カードキャプターさくら『苺鈴外伝』   作:狼と踊る男

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3話「本気の誓い」

 

 

苺鈴 「・・・・・・」

 

なのは「すぅ~・・・すぅ~・・・」

 

ユーノ「なのは、良く寝てますね。」

 

苺鈴 「そうね・・・・・・」

 

時刻は深夜。三人は「ジュエルシード」回収から帰るところだった。なのはは疲れたのか、苺鈴におんぶされて、眠っていた。二人にはなのはに相当疲労が溜まっていることが見て取れた。

 

苺鈴 (小狼や木之元さんも「タイム」のカードを使った後は相当疲れるようだけど、この子の場合だと、使いなれない力に振り回されているのかもしれないわね・・・これから先、多分もっと厄介な事が起こるかもしれないけど、この子は大丈夫なのかしら・・・・・・)

 

苺鈴は、かつて、「カードキャプター」の称号を持っていた女の子「木之元 さくら」と一緒に「クロウ・カード」と呼ばれるカードの回収を手伝っていたが、その彼女でも、今のなのはよりも一つ上の年齢でカード絡みの事件に向かって行っていた。あの時の彼女よりも一つ下の恐らく、今まで見てきた感じ「クロウ・カード」事件よりも厄介な事件に首を突っ込み、尚且(なおか)つ「クロウ・カード」を使っていた頃のさくらと違い、「誰かの残した魔力」の補助も無かったなのはでは、短期間で疲労が溜まるのも無理が無かった。それで本当にこの先、やっていけるのかという不安を抱えながらも、高町家への帰路についていた。

 

 

 

 

 

その翌日、今日は学校もお休み。お店も忙しいはずなんだけど、今日は午前中は臨時休業です。その訳はと言うと・・・・・・

 

少年A「炒飯おかわりお願いしまーす!!」

 

少年B「俺は、焼売(シュウマイ)おかわり!!」

 

苺鈴 「はいはい、今、用意しますよ~!!」

 

士郎 「いや~苺鈴ちゃんの料理、今回も大盛況だな。皆、いい食べっぷりだ。」

 

桃子 「本当ね~前の戦勝祝いの時に、あの子にも手伝ってもらったのは正解だったわね。」

 

「高町 士郎」は、町内の子供達でサッカーチームを作っており、その監督をしていた。今日は練習試合があり、士郎のチーム「翠屋JFC」が勝利して、喫茶翠屋で祝勝会を兼ねた昼食会をしていた。以前の祝勝会でも同じように翠屋で行っていたが、その時苺鈴も中華料理を作り、振る舞ったところすごく好評であり、チームがこうして食事に来るときは苺鈴もこうして手伝いに呼ばれるのであった。

それを、テラス席から見ていたのはなのはとユーノ、そしてなのはの友人「アリサ」と「すずか」である。

 

アリサ「う~~ん!!この杏仁豆腐おいしぃぃ~~!!」

 

すずか「うん!!これも苺鈴さんが作ったんだよね?」

 

なのは「うん。チームの皆の分作る時に私達の分も一緒に作っておいてくれたんだって。」

 

すずか「苺鈴さんって、本当にお料理上手なんだね。」

 

アリサ「気も利くし、勉強も出来るし、スポーツも得意だし、強いし、それに優しい!!あ~あ、私にもあんなお姉ちゃんがいたらなぁ~って言うか、もし苺鈴さんが男性だったら間違いなく惚れてたわ。」

 

すずか「前に怖いお兄さん達に絡まれた時に助けてもらってから、すっかりファンになっちゃったんだねアリサちゃん。」

 

なのは「だね。」

 

アリサ「だってさぁ、もうカッコよかったじゃない!!ガラの悪い男達をちぎっては投げ、ちぎっては投げってさぁ!!」

 

そんな会話があり、しばらくすると、祝勝会も終わり、士郎がチームを解散させると、なのは達も解散になった。士郎は一度なのはと一緒に家に帰る事にし、苺鈴はこのまま翠屋を手伝うため残った。しかし、なのははこの時、本当は気付いていた。マネージャーと思われる女の子と一緒に帰った男の子が「ジュエルシード」によく似た石をポケットに入れるところを見ていた事を・・・・・・

 

 

 

 

 

なのはと士郎が自宅に戻り、桃子が店をオープンさせて、しばらく経った頃、店に一人の女性客が来店してくる。

 

苺鈴 「あっいらっしゃいませ!!」

 

女性客が来店してきたの見ると、ショーケースの後ろに立ち、どのケーキにするのかを訪ねると、しばらく悩んだ末に、苺のショートケーキとチョコケーキと苺のタルトを注文して、会計を済ませた客は店を後にした。

 

苺鈴 「・・・・・・」(今のお客さん・・・服の上からでもわかる・・・すごく、大きいかった・・・・・・)

 

女性客「へっくしょん!!」

 

苺鈴は心の中で思っていた。服の上からでもわかるほど彼女の胸がすごく大きく、同性の自分でも魅入ってしまうほどだった。店を出た少し後、その本人はお約束なのか、くしゃみをしていた。

 

女性客「・・・誰か噂でもしているんでしょうか?・・・まぁそれよりも、ここのケーキ、すごく評判いいらしいですからフェイトさんとアルフさん気に入ってくれるといいんですけど・・・とにかく、早く帰りませんとです、はい!!」

 

後(のち)に苺鈴は思った。この時の出会いが、なのはと金髪少女だけではなく、自分と彼女の運命の出会いだったのかもしれないと・・・・・・

 

 

 

 

 

なのはが自宅で仮眠を取っていると、事件は起こった。「ジュエルシード」が発動したのだ。しかも人間が発動されてしまったのだ。なのはは急いで身支度を整えて、外に出る。走り続けながら街の様子を見ると、悲惨な状態であった。どこかのビルの屋上に辿り着き、高い位置から町を見渡してみると、より悲惨な状態なのが分かった。

 

なのは「酷い・・・・・・」

 

ユーノ「多分・・・人間が発動させたんだよ。「ジュエルシード」が一番力を発揮する時と言えば、強い思いが込められた時だろうから。」

 

ユーノの言葉を聞いたなのはは思い出した。さっき、見間違いだろうと思い込んでいた青い石、それはやはりジュエルシードであることを・・・・・・

 

なのは「・・・・・・」

 

ユーノ「・・・・・・」

 

苺鈴 「なのは・ユーノ!!」

 

ユーノ「苺鈴さん!!」

 

なのは「苺鈴ちゃん・・・・・・」

 

苺鈴 「よかった。二人とも無事で・・・ユーノ、これってやっぱり・・・・・・」

 

ユーノ「はい。ジュエルシードが発動したみたいです。それも、今回は人間が・・・・・・」

 

苺鈴は改めて周りを見渡した。今回の被害の規模は今までのジュエルシード事件のどれよりも酷い物であった。

 

苺鈴 「人間が発動させただけで、ここまで被害が出るなんて・・・・・・」

 

なのは「苺鈴ちゃん!!」

 

なのはは苺鈴の姿を見ると、いきなり抱き付いた。手加減なんてしていない。そんなこと考えてられないと言わんばかりに苺鈴に抱き付いた。

 

苺鈴 「なのは!?」

 

苺鈴にとってはなのは位の力で力一杯締め付けられても、全く痛くは無い事もないが、ちょっと強く締め付けている位でしか感じなかった。苺鈴はなのはの顔を覗き込むと、涙を流し続けるなのはの顔があった。明らかにいつものなのはからは考えられない顔だった。声もすっかり涙声でもあった。

 

なのは「私、気付いてたの!!本当は気付いてたの!!」

 

ユーノ「なのは?」

 

苺鈴 「気付いてたって、何をよ?」

 

なのは「あの子が、「ジュエルシード」を持っていたのに本当は気付いてたの!!」

 

ユーノ「えっ!?」

 

苺鈴 「何ですって・・・・・・」

 

なのは「こんなことになる前に止められてたはずなのに!!・・・私・・・私!!」

 

「バシンッ!!」ほんの一瞬、その音と、三人の時を止めた静寂がその場を支配した。

なのはは赤くなった左頬を左手で押さえて、苺鈴は右手を左肩よりも上に上げていて、ユーノはそれをただじっと見ているしかできなかった。苺鈴が、なのはの左頬を引っぱたいたのであった。あまりに唐突で、予想もしない出来事であったため、苺鈴を除くこの場にいた者すべてが、時を一瞬だけ、止めて閉まったのであった。

 

なのは「・・・苺鈴ちゃん・・・・・・」

 

苺鈴 「・・・少しは、落ち着いた?」

 

なのは「あっ・・・・・・」

 

言われてみれば、いつの間にか、体の震えも涙も止まっていた。そして、苺鈴はなのはを優しく抱きしめ、右手でなのはの後ろ頭を撫でながらなのはの不安を取り除いていく。

 

なのは「苺鈴ちゃん・・・・・・」

 

苺鈴 「なのは。あなたはまだ9歳の子供なのよ。だからあなたがそんなに思い詰める必要なんてない!!」

 

なのは「でも・・・でも・・・・・・」

 

苺鈴 「確かに、あなたに責任が全く無いなんて事は勿論無い。でも、あなたに責任が全部あるなんて事も無い!!」

 

ユーノ「・・・・・・」

 

苺鈴 「なのは。後悔をするなとは言わないわ。けれど、するなら後にしなさい!!あなたには、まだやる事があるでしょ?」

 

なのはは振り返り、町に広がっている大木を見ると、何かを決意したかのような目をして、苺鈴から離れ、前に一歩二歩進むと、レイジングハートを起動させて、バリアジャケットも装備する。

 

なのは「ユーノ君。こういう時はどうすればいいの?・・・・・・」

 

ユーノ「えっ?ああっうん。この場合だと、まず元となっている部分を見つけないと、でないと封印出来ない。でも、これだけ広い範囲だと、何処に元の部分があるのか・・・」

 

なのは「元を見つければいいんだね。」

 

ユーノ「えっ?」

 

レイジングハート「エリアサーチ」

 

なのはが大木に向けてレイジングハートを向けると、なのはの足下に魔法陣が浮かび、この災厄の根源を探す魔法を展開する。それは、光の玉のような物が、辺り一面に広がり、木々の隙間もくまなく入り込んでいき、一つ一つの玉の周りの景色をなのはの頭の中に直接、映像として送り込まれていく。その中の一つに、やっとの思いで、取り込まれた二人の少年・少女の姿を捉えた。

 

なのは「見つけた!!」

 

ユーノ「ホント!?」

 

苺鈴 「良し。でかしたわなのは!!」

 

ユーノ「場所は?」

 

なのは「あそこ!!」

 

なのはの指さす方を見ると、ここからかなりの距離があった。

 

なのは「すぐに封印する!!」

 

ユーノ「ここからじゃ無理だよ!!もっと近づかないと!!」

 

なのは「出来るよ!!」

 

ユーノ「無茶だって!!」

 

苺鈴 「やりなさいなのは。思いっきりね。」

 

ユーノ「苺鈴さん?」

 

なのは「えっ?いいの?・・・・・・」

 

苺鈴 「何で聞き返すのよ?あなたが出来るって言ったんじゃない。・・・思いっきりやってごらんなさい。あなたが出来ると思うんなら、きっと、出来るわ。」

 

なのは「うん。ありがとう苺鈴ちゃん!!・・・出来るよね、レイジングハート?」

 

レイジングハート「シーリングモード・・・セットアップ」

 

レイジングハートの姿が変わると、砲身にピンク色の翼が現れて、なのはが「行って!!捕まえて来て!!」と叫ぶと、砲身の先に魔力の塊が集まって行き、それが溜まりきると、光の砲撃となり、二人と、ジュエルシードを捉える。

 

なのは「リリカル・マジカル・・・ジュエルシード・シリアル・10・・・封印!!」

 

再び、なのはは長距離砲撃を放つ。それがジュエルシードを包んだとき、光が辺りを包み込み、大木は消え、ジュエルシードは、レイジングハートに吸収された。

そして、レイジングハートの砲身の翼の生えている穴から、煙が勢いよく吹き出し、なのはがレイジングハートにお礼を言うと、レイジングハートも赤い球に戻り、なのはの手に収まった。

 

なのは「・・・・・・」

 

ユーノ(僕にも使えない遠距離魔法・・・この子、どれだけ魔法の素質があるんだろう?)

 

なのは「色んな人に、迷惑かけちゃったね・・・・・・」

 

ユーノ「えっ?・・・なっ何言ってるのさぁ!?なのははちゃんとやってるって!!それに元はといえば、僕が原因なんだし、なのはと苺鈴さんはそれを手伝ってくれてるだけなんだから・・・・・・」

 

なのは「・・・・・・」

 

ユーノ「な・・・・・・」

 

苺鈴 「・・・・・・」

 

ユーノ「苺鈴さん・・・・・・」

 

ユーノが再びなのはに話しかけようとしたが、それを苺鈴がユーノの前に左手を置き、首を振って遮った。

 

苺鈴 「ユーノ、例えあなたが言うように、私達は手伝っているだけだとしても、この事件について、無関係では無いわ。決してね・・・・・・」

 

ユーノ「苺鈴さん・・・・・・」

 

苺鈴 「なのは。よく見ておきなさい。私達が関わっているモノのは、下手をすればこんな光景を見なくちゃいけないって事になるのをね。」

 

なのははただ黙って、苺鈴の見ている光景を見ている。地面のえぐれたアスファルトに傷ついた建物、怪我をした人々・・・それらの光景は、この三人には、決して忘れられない深い心の傷になったであろう。

しばらくして、帰路に着いていた三人が見たのは、「ジュエルシード」を発動させてしまったと思われる二人が、男の子が怪我をして、女の子の方が肩を貸して、歩いていた処であった。

少年の方は、少女を見て笑顔を浮かべていたが、今のなのはにとっては喜ばしいモノでは無かった。

 

なのは「ユーノ君・苺鈴ちゃん・・・・・・」

 

苺鈴 「ん?何?」

 

ユーノ「なのは?」

 

なのは「自分のせいで、誰かに迷惑が掛かっちゃうのは、すごく辛い・・・そう思ったから私は、ユーノ君のお手伝いをしようと思ったの。」

 

ユーノ「うん。」

 

苺鈴 「・・・・・・」

 

なのは「自分なりの精一杯じゃなく、本当の全力で・・・ユーノ君のお手伝いではなく、自分の意志で、ジュエルシード集めをしようと思う。」

 

ユーノ「うん。」

 

苺鈴 「・・・それで?」

 

なのは「うん。・・・もうこんな事、絶対起こさせないようにするために、私に力を貸してほしい!!」

 

苺鈴 「・・・(この間の夜の時よりも、いい顔になったわね・・・)あなたがそうまで言うなら、私も全力で集めるのに力を貸すわ。」

 

ユーノ「僕も、全力でサポートするよ。」

 

なのは「うん!!改めてこれからよろしくね、ユーノ君・苺鈴ちゃん!!」

 

二人もなのはと新たに誓いを立て、なのはにとってはもうジュエルシード集めは「お手伝い」ではなく、「自分のしたい事」になった瞬間であった。

 

 

 

 




アリサ「今回の一件で「お手伝い」から「やりたい事」へと変わりジュエルシード集めを張り切るようになったなのは」

すずか「その息抜きに、私の家で遊んでいたなのはちゃんと苺鈴さんの前に、遂にあの子が姿を現す・・・」

アリサ「次回、『カードキャプターさくら外伝「ジュエルシード編」』第4話」

すずか「『二人目の少女』」

アリサ「リリカル・マジカル、負けたら承知しないんだからねなのは!!」

すずか「・・・ふぅっ~終わったねアリサちゃん。」

みらい「お疲れ様アリサちゃん・すずかちゃん。」

リコ 「はいお水」

すずか「ありがとうございます。」

リコ 「それにしても、作者もなんか今回の話のなのはへの扱いちょっと無理やりじゃなかった?」

アリサ「あぁ、苺鈴さんがなのはをビンタして落ち着かせた所ですよね?あれはちょっと無理やりでしたよね?」

リコ 「現実だったらあんなふうに上手く事は進みはしないわよね~」
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