そしてここで一度『アースラ』に戻ります。
苺鈴 「とまぁメディアードではそんな感じだったわね?」
さくら「ほぇ~そんな事があったんだ?」
華凛 「あの赤いニンジャと渡り合うとは、大した者だ」
知世 「それにしても世間というのは本当に狭いものなんですのね?苺鈴ちゃんの中学のご友人やなのはちゃんまでもがいらっしゃったなんて?」
苺鈴 「ほんとそれ!!しかも寺田先生と佐々木さんが付き合ってるってのがまたびっくりよ!?」
プリーシア「しかし、ハヤウェイと旅をしているというその『ルーア』とかいう者は一体何なのだ?というか、ハヤウェイ!!何故お前という奴は他の女とぉぉ~!!」
ハヤウェイ「へっ!?そんな事言われても!?それ『僕』のせいじゃないと思うんだけど!?」
プリーシア「この浮気者ー!!」
ハヤウェイ「ええぇぇっ~!?」
苺鈴 (ほんと世界が変わると細かいところまで違うのねぇ?こっちだとハヤウェイさんは『僕』なんだ?)
どういう訳かというと、ルーアと旅をしている方は一人称は『俺』・今プリーシアに問い詰められているハヤウェイは『僕』が一人称でこんな微妙な違いもあるんだと再び再認識していた。正直大抵の者であればどうでもいい違いではあるが・・・
知世 「それにしても『仮面ライダー真』ですか・・・確かにあの作品は初見の方ですと厳しい作品かもしれませんねぇ?」
さくら「あれ?知世ちゃん『仮面ライダー』って見たっけ?」
知世 「前に苺鈴ちゃんが「真は悲しい愛の物語で泣けた」と言っていたので少し興味が出て試しに見たんですけど、確かに泣けましたし、未完の作品だからこそ先の事を色々考えさせられる作品ではありましたね?」
さくら「へぇ~私も今度見てみようかな?」
知世 「さくらちゃんは止めておいた方がよろしいかと?」
さくら「なんで?」
知世 「あれは大人向けと言いますか、従来の仮面ライダーに慣れた人向けと言いますか・・・」
さくら「ほぇ?」
リッテ「それで、ヴィントラントで私に会って何とかこの世界に戻ってきた訳ですか?」
苺鈴 「ところが、そうでもなかったんですよ。ここから先がまた大変で・・・」
フェル「何々?何があった訳?」
苺鈴 「それが会えなかったんですよリッテさんに・・・」
リッテ・フェル「へっ?」
苺鈴 「うわあぁぁっ~!!」
時は遡りメディアードを出発して早数日。徒歩だったためやっぱり時間は掛かったがついにヴィントラント王国へと到着した苺鈴・ブリジット・ハヤウェイ・ルーアそしてプレシアの5人。苺鈴はヴィントラント王国の景色を見て感激の声を漏らしていた
苺鈴 「きれいな所ですね!?風車もいっぱい!!」
ハヤウェイ「すごいでしょ?ヴィントラントが『風の国』って言われるのは風車がたくさん建って、風車を回し続ける事が由縁(ゆえん)の一つなんだ」
苺鈴 「なるほどねぇ~はぁぁ~・・・よそ風が気持ちいいし、なんか空気もおいしい!!」
ブリジット「ですよねぇ~私も初めて来た時にはそれ思いましたもん。海鳴市もそれなりに空気が良いですけど、ここに比べますと・・・」
この世界には自動車や他にも排出ガスの類(たぐい)なんてほとんど無いうえに自然も比べ物にならないほど豊かなので当然空気は現代の地球に比べたら『月と鼈(すっぽん)』
ぐらいの差があるであろう・・・そして、苺鈴も口に出すほど風車も多く、この風車の力も利用することで市民の生活が成り立っているといっても過言ではないだろう。因みにヴィントラント王国は年中『四季』で表すと春の気候で、風も強すぎず・弱すぎずの丁度いい風も多く吹くので過ごしやすい。
まるで旅行にでも来た観光客のようにきれいな景色に年相応にはしゃぐ苺鈴を見てプレシアを除く3人は微笑ましく思っていた
ハヤウェイ「はしゃいでるね?苺鈴」
ブリジット「えぇ。色々あったせいで忘れそうですけどあの人まだ13歳の子供だそうですから」
ルーア「そうなんですか?」
ブリジット「元の世界での来年の3月で14になるそうですよ?あれが本来の苺鈴さんの姿なのかもしれませんね・・・」
前に『メディアード』で苺鈴と雑談を話していた時に苺鈴の歳を何気なく聞いていた。苺鈴とブリジットのこれまでは正直『戦い』や『目的』のために行動するのどちらかが主な絡みでしかも短くも濃厚な時間であった・・・こんな風に平和なひと時の姿を見る方が割と新鮮で、はしゃぐ苺鈴の姿を見てふと前に聞いた『歳』の話を思い出し「自分と互角で背中を預けた仲間」であっても苺鈴よりも年下のフェイトやなのはよりは上でもブリジットよりはまだ『子供』である事を再認識させる光景であった・・・
プレシア「どうでもいいけど、早くしてくれない?私は早くあなた達の言う『リッテ』って人に会いたいのだけれど?」
プレシアの言葉に我に返った苺鈴も「そうね」とハヤウェイとルーアに『ローゼンベルグ騎士養成学校』への道案内を頼み、『リッテ』がいると思われる学校に向けて再び足を運ぶのであった
男性 「いやはや、困ったものだ」
女性 「どうしたものでしょうか・・・」
ここは苺鈴達の目的地『ローゼンベルグ騎士養成学校』の校長室。今現在二人の人物が頭を悩ませていた・・・男性は『キザーロフ・フォン・ローゼンベルグ』女性は『時の庭園』にも現れた『プリーシア』であり、二人はとある問題に直面しており頭を悩ませていた・・・
そんな中ドアをノックする音が聞こえキザーロフが「入りたまえ」と入室を許可すると、ハヤウェイを先頭にルーア・苺鈴・ブリジットそしてプレシアが入室する
プリーシア「ハヤウェイ!?ルーアも!?」
キザーロフ「ほぉ?これはまた懐かしい客人だな?」
ハヤウェイ「久しぶりプリーシア。侯爵様もお久しぶりです」
ルーア「ご無沙汰しています」
プリーシア「後ろの者達は誰だ?」
プリーシアの言う後ろの者達こと苺鈴達も自己紹介を簡単に済ませ、プリーシアの反応からやはり『このプリーシア』も苺鈴・ブリジットと面識は無い事がうかがえ、3人は別の世界からやってきた事はハヤウェイとルーアの口から説明された。更に言うとメディアードでの出来事や色んな情報を求めてリッテを尋ねに来た事も込みで
キザーロフ「ふむ・・・別の世界とはな・・・」
プリーシア「にわかには信じがたいが、ハヤウェイとルーアがそんな突拍子(とっぴょうし)も無い嘘をつくとも思えん」
ブリジット「ですが本当なんです。信じてください!!」
プリーシア「とは言うがなぁ~・・・」
キザーロフ「まぁ苺鈴君が見せてくれたこの『すまふぉ』とやらは全く見た事のない技術を用(もち)いり、プレシア殿が軽く見せてくれた魔法は我々の知る物とは異なるようだ。これほどの物を見せられれば信じざるえまい」
苺鈴 「という訳で、私達は元の世界に帰るために色々な事に精通していると聞いた『リッテ・ラートゥス』さんを訪ねて来たんですけど・・・」
キザーロフ「ふむ。それは参(まい)った事になった・・・」
ルーア「何かあったんですか?」
キザーロフ「うむ。実は一月ほど前、確か君達二人がヴィントラントを旅立ってほんの数日後であったな?リッテ君は『サブルム共和国』に派遣されている調査団に呼ばれ、そちらの方へと出張してしまったのだ」
ハヤウェイ「俺達が旅立って数日後って事は・・・」
ルーア「苺鈴さんとブリジットさんそれにプレシアさんと出会った頃ぐらいですね?」
苺鈴 「そんなぁ~!?」
ブリジット「知ってたらそのままサブルムに行く準備で進めていればよかったです、はいぃぃ~!!」
プレシア「無駄骨だったわね」
苺鈴 「はっ!?という事は、ここから『サブルム帝国』に行くための路銀を稼がないとって事ですよね?」
ブリジット「そうなりそうですね、はい。しかもここからサブルムまでとなりますと路銀はハッキリ言って足りませんし、それだけではなく砂漠を超える必要もありますのでかな
りきつい旅になりますです、はい・・・」
苺鈴 「えぇっ~!?そんなのどうすりゃいいってのよぉ~もぉ~!!がくっ!!」
ブリジット「ところで校長じゃなかった侯爵様。サブルムの名前変わったんですか?」
キザーロフ「うむ。サブルム帝国は戦争が終わった後、『反ゲロート派』の組織の一つから新しい指導者が名乗りを上げてな。ゲロートとの決戦の時にも『ザンクトクロイツ(十字聖軍)』に力添えをしてくれていた事もあってその後のサブルムの統治を任されている。そこからサブルムは『サブルム共和国』と国名を変えたのだ」
ブリジット「へぇ~」
キザーロフ「ところでハヤウェイ君・ルーア君・苺鈴君・ブリジット君それにプレシア殿一つ提案があるのだが」
プレシアも、呼ばれたので「小なり」だが内容が気になり耳を傾けると、5人に「『ローゼンベルグ騎士養成学校』で臨時講師を務めてほしい」という事であった。実を言うと今教員が不足していて折角入学してくれた未来ある生徒達に碌(ろく)に授業を受けさせる事が出来なくなってきそうなのであった。理由はまだまだ戦争で損壊(そんかい)した様々なものの処理のために人手が取られ、『何かに特化した人材』が不足しており居ても教える人材が少ないため手が回らないのだ。『メディアード』での苺鈴達の活躍や魔法を使える上にリッテのように技術者のような一面も持ち合わせているプレシアの事も聞いたためハヤウェイとルーアを含めた5人にその依頼をしてきたのだ。
苺鈴 「でも私が『先生』だなんて・・・」
キザーロフ「そう気負う事は無い。期限は一週間ほどで、君は得意の拳法を護身術という形で簡単に教える程度で構わない」
苺鈴 「そんな程度でいいんですか?」
キザーロフ「今は戦争も終わり、時代は大きく変わり始めている。剣を振るう者も減っていくであろう・・・しかし、身を守る術(すべ)ぐらいは得(え)とくしておいて損などあろうかいや、無い!!反語・・・」
苺鈴 「はっ反語?・・・」
プレシア「何なの今の?」
ルーア「校長ぁっ違った、侯爵様の口癖なんです」
キザーロフの突然の意味不明の語尾を聞き、復唱する苺鈴と小声で「何?」とつぶやくプレシア。詳しい事を小声でルーアはプレシアに話し、そのままキザーロフとの話を続ける。
ハヤウェイ「でもどうして一週間だけなんですか?」
キザーロフ「うむ。今各人脈に連絡を取り臨時講師を数名派遣されてくる予定ではあるのだが到着にはまだ時間がかかるそうでな。それが大体一週間以内という話でな。尤(もっと)も、一人は予定通りに目的地にたどり着けるかはかなりの問題であるがな・・・」
ハヤウェイ「侯爵様。それってもしかして・・・」
キザーロフ「今君が思い浮かんでいる人物で合っている」
プリーシア「・・・華凛教官だ」
ルーア「あぁ・・・やっぱり・・・」
ブリジット「あの皆さん。何で華凛教官が問題なんですか?」
プリーシア「何でって、華凛教官の事を知っていれば愚問であろう?」
ブリジット「はい?」
ハヤウェイ「あの人、とんでもない方向音痴だから、俺が色々あって2週間も入学が遅れた記録よりも長い一月遅れの到着だったからなぁ~」
ブリジット「えぇっ!?こっちの華凛教官そんなに方向音痴なんですか!?」
ハヤウェイ「へっ?ブリジットの世界の教官は違うの!?」
ブリジット「はい!!ちゃんと入学式の時もいましたし、道に迷って遅れたなんて話聞いた事もないです、はい!!」
プリーシア「その話が本当ならこっちの教官と交換してほしいぐらいだな?」
苺鈴 「世界が違うとそんな細かい所まで違ったりするのね?」
キザーロフ「それはともかくとして、他にも理由はある。サブルム行きの物資の輸送隊がヴィントラントから出発するが丁度一週間後でな。ここでの仕事の賃金を輸送隊に便乗するという事で働いてもらう事にしたいと思ってな。普通に馬車を使うよりもかなり破格の取引だと思うがどうかね?・・・」
確かに破格の取引ではあるだろう。普通に馬車を使うとなれば自身で所有しているのであればまだ安く済むが、どちらにせよそんな余裕もないし、あまり時間を掛けたくないのも本音だ。
たった一週間働けば馬車代が丸々浮く上にヴィントラント王国からサブルム共和国までは馬車を使っても1月は軽くかかるであろう程の距離はある。しかも輸送隊でも『衣』はともかく『食』・『住』は旅の間保証されているようなものである。余裕は無いであろうが・・・しかも勝手に連れて行ってくれるようなものなので道を調べる必要もなくなったのだ。まぁブリジットが知っている訳だが、輸送隊についていくのがリッテと会うのにもより確実であろう。という訳で二つ返事で仕事を受ける事にした苺鈴達であった。無論プレシアは乗り気では無かったが・・・
キザーロフ「詳しい事が決まったら追って連絡を入れる。一先ずルーア君早速ですまないが彼女達を女子寮に案内してやってくれ。今そこで仕事をしているはずの『彼女』に一声を掛ければすぐに話は通るであろう。ハヤウェイ君にも男子寮の職員用の部屋をすぐに手配しよう」
ルーア「分かりました」
そう言われてハヤウェイ達は校長室を後にしてドアが閉まり切るのを待つとキザーロフは「ふぅ」と一息吐きこれからの仕事の事を考え始めていた
プリーシア「良かったのですか?『お父様』」
キザーロフ「何がかね?」
プリーシア「『別の世界』という話です。『あの方』が何故そんな話をするのか・・・」
キザーロフ「仮にあの者が世迷言(よまいごと)を言っているのだとしても、今更『顔見知り』の我々にそんな嘘のような話をして何になるというのだね?」
プリーシア「それはそうですが・・・」
キザーロフ「それに『彼女』が本当にこの地に来ているのだとしたらサブルムの方から何かしら連絡の一つも来ていてもおかしくなかろう?『彼女』が今我々に対して素性(すじょう)
を隠す理由が見当たらんし、第一あんな活発な雰囲気の少女であったかね?」
プリーシア「確かに・・・では苺鈴の言っていた話は・・・」
キザーロフ「真(まこと)の事っと取るべきであろうな?」
苺鈴 「またここで足を止める事になるとはねぇ~」
ブリジット「通信機が使えればよかったんですけど、ゲームの世界の『PRISM ARK』には無いですからぇ・・・」
苺鈴 「そうなんだ?」
ブリジット「アニメ版ですとマイクとか記録映像プリズム、現実の世界でいうビデオですね?それらがあるんですよ」
苺鈴 「へぇ~」
ブリジット「次回ジュエルシード編第24話「騎士達の学園(はなぞの)中編」輝け心のプリズム!!」