前編が投稿されたころには結構かけていたのですぐに投稿できると思っていたら結構書き足すところがあって時間がかかっちゃった(;'∀')(汗)・・・
『メディアード』の騎士団に入隊してから2・3日ほどたった頃・・・苺鈴は今日もみらいとリコとともに町のパトロールの出ていた。
苺鈴 「今日はいい天気ねぇ~」
みらい「だね~・・・でも出番がないからなんかわくわくしないなぁ~・・・」
リコ 「こらっ!!不吉なこと言わない!!ただでさえ今『あの事』で人手を増やして色々やっているっていうのに!!それに私達が暇な方が平和の証(あかし)でしょうが!?」
みらい「あははごめん!!」
苺鈴 「それにしても・・・なんか慣れないわねぇ~今の二人と並んで歩くの・・・」
みらい「なんで?」
リコ 「元の世界の私達とこっちの私達が歳が離れているからじゃないの?」
みらい「あっなるほど」
苺鈴 「そういうこと」
三人は結構仲良くやっているようで、初日の初見のあの後、苺鈴は二人にスマフォに入っていた元の世界で三人で遊びに行った場所で撮った写真を見せ、『見た事もない物』・『聞いたことのないような物』の話は作り話にしては現実味があり、二人は苺鈴が別の世界からやってきたことを信じ元の世界のみらい・リコの話で盛り上がったのだ。ここまで一緒に過ごして感じたのは、大人になった二人に若干違和感を持ちつつも、本質的にはあの二人と全く変わらない事であり、成長した感じの二人に「美人になるんだなぁ~」と大人の色気のようなものも感じさせられ、若干悶々としていたのは二人には秘密である。
苺鈴 「そういえば二人って何で遠い『和の国』からこの街に移住したの?」
みらい「私のお母さんがこの街の出身でお父さんがこの国に来た時に知り合ってさ、生まれ育ったのは和の国なんだけど、大人になって私はここに住むことにしてここにいるの」
リコ 「私の場合は両親が『和の国』の人だけど、お父様の仕事の都合で家族でいろんな場所を旅してきていたの。色々あって家族でここに落ち着いて今に至るって訳」
苺鈴 「へぇ~」
二人の話を聞いている最中、リコのおなかから「ぐぅぅっ~」と腹の虫が鳴りどうやらおなかがすいてしまったようだ。「鳴ってないしぃ!!」と反応まで元の世界のリコと同じだったのがなんだかおかしく感じつい苺鈴は「ぷっ!!」と吹き出し、つられてみらいも笑いだしてしまう。赤くなりながら片ほほを膨らませるリコをよそにそろそろ昼時でもあったので休憩もかねて昼食をとることにしたが、場所をどこにするのかはみらいが提案した。
苺鈴 「カフェ?」
みらい「そう!!最近オープンしたばかりなんだけど結構人気なんだよ!!紅茶もおいしいらしいしさ」
苺鈴 「へぇ~それは行ってみたいけど・・・私今お金・・・」
みらい「いいよそれぐらい。ねぇ?」
リコ 「えぇ。今日のところは素直に私達におごられなさい。かわいい後輩のためだもんね」
苺鈴 「二人ともありがとう」
みらい「という訳でレッツゴォー!!」
苺鈴・リコ「おぉっー!!」
というやり取りがあり、3人はそのカフェへと向かう事となりしばらく歩くとそのカフェにたどり着き、店は混んでいたがなんとか席を案内してもらえたのでラッキーだった。
苺鈴 「このお店の制服・・・かわいいわね」
みらい「メイドさんかぁ~」
リコ 「っていうか、なんかバラバラだけどね?」
この店の女性店員の服装はどうやら結構バラバラなようで、ただ機能性重視なのかスカート丈が大体35前後のミニスカートだった物が多いのはちょっと悪意を感じたが、気にしないようにしてメニューを見て3人は物を決めたので通りがかった定員に声をかけ注文を取ってもらおうとしたがその人物を見た途端丁度水を飲んでいた苺鈴は思わず「ぶふぉっ!?」と飲んでいた水を思わずコップに吐き戻してしまい、むせていた。
苺鈴 「ぶっブリジットさん!?」
ブリジット「苺鈴さん!?あれ!?何でここに!?」
苺鈴 「げほっ!!げほっ!!・・・それはこっちのセリフよ!?その恰好・・・」
ブリジット「あぁこれはですね?」
苺鈴 「すっっっごく似合ってる!!かわいい!!」
ブリジット「ずこっ!?そっちですか!?まぁでもありがとうです、はい・・・」
みらい「苺鈴この人知り合い?」
苺鈴はブリジットの事を話した。一緒に別の世界からやってきた仲間で、自分と互角に渡り合うほどの腕の持ち主であることを・・・・・・
別の世界から来たという事を話していた事に驚いていたブリジットであったが、二人がそのことを信じており、しかも元の世界での同級生で友人で、この世界でも友人であることを話し、「苺鈴の信用している相手だから安心した」とそれ以上は特に気にも留めずブリジットは注文を取ろうとする。しかし、苺鈴はお構いなしに何故ここにいてこの店の制服を着ているのかを聞くとどうやらまぁ予想通りの回答が返ってきたのだ
ブリジット「そりゃもちろんバイトですよ」
苺鈴 「やっぱり?」
ブリジット「なんでもオープンしたばかりなのにすごい盛況(せいきょう)なので急募でかかっていたんですよ。っで、来てみればオーナーが即決で雇ってくれましてね」
苺鈴 「へぇ~即決で?それだけ人手が足りないのかしら?」
ブリジット「んん~なんかそれだけではないっぽいんですよねぇ~?」
苺鈴 「どゆこと?」
ブリジット「面接を受けた時、なんか「あなた気に入った!!」とか言っていたんですよね確か・・・」
苺鈴 「それ・・・なんか危ない感じがするような・・・」
???「お客様」
ブリジットと話している最中、一人のイケメンの執事服の青年がトレーを持ってやってくる。ブリジットが「チーフ」と呼んでいたのでこの店の人間なのは明白なのだが、思っていたよりもずっと若く、見た感じ危ない感じには見えない黒髪の優男(やさおとこ)であった。
チーフ 「こちらの紅茶、よろしければお試しください」
みらい「いいんですか!?」
リコ 「でも私達まだ何も注文していないですけど?」
チーフ「家の店員のご友人のようでしたのでこれは私からのサービスです」
苺鈴 「そういう事でしたら遠慮なくいただきます」
苺鈴達はサービスでもらった紅茶をいただき、香りもよく、おいしく飲めてこれでサービスなのがまたうれしい。何口か飲んだ後、苺鈴はティーカップをテーブルに置き、ブリジットの姿をじぃ~と見ていた
ブリジット「あんまりジロジロ見ないでくださいよ?恥ずかしいじゃないですか」
苺鈴 「だって・・・似合ってるんですものいいじゃないですか?本当にかわいいわよ」
???「ですよね!!やっぱり私の思った通りです!!」
苺鈴・みらい・リコ「うわぁ!?誰!?」
チーフ「あはは・・・すみません。うちの店のオーナーです・・・」
苺鈴 「へっ!?この子が!?」
みらい「どうみても苺鈴と同じくらいの感じにしか見えないのに!?」
リコ 「あなたいくつなのよ?」
オーナー「14です!!」
苺鈴 「私と同い年!?」
ブリジット「あっ因みに面接はオーナーがしてくれたんですよ。それで一発合格もらっちゃいまして」
リコ 「へぇ~・・・それにしても子供がオーナーだなんてねぇ?」
みらい「ねぇオーナーさん。名前はなんていうの?」
秋穂 「『篠本 秋穂(しのもと あきほ)』です!!」
海渡 「私は『篠本 海渡(しのもと かいと)』と申します。この店ではチーフとして勤めています」
秋穂 「私達は兄妹で『和の国』出身なんです」
みらい「『和の国』から?私達と同じだ!!」
リコ 「だから海渡さんは黒髪なのね?」
海渡 「はい。秋穂は母似なんです。それにしてもあなた方も『和の国』出身ですか。これは奇遇ですね?」
秋穂 「本当に。母がこの街の出身で、父が『和の国』出身なんです」
苺鈴 (うわぁ~なんか最近よく聞くなぁ~その話・・・それにしても・・・・・・あの学校のスカートって、あんなに短かったかしら?)
そう・・・今ブリジットの着ている店の制服は『友枝小学校』の冬制服そのものであった。帽子までついていてブリジットの胸部もどーんと存在感が増しておりチラッとおへそが見えそうなくらいである。しかもスカートも極端ではないがやたら短いような気がして昔はいていたころはこんなに短かったかな?とブリジットが着ると無駄に色気があり苺鈴は無意識に前かがみになってブリジットの足に注目していた。視線に気づいたブリジットは慌ててスカートを押さえ顔まで赤くしているのがまたかわいいのだが、気づいた秋穂も「過激な事は厳禁ですよ」と釘を刺され、ハッと我に返ると慌てて視線を逸らすのであった。因みに何故この制服がココにあるのかを秋穂に尋ねると・・・
秋穂 「夢に出て来た服だったの」
という事で、夢に出て来た全く知らない少女達が着ていたかわいい服だったのでデザインは秋穂・作るのは海渡で用意したという事らしい。正直、作る海渡の方はすごく大変である。
リコ 「大変ですね?・・・」
海渡 「えぇまぁ。ですがなんだかんだで私も楽しいですから」
秋穂 「ところで・・・」
秋穂は苺鈴の耳元で「かわいいでしょ彼女」とどや顔しながらブリジットに釘付けになっていた苺鈴に話を振るとグッ!!の文字が宙に浮かぶぐらいの勢いでサムズアップを送り返す。
サムズアップを見た秋穂は目をキラキラさせ二人は固い握手を交わす。その様子を見たブリジットは若干悪寒を感じ体を震わせていた・・・・・・
苺鈴 「腹ごしらえも済んだことだし、午後からも頑張んないとね!!」
みらい「だね」
???「どけぇ~!!」
カフェを後にした3人は再びパトロールを再開すると、後ろの方から足の速い男が3人を強引に押しのけ過ぎ去っていく。更に後ろから女性がやってきたのだが、事情を聞くとあの男はひったくりのようですぐに追いかけようとしたがかなり先にまで走られていてしかも本人も足が速いと来たもんだ。正直追いつけるかどうかわからないぐらいだ。それでも苺鈴はあきらめず追いかけようとしたがリコが静止を呼び掛けた
苺鈴 「早く追いかけなきゃ!!」
リコ 「慌てないで、まぁ任せておきなさい・・・」
リコは小さいプリズムを一つ取り出し小さい魔法陣が浮かぶと照準を前方を走るひったくり犯に向けて合わせると「はっ!!」の掛け声とともに小さく凝縮された風の塊が放たれひったくり犯の足に直撃するとバランスを崩して派手に転ぶ。それを見たリコは「今よ!!」と苺鈴にタイミングを伝え、苺鈴は一気に男との距離を詰め取り押さえるのであった。
リコ 「やったわね」
みらい「二人共お見事だったよ!!」
苺鈴 「すごいコントロールだったわね?当たったところは傷がないじゃない?」
リコ 「まぁね。簡易型のプリズムを使えばざっとこんなもんよ」
苺鈴 「『簡易型』?」
リコ 「元々『回復(ヒール)』系のプリズム(魔法石)には魔力を持たない人でも回復魔法を発動させることができる簡易型のプリズムが作られていてね、効力は簡易型だから『無いよりはまし』程度なんだけど最近攻撃系の魔法の簡易プリズムも生成されるようになってきてて、私の使っていたのは簡易型の風のプリズムなのよ。」
苺鈴 「へぇ~そんなのがあるんだ?この世界には・・・」
リコ 「えぇ。簡易型だから単調で威力の低いものぐらいしかできないけど、魔力を込めれば演唱もほとんどなしで発動できる素早さが強みよ。さっきみたいにあまり大きな力を出せない状況なんかでは重宝(ちょうほう)するわ」
苺鈴 「あっだから怪我がないんだ!!」
リコ 「そういうこと。苺鈴ももしかしたら使えるかもしれないわね?」
苺鈴 「へっ?」
リコ 「ほら、前に見せてくれたその『ファイブハンド』?それにも魔力が組み込まれているみたいだからそれを介していつもそれを使うみたいに力をこめればもしかしたら使えるんじゃないかしら?」
苺鈴 「ほんとに!?私が魔法を使えるの!?」
リコ 「えっえぇ多分?・・・」
みらい「っていうかその『ファイブハンド』って魔法具だよね?」
苺鈴 「うぅぅ~~ん・・・・・・違うといえば違うんだけど・・・違わないともいえるし・・・ってそれとこれとは別よ!!」
みらい・リコ「別なんだ・・・」
苺鈴 「という訳で、さぁ特訓よ!!」
リコ 「唐突なシーン変更ね?」
苺鈴 「細かいことは気にしない!!じゃあよろしくねリコ先生!!」
リコ 「リコ『先生』かっ・・・なんかいい響きね」
みらい「リコ先生。初めて生徒を持った気分はいかがですか?」
リコ 「そうねぇ?そう考えるとかわいい娘を持った気分・・・ってコラッ!!何言わすのよ!?」
みらい「冗談冗談!!」
などというやり取りの後、隊舎の訓練場にて苺鈴は簡易プリズムに魔力を流して魔法を放つ練習をリコに教わりながらやっていた。最初は中々うまくいかないものだが、意外にもそこまで時間がかかることはなかったのだ。
苺鈴 「出来てる!?私魔法を使えてる!!」
みらい「上達が早いね!?何で!?」
リコ 「多分、そのファイブハンドをよく使っているからいつの間にか魔力の流し方のコツを体が掴んでいたのかもね?」
苺鈴 「ありがとう二人共!!」
リコ 「あははもう苦しいわよ?」
みらい「よかったね苺鈴!!」
『魔力無し』として今まで家の中では肩身の狭い思いをしていた訳だがさくらの力を介してとはいえ遂に魔法を使ったのだ。本当にうれしかった・・・
教えてくれた二人にはうれしさのあまり思いっきり抱き着き二人も少し苦しそうだが嬉しそうだった。
リコ 「苺鈴。よかったらそれあげるわ」
苺鈴 「へっ?・・・どれ?」
リコ 「そのプリズムよ。あなたなら上手く使いこなしてくれそうだし」
苺鈴 「ありがとう」
みらい「いいなぁ~ねぇリコ、私には?」
リコ 「ありません!!」
みらい「ケチッ」
みらいは口を3の字にして若干拗ね、その様子を見て苺鈴とリコそして少し間を置きみらいも笑いだし訓練場には3人の笑い声が響いていた・・・
今度二人は苺鈴からお返しに拳法を教えてもらう約束も交わして、訓練場を後にしようとするが騎士団の団員が誰かと話しているのが見えた。気になって行って話を聞いてみるとどうやら武器屋の商人の老人が新商品の営業に来ていたようであった
みらい「どんなのがあるんですか?」
商人 「この盾じゃよ!!新作じゃ!!」
リコ 「盾?」
商人が見せた新作の盾はまるで酒などを入れる『ひょうたん』のような形をしている小型の盾であった。大きさでいえばA4~A3の紙位で、軽い。中央は少し薄いようだが外側は硬い素材のようだ。
リコ 「何でこんな形にしたんですか?」
商人がいうには大型の盾となるとどうしても重く、動きも制限されてしまう。相手と向かい合っても確かに防御力はいいが、反撃に出ずらいと考えた商人が考えたのがひょうたんのくぼみの個所で振り降ろされた剣を受け止め小型にすることで携帯性もよく、片腕に装着し、振り払う時も力を籠めやすい物としたのだ。そしてもう一つの売りは裏に仕込まれた小型の収納用の突起である。短剣程度なら問題なくしまえるのは武器が無い時にはいざという時にはいいだろう。しかし、団員はこの盾を購入する事には渋っていた。そもそも個人でならまだともかく、騎士団全体となると決定権はないのだから。
商人 「なぁ嬢ちゃん。お前さんはどうだい?」
苺鈴 「私?うぅ~ん・・・」
苺鈴は商人から一度盾を受け取り右腕に装着してみると、あまり邪魔になるような感じもなく、「軽いわねぇ~」とむしろ気に入っているような素振りが見えた。しかし、苺鈴は「買う」という選択肢は出せなかった。お金が無いのだから。そのことを話すと商人は条件を付ける代わりに譲ってくれることになった。
その条件とはその盾を苺鈴がモニターとして使っていってほしいということであった。誰かが使っていけばまぁ色々都合のいい結果になるかもしれないという事だ。
苺鈴 「本当にいいんですか?私、そういわれたら遠慮しませんよ?」
「構わない」と商人も盾を苺鈴に譲り「いい話を期待してるよ」とそのまま商人は隊舎を後にして姿が見えなくなったあたりでみらいは「いいなぁ~」とただでもらったのを若干うらやましそうに苺鈴を見ていた。
苺鈴 「ふっ!!ふっ!!・・・特に邪魔になる感じはないわね・・・」
リコ 「どうかした?」
苺鈴 「あれ・・・」
苺鈴は裏側の武器の収納スペースと盾そして隊舎のそばにあった乱雑に置かれた木箱の上にあった『ある物』二つをじぃ~と見つめており、騎士Aに木箱の上にあった二つの物を「もらっていい?」と尋ねると「構わない」とどうやら大事な物という訳でもないようなのですんなりもらう事が出来た。
苺鈴が手にしたのは少し分厚い「フック」と太目の丈夫そうな「縄」であった。それをほどけないように盾とフックに結んでさっきリコからもらった『風』のプリズムを他に何故か持っていた別の紐(ひも)で結び取り付けて「これでよし!!」と訓練場にあった木製の看板のような人形の正面、およそ5・6メートルも離れた位置に立ち盾を構え、突き出しながら叫ぶ
苺鈴 「ロォープアァァーム!!」
プリズムに力を送り風の魔法を発動させその風に起爆剤の役割を持たせフックは勢いよく噴射される。パーティー用のクラッカーの仕組みを利用した物で、まっすぐに飛び見事人形に命中してそれを見たみらい・リコそして騎士Aは「おぉっ~!!」と声を上げていた。
みらい「すごいね今の!!」
リコ 「『ろーぷあーむ』だっけ?そんなのよく思いついたわね?」
苺鈴 「えへへ。私の憧れのヒーローの一人の武器を真似てみたの。本当はもっと種類があるんだけど『パワーアーム』とか『スイングアーム』とか・・・」
という話をしながら苺鈴は飛び出た縄を両腕をぐるぐるしながら地道に回収している。流石に自動で回収はできないようで使用後は片付けがめんどくさい・・・・・・
しかし、この先からの使用後は何故かそんなシーンがないのに回収されているという不思議な現象が起こることを苺鈴は気付かないのであった・・・
その日の夜、篠本家では秋穂が一枚のデッサンを海渡に見せていた。そのデザインを見た海渡は後頭部に汗をかき、秋穂はこの衣装を作ってほしいと依頼していた
海渡 「本当にこれを作るのかい?」
秋穂 「えぇ!!絶対彼女に似合う魅力的な衣装だと思うの!!」
海渡 「でもこれはちょっと・・・」
海渡は秋穂の依頼した今回の衣装を作るのをどうにも乗り気のはならないようであったが秋穂から「お願い!!」と両手を合わせて頭を下げ、懸命にお願いしてきたことで根負けし了承する。喜ぶ秋穂と「はぁ~」とその衣装を着させられる羽目になる相手の事を思うと申し訳ない気持ちでため息が漏れてしまっていた・・・
ブリジット「へっくしょん!!・・・んん?」
そして同じ頃、メディアードの孤児院に帰ってきていたブリジットは急に悪寒を感じくしゃみが出て、なにやら嫌な予感を感じていたのであった・・・・・・
また同じくその日の夜中のメディアード・・・辺りは暗くもう寝静まっている者の方が多いかもしれない時間だ。それでも今から仕事から家に戻ったり、これから出勤する者もいるかもしれないが・・・
そんな中一人の少女が恐らく帰路についている様子であり、どこか『さくらカード』の『ミラー』に似た雰囲気を持っていた。外見もそっくりでこれまたこっちの世界のミラーなのであろう・・・早く帰ろうと考えたのか少し小走りだ
ミラー似の少女「近道して早く帰ろ」
少女は更に暗い狭い道に近道だったからいつもの調子で入り込む。そして少女はこの日を境に行方不明となってしまったのであった・・・・・・
苺鈴 「何かしらあれ?」
みらい「どれ?」
翌日、隊舎に出勤してきた苺鈴とみらいは隊舎の受付に真剣な剣幕で何かを訴えに来ている人物を目撃する。気になり二人も行って内容を聞いてみると昨日からミラーに似た少女が自宅に帰ってこないそうで親が捜索願を出しに来ていたようであった・・・
受付で届が受理されその場にいた苺鈴・みらいにも見かけたら連絡を入れるように指示を受け、その場を後にする。通路を進みながらみらいは苺鈴にある事実を話していた・・・
苺鈴 「『また』なの?行方不明者が出てるの?」
みらい「うん・・・どうにもここ一月ぐらい前から何人も行方不明者が出ててね、巡回の騎士も増員して捜索もしてるんだけど中々情報が集まらなくてさ。猫の手も借りたいって処かな?」
苺鈴 (もしかして、短期なのに雇ってくれたのってそれが原因(げんいん)なんじゃ・・・だとしたら結構複雑・・・)
みらい「誘拐の線も視野に入れて捜索しているんだけど、身代金の要求とかもないから中々進展しなくて・・・」
苺鈴 「なるほどね・・・」
みらい「噂じゃどこかの組織とかが連れ去ったんじゃないかって言うのまで流れてるんだって」
苺鈴 「まぁろくに情報が入っていない状況じゃ確証のない噂が出回るもんよね」
そしてなんやかんやあってから苺鈴は巡回へと出かける用意を済ませ朝の話聞いた分より一層やる気を出し、いざ出発しようとしたところであった
苺鈴 「それじゃあ今日も巡回行きますか!!」
みらい「おぉっー!!」
利桂 「あっ二人共ちょっと待って!!」
苺鈴・みらい「えっ?・・・」
秋穂 「いらっしゃい!!」
リコ 「あら?今日はオーナーさんが接客してくれるのね?」
秋穂 「えぇ。今日はお客さんも多いですし、接客も好きですから。それにかわいい服を堂々と着る機会ですし」
リコ 「うわぁぉ言い切ったわね・・・ところでブリジットさんは?今日休み?」
秋穂 「いますよ。ブリジットさ~ん!!ご指名ですよ!!」
リコ 「変な言い回しないで!!」
ブリジットのバイトしているカフェにやってきたリコは秋穂に席を案内されてブリジットの姿が見えないのが気になったため秋穂がブリジットを呼び出す。返事は聞こえたがなんだか声に元気がないような気がしたが原因(げんいん)はブリジットの姿を見て分かった・・・リコはブリジットを見た途端飲んでいた水をぶぅーー!!と目を0に、口を3にしながら勢いよく吐き出してしまう
リコ 「ぶっブリジットさん!?その恰好!?・・・」
秋穂 「似合うでしょ?」
リコ 「そっか・・・それで妙に男性客が多いと思ったけど、納得だわ・・・」
ブリジット「ぅぅ~・・・」
ブリジットの格好は黒くて光沢もあり、肩は完全に露出していて尻には白いふわふわな物がついており、更には網タイツとウサギの耳のカチューシャまでついてる明らかなコスプレ衣装ともとれる衣装であった。というか思いっきりバニーガールの衣装であった。因みにタキシード付きだ。もともとスタイルもよく、色白でなによりあの胸がよりこの衣装の時はインパクトが大きく、男性客の心を鷲掴みしていたため、今日はやたらと男性客も多かったのだ。しかもその衣装を着ているのはブリジットただ一人だっため浮いてる感も半端なかった・・・
リコ 「何でそんな恰好を?・・・」
ブリジット「私も最初は断ったんですけど、時給を倍にしてくれるというから今日だけ仕方なく・・・」
リコ 「うわぁ~・・・つまり背に腹は代えられなかったわけね」
ブリジット「こんなところ苺鈴さんが見たらなんと言いますか・・・」
秋穂 「そういえば・・・苺鈴さんは今日は一緒じゃないんですか?」
リコ 「あぁ今日は私だけ非番なのよ。苺鈴は今日、団長からの指示で拳法を団員に指導する事になって今日は外に出られないんじゃないかしら?」
ブリジット「本当ですか!?ほぉ~よかったぁぁ~こんな格好を見られたらどうなる事かと・・・」
リコ 「あはは・・・確かにブリジットさんのウェイトレス姿をじ~と凝視するぐらいですもんね?」
ブリジット「そうなんですよねぇ~こんな姿見られでもしたら私・・・食べられるかもです、はい。もう本当に・・・」
リコ 「まぁ・・・かもしれないわね・・・」
「食べられる」という単語を聞いた後、自然と目線がブリジットの実った膨らみに向き、顔をほんのり赤くしながら何となく「苺鈴ならやりかねない」とブリジットの言葉に納得していたリコであった・・・・・・
苺鈴 「ハイッ!!ハイッ!!はあっ!!・・・私の後に続いてこれを繰り返してください!!」
「はい!!」の掛け声とともに騎士団の訓練場では程よい距離で離れた騎士団員達が苺鈴の右正拳突き→左正拳突き→右足蹴りの順番で苺鈴は攻撃を繰り出し、それを手本として騎士団員達は苺鈴と同じ動きを繰り返していく。それを少し離れたところから利桂と団長が様子を見ていた・・・
利桂 「苺鈴ちゃんにお願いして正解だったわね」
団長 「あぁ。これからの時代、色んな事も想定しないといけないからな。いい機会になった」
利桂 「そうね」
苺鈴 (うぅぅ~~そろそろ秋穂さんが言ってたブリジットさんの新作コスチュームが出来上がっている頃だったのにぃ~!!)
と団長と利桂のカップルがそんな話をしている最中、そんなことを考えていた苺鈴であった。
その後、帰路に就いたときにたまたま帰るタイミングが一緒になったブリジットとリコと出会い、リコから今日のブリジットの衣装の事を聞いた苺鈴は分かりやすいぐらいに川の字の暗いあれが頭部に浮かびながら今日という日を心底悔しがっていたそうな・・・
また数日が経ちブリジットのバイト先に馬車でやってきた一人の男がいた。見た目はブヨブヨの腹の脂肪をたゆんたゆんさせていて見るからに不潔そうな顔をしているが、身なりが高そうな服装をしている処を見るとどうやら貴族の類であろう。護衛と思われる者も一名いて、席に案内され席に着くと何やら不敵な笑みを浮かべながら周りを見渡す・・・
するとブリジットの姿が目に留まり「そこの娘!!」とブリジットに向けて声をかけて手招きをする
ブリジット「はい!!ただいま!!」
呼ばれた事に気づき身なり等で貴族と判断しながらその席に注文を取りに行くと思わね注文が入ったのであった・・・
貴族「お前、僕の妾(めかけ)にならないか?」
ブリジット「はい?」
貴族の男はそう言いながらブリジットの手を掴み更に言い寄ってくる・・・「毎晩かわいがってやるぞ」などと言って嫌な予感しか感じられなかった。悪寒までするぐらいである。
見ていた海渡も「過剰なサービスの強要はご遠慮ください」と間に入ろうとしたが、貴族の男は聞く耳持たずでむしろ店に対して言いがかりまでつけてくる始末だ
貴族 「この店は客にろくなもてなしも出来んのか!?」
明らかな言いがかりである。『カスタマーハラスメント』もいいとこ極まりない、店に好ましくない客である。
力ずくでブリジットを物にしようとしたのか今度は腰回りに手を回そうとした瞬間その手は別の人物が貴族の手を掴んだ。その相手を見ると明らかに怒っている様子であった
ブリジット「苺鈴さん!?いつの間に!?」
貴族 「なんだお前は!?手を放せ!!」
苺鈴 「放すのはあんたの方よ!!これは営業妨害と婦女暴行に当たるわよ!!」
貴族 「ふざけるな!!僕はこの街一番の貴族の息子の『クディス』様だぞ!!」
苺鈴 「だったらどうしたの?」
クディス「はあ!?」
苺鈴 「貴族であろうがなかろうがやってる事は悪い事じゃない!!」
クディス「あいででで!!このぉ~この店の者は客に手を出すのか!?」
苺鈴 「あいにくだけど私はこの店の人間じゃないわよ。騎士団の団員ではあるけどね」
クディス「何っ!?こんな事してタダで済むと思っているのか!?」
苺鈴 「だったらいつでも受けてあげる!!私は逃げたりしない!!」
クディス「いつつつ・・・覚えてろよ!!その女も必ず僕の物にしてやるからなぁー!!」
数秒間手首をひねり上げながら掴み、掴んだ手首を放したらクディスは掴まれた手首を触りながら苺鈴を睨み、捨て台詞を吐いて付き人と共に馬車でカフェを後にしていった・・・
苺鈴 「大丈夫!?変な所触れなかった?」
ブリジット「おかげで何とか。助かりました」
海渡 「私からもお礼を申し上げます。助かりました」
苺鈴 「止めてくださいよぉ私もあぁいうタイプは嫌いってだけですし・・・」
海渡 「そうだ。お礼に何か召し上がって行かれませんか?本日のおすすめは生クリームを挟んだあんドラ焼きの抹茶セットですよ?」
苺鈴 「今日はずいぶん和風なんですね?」
海渡 「たまにはこういうものもいいかと思いまして」
苺鈴 「なるほど・・・あっ!!だったらぁ~この間見逃したブリジットさんのバニーガールコスプレの接客姿を見たいかなぁ~なんて!!」
秋穂 「残念だけど、それは無理なんです」
苺鈴 「うわぁっ!?びっくりした!?」
突然画面の下から不意打ち気味に登場した秋穂に驚きながらも結構ノリノリで服を用意していたはずの秋穂が「出来ない」と言った理由が気になったので問いかけるとクレームがあったという話であった
苺鈴 「何て?」
秋穂 「子供の教育に悪いとか、目のやり場に困るとか色々」
苺鈴 「あぁ~・・・」
そう言われれば納得は出来る理由だった。自分でも逆の立場であればそう思うであろう。しかし、内心「が~ん」と残念がり、反対にブリジットは心底「よかったぁ~」と安堵していた・・・・・・
その日の昼間、孤児院で眠り続けていたプレシアが意識を取り戻したのだ。視界に映るのは見覚えのある天井であったこともあってか「まだあの場所なのね」と体を起こそうとする。そこに丁度テレサがプレシアの様子を見に来たのか入室してきてプレシアが意識を取り戻したことに気付くと今の気分を聞く。返答は素っ気なく「よくはないわ」であった・・・
テレサ「という事は、『悪くもない』という事ですね?」
プレシア「・・・・・・」
揚げ足を取られたような気になりそっぽを向くがテレサは構わず話を続ける
テレサ「あなたの事情は苺鈴さん・ブリジットさんから聞いています。娘さんを蘇えさせようとしていたと」
プレシア「・・・・・・」
テレサ「そのために、娘にうり二つの子供を利用していた事も・・・」
プレシア「・・・・・・」
テレサ「うらやましいですね。アリシアさんが、そしてあなたが・・・」
プレシア「私がうらやましい?・・・どうしてそう思うの?私もアリシアも不幸な事ばかり起こったのよ?特にアリシアは私のせいで」
テレサ「死してなおアリシアさんはそこまで愛され、あなたは道を間違えた・・・それでも、もう一人の娘にも拒絶しても愛される・・・そんなあなた達の関係は、とてもうらやましく思います」
プレシア「何も知らないくせに・・・勝手なことを言わないでちょうだい・・・」
テレサ「あなたは・・・泣きながら食事をした事がありますか?」
今の問いをつい考えこんだプレシアは思いだした・・・アリシアがなくなりしばらくは食事もろくに出来ず、そういえばそれからであったであろう自身がほとんど食べ物を口にしなくなったのは・・・使い魔であり、かつてのフェイトの教育係にしたリニスの言葉も無視し続けて最低限の食欲ですら満足に満たさなくなったのは・・・しかし、泣いているぐらいであればそもそも食事なんてとっていられないとも考えられるとは思うが、そんな問いをするという事はテレサにはそんな経験があるのであろうかという疑問が浮かび何気なく聞き返した・・・
それは話を聞き、その場面を想像したら思わず胃の物が逆流してしまいそうな事であった・・・
テレサ「私はもう二度と『肉』は食べれないんです」
プレシア「それと泣きながら食事をするのとどう関係があるの?」
テレサ「何のお肉だったと思いますか?・・・」
プレシア「知る訳ないでしょ?早く答えなさい」
テレサ「『人』・・・なんです」
プレシア「ぇっ?」
テレサ「昔の話です・・・私はある秘密を知り当時勤めていた孤児院の子供達と死に物狂いで逃げました・・・ですがその道中、子供が私の不注意で死んだんです・・・」
プレシア「まさかその子を?・・・」
テレサ「・・・逃亡していた時は準備する時間なんてありませんでした・・・その身一つで逃げて、食べ物も水も何もなかった・・・私も、一緒にいた生き残った子供達もその子の亡骸を苦渋の思いで食べたんです」
プレシア「・・・・・・」
テレサ「その後、いろいろあって何とか生き残れましたが、私もその子達ももう『肉』は食べれなくなったんです。あの子を食べた事を思い出して戻してしまうんです・・・」
プレシア「・・・・・・」
テレサ「あの子はきっと私を恨んでいる事でしょう・・・仕方がなかったとはいえ許されない事をしたんですから・・・・・・アリシアさんの手掛かりを探すようでしたら『リッテ・ラートゥス』さんを訪ねてみるといいですよ。苺鈴さん達も路銀を稼いだらリッテさんを訪ねにヴィントラントへと向かいます」
プレシア「何故そんな情報を私に流すの?」
テレサ「どう動くかはあなた次第。ただ、それだけです」
それだけ言うとテレサは部屋から静かに出ていき、部屋にはプレシア一人になり、あんな話を聞いた後では元々静かな部屋では色々考えてしまう・・・『人間の肉』を悲しみながら食べる処をつい想像してしまった・・・正直、気分が良いものではなかった・・・本当にどんな気分だったのだろうか・・・
死んだその子供はどれほどテレサに心を開いていたのだろうか・・・食べられた子供は魂となってその様子を見て、テレサや他の子供達の事をどんな風に見ていたのだろうか・・・・・・
色々考えていたプレシアの視界に小さい影が3つほど入る。体を起こしてよく見てみると正体は苺鈴との勝負で勝利に導いてくれた者達であった・・・・・・
クディス「あぁっ~いてぇ~~くそっ!!あの小娘!!今に見てろよ!!」
馬車にて帰路についていたクディスは苺鈴に逆恨みして怒りをあらわにしていた。
その最中馬車の窓から一人の女性の姿が目に映った。その女性は大人になった『高町 なのは』そのものであり、なのはそっくりの女性を見た途端いやらしい笑みを浮かべその場を後にしていくのであった・・・
ブリジット「わざわざ迎えに来なくても大丈夫でしたのに・・・」
苺鈴 「あんな事があった後ですもの。それに立場的にもブリジットさんの方が逆らいにくいでしょ?」
「まぁ・・・」と返事を返し、苺鈴は苺鈴でブリジットの事を心配しているのはよく伝わったので正直悪い気はしなかった。
孤児院に戻るとテレサに「ただいま」と帰宅した事を伝えると子供達の姿が見えないのが気になり、なんやかんやで過ごしていくうちに子供達ともそれなりに打ち解けて来ていたので、帰ってくる頃にはたいていリビングにいて「おかえりなさい」と出迎えてくれることが多いのだがめずらしくいないうえに、時間的にもそろそろ晩御飯の時間に近い分余計に気になったのだった・・・
苺鈴 「テレサさん、ウェル達は?」
テレサは「こっちです」と二人を孤児院の庭へと案内する。そこにはエテ・メト・ウェルの3人が魔法の練習をしているのだ。しかも教えているのはハヤウェイでもルーアでもなかった・・・
苺鈴 「プレシアさん!?」
テレサ「今日意識が戻りまして、いつの間にかあの子達に魔法を教えているようです」
苺鈴 「あのプレシアさんがねぇ~・・・」
ブリジット「意外ですね、はい・・・」
テレサ「お二人共少しいいですか?」
苺鈴・ブリジット「はい?」
テレサ「あなた方が旅立つ時には、プレシアさんも一緒に連れて行っていただけませんか?」
テレサの話では昼間アリシアの事や元の世界への移動手段の手がかりを掴むためリッテの所へと訪ねる事になっている事を話してハヤウェイ・ルーアも案内役兼仲介役として苺鈴達と旅立つ事になっていることも話したためある提案をプレシアにしていた。目的地は同じで話を通し易くする為の付き人もいるのだ。その方が何かと都合もいいであろうし、プレシアにも路銀問題があったため苺鈴達と共に旅をする事を提案していたのだ。そうなるとプレシアにも働いて稼ぐ必要がある訳だが・・・・・・
苺鈴 「それは私の稼ぎから何とかするわ」
ブリジット「えっ!?」
苺鈴 「元々そのつもりだったもの。一応アリシアの事も私なりに探すつもりだったし」
ブリジット「でしたら、苺鈴さんは私が食べさせていきます、はい!!」
苺鈴 「ありがとう・・・でもプレシアさんそれまで待ってくれるかしら?」
ブリジット「ぁっ・・・」
テレサ「それは・・・私にもなんとも・・・話はしましたが、特に答えてくれた訳ではないので」
ブリジット「そうですか・・・ぇっ?」
突然ブリジットはプレシアの声を聴いたような気がした・・・しかし、振り返ってみるとプレシアはこちらを見ている様子もないが再び脳裏にプレシアの声が響いてくる感覚がしたのだ。何事かと思ったがプレシアはこの世界の魔導士『魔法操者』ではないのだ。すっかり忘れていたが、こんな風に直接頭に声を響かせられる魔法はフェイトやなのはが使っていた『念話』の魔法である事を思い出す。
ブリジット「プレシアさん?」
プレシア「(あなた達の旅に付き合わせてもらうわ)」
ブリジット「何でまた?」
苺鈴 「ブリジットさん?・・・」
プレシア「(あなたの仲間のその子は今の状態の私を一人行かせるのが気に入らないみたいでうるさいのよ。だったら望み通りにしてあげるわ。それにアリシアを探すためには活動資金やこの世界に詳しい者の協力も必須だし、探し当てても私が動けないんじゃ元も子もないし・・・)」
ブリジット「・・・・・・」
プレシア「(そういう訳だから、せいぜいあなた達を利用させてもらうわよ)」
ブリジット「分かりました。そう伝えておきます」
プレシアの念話が切れて、ブリジットは今の会話を苺鈴とテレサに話し、苺鈴も「言ってくれるわね」とせいぜい利用されてやろうと思っていた訳だが、子供達に魔法を教えているプレシアの様子を見ながらこんな風にも思っていた
苺鈴 (でも・・・それだけが理由なら、そんな眼をするのかしらね?)
どうにもプレシアのアリシア捜索の延期の理由はそれだけではないような気がして、本当にそれだけが理由なら本当に赤の他人であるあの子供達にそんな風に接しているとは思えなかった・・・
恐らく・・・それはプレシア本人も気付いていない心境の変化だったのかもしれない・・・・・・
更に数日後、今日は苺鈴一人で巡回していたようだった。みらいは今日は非番でリコは今日は隊舎で仕事があるようだ・・・・・・
苺鈴 「・・・ん?・・・」
メディアードのどこかの人気がほとんどなさそうな路地・・・治安が悪そうな地域という訳ではなさそうだが人通りが昼間だというのになかった・・・そこにちらっと後姿だけだが全身黒ずくめの者達が数名見えて建物に最後の一人が入っていったところに丁度苺鈴が通りかかったのだ。
ほとんど見えなかったが、何かが見えたから気になり建物の入り口のそばに体を寄せてゆっくりと建物の中をうかがおうと体を動かすと、苺鈴の肩に何者かの手が置かれた
苺鈴 「・・・・・・ってなんだ、もぉ~驚かさないで下さい」
ルーア「どうしたんですか?こんなところで・・・」
苺鈴の肩に手を置いたのはルーアであった。手を振り払い一歩跳び引いた苺鈴は構えたが、ルーアだと知って「驚いて損した」と構えを解く。
ルーアの問いに「怪しい黒服達が入って行った」と話し、ルーアもついていくことにした
苺鈴 「危ないですよ?」
ルーア「私も強いんですよ?」
苺鈴 「そうでした」
といってもルーアも得意の獲物、槍の『カリス・ロンギヌス』ではなく護身用の短剣しか装備していないわけではあるが二人は同時に建物に入っていったが、二人の足音がコツン・コツンと響くだけで誰もいなかった・・・物も特に何もない雰囲気で逆に不気味な雰囲気を出していた・・・
ルーア「本当に誰か入っていったんですか?」
苺鈴 「確かに見たと思ったんですけど・・・気のせいだったのかしら?・・・」
二人は軽く見た後、この場を離れルーアはルーアでバイトへ向かい、苺鈴も巡回に戻っていく・・・しかし、二人が完全に建物から離れた頃に画面の下からぬぅ~と苺鈴が見た黒づくめの者によく似た赤い者がその場に現れたのであった・・・・・・
CV・中江 真司「次々と行方をくらます女性達・暗闇に光る赤い眼、この事件の調査に乗り出した苺鈴に迫る赤い影とは・・・
自由の利かない空中から繰り出される技の恐怖とは、危うし苺鈴!!
次回『カードキャプターさくら外伝』「ジュエルシード編」20話『赤い桜は悪魔の使い』にご期待ください」
ブリジット「・・・えっと~・・・今回はどうしちゃったんですかこの予告?といいますかこの声誰ですか?・・・」
苺鈴 「次回の話は昭和の『仮面ライダー』の雰囲気で書いたからですって。今回の話の最後に私が黒服達を見かけたシーンもその雰囲気で書いたそうだし。因みにこの声は昭和ライダーシリーズのナレーションの人。後、またオリキャラとこっちの世界のさくらキャラの設定の紹介も付け加えておくわ。それと少し時間も置いたら『盾』の挿絵も追加される予定よ」
篠本 秋穂・・・こっちの世界の秋穂。母親はメディアード出身なので母親似の設定。自身も好きだが、気に入った女の子にかわいい衣装を着せて見るのも好きというオリジナル設定がついた。
海渡・・・こっちの世界では秋穂とは兄妹として、秋穂の兄になっている。黒髪なので父親を『和の国』出身という設定とした。(うわぁ~安直(あんちょく)・・・)こっちでも色々家事全般が得意で裁縫もお手の物。
ミラー・・・こっちの世界のミラー。外見だけは同じで、どうやら活発な感じの少女らしい。バイト帰りに消息を絶った・・・
なのは・・・こっちの世界のなのはだが、元の世界のなのはより成長している。大体『A'S』のエピローグで登場した中学生なのはぐらいの感じのようだ。
商人・・・ただの武器商人
クディス・・・この小説オリジナルキャラ。名前の由来は『クピディタース』「ラテン語で欲望・欲求」を縮めて『クディス』。『メディアード』の貴族のようで、親はいい人格者らしいが、息子である彼は権力を振りかざす乱暴者で、どうやら黒い噂が絶えないらしい・・・