苺鈴 「くっ・・・ぐぅぅっ~~!!・・・」
ブリジット「はぁぁっっ~~!!でやぁっ~~!!」
苺鈴は凍り付かせた即席のいびつなアイススケート場をスライディングで滑っていき、その速度を利用して威力を増した正拳突きを放つ。しかし、それでもバリアーを破ることが出来ず膠着していた。そこからすかさずブリジットも短剣を逆手に持ち、振りかざすように刃をプレシアに向けて放つ。じりじりと二人の攻撃がバリアーを破りそうになっていくが、「いけそうでいけない」そんな状態が続く。そんな状況を破るためなのか拳を引いた苺鈴は数歩分の距離、飛び引きファイブハンドに変化を加える。
苺鈴 「チェンジ!!・・・パワーハンド!!」
苺鈴は再び力に特化した『パワーハンド』へと換装し、一気にプレシア目掛けて拳を振るって行く・・・
苺鈴 「はあっ!!」
苺鈴の放った『パワーハンド』状態の正拳突きは遂にプレシアのバリアーを破り、苺鈴の顔には「やったたぁー!!」と何か困難をやり遂げた時に出す笑みを浮かべここから更なる追撃に回し蹴りを放ち、プレシアの脇腹に見事命中させる。その攻撃をまともに受けたプレシアは吹き飛び、転げていきプレシアは痛みのせいか中々起き上がれない。そこに苺鈴は更なる追撃を仕掛けようと一気に駆け出していく・・・
苺鈴 「もらったぁぁっーー!!」
プリーシア「チィっ全く次から次えとまだ出てくるか!!」
苺鈴達を先に行かせたプリーシア達の方も戦いは佳境に入っていた。あれから相当数さばいてきたが、それでもまだ相当な数の兵隊が残っていた。
神楽 「プリーシア様、あれを・・・」
プリーシア「うむ!!こういう時は『アレ』で一気に限る!!良し神楽、行ってみよ~う!!」
神楽 「やってみよ~う!!・・・滅殺!!」
プリーシアは神楽の『アレ』という提案に乗ったかと思えば、一度兵隊達に背を向け、よいしょと神楽の使う『矢』を米俵(こめだわら)一つ分位の見た目に束ね、神楽はまるでマシンガンのような速度で矢を連射していく。矢の雨を受けた混合軍団はそのまま殲滅(せんめつ)され、再び動き出す事は無かったのであった。
プリーシア「良し!!やったな神楽!!」
神楽 「はい」
プリーシアと神楽はお互いの奮闘を喜び、ハイタッチを交わした。
フェル「へちゃ~プリーシアも神楽ちゃんも飛ばしますなぁ~」
リッテ「でもそろそろこの軍団を相手するのも疲れてきましたし、こちらもこれで決めてしまいましょう!!」
フェル「了解!!」
フェル「我が意に従い!!」
リッテ「我が手に集うべし!!」
フェル・リッテ「サイクロン!!」
フェルとリッテの魔法操者コンビはフェルが水の魔法・リッテが風の魔法を同時に展開し二つの魔法陣を重ね合わせる。それを頭上高く突き上げると二人の周辺には「サイクロン」の名前通りとてつもない暴風が衝撃波となり、四方八方から迫りくる天使・傀儡兵の大群を弾き飛ばす。弾き飛ばされた兵隊達の残骸はもう見るも無残な形で原型を留めていないほどになっていた・・・・・・
フェル「へちゃ~~さすがにもうばてたぁ~~!!・・・」
リッテ「ふえぇっ~~・・・リッテももうへとへとですぅ~~・・・」
フェル・リッテ「バタンッ!!・・・きゅうぅっ~~・・・・・・」
敵を一掃した魔法操者コンビであったが、剣士であるプリーシアや割と肉弾戦も出来る神楽ほど体力がある訳ではない上にちびっこである二人はその場でついに力尽き倒れこむのであった。
華凜 「ほぉっあちらはあらかた終わったか」
ヘル 「流石ですね。あれだけの激戦をした後だというのに」
華凜 「ならばこちらも行くぞテレサ!!」
ヘル 「良いでしょう」
華凜 「拙者の剣が光って唸る!!お前を倒せと輝叫ぶ!!」
ヘル 「ふっ!!」
ザクェル「ブオッォォッォォ~~!!」
華凜とシスター・ヘルが同時に駆け出すとザクェルも腕を振り上げ地面に叩きつける。そこから発生した砂埃の中から華凜とテレサが飛び出し、同時にザクェルに切り込み、ザクェルは動きを止める。そこから更にそのザクェルの後ろに控えていた残りの天使・傀儡兵軍団を切り捨てていき、通り過ぎた後には残骸がバラバラと崩れ落ちていきこちらも無残な姿になっておりこれにより増援で現れた混合軍団は全滅したのであった。
華凜 「またつまらぬ者を切ってしまったか・・・」
ヘル 「それ、言わないとダメ何ですか?」
苺鈴 「もらったぁぁっーー!!」
プレシアに更なる追撃を仕掛けようと苺鈴は正拳突きを放つ。しかし、プレシアに近づこうとした直後、苺鈴の動きが急に止まる。右腕が急に引っ張られたかのような感覚が襲い右腕を見て見ると右手首に黄色いリングが取り付いているのを見つける。いつの間にかバインドが掛けられていたのだ。
苺鈴 「しまった!?」
ブリジット「苺鈴さん!!なっ!?」
苺鈴の名を叫ぶブリジットの手首足首にもプレシアのバインドが掛かり、苺鈴とブリジットは空中にX字に体を伸ばされ全く身動きが取れない状態に陥ってしまう。それを見ていたプレシアはダメージが残っているためかまだまだゆっくりと立ち上がりながら憎らし気に二人を睨み付けていた・・・
プレシア「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・・・・あなた達・・・いい加減目障りよ!!サンダァァー!!ん!?」
苺鈴 「ぐぅぅぅっっ~~・・・」
ブリジット「苺鈴さん?」
苺鈴 「うぅぅっっぅぅっ~~!!」
プレシア「まっ・・・まさかこの子・・・」
苺鈴 「やあぁぁっーー!!」
プレシア「・・・・・・」
ブリジット「嘘?・・・」
プレシアとブリジットは目を疑っていた・・・苺鈴がギュっと拳を握り、力を込めていると、バインドにヒビが入っていき苺鈴が雄たけびを上げると同時に苺鈴に掛けられていた4つのバインドすべてが同時に破壊され苺鈴は完全に体の自由を取り戻していた。まさか純粋な『腕力』だけでバインドを破れるとは思ってもみなかったプレシアもブリジットも目の前に起きた光景を唖然として見ていた。
苺鈴 「ふっ!!うっ!!・・・ハイッ!!」
ブリジット「ぉっと」
プレシア「ふんっ!!」
着地したと同時に苺鈴はブリジットの足首のバインドをチョップで破壊し、ジャンプして両腕のバインドも破壊する。それによりブリジットも体の自由を取り戻すことが出来たがプレシアは中断していたサンダーレイジを放つが、二人はブリジットが着地したと同時に後ろに下がりそれを回避する。再び距離を置かれた二人はどうするかを話し合っていた・・・
ブリジット「助かりました」
苺鈴 「いいですよ。それよりも、後一息ってところだったのに・・・」
ブリジット「惜しかったですよね。あそこでバインドは痛かったです、はい」
苺鈴 「これじゃあ折角バリアー破っても近づけれない。エレキハンドなら遠距離攻撃できますけど役不足だし、かといってパワーハンドじゃ近づけれないと意味がない!!」
ブリジット「どちらもバインドの対策にはなりますけど、これでは動きにくいですね。移動していた先々でバインドが発動していましたから、こうなることを見越していたのか設置型のバインドをいたるところに用意していたようですし・・・」
苺鈴 「いちいちバインドを壊してじゃキリがない。全く厄介よね・・・」
ブリジット「苺鈴さん。そのふぁいぶはんど?でしたっけ?他に何か無いんですか?例えば、何処にバインドを設置しているのかとか?」
苺鈴 「あのですねぇそんな都合良い機能なんて・・・いやちょっと待って、あれならもしかして・・・やってみるか・・・チェェ~~ンジ!!レーダーハンド!!」」
ブリジットに催促されていた苺鈴はふと未だ使用していない『ファイブハンド』の一つの機能を思い出す。そしてそれに賭ける事にした苺鈴は右腕に取り付けられた小型のミサイルのような物を飛ばし、それが空中で停止すると他に右腕に取り付けられていたレーダーに幾つか黄色い光の点が映り出す。それを見た苺鈴は試しにレーダーを見ながら足元の小石を拾いそれを黄色い点が映っている方向へ向けて投げ飛ばす。石が叩きつけられるとすかさず黄色のリングが現れ、リングが小さくなっていくが、それは何も捉えることなく瞬く間に消えていったのであった・・・
プレシア(あの子、今!?・・・)
苺鈴 「まさかとは思ったけど・・・」
ブリジット「苺鈴さん!?今!!」
苺鈴 「ブリジットさん!!私が指示する方向へ進んでください!!」
ブリジット「えっ!?」
苺鈴 「私を信じて!!」
ブリジット「・・・分かりました!!行きます!!」
苺鈴 「・・・・・・」
ブリジットを先行させ苺鈴はブリジットがレーダーの黄色い光に近づこうとした際にはすかさず指示を出し、その付近には近づかないようにさせていた。
苺鈴 「ブリジットさん!!右!!次は左!!また左!!今度は正面!!」
ブリジット「了解!!」
ブリジットは苺鈴の指示に従い右に避け、左に避け、また左に避け正面を進んでいく・・・
苺鈴の指示通りに進んでいく先々には設置型バインドが一つも発動せず、ブリジットはバインドを気にせずに全力で駆け出していく・・・しかし、プレシアもただ黙って見ているつもりもなく新たにバインドを発動させる。
苺鈴 「バインドが来る!?ブリジットさん跳んで!!」
ブリジット「はい!!」
プレシアが新たにバインドを発動させる直前、レーダーハンドに反応が出てそれがバインドと判断した苺鈴はすかさずブリジットに避けるように指示を出す。当りだったようで咄嗟にジャンプしてバインドに掛かることはなく、着地すると同時に再び駆け出していき、今度はプレシアが放った魔法弾を短剣で切り捨て、弾き更に接近する。
プレシア(やっぱりあの子の仕業ね。私のバインドが読まれてる!?あの子を潰したい処だけど
・・・)
ブリジット「・・・・・・」
プレシア「この子がうっとおしいぃ!!」
ブリジット「これで決める!!」
プレシア「うっ!?」
苺鈴 「いっけぇぇ~~!!ブリジットさん!!」
ブリジット「双迅!!七乱舞!!」
プレシア「うっ!?」
ブリジット「でやぁっ!!」
ブリジットとプレシアの距離が1・2歩程度にまで縮まり、ブリジットは短剣二本を逆手に構え合計七発の連撃をプレシアに放つ。最後に放った二本同時の切り込みも何とか防ぎ切ったプレシアは思わず口元が緩みフッとにやけていたが、ブリジットが最後の攻撃を放った直後、横に跳び引くとそこから上空に跳び上がっている一つの影があるのが見えた・・・
プレシア「んっ!?」
苺鈴 「これで止め!!スーパーライダァァーー!!」
プレシア「チィッ!!・・・んっ!?」
ブリジット「させませんよ!!」
プレシア「くぅっぅぅ~~!!」
苺鈴 「月メェェェ~~ン!!キィィック!!」
プレシア「うぅっ!?」
跳び上がった苺鈴は左腕だけを両腕で組む時のような動きを取り、その左手を土台として右肘を乗せ右手首を90度まげて右足だけを上げ構えを取る。しかもこの時のファイブハンドは最初の腕『スーパーハンド』の状態に戻しており、空中で何度も回転して勢いよく右足を突き出す。
『仮面ライダースーパー1』の必殺技『スーパーライダー月面キック』を見よう見まねではあったが、渾身の力を振り絞りそれを放つ。
プレシアはそんな苺鈴を迎え撃とうとバリアーを張っていた手とは反対の腕を振りかざし、攻撃魔法を放とうとしたが、急にその腕が動かなくなったのであった。プレシアは動かなくなった腕を見て見ると糸が絡まり腕が固定されているのであった。そしてプレシアの視線の先には短剣をしまい糸を掴み、ピンと張っているブリジットの姿が見えた。流石はアサシンというべきか隠し武器(暗器)を持ち、それをいつの間にか相手の懐に仕掛けるなんて芸当が出来る訳であり、それによって苺鈴への反撃を防ぐことが出来たのだ。
プレシア「うぅっ~~!!」
苺鈴 「くうぅぅぅっっ~~!!・・・」
プレシア「んっ!?」
苺鈴 「やあぁぁっっーー!!」
プレシア「うぅっ!?あぁっ!?・・・がぁっ!?・・・・・・」
苺鈴 「・・・・・・」
苺鈴のキックは徐々にプレシアのバリアーを越えようとしている。亀裂が幾つも入っていき、ついには破ることに成功した。先のブリジットの攻撃が足がかりになり、最後の一撃がプレシアのバリアーに亀裂を作りそこからチャンスを見出した・・・
そのまま苺鈴はプレシアの腹部にキックを決め、衝撃でプレシアはアリシアの遺体が入っているカプセルにまで吹き飛び、衝突したと同時にプレシアは吐血し、苺鈴はキックの衝撃もあってかフェイト・アルフのいるところまで飛び引き、蹴りを決めたプレシアを見つめる。
プレシアは膝を突きよろよろとアリシアのカプセルに寄り添い遺体のアリシアを見つめる・・・
ブリジット「往生際(おうじょうぎわ)が悪いですよ!!これで止め!!」
プレシアを追い詰め、これ以上何かをされないためにも追撃に出るブリジット。しかし、プレシアは咄嗟にブリジットに反応しブリジットの繰り出された二つの短剣を手首を掴むことで防ぎ、それによってプレシアは杖を地面に落としてしまう・・・
手負いとは思えないほどの力でプレシアはブリジットの攻撃を止め続け、反対にブリジットも苺鈴の強烈な一撃を受けたはずのプレシアの底力に驚愕しながらも短剣の刃を届かせようと更に力を込める・・・
ブリジット(この方なんて力なんですか!?これほどのダメージを受けてまだこんなに・・・)
苺鈴 (これでもまだ駄目だっていうの!?あの人の弱点をついたっていうのに・・・)
苺鈴のいうプレシアの弱点・・・それは二人が岩陰に隠れていた時に見つけたプレシアの体の状態の事であった・・・・・・
回想の苺鈴「っていう事はまさか・・・」
回想のブリジット「恐らく」
回想の苺鈴・ブリジット「プレシアさんには元々体力も魔力もそんなに残っていない!!」
回想のブリジット「だとすればもっと魔法を使わせて疲れさせれば・・・」
回想の苺鈴「付け入る隙はそこにある!!」
回想の苺鈴・ブリジット「・・・うん!!」
二人はプレシアがやけに息が上がっている状態がプレシア攻略へのカギになると確信し、これによって二人はプレシアにやたらと魔法を使わさせ、より一層疲れさせようと行動し、それによってバリアーを破り、決定打も与えようと打ち合わせていたのであった・・・・・・
ブリジット「ぐうぅぅっっ~~・・・」
プレシア「・・・・・・」
苺鈴 「ブリジットさん!!離れて!!」
二人が膠着していたその頭上から岩が落ちてきて、二人の付近に落ちてくる・・・
地面がなくなっていき、虚数空間が露出し、この空間自体の強度がもう無くなっている状態に陥り、最悪な事にブリジット・プレシア・アリシアのいた足場も崩れていき、膠着状態に陥っていた二人もそのままアリシアのカプセルと共に虚数空間になす術もなく落ちて行ってしまう・・・
ブリジット「なっ!?」
フェイト「ブリジット・アリシア・母さん!?あぁっ!?」
アルフ「フェイト!?えっ?」
三人が落ちていくところを見たフェイトは咄嗟に三人を助けようと近寄ろうとしたが、同時にフェイトの足場まで崩れフェイトも虚数空間に飲み込まれそうになっていた。
アルフも咄嗟にフェイトを助けようと動こうとしたがアルフは訳も分からずに後ろに転倒して尻餅をついたのであった。転倒した原因は、アルフが肩を掴まれ後ろに引き寄せられたためであった。そんな事が出来る人物はアルフの近くにいたフェイト以外の一人だけであった・・・
フェイト「えっ!?」
アルフを転倒させたのは苺鈴だった。苺鈴はフェイトの手を掴み場所を入れ替えるようにフェイトを引き上げ、アルフの方へ放り投げる。アルフは上手くフェイトをキャッチし、二人は崖になっている足場に落ちるギリギリのところまで近づきフェイトは身を乗り出し手を伸ばし、アルフはフェイトが落ちないように体を支える。フェイトは必死に手を伸ばすが、肝心の苺鈴にはもうすでに手が届かない距離にまで落ちていた。
苺鈴 (あちゃ~やっちゃった・・・これは・・・流石に駄目かぁ・・・まっでもいいか。なのはや知世には悪いけど、あの子が巻き込まれるよりはいいもん)
落ちていく最中、苺鈴の時間だけゆっくり流れているような感覚が起き、苺鈴は頭だけ後ろに向けどこか諦めと満足げな顔をして、再び正面を向きフェイト達に向かって苦笑いを浮かべながら一言頼みごとをしていた・・・
苺鈴 「ごめん・・・なのはに・・・よろしく言っといて」
フェイト「ぁっ!?・・・」
苺鈴 「・・・・・・」
フェイト「苺鈴さあぁぁっぁ~~ん!!」
フェイトは初めて苺鈴の名前を呼んだ・叫んだ・・・なのはよりも前に・・・崩壊する時の庭園の中で、フェイトの悲痛の叫び声が響き渡っていたのだった・・・
そして、苺鈴・ブリジット・プレシア・アリシアの四名は虚数空間に飲み込まれ、生死不明となったのだった・・・・・・
究極天使「ガアァァァァッァァッ~~!!」
ハヤウェイ「これで決める!!・・・うぅっおぉぉっーー!!」
究極天使と交戦していたハヤウェイの方も佳境に入っていた・・・究極天使も損傷が激しく、ハヤウェイはアーラ・グラディウスを高く掲げると、はめ込まれていたプリズムが光だし、ハヤウェイは一気に剣を振り落とす。すると、剣の残像のような光が二本、究極天使に向かい飛んでいく。それが究極天使に直撃するとどういう原理かぐちゃぐちゃに究極天使を切り裂いていき、最後にまるで空中で十字架に張り付けされたかのように固定されてしまう。そこからハヤウェイは更なる追撃を仕掛ける。
ハヤウェイ「ひっさぁぁつ!!・・・ギガッ!!・・・クリティカルッ!!・・・ブレイク!!」
アーラ・グラディウス全体に白い光が宿り、剣の左右についている翼にも、本物の翼があるかのような動きをする光が宿りそれが羽ばたき、まるでその場から一気にジェット噴射で跳んだかのような勢いで剣を突き出し、究極天使に向かって行き、渾身の一撃を放つ。これこそがハヤウェイの新技『ギガ・クリティカルグレイク』である。
この技を受けた究極天使は胴体に貫通穴が開き、絶叫を上げその巨体が前のめりに倒れこむと、その活動を完全に停止したのであった・・・・・・
さくら「やったぁー!!」
小狼 「二人共、封印はまだか?」
ユーノ「お待たせしました!!」
なのは「封印完了です!!・・・ハヤウェイさん!?」
ハヤウェイ「はぁっはぁっはぁっ皆!!後ろを向いて早く!!」
なのは「ハヤウェイさん!?」
さくら「究極天使が・・・光ってる!?」
フィーリア「皆、駄目かな!!」
ハヤウェイ「見ちゃ駄目だ!!」
ハヤウェイが究極天使の前で・・・フィーリアはなのは達の前でみんなの視界を隠そうと体を広げる。しかし、その程度で隠しきれるわけもなく突如光り出した究極天使の残骸から発せられる光が止まったかと思ったらその残骸の中から一人の血まみれの子供が姿を現したのだ。それが見えてしまったなのは達は何がどうなっているのかさっぱり分からないでおり、頭が追い付いていかなくなっていた・・・
さくら「ハヤウェイさん・・・その子は?・・・」
なのは「なっ・・・何で天使の中から『人』が?・・・」
さくらとなのはの質問にハヤウェイは無言でいた・・・そっと血だらけの子供に自分の服をかぶせ、少しでも体を覆い隠すように包み込む・・・
包み込んだ子供を抱きかかえたハヤウェイは静かに語り始めた・・・
ハヤウェイ「この子は・・・天使に改造された僕達の世界の子供なんだ・・・」
ハヤウェイの言葉に思わずフィーリア以外は絶句していた。何せ、先の凶悪な怪物の正体がこんななのはやフェイトとそう変わらない位の小さな子供なのであったのだから・・・
そしてここでさくら達はあることが頭をよぎった。それはこれまで戦ってきた他の天使達の存在であった。特になのははファゲルを倒しており、突如大きな罪悪感を覚え体が震えていた・・・
「もし、他の天使も・・・」と。しかし、ハヤウェイはそれを強く否定した・・・
ハヤウェイの話によると、ザクェルやラディエルは倒しても人の遺体が現れる事もなく、究極天使は『天使の因子(いんし)』簡単に言えば天使の細胞を人体に移植して作りだした『天使』なのであった。つまり、なのはは子供を殺していないし、この子供を結果的に『殺した』のはハヤウェイただ一人なのである。しかし、究極天使に意志はなく、元の人間に戻し、助けるためにはこうするしかなかったのであった・・・・・・
ハヤウェイ「うおっ!?」
フィーリア「えっ!?えっ!?何かな!?」
ユーノ「皆さん!!アースラーから連絡がきて、もうじき『時の庭園』が完全に崩壊するそうです!!」
さくら「えっ!?」
なのは「そんな!?だったら急いで苺鈴ちゃん達を追いかけないと!!」
フィーリア「プリーシアさん達も忘れちゃ駄目かな!!」
ユーノ「苺鈴さん達の方にはクロノが行ってる!!プリーシアさん達はすでに転送されたらしいですから、もうじき僕達の方も転送してくれるそうです!!」
『時の庭園』の完全崩壊がまじかに迫り、それぞれのチームはアースラーによって転送され帰還することとなったが、その最中、なのはは何かは分からないが一抹の不安を感じながら『時の庭園』を後にしたのであった。まさかその不安が『苺鈴の行方不明』というモノであったとは露とも思わずに・・・・・・
なのは「この戦いで、私は大事な人を失ってしまった・・・」
さくら「事件は終わりを迎えたっていうのに・・・こんな結果じゃ誰も喜べなくて・・・」
なのは「次回・・・『カードキャプターさくら外伝』「ジュエルシード編」第16話・・・」
さくら「『なのはと知世と苺鈴の夜』・・・」
知世 「苺鈴ちゃん・ブリジットさん・・・あなた達ならきっと・・・」
追記
ハヤウェイの放っていた『ギガ・クリティカルブレイク』はこの小説のオリジナル技です。将来的に書きたいと思っている話に先駆けて先行登場をさせました。イメージは『天元突破 グレンラガン』のグレンラガンの『ギガドリルブレイク』そのままです。